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キケロー 『カティリーナ弾劾』 第一弁論 24

(24) quamquam quid ego tē invītem, ā quō iam sciam esse praemissōs, quī tibi ad Forum Aurelium praestolārentur armātī, cui sciam pāctam et cōnstitūtam cum Manliō diem, ā quō etiam aquilam illam argenteam, quam tibi ac tuīs omnibus cōnfidō perniciōsam ac fūnestam futūram, cui domī tuae sacrārium [scelerum tuōrum] cōnstitūtum fuit, sciam esse praemissam? tū ut illā carēre diūtius possīs, quam venerārī ad caedem proficīscēns solēbās, ā cuius altāribus saepe istam impiam dexteram ad necem cīvium trānstulistī?

sacrarium scelerum α : sacrarium scelerum tuorum βγ, scelerum (tuorum) del. Halm



(24) しかし,どうしてお前にお勧めすることがあろう?既に知るところだが,お前は武装してフォルム・アウレリウム*1でお前を待たせるために,先に手の者どもを送っているし,知るところでは,お前はマンリウスとともに日にちを摺り合わせて決定したのだし,知るところでは,そのためにお前の家に聖所を作って安置したところの例の銀の鷲旗*2を,お前は先に送っているのだ.その鷲旗こそお前とお前の手の者どもに破滅と死をもたらすと,私は信じている.お前はあれなしでどうやってこれ以上がまんできるのか?殺戮に向かう時にお前が崇めるのが常であり,その祭壇からお前の不敬な右手を市民達の殺害へと向けたところの,あの鷲旗なしで?

*1 地図eF.ローマから海岸沿いを走るアウレリア街道を北上し,Tarquinii よりさらに先に少しいった所.
*2 鷲旗はローマの軍では崇拝の対象であり,軍隊では通常将軍の幕屋に隣接した場所にそれを安置するための幕屋である聖所がもうけられた.


【2014/11/15 02:25】 Cicero In Catilinam | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー 『カティリーナ弾劾』 第一弁論 23

(23) quam ob rem, ut saepe iam dīxī, proficīscere ac, sī mihi inimīcō, ut praedīcās, tuō cōnflāre vīs invidiam, rēctā perge in exsilium; vix feram sermōnēs hominum, sī id fēcerīs; vix mōlem istīus invidiae, sī in exsilium iussū cōnsulis īverīs, sustinēbō. sīn autem servīre meae laudī et glōriae māvīs, ēgredere cum importūnā scelerātōrum manū, cōnfer tē ad Manlium, concitā perditōs cīvēs, sēcerne tē ā bonīs, īnfer patriae bellum, exultā impiō latrōciniō, ut ā mē nōn ēiectus ad aliēnōs, sed invitātus ad tuōs isse videārīs.



(23) であるから,何度も既に言ったように,お前は出てゆけ,そうして,お前が明言している通り,お前に敵対している私に,憎しみを掻き立てたいのなら,直ちに追放地へ行け.もしお前がそうしたなら,私は人々の噂にほとんど耐えられなくなるだろう.もし執政官の命令により,お前が追放地に行ったなら,お前の憎しみの重荷に私はほとんど持ちこたえられなくなるだろう.しかしもしお前が私の名声と栄光に役立つことのほうを欲するのなら,お前は向こう見ずな悪人どもの手勢を連れてマンリウス*1のところに向かい,堕落した市民どもを煽動し,よき人々より袂を分かち,祖国に戦いを仕掛け,悪辣な略奪を喜んで,そうしてお前は私に追い出されてよそ者の所に行ったのではなく,私に頼まれてお前の仲間のところに行ったのだと人に思われるようにせよ.

