FC2ブログ
ラテン語徒然  ラテン語の翻訳・覚え書きなど
log-in  ラテン語入門 作家別インデックス 文法資料 リンク集 ギリシア語フォントについて アーカイブ他
歴史地図 伊北 伊南 希北 希南 小ア PHI Perseus POxy KVK CiNii L-S Georges Gildersleeve 省略記号 Text Archive BMCR DCC BMCR 日本西洋古典学会

マンガ ローマ帝国の歴史 2 アウグストゥス

やっぱり買ってしまいました.

さかもと未明著 小堀馨子監修『マンガ ローマ帝国の歴史2 アウグストゥス,揺るぎなき帝国の礎』東京:講談社,2007年.

これも購入後1時間で読み切ってしまいました.帯封がなければ立ち読みしてしまったでしょう…….第1巻同様,すごい情報量と迫力です.帝国化の歩みがアウグストゥスを通して,まざまざと視覚化されています.大帝国の支配者に上り詰めながらも,全然幸せに世を去る事ができなかったモラリスト・アウグストゥスには,なんだか日本の有様もうっすら重なってきますね.それにしても,このマンガの絵のスタイル,スエートニウスなどが伝えているような残虐淫媚なエピソードには絶妙にぴったりです(中立的な歴史としては,露悪趣味的な歴史作家の傾向を割り引くべきなのかもしれないですが).この巻ではあまり多くはないですが,第3巻のカリグラ・ネロになると,このマンガがトミスに追放されてしまうのではないかと思うぐらい,すごい事になるのではないかと,楽しみです(笑).イエス・キリストも登場しますが,その登場の仕方も恐ろしく用意周到で,この作者は一体どんな才能の持ち主なんだろうと思ってしまいます.巻末の4コマコラムも,たった数頁でえらい勢いでキリスト教発祥までの経緯が概説されています.

 この巻ではローマ黄金期の詩を中心として,文学作品もちらほら出ています.キケローの『ピリッピカ』,『国家について』,ウェルギリウス『アエネーイス』,ホラーティウス『世紀祭讃歌』.オウィディウス『恋愛技法』も,名前が出て来るばかりか,一部は引用も出てきます.これを機会にアウグストゥス期の文学に興味を持ってくれる人が増えるといいですね.うちのブログでも,そのうち『世紀祭讃歌』でも訳しておこうかと思っています.第3巻になると,こんどはマールティアーリス,ルカーヌス,セネカ,ペトローニウスが登場するのでしょうか.

 下手をすると大学の講義にでるのが馬鹿馬鹿しくなるぐらい面白いのですが,読んだ後はもうちょっと冷静な視点に戻しておく必要はあるかもしれないですね.

ピエール・グリマル 北野徹訳『アウグストゥスの世紀』文庫クセジュ.東京:白水社,2004年.

 特に文学には1章分割り当てられているのもありがたいです.こちらも翻訳されている方は,専門家ではないですが,日本語も読みやすく,適宜親切に訳注もついています.それにしても,今の所アウグストゥスをメインに扱う類書は日本語ではあまり多くはないようですね.「アウグストゥス」で検索しても,上の二冊ぐらいしか出てきません.

 最後にちょっとした疑問が,このマンガの帯に,吉村作治先生のコメントが載っているのですが,いつ読んだのでしょう(別にこの本だけに限らない現象ですが).僕が持っているのはできたてほやほやの第1刷なんですが,出版前に帯につける感想をもらうためのサンプルを送ったのでしょうか.


【2007/05/03 13:49】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(9) | 記事修正

TOPへ


この記事に対するコメント

吉村先生には・・・


初校ケラか、二校ゲラ位の段階でお送りしているそうです。
だから、最終訂正よりは前の段階なのですが、
一応その段階できちんと読んで下さっていますので、
ご安心ください。 ・・・ちょっと内部情報?!(笑)でした。


【2007/05/15 04:14】 URL | 馨子 #tQ725RIE [ 編集]

内部情報ありがとうございます


馨子さま,内部情報ありがとうございます.第3巻ももう少しで出そうですね.
今度の帯のコメントはギリシア・ラテン関係者ではないかと推測していますが,どうでしょう(笑).


【2007/05/15 05:52】 URL | メレアグロス #joBkeTOc [ 編集]

ははは、残念ながら・・・


ギリシア・ローマ史関係者ではありませんが、
どなたであるかは、発売されてのお楽しみということで・・(^^;)


【2007/05/22 22:41】 URL | 馨子 #tQ725RIE [ 編集]

うーん,残念……


てっきり某大先生だと思っていましたが……
なんだかんだ言ってもう月末ですね.しかしこれでシリーズ終わってしまうのは
ちょっと残念ですね.
それにしても,あまりに面白すぎるので,日本だけで楽しんでいては
もったいないです.英語版を作ってイギリスで売り出してはいかがでしょう.
OxfordやCambridgeの古典学科の裏教科書になるのは間違いなし(?)(笑).


【2007/05/22 23:04】 URL | メレアグロス #joBkeTOc [ 編集]

うーん・・・


それができたらよいのですがね (^^;)
まあ、版権やら、左開き・右開きの問題やらがあって欧米では難しいでしょう。
中国や韓国や台湾だったら、ぞくぞくと海賊版で出ていそうですが(笑)
(以前のギリシア神話も、これらの国では、しっかり海賊版が出ていましたからね(苦笑))

でも、そんなにまで言って頂けて光栄です!


