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『エウテュプローン』注釈書

Bailly, Jacques A. Plato's Euthyphro & Clitophon. Commentary with Introduction, Glossary and Vocabulary. Focus Classical Commentary. Newburyport: Focus Pub., 2003.

 ようやく届きました.いや,これは本当に懇切丁寧な注釈です.
 初級を終わっている人には,5つ星のおすすめでしょう.ギリシア語を教える立場にたっても,細かい部分の説明もれを防ぐのにはかなりいい本だと思います.シンタックスの注はSmythにreferしてあるので,中級文法の補強にも非常にいいと思います.ところどころで,本文の問題にも簡単にですがふれてあり,プラトーン読みはtextual criticismに無神経だ,という批判を持ちがちな文献学学徒にも有益です(まあ文献学学徒も充分無神経だったりしますが).
 巻末には語彙表がつけられていて,これは動詞の主要変化形も網羅されていますから,辞書代わりに使える一方で,単語帳として暗記にも使え,語彙力をつけるにはちょうどいい教材だと思います.ギリシア語フォントが,英字フォントよりも細めなのが,ちょっと見やすさを損なっているのが残念ではありますが.
 もし,難点を挙げるとすれば,小辞についてでしょうか.これも,説明は少ないわけではない(というか従来の注釈書よりはずっと多い)ですが,完全に全ての小辞をカバーしておらず,特に複数の小辞が絡むところに,どれがどう機能している(あるいはしていない)のかが解説されていなかったりするところがあります.もちろん,DennistonのGreek Particlesを調べることもできますが,この本の対象となる読者は,わらの山の中から針を探し出す作業に陥りがちなGreek Particlesに取り組むよりも,シンタックスや語彙に時間を使うべきですでしょうから,この部分にはもうちょっと網羅的であって欲しかったです.
 僕がギリシア語を勉強し始めた時に,このタイプの本が数冊あったなら,格段に速く,かつ確実にギリシア語ができるようになったでしょう.しかも,Amazonで2500円足らずで購入できてしまうという,破格な値段です.今更ながら,本との出会いは重要だなあと思う今日この頃です.


【2007/01/25 01:20】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(2) | 記事修正

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この記事に対するコメント

同感です


初級を終えて最初に取り組む注釈書がこの本になり、本当に僥倖に恵まれました。これもメレアグロスさんのおかげで、感謝しております。
> 小辞について
これは目下、一筋縄ではいかず、はてどうやって勉強すればよいものやら、と模索していたところでしたが、
> この本の対象となる読者は,わらの山の中から針を探し出す作業に陥りがちなGreek Particlesに取り組むよりも,シンタックスや語彙に時間を使うべき
とのアドバイスで、ちょっと安心しました。まずは、あまり細かいことに拘泥せず、テキストを読み進めていこうと思います。


【2007/01/25 04:30】 URL | comc #M7EQkxxc [ 編集]

小辞は……


 ギリシア語で最後まで割り切れないものが残るとしたら,小辞でしょうね.Greek Particlesも,頼りになることはなりますが,それでも時々これでいいのか?という時も少なくないですし,最終的には個々の作品の注釈家が取り組む課題になるのではないかと思っています.僕もこれからでも,余裕があったら小辞のところを少しコメントしようかと思っています.


【2007/01/25 19:20】 URL | メレアグロス #M6t13bQI [ 編集]

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