*1 第一弁論 5 注1と2を参照


【2014/11/14 19:59】 Cicero In Catilinam | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー 『カティリーナ弾劾』 第一弁論 22

(22) quamquam quid loquor? tē ut ūlla rēs frangat, tū ut umquam tē corrigās, tū ut ūllam fugam meditēre, tū ut ūllum exsilium cōgitēs? utinam tibi istam mentem dī immortālēs duint! tametsī videō, sī meā vōce perterritus īre in exsilium animum induxerīs, quanta tempestās invidiae nōbīs, sī minus in praesēns tempus recentī memoriā scelerum tuōrum, at in posteritātem impendeat. sed est tantī, dum modo tua ista sit prīvāta calamitās et ā reī pūblicae perīculīs sēiungātur. sed tū ut vītiīs tuīs commoveāre, ut lēgum poenās pertimēscās, ut temporibus reī pūblicae cēdās, nōn est postulandum. neque enim is es, Catilīna, ut tē aut pudor ā turpitūdine aut metus ā perīculō aut ratiō ā furōre revocārit.



(22) しかしながら何のために私は話しているのか?お前の意思を何かが枉げ,お前が自らを正し,お前がなんらかの逃亡を熟考し,お前が何らかの追放を考えるようにするためか?願わくば不死なる神々がお前にそのような精神をお与え下さらんことを!しかしながら,私は分かっている,もしお前が私の声に恐れ戦き,追放地へと行く気になったなら,現時点ではお前の悪事の記憶が新しい故にそうではなくとも,後々どれほど大きな憎しみの嵐が私を脅かすかを.しかし,お前のその厄災が個人的なものにとどまり,そして国家の危険から切り離されている限りは,それはそうするだけの価値があるのだ.しかし,お前に対して,自分の悪徳により動揺したり,法の与える罰に恐れ戦いたり,国家の危機に譲歩することを要求することは叶わぬことだ.なんとなれば,カティリーナよ,お前は恥の気持ちが愚行から,恐れが危険から,理性が狂気からお前を呼び戻すような人間ではないのだから.




【2014/11/14 16:11】 Cicero In Catilinam | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー 『カティリーナ弾劾』 第一弁論 21

(21) at sī hoc idem huic adulēscentī optimō P. Sēstiō, sī fortissimō virō M. Mārcellō dīxissem, iam mihi cōnsulī hōc ipsō in templō senātus iūre optimō vim et manūs intulisset. dē tē autem, Catilīna, cum quiēscunt, prōbant, cum patiuntur, dēcernunt, cum tacent, clāmant, neque hī sōlum, quōrum tibi auctōritās est vidēlicet cāra, vīta vīlissima, sed etiam illī equitēs Rōmānī, honestissimī atque optimī virī, cēterīque fortissimī cīvēs, quī circumstant senātum, quōrum tū et frequentiam vidēre et studia perspicere et vōcēs paulō ante exaudīre potuistī. quōrum ego vix abs tē iam diū manūs ac tēla contineō, eōsdem facile addūcam, ut tē haec, quae vastāre iam prīdem studēs, relinquentem ūsque ad portās prōsequantur.



(21) しかし,もし私が同じこの事を,ここにいる最良の若者たるプーブリウス・セースティウス*1に言ったとすれば,またもし最も勇敢なる人物であるマールクス・マールケッルス*2に言ったとすれば,直ちに執政官である私に対して,まさにこの神殿において,元老院は全く正当に暴力的措置を加えたはずだ.だがお前については,カティリーナよ,彼らは静かにしていることで是認し,許すことで決断し,黙ることで叫んでいるのだ.そして,それはお前にとってはその権威こそ明らかに大切なものの,その生命は極めて無価値であるところの,ここなる人々のみならず,あそこにて元老院を取り囲む最も立派で最良の人々であるローマの騎士たち,ならびにその他の最も勇敢な市民たちもそうなのである.お前も少し前にそれらの人々の集まりを見,その熱意を認め,その声を耳にすることができたはずだ.やっとのことでこの私がその手と武器とをお前から引き離していたところの人々であるが,お前が長らく破壊しようと執心していたところのこれらの諸物からお前が去るのであれば,まさにその人々を私は容易に説得して,彼らにお前を門の所まで護送させよう.

*1 前63年当時財務官であった.前57年には護民官となり,追放されたキケローの帰還に尽力する.キケロー自身は2度彼のために弁護をし,52年に行われた弁護が『セースティウス弁護』として残っている.
*2 マールクス・クラウディウス・マールケッルスは前65年財務官.カティリーナのキケロー暗殺計画を警告した一人.前54年に法務官,前51年に執政官となる.カエサルとは敵対したのちに,パルサロスの戦いの後ミュティレーネーに追放,前46年には恩赦を得るものの帰路暗殺される.




