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西洋古典叢書

 西洋古典叢書もかなりの分量になってきましたね.2018年には故岡道男先生訳に続くアポロニオス・ロディオスの新訳が登場するようで,本当に楽しみです.だれかカッリマコスをやってくれるともっといいのですけど.

 西洋古典叢書<http://www.kyoto-up.or.jp/jp/seiyokoten5.html



【2018/03/09 03:35】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー『カエリウス弁護』13



(13) quis clāriōribus virīs quōdam tempore iūcundior, quis turpiōribus coniunctior? quis cīvis meliōrum partium aliquandō, quis taetrior hostis huic cīvitātī? quis in voluptātibus inquinātior, quis in labōribus patientior? quis in rapācitāte avārior, quis in largitiōne effūsior? illa vērō, iūdicēs, in illō homine admīrābilia fuērunt, comprehendere multōs amīcitiā, tuērī obsequiō, cum omnibus commūnicāre quod habābat, servīre temporibus suōrum omnium pecūniā, grātiā, labōre corporis, scelere etiam, sī opus esset, et audāciā, versāre suam nātūram et regere ad tempus atque hūc et illūc torquēre ac flectere, cum tristibus sevērē, cum remissīs iūcundē, cum senibus graviter, cum iuventūte comiter, cum facinerōsīs audāciter, cum libīdinōsīs luxuriōsē vīvere.

(13) ある時には高名な人物たちに彼以上に好意的に受け止められていながら,非常に下劣な人物らと彼以上に親密であった者など,誰がいたでしょうか.どの市民が,ある時にはより良識的な派閥に属していながら,彼以上にこの国家に対してより忌まわしい敵であったでしょうか.さまざまな快楽の中で彼よりも汚れていながら,労苦の中では彼より忍耐強かった者が誰かいたでしょうか.略奪の際に彼より貪欲で,大盤振る舞いの際には彼より気前良かった者が誰かいたでしょうか.実に,以下に挙げることごとは,裁判官諸君,この人物においては目覚ましいものであったのです.すなわち,多くの人々を友情で取り込み,追従によりつなぎとめ,彼の所有物を皆と共有し,身近な全ての者らの急場には金銭・恩恵・肉体労働・必要なら悪事と大胆さをもって援助し,自分の性質を時に応じて変え,都合に応じて舵取りし,そうしてあっちこっちにとくるくる回しては捻じ曲げ,厳しい人々に対しては厳格に,ゆるい人々に対しては愛想よく,老人らに対しては重々しく,若者らに対しては気さくに,犯罪者共に対しては向こう見ずに,奢侈な者らに対しては贅沢に生きる,といったことごとがです.


【2018/03/09 03:15】 Cicero Pro Caelio | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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リハビリ中

 ラテン語のリハビリはそれなりに続いています.とりあえず少し思い出してきたところです.ギリシア語の方はちょっと大変そうですね.こっちはそれこそ自分を教え直すためのギリシア語文法のまとめでも作ろうかと思っているところです.というか,よく考えればもともとギリシア語はダメだったですね.いや,そういえばラテン語もですね……


【2018/03/08 00:01】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー『カエリウス弁護』12



(12) at studuit Catilīnae, cum iam aliquot annōs esset in forō, Caelius. et multī hoc idem ex omnī ōrdine atque ex omnī aetāte fēcērunt. habuit enim ille, sīcutī meminisse vōs arbitror, permulta maximārum nōn expressa signa sed adumbrāta virtūtum. ūtēbātur hominibus improbīs multīs; et quidem optimīs sē virīs dēditum esse simulābat. erant apud illum inlecebrae libīdinum multae; erant etiam industriae quīdam stimulī ac labōris. flagrābant vitia libīdinis apud illum; vigēbant etiam studia reī mīlitāris. neque ego umquam fuisse tāle mōnstrum in terrīs ūllum putō, tam ex contrāriīs dīversīsque atque inter sē pugnantibus nātūrae studiīs cupīditātibusque cōnflātum.

(12) 確かに,彼はカティリーナに入れあげたのですが,それは,既に何年か公事にカエリウス君が携わった後のことです.また,あらゆる階級の,そうしてあらゆる年代の多くの人々が,これと同じことをしたのです.というのも,かの人物は,あなた方も覚えておいでと私は思いますが,極めて多くの,明白ではないが,それらしく見える最大の美徳の徴候を持ちあわせていたのです.彼は多くの不正な輩と親交がありました.一方で,最良の人々に献身的なふりをしておりました.彼には劣情へ誘うものが多くありました.一方で,勤勉と労苦に向けて刺激するものもなにがしかあったのです.彼には,劣情の悪徳が燃え盛っておりました.一方で軍事への熱意もまた盛んだったのです.決して一度たりともこのような化け物は一人でも地上にいたことがあったとは思えません.これほどに相反しかつ多様性に富み,違いに矛盾する生来の熱意と欲望が混ざり合った,そんな化け物は.


