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テオクリトス第19歌『蜂蜜泥棒』(偽作)

7777[QEOKRITOU]7KHRIOKLEPTHS

To_n kle/ptan pot 071Erwta kaka_ ke/ntase me/lissa
khri/on e0k si/mblwn suleu/menon, a1kra de_ xeirw~n
da/ktula pa/nq 0 u9pe/nucen. o4 d 0 a1lgee kai_ xer 0 e0fu/sh
kai_ ta_n ga~n e0pa/tace kai_ a#lato, ta~| d 070Afrodi/ta|
dei~cen ta_n o0du/nan, kai_ me/mfeto, o3tti ge tutqo/n7775
qhri/on e0nti_ me/lissa kai_ a(li/ka trau/mata poiei=.
xa) ma/thr gela/sasa:79tu_ d 0 ou0k i1sov e0ssi_ meli/ssaiv,
o4v tutqo_v e1eiv ta_ de_ trau/mata a(li/ka poiei=v; 0

     偽テオクリトス 蜂蜜泥棒

ある時泥棒しているエロースを蜂が激しく刺しました.
それは蜂の巣箱から蜂蜜奪っている時のこと.そして両手の指の天辺を
全部ちくちく刺しました.彼は痛がり手をふうふうし,
地団駄踏んでは跳ね回り,アフロディーテーに
傷をみせ,そして不平をいいました,こんなちっちゃい (5)
生き物なのに,こんなに大きな傷つけた,って.
すると母神は笑いました.「お前は蜂にそっくりじゃない?
お前はこんなにちっちゃいくせに,こんなに大きな傷つけるから」


【2007/01/27 01:44】 Theocritus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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テオクリトス第3歌『コーモス』40-54行(完結)


79Ippome/nhv, o3ka dh_ ta_n parqe/non h1qele ga~mai,77740
ma~l 0 e0n xersi_n e9lw_n dro/mon a1nuen: a9 d 070Atala/nta
w(v i1den, w$v e0ma/nh, w$v e0v baqu_n a3lat 0 e1rwta.
ta_n a0ge/lan xw) ma/ntiv a)p 071Oqruov a}ge Mela/mpouv
e0v Pu/lon: a( de_ Bi/antov e0n a0gkoi/naisin e0kli/nqh
ma/thr a( xari/essa peri/fronov70Alfesiboi/av.77745
ta_n de kala_n Kuqe/reian e0n w!resi mh~la nomeu/wn
ou0x ou3twv73Wdwniv e0pi_ ple/on a1gage lu/ssav,
w#st 0 ou0de_ fqi/meno/n nin a1ter mazoi=o ti/qhti;
zalwto_v me_n e0mi_n o9 to_n a1tropon u3pnon i0au/wn
70Endumi/wn: zalw~ de/, fi/la gu/nai,70Iasi/wna,77750
o4v to/sswn e0ku/rhsen, o3s 0 ou0 peusei=sqe be/baloi.

70Alge/w ta_n kefala/n, ti_n d 0 ou0 me/lei. ou0ke/t 0 a0ei/dw,
keiseu=mai de_ pesw/n, kai_ toi_ lu/koi w{de/ m 0 e1dontai.
w(v me/li toi gluku_ tou=to kata_ bro/xqoio ge/noito.

(牧人の歌  51行まで)
ヒッポメネーは,まさに彼がかの娘を娶らんとした時,(40)
彼は手に林檎をもって,競走のコースを走った.そして,かのアタランターが
見た時,その時狂気に襲われ,ひどい愛に陥った*1
そして,予言者メランプースは,オトリュスからピュロスへ
群れを追った.そして,ビアースの手の中に,
賢いアルペシポイアーの麗しき母は身を預けた*2.(45)
そして,かの美しいキュテラーの女神*3を,山で羊を牧していた
アドーニスが,これほどまでにひどく狂気に追いやったのではないか,
彼が死んでも胸から離さないほどに*4
僕にはうらやむべき者だ,覚めない眠りを眠っている
エンデュミオーン*5は.そして,うらやましいのは,愛しい娘よ,イーアシオーンだ,(50)
彼は秘儀に与らぬお前達には信じられぬほどのものを得たのだ*6

僕は頭が痛いし,君も気にしてくれない.もはや歌うまい.
倒れて横たわっていよう,そして,こうやって狼が僕を食らうのだ,
それは君には甘美とならんことを,ちょうど蜜がのどごし甘いように.


