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論文マニュアル
  山内志朗『ぎりぎり合格への論文マニュアル』平凡社新書103.東京:平凡社,2001.

 某所でちょっと取り上げられていたので,700円と値段も手頃なこともあり,買って読んでみました.個人的には大ウケです.なにしろ,この手の本にありがちな,教えてあげよう的ないやらしさがないです.適度にギャグも利いていて,切迫した卒業論文作成者にもひとときの憩いとなりうると思います.後半たまに壊れ気味になっているのも面白いです.
 それにしても,このような楽しい本を書かれる先生に論文指導してもらう学生さんは本当にうらやましいです.あとがきなどで読みましたが,何人もいる学生のために,それぞれ別の原典を読むのにつきあったりされているようで,これでは確かに四季を味わう余裕はないぐらい忙しいでしょう.というか,こういうことをしている先生は例外的だと思います.

 西洋古典関係では,色々独特の流儀や研究ノウハウなどもあって,特に,テクストの問題を論じるような場合には,文学史などのクロノロジーの問題や,本文批判の方法論,韻律の知識,各種辞典などのリファレンス類の適切な使い方,なににもまして,体系的文法知識がないと,とんでもないことを知らずにしでかしてしまいます.こういったことこそ,本にまとめられている必要があるのですが,今のところ日本語ではないですね.
 逆に,こういった知識を使いこなす訓練がされていれば,西洋古典で論文を書くのは案外楽かもしれません.というのも,ちょっとした長さの詩でも,きちんと扱えば調べることは膨大に出て来て,それなりの論文になってしまいます.例えば,ホラーティウスのエポーディーの8歌など,卒論にはちょうど良かったりするのではないかと思います(笑).ストア派の研究も必要そうですし(笑).

【2005/12/28 19:47】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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