【2018/03/07 23:43】 Cicero Pro Caelio | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー『カエリウス弁護』11



(11) Tot igitur annōs versātus in forō sine suspiciōne, sine īnfāmiā, studuit Catilīnae iterum petentī. quem ergō ad fīnem putās custōdiendam illam aetātem fuisse? nōbīs quidem ōlim annus erat ūnus ad cohibendum bracchium togā cōnstitūtus, et, ut exercitātiōne lūdōque campestrī tunicātī ūterēmur, eademque erat, sī statim merēre stipendia coeperāmus, castrēnsis ratiō ac mīlitāris. quā in aetāte nisī quī sē ipse suā gravitāte et castimōniā et cum disciplīnā domesticā tum etiam nātūrālī quōdam bonō dēdenderet, quōquō modō ā suīs custōdītus esset, tamen īnfāmiam vēram effugere nōn poterat. sed quī prīma illa initia aetātis integra atque inviolāta praestitisset, dē eius fāmā ac pudīcitiā, cum iam sēsē conrōborāvisset ac vir inter virōs esset, nēmō loquēbātur.

(11) したがって,これほど長い年月の間,彼は疑惑もなく,醜聞もなく,公事に携わったのちに,再度志願したカティリーナに入れ込んだのです.それでは,どの期限まで,あなた方は,彼の若年を監視すべきだとお思いでしょうか.我々の場合は実際,かつては一年が,腕をトガで抑えておくため*1,また,トゥニカを纏って肉体訓練と(マールスの)野での教練を用いるため*2,定められており,そして,陣営と軍事の同様のやりかたが,もし我々が直ちに軍人給与を稼ぎ始めた場合には,定められていました*3.その年齢の時に,ある者が自分自身の重みと慎ましさと,家での躾に加え,さらに将来の何らかの善良さによって我が身を守ることなしには,その人物は,いかなりやり方で身近な人々により監督されていても,それでも本当の悪評を逃れることはできなかったでしょう.しかし,その最初の年齢を真っ当に毀損なく保ったような者については,自分がしっかり成熟し一人前の男として人々の中に交わった後も,誰もその名声と貞節について話すことはしなかったものです.


*1 大げさな身振りをせず,トガの中に手を抑えて話すのが慎ましい振る舞いとされた.
*2 ティベル川の東側のマールスの野(campus Mārtius)は軍事教練に使われた.マールスの野はこの地図(<https://legacy.lib.utexas.edu/maps/historical/shepherd_1911/shepherd-c-022-023.jpg>)のティベル川の北の東側にある.
*3 つまり,ローマにとどまって慎ましやかに過ごしつつ軍事教練を受ける若者が一方でおり,他方で,直ちに軍に入って給与を取り始めて,同じように振る舞いを学びつつ軍事教練を受けるものがおり,一年がその期間とされたということが言われているようである.


【2018/03/07 02:36】 Cicero Pro Caelio | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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新燃岳爆発的噴火中

新燃岳の様子のYouTubeのライブですが,現時点で爆発的に噴火している真っ最中です.

  『新燃岳 ライブ配信』<https://youtu.be/wRamEu2wSDQ

現地の方々で避難など必要なかたは,もうされていると思いますが,噴火の様子を見た感じでは相当広い範囲で影響がありそうです.被害が最小限に止まることを祈るばかりですね.


【2018/03/06 23:16】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー『カエリウス弁護』10



(10) nam quod Catilīnae familiiaritās obiecta Caeliō est, longē ab istā suspiciōne abhorrēre dēbet. hoc enim adulēscente scītis cōnsulātum mēcum petīsse Catilīnam. ad quem sī accessit aut sī ā mē discessit umquam—quamquam multī bonī adulēscentēs illī hominī nēquam atque improbō studuērunt—tum exīstimētur Caelius Catilīnae nimium familiāris fuisse. "at enim posteā scīmus et vīdimus esse hunc in illīus etiam amīcīs." quis negat? sed ego illud tempus aetātis, quod ipsum suā sponte īnfirmum, aliōrum autem libīdine īnfestum est, id hoc locō dēfendō. fuit adsiduus mēcum praetōre mē; nōn nōverat Catilīnam; Āfricam tum praetor ille obtinēbat. secūtus est tum annus, causam dē pecūniīs repetundīs Catilīna dīxit. mēcum erat hic; illī nē advocātus quidem vēnit umquam. deinceps fuit annus, quō ego cōnsulātum petīvī; petēbat Catilīna mēcum. numquam ad illum accessit, ā mē numquam recessit.