【2007/05/24 04:36】 URL | 馨子 #tQ725RIE [ 編集]

欧米版


よく出ている英語版の日本マンガはどうやっているのでしょうね.確かに,縦書きの日本語用の吹き出しも大変ですし,コマ割なんかも欧米式に変更しなければならないのでしょうね…….版権は多分,Oxford University Pressが手配してくれると思います(笑).
 ところで,もう最終巻がでているようですね.完結おめでとうございます.


【2007/05/24 23:50】 URL | メレアグロス #joBkeTOc [ 編集]

ありがとうございます。


確かに、英語で出すなら、そこは英語の出版社に任せましょう(笑)

本の方も、お蔭さまで何とか完結になりました。
でも、最も大変だったのは、作家さんであり、編集チームの方々だと思います。
特に、時間が押している中で、監修者が容赦なくつける文句(爆)に、時間と戦いつつ最善で応えて下さった編集チームの方々のご苦労は、目に見えないだけに、個人的には是非称えておきたいと思ってます~。


【2007/05/25 01:13】 URL | 馨子 #tQ725RIE [ 編集]

追伸


まだ、確定情報ではないので詳しいことは書けませんが、
イタリアの出版社から翻訳出版の話が来ているらしいです。
メレアグロスさんがおっしゃっていたことが、似たような形で
現実化しそうで、びっくりしています。 ちょっとお知らせまで。


【2007/06/12 20:00】 URL | 馨子 #tQ725RIE [ 編集]

no subject


それはおめでとうございます.さすが麻生大臣がマンガの海外普及を推進しているだけあります(笑)


【2007/06/13 22:09】 URL | メレアグロス #joBkeTOc [ 編集]

TOPへ


この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

TOPへ


この記事に対するトラックバックトラックバックURL
→http://litterae.blog8.fc2.com/tb.php/962-a07d7d67

TOPへ


PROFILE

  • Author:メレアグロス
  • 気が向いた時にラテン語を訳したりしています.
    ヘレニズムのギリシア語もたまに訳しています.

    問い合わせ先(メールフォーム)
  • RSS1.0
  • CM, TB, ARCHIVE

    COMMENT
  • メレアグロス [06/06 15:20] 
  • outis [06/05 21:42] 
  • メレアグロス [06/05 10:37] 
  • outis [06/01 22:33] 
  • メレアグロス [05/28 18:31] 
  • outis [05/26 23:35] 
  • Succarum [09/24 20:12] 
  • メレアグロス [09/24 00:15] 
  • Succarum [09/23 16:32] 
  • メレアグロス [11/06 01:49] 
    TRACKBACK
  • えいじゅなすの本棚 - 英語, 医学, 投資の専門書レビューブログ:Wheelock's Latin(05/26)

  • ARCHIVE
  • 2019年03月 (1)
  • 2018年11月 (1)
  • 2018年08月 (1)
  • 2018年05月 (3)
  • 2018年03月 (20)
  • 2018年02月 (25)
  • 2016年07月 (1)
  • 2016年05月 (1)
  • 2016年01月 (1)
  • 2015年08月 (1)
  • 2015年07月 (1)
  • 2015年06月 (1)
  • 2015年05月 (2)
  • 2015年04月 (1)
  • 2015年03月 (4)
  • 2015年02月 (1)
  • 2015年01月 (1)
  • 2014年12月 (4)
  • 2014年11月 (24)
  • 2014年10月 (6)
  • 2014年08月 (1)
  • 2014年07月 (3)
  • 2014年06月 (10)
  • 2014年04月 (3)
  • 2014年03月 (3)
  • 2014年02月 (1)
  • 2014年01月 (2)
  • 2013年12月 (3)
  • 2013年11月 (4)
  • 2013年10月 (25)
  • 2013年09月 (1)
  • 2013年08月 (5)
  • 2013年07月 (6)
  • 2013年06月 (1)
  • 2013年05月 (2)
  • 2013年04月 (1)
  • 2013年03月 (1)
  • 2013年02月 (2)
  • 2013年01月 (2)
  • 2012年12月 (1)
  • 2012年10月 (6)
  • 2012年09月 (27)
  • 2012年08月 (32)
  • 2012年07月 (47)
  • 2012年06月 (50)
  • 2012年05月 (3)
  • 2009年10月 (1)
  • 2009年09月 (2)
  • 2009年08月 (12)
  • 2009年07月 (7)
  • 2009年06月 (14)
  • 2009年05月 (2)
  • 2009年03月 (40)
  • 2009年02月 (14)
  • 2009年01月 (75)
  • 2008年12月 (26)
  • 2008年11月 (22)
  • 2008年10月 (60)
  • 2008年09月 (95)
  • 2008年08月 (68)
  • 2008年07月 (42)
  • 2008年06月 (54)
  • 2008年05月 (49)
  • 2008年04月 (49)
  • 2008年03月 (35)
  • 2008年02月 (9)
  • 2008年01月 (27)
  • 2007年12月 (40)
  • 2007年11月 (35)
  • 2007年10月 (26)
  • 2007年09月 (43)
  • 2007年08月 (10)
  • 2007年05月 (33)
  • 2007年04月 (8)
  • 2007年03月 (61)
  • 2007年02月 (51)
  • 2007年01月 (75)
  • 2006年12月 (68)
  • 2006年11月 (23)
  • 2006年10月 (56)
  • 2006年07月 (1)
  • 2006年06月 (7)
  • 2006年05月 (125)
  • 2006年04月 (77)
  • 2006年02月 (34)
  • 2006年01月 (69)
  • 2005年12月 (54)
  • 2005年11月 (50)
  • 2005年10月 (7)
  • 2005年09月 (106)
  • 2005年08月 (38)
  • 2005年07月 (4)