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カッリマコス エピグラム全訳に向けて

昔カッリマコスを勉強していた時のノートなどが出て来たので,これを機会にカッリマコスの大部分を翻訳してここで紹介しようかと思っています.手始めはやっぱり手軽なエピグラムでしょうか.これは一度全部翻訳しているので(実際大した量ではないのです),わりあい早くアップできるでしょう.

参考文献は……

校訂本

Pfeiffer, Rudolf. Callimachus. 2 vols. Oxford: Clarendon Press, 1949. Reprint. 1998.(Arno Pressによる1冊にまとめたReprintもありますが,厚過ぎて開きにくいです)
カッリマコスの定番テクスト.ラテン語をやる人間には必携です.校訂本文に,ラテン語の注釈が付いています.


注釈書

Gow, A.S.F. and D.L.Page, The Greek Anthology: Hellenistic Epigramms. 2 vols. Cambridge: Cambridge U.P., 1965.[Callimachus: vol.1.pp.57-74 (text), vol.2.pp.151-218 (commentary)]
カッリマコスの全エピグラムの本文と注釈.注釈は非常に便利です.エピグラムが全部揃っている注釈はこれしかないでしょう.


Hopkinson, Neil. A Hellenistic Anthology. Cambridge Greek and Latin Classics. Reprinted. Cambridge: Cambridge U.P. [Callimachus Aetia fr.1 (Aet.book 1. Prolog), fr.67+75 (Acontius and Cydippe), Hymn.5 (the Bath of Pallas), Hymn.1 (Zeus), Ep. Pf=Pfeiffer.9 (AP=Anthologia Palatina 7.451), Pf.2 (AP 7.80), Pf.43 (AP 12.134), Pf.25 (AP 5.6), Pf.34 (AP 6.351), Pf.47 (AP 6.301)]
割合長めの『縁起集』断片,賛歌の2つ,6つの短いエピグラムのみですが,コンパクトな注釈が本当に助かります.


翻訳

Mair, A.W. Ed. and Tr.Callimachus: Hymns and Epigrams, Lycophron, Aratus. Loeb C.L. 129. Reprinted and Revised. Cambridge, Mass.: Harvard U.P., 1955.

Trypanis, C.A. Ed. and Tr.Callimachus: Aetia, Iambi, Hecale and Other Fragments. Musaeus: Hero and Leander. Loeb C.L. 129. Reprinted and Revised. Cambridge, Mass.: Harvard U.P., 1958 (Callimachus), 1975 (Musaeus). Reprinted 1989.
定番の翻訳でしょうか.

呉茂一 訳『ギリシア・ローマ詩選』東京:岩波文庫,1991. [カリマコス pp.52-7]
何も申しますまい.

中務哲郎 訳『ギリシア恋愛小曲集』岩波文庫 赤124-1.東京:岩波書店,2004.[カッリマコス Aet.fr.67+75 pp.31-44]
古典語に興味がある人もそうでない人も読めるほどこなれた日本語で,カッリマコスの,美しい断片,アコンティウスとキュディッペーが読めるほか,ラテン詩を勉強する者にとっては,エレゲイア詩人ガッルスのためにパルテニオスが書き下ろした恋愛エピソードのネタ帳というべき『恋の苦しみ』が翻訳されています.多分そろそろ絶版になると思うので,ちゃんと買っておいた方がいいと思います(nikubetaさんありがとうございました).

呉茂一[ほか]編『世界名詩集大成 1 古代・中世』東京:平凡社,1960.
未見です.松平千秋訳で,『アルテミス讃歌』『パッラスの入浴』が抄訳で入っているようです.


カッリマコスは,その他にも,日本語訳が部分的にはある,という話しを聞いた事があります(確か賛歌だったような気が……).もし御存じの方がいらっしゃったら,御教示下さるとありがたいです.

カッリマコス(それに,同時代のテオクリトスその他)は,難解さや衒学的な点ばかり強調され過ぎる傾向があるように思いますが,そういう問題がクリアされれば,人懐っこい,冗談好きの面も結構見えて来ます.場合によっては,この学を衒っているスタンスを利用して,セルフ・アイロニーなどもやっていたりするぐらいです(例えばPf.28 (AP 12.43)
など).もうすこし,肩ひじ張らずに取り組むのがいい詩人の一人だと思います.