*1 アタランターは,求婚者と競走して勝てば結婚するといったが,負けた者は殺していた.ヒッポメネーは,競走中林檎をころがし,それによって気を取られたアタランターに勝つ.
*2 ビアースはネーレウスの娘ペローに恋するが,ピュラクスのもので,以前はネーレウスの母のものであった群れを連れ戻すことを婚姻の条件にする.ビアースの兄弟のメランプースは予言の術を用いて,ピュラクスを助けることで,代わりに群れを得て,ビアースはペローを娶る.
*3 アプロディーテー.
*4 アドーニスはキュプロス王キニュラースとその娘ミュッラの間の子で,美少年であり,アプロディーテーに愛されるが,アルテミスの怒りにふれ,狩りの時に猪に付き殺される.
*5 美しい羊飼いで,月の女神セレネーに愛され,ゼウスにより永遠の眠りを眠っており,女神はその彼を訪れては床をともにする.
*6 ゼウスとエーレクトラーの子.サモトラケー島に住み,その島で秘教にかかわることになる.のちにデーメーテールの恋人となる.だが,ゼウスに雷で撃ち殺される別伝もある.


【2007/01/26 22:56】 Theocritus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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テオクリトス第3歌『コーモス』24-39行

w!moi e0gw/n, ti/ pa/qw, ti/ o9 du/ssoov; ou0x u9pakou/eiv.
ta_n bai/tan a0podu_v e0v ku/mata thnw~ a(leu~mai,77725
w{per tw_v qu/nnwv skopia/zetai71Olpiv o9 gripeu/v:
kai1 ka dh_70poqa/nw, to/ ge me_n teo_n a(du_ te/tuktai.
e1gnwn pra~n, o3ka moi memname/nw|, ei0 file/eiv me,
ou0de_ to__ thle/filon potema/cato to_ plata/ghma,
a)ll 0 au1twv a(palw~| poti_ pa/xei+ e0cemara/nqh.77730
ei]pe kai_70Agroiw_ ta)laqe/a koskino/mantiv,
a( pra~n poiologeu=sa paraiba/tiv, ou3nek 0 e0gw_ me/n
ti_n o3lov e1gkeimai, tu_ de/ meu lo/gon ou0de/na poih~|.
h] ma/n toi leuka_n didumato/kon ai]ga fula/ssw,
ta/n me kai_ a( Me/rmnwnov e0riqaki_v a( melano/xrwv77735
ai0tei~: kai_ dwsw~ oi9, e0pei_ tu/ moi e0ndiaqru/pth|.
a3lletai o0fqalmo/v meu o9 decio/v: a]ra/ g 0 i0dhsw~
au0ta/n; a0|seu~mai poti_ ta_n pi/tun w[d 0 a)poklinqei/v,
kai/ ke/ m 0 i1swv poti/doi, e0pei_ ou0k a)damanti/na e0sti/n.