カティリーナとの親交のことがカエリウス君に対して非難されたことについていえば,彼はあなた方の疑惑からは遥か遠くに離れていなければなりません.というのも,彼が青年の時に,あなた方もご存知の通り,カティリーナは私と共に執政官職に志願したのですが,そのカティリーナに,彼が近づくか,あるいは私から一度でも離れたということが,仮にあったとすれば——多くの善良な青年らがかの下劣で不正な人物に入れあげていたのですが——,そういうことがあれば,カエリウス君がカティリーナにあまりにも密な親交があったと,考えられてもよろしい.「だが実際,のちに彼がその男の友人たちの中にいたことを我々も知っているし,見ているのだ」誰が否定できましょう?しかし,私としては,それ自体も自分の意思では未熟であるが,しかし他人の欲望により危険にもなる,この年端の時点について,この場所で弁護しているのです.私が法務官であった時*1,彼はずっと私と共にいたのです.彼はカティリーナを知りませんでした.かの人物はその時属州総督としてアフリカを持っていたのです.続く年には,カティリーナは財物強奪の告発を受けました.彼は私と共にいました.かの人物のために,決して弁護を買ってでたことはありませんでした.続く年に,私は執政官職を志願しました*2.カティリーナは私と共に志願していました.彼は決してかの人物のところに近づかず,決して私の元を離れませんでした.

*1 前66年,カエリウス16歳.

*2 前64年.


【2018/03/06 00:20】 Cicero Pro Caelio | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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Wilfred Stroh 教授のウェルギリウス『アエネーイス』4巻朗読

 Wilfred Stroh 教授の情熱あふれるウェルギリウス『アエネーイス』4巻朗読,行方不明になっていましたが,YouTubeに発見しました.



 投稿者のOnlineLatinaさんは他にも動画を(多分勝手に)あげてくださっていますが,長短の不正確な朗読もあるので,注意したほうがいいと思います.

 


【2018/03/05 02:47】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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山の学校

 最近,山下先生の山の学校が色々面白そうです.ギリシア語・ラテン語の他にも各国語の授業をやっていて,ホラーティウスやカトッゥルなどに,カッリマコスまでやっているようで.おまけにイタリア語の購読でタブッキの『夢の中の夢』まで読んでいます(ちなみに,この作品には,イタリア語がわからなくても聞ける非常に楽しい音楽付きの朗読CD<Sogni di sogni. Con audiolibro. CD Audio>があって,僕もわからないままで聞いています).
 僕は参加することはできませんが,もし近隣にお住いの方で,ラテン語・ギリシア語や,その他外国語に興味がある方がいらっしゃったら,下手をすると大学の講義を聴講するよりいいかもしれませんね.

  『山の学校』<http://www.kitashirakawa.jp/yama-no-gakko/


【2018/03/05 02:26】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー『カエリウス弁護』9



(9) vērum ad istam omnem ōrātiōnem brevis est dēfēnsiō. nam quoad aetās M. Caelī dare potuit istī suspiciōnī locum, fuit prīmum ipsīus pudōre, deinde etiam patris dīligentiā disciplīnaque mūnīta. quī ut huic togam virīlem dedit—nihil dīcam hōc locō dē mē; tantum sit, quantum vōs exīstimātis—hoc dīcam, hunc ā patre continuō ad mē esse dēductum. nēmō hunc M. Caelium in illō aetātis flōre vīdit nisī aut cum patre aut mēcum aut in M. Crassī castissimā domō cum artibus honestissimīs ērudīrētur.

(9) しかし,君の弁論全体に対する弁護は,手短なものとなります.というのも,マールクス・カエリウス君の年端こそが,君の疑念に余地を与え得ていたのですが,その疑念の範囲内に関していえば,彼は第一に,彼自身の慎みによって,次に,その父親の熱意あふれる教育によってもまた,守られていたのです.彼がこの息子に成人服を与えた時*1に——ここで私めについては何もいいますまい,あなた方のご判断にお任せしましょう——このことだけを言いましょう,彼は直ちに父親によって私のところに連れてこられたのです.父親と一緒にいるか,私と一緒にいるか,マールクス・クラックス*2の汚れなき家にいるかして,最も真正たる教養諸科目を教育されている時以外には,いかなる者も,このマールクス・カエリウス君を,その青春の盛りの時には見なかったのです.