【2014/11/13 22:17】 Cicero In Catilinam | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー 『カティリーナ弾劾』 第一弁論 20

(20) quae cum ita sint, Catilīna, dubitās, sī ēmorī aequō animō nōn potes, abīre in aliquās terrās et vītam istam multīs suppliciīs iūstīs dēbitīsque ēreptam fugae sōlitūdinīque mandāre?
 "Refer" inquis "ad senātum"; id enim postulās et, sī hic ōrdō placēre sibi dēcrēverit tē īre in exsilium, obtemperātūrum tē esse dīcis. nōn referam, id quod abhorret ā meīs mōribus, et tamen faciam, ut intellegās, quid hī dē tē sentiant. ēgredere ex urbe, Catilīna, līberā rem pūblicam metū, in exilium, sī hanc vōcem exspectās, proficīscere.
 quid est? ecquid attendis, ecquid animadvertis hōrum silentium? patiuntur, tacent. quid exspectās auctōritātem loquentium, quōrum voluntātem tacitōrum perspicis?



(20) このような状況であるのに,カティリーナよ,潔く死ぬことがお前にはできぬとすれば,別天地へと立ち去り,そして多くの正当な処罰と負債から逃れたその人生を孤独な逃亡に委ねることを,お前は躊躇しているのか?
 「元老院議会に提出せよ」とお前は言っている.実際それをお前は要求しており,そして,もしこの階級が,お前が追放されることをよしとする議決をしたなら,お前はそれに従うつもりであると言っている.私は提出はしない,それは私の流儀とはかけ離れたことであるが.しかしながら,私は,この人々がお前についてどのような見解を持っているかを,お前が理解できるようにしよう.カティリーナよ,都から出てゆけ,国家を恐怖から解放せよ,もしこの言葉*1をお前が期待しているのなら,追放地に出発せよ*2
 どうだ?はたしてお前は注意しているか?はたしてこの人々の沈黙に気づいているのか?彼らはこれを許して沈黙している.黙っている彼らの意向をお前は見通していながら,発言する彼らの権威をお前は期待しているのか?

*1 もちろん「追放」という言葉.
*2 「カティリーナよ,都から出てゆけ……追放地に出発せよ」という発言を,おそらく元老院全体に聞かせるように発言した後に,キケローは元老院全体が沈黙しているのを確認する.その後,沈黙によってこの発言,すなわち,カティリーナは追放されるべしという意見は元老院全体に是認されたのだ,という方向に話を向けて行く.


【2014/11/12 19:13】 Cicero In Catilinam | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー 『カティリーナ弾劾』 第一弁論 19

(19) haec sī tēcum, ut dīxī, patria loquātur, nōnne impetrāre dēbeat, etiam sī vim adhibēre nōn possit? quid, quod tū tē in custōdiam dedistī, quod vītandae suspiciōnis causā ad M'.Lepidum tē habitāre velle dīxistī? ā quō nōn receptus etiam ad mē venīre ausus es, atque, ut domī meae tē asservārem, rogāstī. cum ā mē quoque id respōnsum tulissēs, mē nūllō modō posse īsdem pariētibus tūtō esse tēcum, quia magnō in perīculō essem, quod īsdem moenibus continērēmur, ad Q. Metellum praetōrem vēnistī. ā quō repudiātus ad sodālem tuum, virum optimum, M. Metellum dēmigrāstī, quem tū vidēlicet et ad custōdiendum tē dīligentissimum et ad suspicandum sagācissimum et ad vindicandum fortissimum fore putāstī. sed quam longē vidētur ā carcere atque ā vinculīs abesse dēbēre, quī sē ipse iam dignum custōdiā iūdicārit?