ああ,僕よ,何たるざまだ,何と惨めなんだ.君は聞いてはくれぬ.
僕は上着を脱いで,あそこから海へ飛び込もう,(25)
猟師のオルピスがマグロの群れを見張っている所から.
そして,もし本当に僕が死んだら,それは少なくとも君の楽しみになるだろう.
僕はある時知った,君が僕を愛しているかどうか,想っている時,
遠恋芥子*1をたたいてくっつけられずに,
腕の柔らかいところでなよなよとしなびてしまった*2.(30)
篩を使う占い女アグロイオーも真実を語った,
彼女はある時,僕の傍で草を刈りながら,どうして僕が
君に首っ丈である一方,君の方は僕を全然勘定に入れないのかを語ったのだ.
本当に,僕は君のために双子を生んだ白い山羊を飼っている.
それを,メルムノーンの色黒の日雇いの娘も僕に(35)
せがんでいる.そして,僕は彼女にあげるだろう,だって君は僕につれないから.
僕の右目がぴくぴく引きつっている.彼女を僕は
見られるんじゃないか?この松の木の前へよけて歌おう,
そしたら彼女はきっと僕を覗き込むだろう,だって彼女は鋼じゃないのだから.


*1 芥子の一種.恋占いに使われた.
*2  花占いの一種だったらしい.


【2007/01/26 19:44】 Theocritus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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テオクリトス第3歌『コーモス』6-23行

7]W xari/ess 070Amarulli/, ti/ m 0 ou0ke/ti tou=to kat 0 a1ntron
parku/ptoisa kalei=v, to_n e0rwtu/lon; h] r9a/ me misei=v;
h] r9a/ ge/ toi simo_v katafai/nomai e0ggu/qen h]men,
nu/mfa, kai_ proge/noiov; a0pa/gcasqai/ me pohsei~v.
h0ni/de toi de/ka ma~la fe/rw: thnw~qe kaqei~lon777710
w{ m 0 e0ke/leu kaqelei~n tu/: kai_ au1rion a1lla toi oi0sw~.
qa~sai ma/n. qumalge_v e0mi_n a1xov. ai1qe genoi/man
a9 bombou=sa me/lissa kai_ e0v teo_n a1ntron i9koi/man,
to_n kisso_n diadu_v kai_ ta_n pte/rin a3 tu puka/sdei.
nu=n e1gnwn to_n71Erwta: baru_v qeo/v: h] r9a leai/nav715
mazo_n e00qh/lazen, drumw~| te/ nin e1trafe ma/thr,
o3v me katasmu/xwn kai_ e0v o0sti/on a1xriv i0a/ptei.
w} to_ kalo_n poqoreu=sa, to_ pa~n li/qov, w} kua/nofru
nu/mfa, pro/sptucai/ me to_n ai0po/lon, w#v tu filh/sw
e1sti kai_ e0n keneoi=si filh/masin a9de/a te/ryiv.777720
to_n ste/fanon ti~lai/ me kat 0 au0ti/ka lepta_ poh/sei=v,
to/n toi e0gw/n,70Amarulli_ fi/la, kissoi=o fula/ssw,
a0mple/cav kalu/kessi kai_ eu0o/dmoisi seli/noiv.

おお,優美なアマリュッリス,なぜお前はもはやこの洞穴から
顔を覗いて呼んでくれないのか,この恋人を?僕が嫌いなのか?
僕は近くでは鼻ぺちゃなのが分るのか?
娘さん,そして,あごひげが突き出しているのが?君は僕を首つりさせちまう.
見てくれ,僕は君に十個の林檎を持って来た,君が取ってこいと言った(10)
ところから僕は取って来た.そして,明日別のを君に持ってこよう.
ちょっと見てくれ.僕の苦しみは酷いんだ.ぶんぶん言う蜂に
なって,君の洞穴の中に辿り着けたらなあ.
木蔦と君を隠している羊歯を通り抜けてね.
今や,僕はエロース神を理解した.ひどい神だ.本当に彼は雌獅子の(15)
乳をしゃぶり,母親は森で彼を育てたのだ.
彼は僕を焼きつくし,骨までずっと痛めつける.
美の権化に見える君よ,全くの石よ,黒い眉毛の
娘よ,山羊飼いの僕を抱いてくれ,僕が君を口づけできるように.
空の口づけにもまた甘い喜びがあるんだ.(20)
君は僕に,花冠をすぐさま粉々に引きちぎらせるだろう,
それは木蔦でできていて,僕は君のために,愛しいアマリュッリス,大切に持っている,
薔薇とよい香りのセロリを巻き付けてね.