*1 15・16歳の頃,成人用のトガであるトガ・ウィリーリス(toga virīlis)すなわち純白のトガ(toga pūra または toga alba)を与えられる.それまでは紫の縁取りのついたトガ・プラエテクスタ(toga praetexta)を着用する.

*2 もちろん第一次三頭政治(前60年)の一角マールクス・リキニウス(Licinius)・クラッスス(前115年-前53年)のこと.クラッスス自身もカエリウスの弁護に立ってキケローの前に弁論していた.クラッススは富裕ではあったが節度ある生活でも有名であった.



【2018/03/05 01:24】 Cicero Pro Caelio | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー『カエリウス弁護』8



(8) illud tamen tē esse admonitum volō, prīmum, ut, quālis es, tālem tē omnēs esse exīstiment, ut, quantum ā rērum turpitūdine abes, tantum tē ā verbōrum lībertāte sēiungās; deinde, ut ea in alterum nē dīcās, quae, cum tibi falsō respōnsa sint, ērubēscās. quis est enim, cui via ista nōn pateat, quis est, quī huic aetātī atque istī dignitātī nōn possit, quam velit, petulanter, etiam sī sine ūllā suspiciōne at nōn sine argūmentō male dīcere? sed istārum partium culpa est eōrum, quī tē agere voluērunt; laus pudōris tuī, quod ea tē invītum dīcere vidēbāmus, ingenī, quod ōrnātē polītēque dīxistī.

(8) しかしながら,君には次のことを忠告されていただきたい.まず,すべての人々が君をあるがままの姿で評価するようにするため,君が色々な物事の醜悪さから離れている程度,言葉を出任せに話すことから君は離れるように,ということ.次に,君に対しても出鱈目で言われたなら君が赤面してしまうようなことは,他の人にも君は言わないように,ということです.というのも,誰が君のやっているやり方が行えない者があるでしょうか,誰がこの年端と君程度の威厳に対して,思うがままにしつこく,たとえ何の疑いもないのに,しかしちゃんと論拠を立てて悪口をいうことができないでしょうか.しかしながら,君が担った役割の咎は,君がその役を担うことを望んだ人々のそれなのです.我々は君が嫌々それを言っているのを見ているわけだから,君の羞恥心は賞賛に値します.君は見事に洗練された形で語ったのだから,君の才能は賞賛に値します.


【2018/03/01 20:31】 Cicero Pro Caelio | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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バッハ研究者礒山雅先生死去

 日本でのバッハ研究の第一人者礒山雅先生が,先週の2月22日に永眠されていました.昨年末には博士論文『バッハの《ヨハネ受難曲》―その前提、環境、変遷とメッセージ』を完成,ブログ『I招聘教授の談話室』<http://prof-i.asablo.jp/blog/>には,1月26日の投稿記事に,この博士論文の口述試験を行ったことが記されており,この翌日の転倒事故後は意識不明だったとのことで,そのブログ記事が最後の投稿となったようです.ご冥福をお祈りいたします.


【2018/02/28 22:46】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー『カエリウス弁護』7



(7) quam quidem partem accūsātiōnis admīrātus sum et molestē tulī potissimum esse Atratīnō datam. neque enim decēbat neque aetās illa postulābat neque, id, quod animum advertere poterātis, pudor patiēbātur optimī adulēscentis in tālī illum ōrātiōne versārī. vellem aliquis ex vōbīs rōbustiōribus hunc male dīcendī locum suscēpisset; aliquantō līberārius et fortius et magis mōre nostrō refūtārēmus istam male dīcendī licentiam. tēcum, Atratīne, agam lēnius, quod et pudor tuus moderātur ōrātiōnī meae et meum ergā tē parentemque tuum beneficium tuērī dēbeō.

(7) 実に告発のこの部分がアトラティーヌス君に任されたことに私は驚き,とりわけ遺憾に思っているのです.というのも,それは相応しいことではなかったし,彼の年齢もそれを要求するものではなかったし,これはあなた方もお気付きのことでありますが,この最も優れた若者の羞恥心は,このような弁論に彼が取り組むのを我慢できなかったのです.あなた方より年季の入った方々の誰かが,この悪口を言う役割を引き受けて下さるとよかったのですが.私はずっとより滔々と力強く,より私流に,あなた方の悪口の言いたい放題に論駁するところなのですが.君にはだ,アトラティーヌス君,私は穏便にやるとしましょう,というのも君の羞恥心は私の弁論を手加減させてしまうし,私の君と君の親に対する好意は私は守る義務があるのですから.