(19) もし以上の事をお前に対して,私が言ったように,国家が語るとすれば,たとえ国家が実力行使できなくとも,それが叶えられるべきではないか?どういうことか,お前が自分を監視下に置いた*1こと,疑惑を回避するために,マーニウス・レピドゥス*2の許に自分は住みたいとお前が言ったことは?その彼に受け入れられなかったお前は,敢えて私の所までやって来て,私の家に自分を監視するように依頼したのだ.私からもまた,同じ返事を得て,同じ市壁の中に我々が囲まれているせいで私は由々しい危険の中にいるのだから,同じ壁の中にお前と一緒にいて断じて安全でいられる訳がない,と言われ,お前は法務官クィーントゥス・メテッルス*3の所に訪れた.その彼に拒否されて,お前の仲間の,最高の人物だな,マールクス・メテッルス*4の所に移動した.その彼を,お前は明らかに,お前を監視するに最も注意深く,そして疑うに最も抜け目なく,罰するに最も厳しいと,当のお前が考えたのだ.しかし,自分で自分を監視するにふさわしいと判断したような人物が,どれほど監獄と縛め*5から遠く離れているべきと思えるか?

*1 カティリーナは反乱首謀者として告発されていた.通常,地位のある人物は,現代のように,告発後にも監獄などに入れられるわけではなく,保釈金を払って保釈されるか,そうでなければ,出廷を保証する有力者の許で監視下に置かれていた.これを custodia libera「自由監禁」と呼んだ.
*2 前66年に執政官であった.
*3 クィーントゥス・カエキリウス・メテッルス・ケレル(Quintus Caecilius Metellus Celer)は,この文から分かるように,この年(前63年)の法務官であり,前60年に執政官となる.
*4 不詳.
*5 *1の自由監禁に対して,公的な監獄では鎖につながれて監禁されて取り調べを受け,刑罰(特に死刑)の執行まで拘留された.




【2014/11/11 15:27】 Cicero In Catilinam | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー 『カティリーナ弾劾』 第一弁論 18

(18) quae tēcum, Catilīna, sīc agit et quōdam modō tacita loquitur: "Nūllum iam aliquot annīs facinus exstitit nisī tē, nūllum flāgitium sine tē; tibi ūnī multōrum cīvium necēs, tibi vexātiō dīreptiōque sociōrum impūnīta fuit ac lībera; tū nōn sōlum ad neglegendās lēgēs et quaestiōnēs vērum etiam ad ēvertendās perfringendāsque valuistī. superiōra illa, quamquam ferenda nōn fuērunt, tamen, ut potuī, tulī; nunc vērō mē tōtam esse in metū propter ūnum tē, quicquid increpuerit, Catilīnam timērī, nūllum vidērī contrā mē cōnsilium inīrī posse, quod ā tuō scelere abhorreat, nōn est ferendum. quam ob rem discēde atque hunc mihi timōrem ēripe; sī est vērus, nē opprimar, sīn falsus, ut tandem aliquandō timēre dēsinam."



(18) それはお前に対して次のように説き,そして黙したまま,あるやり方で語っているのである.「数年の間,お前によるもの以外は何の悪事も存在しなかったし,いかなる不品行も,お前抜きでは存在しなかった.お前一人に,多くの市民の殺害*1が,お前一人に,同盟者らへの虐待と強奪*2が,罰されずかつ自由に行えた.お前は法と裁きを無視するのみならず,それらを転覆し粉砕する力さえ持っていた.以前のそれらの事ごとは,たとえ耐えられるべきものではなかったにせよ,しかしできる限り私は耐えてきたのだ.しかし今は,私はお前ただ一人のせいで恐怖の中に陥っており,どんな物音がしても,カティリーナを恐れてしまうし,私に対する謀で,お前の悪事と関わりのないものなど一つも行われないように思えるのだが,これは耐えられぬことである.であるから,お前は出てゆき,そうして私からこの恐怖を取り除け.もしその恐怖が正当なものなら,私が制圧されぬよう,しかしもし故なきものなら,いつか最終的に私が怖れることを止められるように」

*1 前82年独裁官となったスッラの指揮下で,カティリーナは反対派の粛正の執行をした.中には拷問を伴うなど,残虐な行為もあった.
*2 前67年,属州総督としてアフリカに赴任している時に,その属州の人民から物品の強奪を行ったとされ,その罪で告発されている.