【2005/09/05 02:15】 Callimachus Epigrammata | TRACKBACK(0) | COMMENT(8) | 記事修正

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この記事に対するコメント

カッリマコス翻訳


確か、中務哲郎 『ギリシア恋愛小曲集』 にカッリマコス「アコンティオスとキュディッペ」が入っていたと思いますよー。他にも探せばあるのかもしれません。でも全訳とはすごいですね、期待してます!
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/400321241X/qid%3D1125895711/250-7259235-6029020


【2005/09/05 13:49】 URL | にく #- [ 編集]

有難うございます


有難うございました.自分で買っていて,挙げるのを忘れていました.
取りあえずエピグラムはなんとかなりそうです(というかもう訳してあるので).『縁起集』も幸い断片ばかりなので,割合早く終わると思いますが,賛歌が一番大変そうですね.カッリマコスとテオクリトスがなんとかなると,ラテン語の詩の勉強の時の不安感が大分解消されます.ラテン詩の関係の論文や注釈で,結構頻繁にこのあたりが引用されているので,昔はよく絶望感に浸ったものです(笑).『縁起集』の断片1を読むだけでも,大分楽になりますね.もっぱらこれとアポッローン賛歌とあとはエピグラムのPf.28が文学理論と関係するので,よく取り上げられるので.しかし,あの断片の端っこなどが切れているのを見るだけで,昔はこんなもの読めるわけないと,トラウマに落ち込んだものですが,最近は読む量が少なくてよかったと安心することにしています(笑).


【2005/09/05 15:54】 URL | メレアグロス #1N3OCQkI [ 編集]

いやぁ


 僕はカリマコスもテオクリトスも一行も読んだことがないので(汗)。それこそメレアグロスさんの翻訳を読んでカリマコスってこんなの書いてたのかぁ、と思っている次第です。
 この二人をちゃんと読めば、ニズベットのコメンタリーも理解できるようになりますかねぇ。死ぬまでには何とかしたいものです(遠い目)。賛歌の翻訳についてはちょっと心当たりがないですが、分かったらお知らせしますね。


【2005/09/06 02:14】 URL | にく #- [ 編集]

ホラーティウス


 >この二人をちゃんと読めば、ニズベットのコメンタリーも理解できるようになりますかねぇ。
 うーん,まあそう言えるかどうか判りませんが,コメンタリーは理解を助けるためのものなので,順番はちょっと逆ですよね(笑).Nisbet-Hubbardの注釈を完全に隅から隅まで読めたら,殆どプロの学者レベルではないかと思います.僕もまだ適当です(笑).最初に読む時に使うのには,情報は余りにも多過ぎで,整理がされていなさすぎですね.ここからネタを得ようとする学者にとってはいいのでしょうが,なにしろ,出てくる例文を読むだけでも,ホラーティウスの詩の20倍ぐらいは読まされますからねー(しかもラテン語だけでなく,方言まであるギリシャ語で).辞書を読むようなもので,最初にホラーティウスに取り組む場合には,僕は余りプラスにはならないと思います(少なくとも,モーチベーションの点で).それよりは,語法上の問題を解決して,詩の構成がどう言う仕組みになっているかがスッキリとした形で判る事の方が,大切だと思うので,それのための注釈(マクミランなど)をお薦めしたいですね.そこから先がNisbet-Hubbardの出番だと思っていますが,どうでしょう.


【2005/09/06 03:50】 URL | メレアグロス #1N3OCQkI [ 編集]

確かに


>コメンタリーは理解を助けるためのものなので,順番はちょっと逆ですよね(笑).

 いや、ほんとうにおっしゃる通りで。でも僕の西洋古典学科の友達なんかはニズベット本の大ファンで、あの本のためなら死んでもいいと考えているんじゃないかという感じですよ(-_-;)。
 ウェストという人も(例のウェストとは違う人)『歌集』の注釈書を書いていますね(3巻まで)。とりあえず読むならあれを使うのが近道でしょうか。翻訳もついていますし。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0198721617/qid%3D1125970488/249-8683125-5130742
 とにかくいづれはニズベットやノルデン(おそれおおすぎ・・・)を読みこなせるようになりたいものです。
 でも今は授業でウェルギリウスとオウィディウスをやっているので韻文はそちらを優先ですかねぇ(涙)。


【2005/09/06 10:39】 URL | にく #- [ 編集]

注釈は……


Westのは便利で面白いのですが,全然語注がないですよね…….読んだ事はないですが,たしかKenneth Quinnも注釈を出していたと思います.Catullusでは,多分一番コンパクトで使い易い注釈だと思いますが,ホラーティウスではどうでしょうね.
http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=BA50993857


【2005/09/06 11:51】 URL | メレアグロス #- [ 編集]

分かりました


ちょっと本題に戻って学者詩人ですが、

カッリマコス 『讃歌(抄)』、松平千秋訳、世界名詩集大成1所収。アルテミスとアテーナーへの讃歌を訳出。

があるそうです。これと中務訳だけですかねぇ、カッリマコスの日本語訳は。


【2005/09/08 06:24】 URL | にく #- [ 編集]

ありがとうございます


やっぱり本当にあったのですね.抄訳というのは残念ですね.一番有名なアポッローン賛歌がないので,訳し始めはこれがいいでしょうか.
しかし短くて比較的易しいと思われるエピグラムでも結構大変ではあるので,正直翻訳したくないというのがあるのかもしれませんね.ネットならまあ後で直せばいいや,という感じで気楽にやれますが,本だと後で難くせがつきそうですし(笑).


【2005/09/08 12:57】 URL | メレアグロス #1N3OCQkI [ 編集]

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