【2007/01/26 00:16】 Theocritus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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テオクリトス第3歌『コーモス』1-5行

77777777QEOKRITOU7KWMOS

Kwma/sdw poti_ ta_n70Amarulli/da, tai_ de/ moi ai1gev
bo/skontai kat 0 o1rov, kai_ o9 Ti/turov au0ta_v e0lau/nei.
Ti/tur 0, e0mi_n to_ kalo_n pefilhme//ne, bo/ske ta_v ai]gav,
kai_ poti_ ta_n kra/nan a1ge, Ti/ture: kai_ to_n e0no/rxan,
to_n Libuko_n kna/kwna, fula/sseo mh/ tu koru/yh|.775

       テオクリトス コーモス*1

僕はアマリュッリスのところへコーモスに行く,一方僕の山羊たちは
山のあたりで草を食み,そして,ティーテュロスがそいつらを追っている.
ティーテュロス,僕の本当の仲良しよ,山羊たちを放牧してくれ,
そして,泉のところへ連れて行け,ティーテュロスよ.そして,去勢されていない
リビアの茶色いやつが,お前に突っかけないよう気をつけろ.


*1 恋する者の家の前に行って呼ばうこと.


【2007/01/25 20:52】 Theocritus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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テオクリトス第12歌 「お気に入り」後編

a0ll 0 h1toi tou/twn me_n u9pe/rteroi Ou0rani/wnev:
e1ssetai w(v e0qe/lousin. e0gw_ de/ se to_n kalo_n ai0ne/wn
yeu/dea r9ino_v u3perqen a0raih~v ou0k a0nafu/sw.
h2n ga_r kai/ ti da/kh|v, to_ me_n a0blabe_v eu0qu_v e1qhkav,7725
dipla/sion d 0 w!nhsav, e1xwn d 0 e0pi/metron a0ph=lqon.
Nisai~oi Megarh=ev, a0risteu/ontev e0retmoi~v,
o1lbioi oi0kei/oite, to_n70Attiko_n peri/alla
cei~non e0timh/sasqe, Diokle/a to_n filo/paida.
ai0ei/ oi9 peri_ tu/mbon a0olle/ev ei1ari prw/tw|77777730
kou=roi e0ridmai/nousi filh/matov a1kra fe/resqai:
o4v de/ ke prosma/ch| glukerw/tera xei/lesi xei/lh,
briqo/menov stefa/noisin e9h_n e0v mhte/r 0 a0ph~lqen.
o1lbiov o3stiv paisi_ filh/mata kei=na diaita~|.
h] pou to_n xaropo_n Ganumh/dea po/ll 0 e0pibw~tai7735
Ludi/h| i]son e1xein pe/trh| sto/ma, xruso_n o9poi/h|
peu/qontai, mh_ fau~lov, e0th/tumon a0rguramoiboi/.

だが,実にこれらのことは高みにおわす神々の意の内にある.
神々が望まれるようになるだろう.だが,僕がお前の美しさを讃えても,
尖った鼻ににきび*1を作る事はないだろう.
なぜなら,もしお前がなにか気に障ることをしても,お前はそれをすぐ癒してくれるし,(25)
二倍に喜びをもたらす,そして,僕はより多い喜びをもって帰って行く.
ニサイア*2のメガラの人,櫂では最上の者ら,お前達は
幸せに過ごしたまえ.お前達は,アッティカの客人である,
稚児好きのディオクレース*3を誰よりも讃えてくれた.
いつも,春の初めに,その墓のまわりに(30)
集まった少年らは,接吻の賞をとることを競う*4
そして,より甘い唇を唇に重ねた者が,
花冠を積まれて自分の母のところに帰って行く.
幸いなるかな,少年らのそのような口づけを審判する者は.
彼はきっと輝く眼のガニュメーデースに,沢山叫ぶだろう,(35)
自分の唇が,金の真偽を両替商が知るためにつかう
リュディアの試金石と同じくなるようにと.