【2014/11/11 03:49】 Cicero In Catilinam | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー 『カティリーナ弾劾』 第一弁論 17

(17) servī mehercule meī sī mē istō pactō metuerent, ut tē metuunt omnēs cīvēs tuī, domum meam relinquendam putārem: tū tibi urbem nōn arbitrāris? et sī mē meīs cīvibus iniūria suspectum tam graviter atque offēnsum vidērem, carēre mē aspectū cīvium quam īnfestīs omnium oculīs cōnspicī mallem: tū, cum cōnscientiā scelerum tuōrum agnōscās odium iūstum et iam diū tibi dēbitum, dubitās quōrum mentēs sēnsūsque vulnerās, eōrum aspectum praesentiamque vītāre? sī tē parentēs timērent atque ōdissent tuī neque eōs ūllā ratiōne plācāre possēs, ut opīnor, ab eōrum oculīs aliquō concēderēs. nunc tē patria, quae commūnis est parēns omnium nostrum, ōdit ac metuit et iam diū nihil tē iūdicat nisī dē parricīdiō suō cōgitāre: huius tū neque auctōritātem verēbere nec iūdicium sequēre nec vim pertimēscēs?



(17) 神かけて,仮に私の奴隷たちが,お前の周囲の全市民がお前を恐れるような仕方で,私を恐れているとすれば,私は自分の家を去るべきだと思うはずだ.お前のほうは,自分は都を去るべきだとは考えないのか?そしてもし仮に私が自分の同胞市民らによって,これほどひどく疑われ,また疎まれているとわかったなら,それが不当であろうと,自分は皆の敵意ある視線によって眺められるよりは,市民らの姿がないことのほうを私は欲するはずだ.お前のほうは,お前の悪行を自覚することで,憎しみが正当なものであり,そしてもうずっとそれがお前に当然であると認識しているくせに,お前がその意思と感情を傷つけているところの人々の視線を避け,居合わせぬようにすることを,なぜお前は躊躇するのか?もし仮に生みの親らがお前を恐れ,お前のことを憎んでおり,かつお前がどんなやり方でも彼らをなだめることができないとすれば,私が思うに,お前は彼らの目の届く所から,どこか別の所へと退くはずだ.今,我々全員の共通の生みの親たる祖国は,お前を憎み恐れ,そして,もうずっとお前は自分の親殺し以外は考えていないと判断している.この権威を,お前ときたら,恐れもせず,その判断に従いもせず,その力に恐れ戦きもしないのか.



【2014/11/05 20:17】 Cicero In Catilinam | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー 『カティリーナ弾劾』 第一弁論 16

(16) quotiēns iam tibi extorta est ista sica dē manibus, quotiēns excidit cāsū aliquō et ēlāpsa est! [tamen eā carēre nōn diūtius potes.] quae quidem quibus abs tē initiāta sacrīs ac dēvōta sit, nesciō, quod eam necesse putās esse in cōnsulis corpore dēfigere.
 nunc vērō quae tua est ista vīta? sīc enim iam tēcum loquar, nōn ut odiō permōtus esse videar, quō dēbeō, sed ut misericordiā, quae tibi nūlla dēbētur. vēnistī paulō ante in senātum: quis tē ex hāc tantā frequentiā, tot ex tuīs amīcīs ac necessāriīs salūtāvit? sī hoc post hominum memoriam contīgit nēminī, vōcis exspectās contumēliam, cum sīs gravissimō iūdiciō taciturnitātis oppressus? quid? quod adventū tuō ista subsellia vacuefacta sunt, quod omnēs cōnsulārēs, quī tibi persaepe ad caedem cōnstitūtī fuērunt, simul atque assēdistī, partem istam subselliōrum nūdam atque inānem reliquērunt, quō tandem animō tibi ferendum putās?

tamen ea carere non diutius potes del. Heumann. cf. 24 tu ut illa carere diutius possis ...?


