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キケロー 『カティリーナ弾劾』 第一弁論 30

(30) quamquam nōn nūllī sunt in hōc ōrdine, quī aut ea, quae imminent, nōn videant aut ea, quae vident, dissimulent; quī spem Catilīnae mollibus sententiīs aluērunt coniūrātiōnemque nāscentem nōn crēdendō corrobōrāvērunt; quōrum auctōritāte multī nōn sōlum improbī vērum etiam imperītī, sī in hunc animadvertissem, crūdēliter et rēgiē factum esse dīcerent. nunc intellegō, sī iste, quō intendit, in Manliāna castra pervēnerit, nēminem tam stultum fore, quī nōn videat coniūrātiōnem esse factam, nēminem tam improbum, quī nōn fateātur. hōc autem ūnō interfectō intellegō hanc reī pūblicae pestem paulisper reprimī, nōn in perpetuum comprimī posse. quod sī sēsē ēiēcerit sēcumque suōs ēdūxerit et eōdem cēterōs undīque collectōs naufragōs aggregārit, exstinguētur atque dēlēbitur nōn modo haec tam adulta reī pūblicae pestis vērum etiam stirps ac sēmen malōrum omnium.


(30) にもかかわらず,この階級の中には,差し迫っている事態を理解していない,あるいは,理解していながら,それを隠しているような方々が少なからずいる.その方々は,カティリーナの希望を生温い判決*1により肥え太らせ,生まれつつある陰謀を,それを信じないことによって強化したのである.もし仮に私がこの男を処刑していたら,その方々の権威により,多くの不正な輩のみならず,経験に乏しい方々までもが,そんな処置は残忍かつ専制君主的*2なものだったと言うことになろう.今私は解っている.もしそこなる男が,彼の目指す場所,すなわちマンリウスの陣営に到着したなら,陰謀が成されていたことを理解せぬほど愚かな者は誰もいないだろうし,そんなものは成されていないなどと言うほど不正な者はいないであろう.だがこの男一人だけを殺害したなら,国家に対するこの害悪は,少しの間は抑えられるが,永遠に根絶せしめることはできないと私は理解している.しかしもし,彼が自ら追放を選び,自分と共に彼の手の者どもを連れ出し,そして一所にその他のあちこちから集められた食い詰め者どもを集合させたなら,かくも大きくなった,国家に対するこの害悪のみならず,あらゆる悪の根に加えその種もが根絶されるであろう.

*1 前63年10月21日の元老院議会で,カティリーナは陰謀を強く暗示する発言をしている(「国家には二つの身体があり,一方は身体が弱く頭も不確かで,一方は身体が強健だが頭がない.後者は自分について貢献してくれたのだから,自分は生きてその頭となろう」「自分の財産に火がつけられたなら,水でなく破壊によってそれを消すつもりだ」『ムーレーナ弁護』51)が,それに対して,陰謀対策の処置はとられることとなったものの,本人の拘束・処刑までには至らなかった.
*2 ローマでは専制君主制に対する恐怖憎悪の念が強く,元老院においてある実力者の一個人に,専制君主となる意図ありとされるような要素が認められることは,なんらかの超法規的措置さえとられかねないものであった.



【2014/11/19 15:43】 Cicero In Catilinam | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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