*1 嘘の印としてのにきび.
*2 メガラの海岸都市.
*3 アッティカから追放され,メガラに行くが,恋人を守るために戦って死んだという.
*4 ディオクレースにちなむ競技はあったが,その中に口づけの競技があったかどうかはわからない.


【2007/01/16 18:18】 Theocritus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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テオクリトス第12歌 「お気に入り」前編

777777777QEOKRITOU7AITHS

71Hluqev, w} fi/le kou~re: tri/th| su_n nukti_ kai_ h0oi~
h1luqev: oi9 de_ poqeu~ntev e0n h1mati ghra/skousin.
o3sson e1ar xeimw~nov, o3son mh=lon brabi/loio
h3dion, o3sson o1iv sfete/rhv lasiwte/rh a0rno/v,
o3sson parqenikh_ profe/rei triga/moio gunaiko/v,775
o3sson e0lafrote/rh mo/sxou nebro/v, o3sson a0hdw/n
sumpa/ntwn ligu/fwnov a0oidota/th petehnw~n,
to/sson e1m 0 eu1frhnav su_ fanei/v, skierh_n d 0 u9po_ fhgo/n
h0eli/ou fru/gontov o9doipo/rov e1dramon w#v tiv.
ei1q 0 o9maloi_ pneu/seian e0p 0 a0mfote/roisin71Erwtev7710
nw~in, e0pessome/noiv de_ genoi/meqa pa~sin a)oidh/:
79 di/w dh/ tine tw/de meta_ prote/roisi gene/sqhn
fw~q 0, o4 me_n ei1spnhlov, fai/h x 079Wmuklai+a/zwn,
to_n d 0 e3teron pa/lin, w#v ken o9 Qessalo_v ei1poi, a0i/thn.
a0llh/louv d 0 e0fi/lhsan i1sw| zugw~|. h] r9a to/t 0 h]san7715
xru/seioi pa/lin a1ndrev, o3t 0 a0ntefi/lhs 0 o9 filhqei/v. 0
ei0 ga_r tou=to, pa/ter Kroni/dh, pe/loi, ei0 ga/r, a0gh/rw|
a0qa/natoi, geneh=|v de_ dihkosi/h|sin e1peita
a0ggei/leien e0moi/ tiv a0ne/codon ei0v70Axe/ronta:
79 h9 sh_ nu=n filo/thv kai_ tou~ xari/entov a0i/tew7720
pa~si dia_ sto/matov, meta_ d 0 h0iqe/oisi ma/lista. 0

    テオクリトス「お気に入り」

お前は来たな,おお,愛し子よ.三日の昼夜で,
お前は来たな.だが,恋い焦がれる者は,一日で老いるもの.
ちょうど春が冬より,ちょうど林檎がプラムより
甘いのと同じほどに,ちょうど母羊がその子羊より毛むくじゃらな程,
ちょうど乙女が三度嫁いだ娘よりも優れているほどに,(5)
ちょうど子鹿が子牛より身軽なほどに,ちょうど澄んだ声のナイチンゲールが
あらゆる翼あるもののうち最も歌がうまいほどに,
それと同じほどに,お前が現れて,僕はうれしいのだよ,そして,太陽が焼け付く時に,
陰なすオークの下へ旅人などが駆けて行くように,僕は駆けて来た.
願わくば,等しい愛神が我々二人に息吹を吹き込まんことを,(10)
そして,後の人々皆に,我々が歌とならんことを.
「実に二人のこの人物は古の時にありけり.
一方は「恋吹き込む者」と,アミュクライ*1の人は呼び,
一方はまた,テッサリアの人呼ぶ所では,「お気に入り」であった.
彼らは同じ軛の下,互いに愛し合いけり.実に,愛された男が(15)
愛し返したその時こそ,再び黄金時代の男らが現れたのだ」
願わくば,クロノスの子よ,願わくば,年老いぬ
不死の神々よ,これが叶わんことを,そして,200世代経ちし後,
引き返すこと能わぬ三途の川にいる我に,知らせ来らんことを.
「今,お前と優美な愛し子の愛は(20)
皆の口に語られている,また,特に若者の口に」


*1 スパルタから数キロ離れた町.殆どスパルタと同義か.


