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対訳ジョン・ダン詩集

湯浅信之 編『対訳 ジョン・ダン詩集』イギリス詩人選(2).岩波文庫.東京:岩波書店,1995.

 『キケロー書簡集』を買ったついでに買って来ました.なんと対訳になっています.流石は英文学.読者のニーズを弁えています.これに比べると,やっぱり『キケロー選集』はいつも通りの只の翻訳で,魅力が2-3割ほど落ちてしまいます.
 お恥ずかしながら,ジョン・ダンは大分昔に退屈で死にそうな英文学の授業で,名前をちらっと聞いた程度ですが,今原文と対訳を読んで,大変なショックを受けています.これは本当に面白いですね.特に,ローマ恋愛詩などをやっていると,感動的なのはp.44-47からの"The sun rising"「日の出」でしょうか.太陽に向かって"Busy old fool, unruly Sun, | why dost thou thus, | Through windows, and through curtains call on us?"(1-3)「穿鑿好きな年老いた愚者よ,無法な太陽よ,なぜこんな風にお前は,窓越しに,カーテン越しに僕らを訪ねて来るのか」(訳はあえてメレアグロス訳です)ではじまって,"She's all States, and all Princes, I, nothing else is"(21-22)「彼女が全ての国,そして私は全ての王,その他はなにもない」(メレアグロス訳)と,まさにローマ恋愛詩の延長線上にある詩です.これはむしろ,西洋古典学の研究範囲でしょうね.
 残念ながら,翻訳は僕には少なくとも,丁寧さが足りないような気がしますが,それも原文があってわかることですから,厳しい眼にさらすことを恐れずに,原文をつけて下さった翻訳者の方には,感謝の念でいっぱいです.また,適宜稀な語彙などについて,注をつけて下さっているのも,有り難い事です.訳者の真摯な態度を疑う事はできません.
 このジョン・ダンの対訳一冊が,英文学へ何人の学徒を誘うかを考えると,西洋古典でこのような本がでる様子がないということは,言葉にできないぐらい悔しく,残念なことです.


【2006/12/27 21:42】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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