【2018/02/28 01:25】 Cicero Pro Caelio | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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再度もう少し『MLAハンドブック 第8版』


 前のところで触れていなかったのですが,何より第8版で異なっているのは,「出版地」情報が消えて無くなっているということです.例えば第6版の様式で記述(下線のみ斜体字にしました)するとすれば,以下のようになります.

旧MLA:
Dickey, Eleanor. Learning Latin the Ancient Way: Latin Textbooks from the Ancient World. Cambridge: Cambridge UP, 2016.

MLA第8版:
Dickey, Eleanor. Learning Latin the Ancient Way: Latin Textbooks from the Ancient World. Cambridge UP, 2016.

 旧MLAの赤の太字で強調した出版地情報は,MLA第8版ではまったく姿を消してしまうことになります.
 実は日本での論文などの書誌の慣習も,日本で出版された本は出版地を書かないという不思議な風習があったのですが,それはなぜか日本の出版物は全部東京で出版されるものとされていたらしいです(京都の出版社の方々にとっては屈辱そのものの制度でしょうね).
 MLA第8版での出版地の省略の理由はよくわかりませんが,大抵の本はもうWorld Cat などでネットで検索可能の上,AmazonとInternet Archiveを使えば大抵の本がネットで入手できる,という事情があるのかもしれませんね.しかし,ある程度の大国のメジャー出版社ならまだしも,例えば小国や無名の小さい市の書籍,マイナーな出版社がネット登場以前に出版した本,さらにそのような条件下で出版された少部数のあまり知られていない本だと,ネットを使って本にたどり着くことが難しく,出版地情報があるほうが望ましい,ということはありそうです.出版地が複数にわたったりする場合,確かに記述がやっかいなことはありますが,それでも情報として書く必要がないとするのはちょっと抵抗はありますね.

 他にも色々問題がありそうなので,気がついた範囲でまた書いていこうと思います.ただ,MLA第8版の出版で,もう我々は「MLAに準拠」というやり方をすることはもうできなくなったことは確かだと思います.MLAに準拠しながら……のみこの方式にする,というやり方をとるか,さもなければ全部独自に決めるか,新メディアが扱われる可能性がない研究分野であれば,MLAの旧版に準拠,などという形になるでしょうか.このブログではまあ適宜,旧MLA式もどきの記述を続けると思います.



【2018/02/26 23:59】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー『カエリウス弁護』6



(6) equidem, ut ad mē revertar, ab hīs forēnsis labor vītaeque rātiō dēmānāvit ad exīstimātiōnem hominum paulō lātius commendātiōne ac iūdiciō meōrum.

(6) 実際この私自身,私のことに立ち戻るために申し上げますが,これらの源泉から,法廷の仕事と生業が始まり,それは少しばかりより大きい流れとなって人々の評価へと広まっていったのですが,それは私の周りの人々の後押しと判断のおかげなのです.

 nam quod obiectum est dē pudīcitiā quodque omnium accūsātōrum nōn crīminibus sed vōcibus maledictīsque celebrātum est, id numquam tam acerbē feret M. Caelius, ut eum paeniteat nōn dēfōrmem esse nātum. sunt enim ista maledicta pervolgāta in omnīs, quorum in adulēscentiā fōrma et speciēs fuit līberālis. sed aliud est male dīcere, aliud accūsāre. accūsātiō crīmen dēsīdeat, rem ut dēfīniat, hominem notet, argūmentō probet, teste cōnfirmet; maledictiō autem nihil habet prōpositī praeter contumēliam; quae sī petulantius iactātur, convīctum, sī facētius, urbānitās nōminātur.

 品行について非難されたこと,そして告発者皆の起訴理由ではなく,文句と悪口によって表明されたことについてですが,マールクス・カエリウス君は,それを心苦しく感じるあまり,なんで自分が醜く生まれなかったんだと悔いてしまうようなことは決してないでしょう.というのも,この手の悪口は,若い頃に見目形の優れた方々皆に言われる非常にありふれたものですから.しかし,悪口を言うことと,告発することとは全く別物です.告発というものは,事態を正確に把握し,当事者を挙げ,証拠により証明し,証人により立証するために,起訴理由を必要とするのです.しかるに,悪口というものは,貶め以外の何らの目的も持ちません.それをもっとしつこく言い続けるのなら罵詈雑言と呼ばれますし,まだ気の利いたやりかたでそうされれば,ユーモアと呼ばれます.


【2018/02/26 22:59】 Cicero Pro Caelio | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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