【2007/01/16 07:47】 Theocritus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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テオクリトス『牧歌』13歌 ヒュラース 66-75行(完結)
sxe/tlioi oi9 file/ontev, a0lw/menov o3ss7) e0mo/ghsen
ou1rea kai_ drumou/v, ta_ d7)70Ia/sonov u3stera pa/nt 0 h]v.
nau=v ge/men a1rmen 0 e1xoisa meta/rsia tw~n pareo/ntwn,
i9sti/a d7) h9mi/qeoi mesonu/ktion au]te kaqai/roun,
79Hraklh~a me/nontev. o4 d7,) a[| po/dev a]gon, e0xw/rei 7777770
maino/menov: xalepo_v ga_r e1sw qeo_v h[par a1mussen.
ou3tw me_n ka/llistov73Ulav maka/rwn a0riqmei=tai:
79Hrakle/hn d7) h3rwev e0kerto/meon liponau/tan,
ou3neken h0rw/hse triakonta/zugon70Argw/,
peza=| d7) e0v Ko/lxouv te kai_ a1cenon i3keto Fa=sin. 7777775
恋するものは哀れなもの.山と森を彷徨いながら
かくも多くの苦労をした,そして,イアーソーンの事は全てどうでも良くなった.
船は男達が乗り込んで一杯で,帆を上げていたが,
英雄達は真夜中には再び帆をおろした,
ヘーラクレースを置いたまま.彼のほうは,足がつれて行く方へと (70)
狂おしく歩いて行った.なぜなら,残酷な神(エロース)が,彼の中で心臓を引きちぎっていたから.
このようにして,最も美しいヒュラースのほうは神々の中に数えられることとなる.
ヘーラクレースのほうは,英雄達に逃亡船員と馬鹿にされた.
というのも,彼は30人の乗り組むアルゴー船を去った.
そして,コルキス人の所へと,それから客嫌いのパシスへと陸伝いに到着したから.(75)


【2005/11/21 22:02】 Theocritus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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テオクリトス『牧歌』13歌 ヒュラース 53-65行
Nu/mfai me_n sfete/roiv e0pi_ gou/nasi kou=ron e1xoisai
dakruo/ent 0 a0ganoi=si pareyu/xont 0 e0pe/essin:
70Amfitruwnia/dav de_ tarasso/menov peri_ paidi_ 7777755
w1|xeto, Maiwtisti_ labw_n eu0kampe/a to/ca
kai_ r9o/palon, to/ oi9 ai0e_n e0xa/ndane decitera_ xei/r.
tri_v me_n73Ulan a1usen, o3son baqu_v h1ruge laimo/v:
tri_v d70 a1r 0 o9 pai=v u9pa/kousen, a0raia_ d7) i3keto fwna/
e0c u3datov, parew_n de_ ma/la sxedo_n ei1deto po/rrw. 7777760
[ 7w9v d7) o9po/t7)h0uge/neiov a0po/proqi li_v e0sakou/sav7 ]
nebrou= fqegcame/nav tiv e0n ou1resin w0mofa/gov li/v
e0c eu0na=v e1speusen e9toimota/tan e0pi_ dai=ta:
79Hrakle/hv toiou=tov e0n a0triptoisin a0ka/nqaiv
pai=da poqw~n dedo/nhto, polu_n d7)e0pela/mbane xw~lon. 7777765
ニンフたちのほうは,彼女らの膝の上に若者を抱いて
泣いているのを親し気な言葉で慰めた.
アムピトリオーンの息子のほうは,その子のことで取り乱して(55)
探しに行く,スキュティア風の良くしなる弓と
棍棒を取って,それは常に彼の右手が掴んでいたものだが.
三たび彼はヒュラースと叫んだ,深い喉が唸らん限りに.
三たびその子はそれに答えた,だが水の中からは弱い声しか
届かず,すぐ近くにいながらに,遠くのように思われる.(60)
[ちょうど遠くから鬚濃きライオンが認めた時に,]*1
若鹿が啼くと,山で生肉食らうライオンが
ねぐらから,すぐにありつけるばかりの食事へと急ぐ.
ヘラクレースもそのように,踏まれてもいないイバラの中を
子が恋しい余りに進んで行き,あらゆる場所を彷徨い歩く.(65)