(16) もう何度お前は手からお前の短剣*1を奪い取られたことか,何度何かの偶然でそれがこぼれ落ちたり滑り落ちたりしたことか.[しかしながらそれをお前はこれ以上長く手放していることはできぬ.] *2 それは実際,お前によって,何かは知らぬが地下の神々への儀式に捧げられ誓願されたもので.そうしたのは,それを執政官の身体に必ずや突き刺さねばならぬとお前が思う故である*3
 さてしかし,お前のその生き様ときたらどんなものか?実に私は今,抱いて当然の憎しみに突き動かされているようにではなく,お前にはそうすべき謂れもない哀れみによって突き動かされているように見えるように,お前に話しかけるとしよう.お前は少し前に元老院に来た.これほど多くのこの群衆の中の誰が,これほど多くのお前の友人や身内の者のうちの誰が,お前に挨拶をしたか?もしこのことが,人の記憶の範囲ではいかなる者にも前例がないことだとすれば,お前は沈黙という極めて重い判決に圧し潰されていながら,声高な侮辱を期待しているのか?どうだ?お前の到着の時,お前のいる議員席が空になったこと,殺害すべしとお前が何度も決めたところの全執政官経験者が,お前が座った途端,お前のいる座席の一帯ぐるりを離れて,そこががらんと空っぽになったこと,これらをお前はどんな気持ちで耐えねばならぬと思っているのか?

*1 sica は先端がカーブした短剣.単なる短い剣というより,暗殺用に隠し持たれるというイメージの剣.
*2 第一弁論の24に類似する箇所が出てくる(そこでは短剣の代わりに軍旗が儀式に捧げられたことが言及されている)が,おそらくそこからヒントを得て,後に付け足された部分.24の表現に比べると,文の作りが単純で,必要性も感じられない.続く quae quidem quibus の関係代名詞も,sica から引き離されてしまっており(もちろん可能でないとはいわないが),この一文はないほうが文の流れとしてはよい.
*3 暗殺者はしばしばこのような怪しげな儀式と関係付けられた.



【2014/11/05 02:43】 Cicero In Catilinam | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー 『カティリーナ弾劾』 第一弁論 15

(15) potestne tibi haec lūx, Catilīna, aut huius caelī spīritus esse iūcundus, cum sciās esse hōrum nēminem, quī nesciat tē prīdiē Kalendās Iānuāriās Lepidō et Tullō cōnsulibus stetisse in comitiō cum tēlō, manum cōnsulum et prīncipum cīvitātis interficiendōrum causā parāvisse, scelerī ac furōrī tuō nōn mentem aliquam aut timōrem tuum sed Fortūnam populī Rōmānī obstitisse?
 ac iam illa omittō — neque enim sunt aut obscūra aut nōn multum commissa posteā; quotiēns tū mē dēsignātum, quotiēns vērō cōnsulem interficere cōnātus es! quot ego tuās petitiōnēs ita coniectās, ut vītārī posse nōn vidērentur, parvā quādam dēclīnātiōne et, ut aiunt, corpore effūgī! nihil agis, nihil assequeris, neque tamen cōnārī ac velle dēsistis.

(15) お前にとってこの光が,カティリーナよ,あるいはこの空の息吹が心地よいなどということがありうるか?レピドゥスとトゥッルスが執政官の時の12月29日*1に,お前は武器を持って民会場に立ち,執政官の国家の第一人者らを殺害するために手勢を用意し,そしてお前の狂気の悪行に立ちはだかったのは,お前の何らかの理性や恐れではなく,ローマ人民の幸運であったことを,ここにいる人々のうち知らぬものなどおらぬことを,お前はわかっているのに?
 だがもうこういった事も私は省くとしよう——というのも,それらは周知のことであるし,その後もお前は少なからず悪事を犯したのだから.お前ときたら,次期執政官である私を私を殺害することを何度試み,さらに執政官となった私にも何度試みたことか.避けようもなさそうなやり方でお前が仕掛けた攻撃を,私は少々身体を傾けることで,いわば,かわし身によって,幾度逃れたことか.お前は何一つ遂げもせず,何一つ成功しないのだが,しかしそれでもお前は執拗に試み,あきらめもせぬ.

*1レピドゥスとトゥッルスが執政官の時は前66年のこと.12月29日は,文字通りには「1月一日の前日」である.ユーリウス以後はそれは12月31日になるはずだが,ユーリウス暦以前は,ひと月は3月・5月・7月・10月は現在と同じ31日,それ以外は29日からなっていた.



【2014/11/04 02:45】 Cicero In Catilinam | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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