*1 文脈の上で明らかに噛み合わない一行.Gowのいう通り(Gow, Theocritus, ad loc.), li/v は61, 62で繰り返されるのが奇妙.おそらく,本来の繋辞なしで導入される比喩に問題を感じた別人の手による書き足し.


【2005/11/21 04:27】 Theocritus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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テオクリトス『牧歌』13歌 ヒュラース 36-52行
kw1|xeq7073Ulav o9 canqo_v u3dwr e0pido/rpion oi1swn
au0tw=| q70 79Hraklh=i kai_ a0stemfei= Telamw~ni,
oi4 mi/an a1mfw e9tai=roi a0ei_ dai/nunto tra/pezan,
xa/lkeon a1ggov e1xwn. ta/xa de_ kra/nan e0no/hsen
h9me/nw| e0n xw/rw|: peri_ de_ qru/a polla_ pe/fikei, 7777740
kua/neo/n te xelido/nion xlwro/n t 0 a0di/anton
kai_ qa/llonta se/lina kai_ ei0litenh_v a1grwstiv.
u3dati d 0 e0n me/ssw| Nu/mfai xoro_n a0rti/zonto,
Nu/mfai a0koi/mhtoi, deinai_ qeai_ a0groiw/taiv,
Eu0ni/ka kai_ Mali_v e1ar q70 o9ro/wsa Nu/xeia. 7777745
h1toi o9 kou=rov e0pei=xe potw~| poluxande/a krwsso/n
ba/yai e0peigo/menov: tai_ d7)e0n xeri_ pa=sai e1fusan:
pasa/wn ga_r e1rwv a9pala_v fre/nav e0cefo/bhsen
70Argei/w| e0pi_ paidi/. kath/ripe d7) e0v me/lan u3dwr
a0qro/ov, w9v o3te purso_v a0p 0 ou0ranou= h1ripen a0sth/r 7777750
a0qro/ov e0n po/ntw|, nau/tav de tiv ei]pen e9tai/roiv
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そして,金髪のヒュラースは,
自分とヘーラクレースと堅忍不抜のテラモーン,
彼ら二人は常に一つの食卓で食事をするのだが,その彼らの為に夕食の水を運ぼうと,
青銅の壷を持って,出かけて行った.そして,すぐに泉に気が付いた,
それは低くなった場所にあった.そして,その周りには多くの燈心草が生えていた,(40)
濃い藍色のクサノオウに,緑のホウライシダ,
そして花盛りのセロリ,そして地面を這うカタクリ.
だが,水の中では,ニンフたちが踊っていた,
眠ることなきニンフ,土地のものには恐れられる女神達,
エウニカとマリス,春の如くに見えるニュケイアが.(45)
まさにその若者は,沢山入る壷を泉に入れようと
急いでいた.すると彼女らは皆,その手にしがみついた.
というのも,皆の柔らかい心に,アルゴスの少年への愛が
襲ったからだ.そして,彼は黒々とした水の中に
まっ逆さまに落ちた,ちょうど赤く燃える星が空から(50)
まっ逆さまに落ちるように.一方,水夫のだれかが仲間に言った.
「お前たち,滑車を緩めろ.出航にいい風が来たぞ.」


【2005/11/20 22:42】 Theocritus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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