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キケロー 『カティリーナ弾劾』 第一弁論 16

(16) quotiēns iam tibi extorta est ista sica dē manibus, quotiēns excidit cāsū aliquō et ēlāpsa est! [tamen eā carēre nōn diūtius potes.] quae quidem quibus abs tē initiāta sacrīs ac dēvōta sit, nesciō, quod eam necesse putās esse in cōnsulis corpore dēfigere.
 nunc vērō quae tua est ista vīta? sīc enim iam tēcum loquar, nōn ut odiō permōtus esse videar, quō dēbeō, sed ut misericordiā, quae tibi nūlla dēbētur. vēnistī paulō ante in senātum: quis tē ex hāc tantā frequentiā, tot ex tuīs amīcīs ac necessāriīs salūtāvit? sī hoc post hominum memoriam contīgit nēminī, vōcis exspectās contumēliam, cum sīs gravissimō iūdiciō taciturnitātis oppressus? quid? quod adventū tuō ista subsellia vacuefacta sunt, quod omnēs cōnsulārēs, quī tibi persaepe ad caedem cōnstitūtī fuērunt, simul atque assēdistī, partem istam subselliōrum nūdam atque inānem reliquērunt, quō tandem animō tibi ferendum putās?

tamen ea carere non diutius potes del. Heumann. cf. 24 tu ut illa carere diutius possis ...?


(16) もう何度お前は手からお前の短剣*1を奪い取られたことか,何度何かの偶然でそれがこぼれ落ちたり滑り落ちたりしたことか.[しかしながらそれをお前はこれ以上長く手放していることはできぬ.] *2 それは実際,お前によって,何かは知らぬが地下の神々への儀式に捧げられ誓願されたもので.そうしたのは,それを執政官の身体に必ずや突き刺さねばならぬとお前が思う故である*3
 さてしかし,お前のその生き様ときたらどんなものか?実に私は今,抱いて当然の憎しみに突き動かされているようにではなく,お前にはそうすべき謂れもない哀れみによって突き動かされているように見えるように,お前に話しかけるとしよう.お前は少し前に元老院に来た.これほど多くのこの群衆の中の誰が,これほど多くのお前の友人や身内の者のうちの誰が,お前に挨拶をしたか?もしこのことが,人の記憶の範囲ではいかなる者にも前例がないことだとすれば,お前は沈黙という極めて重い判決に圧し潰されていながら,声高な侮辱を期待しているのか?どうだ?お前の到着の時,お前のいる議員席が空になったこと,殺害すべしとお前が何度も決めたところの全執政官経験者が,お前が座った途端,お前のいる座席の一帯ぐるりを離れて,そこががらんと空っぽになったこと,これらをお前はどんな気持ちで耐えねばならぬと思っているのか?

*1 sica は先端がカーブした短剣.単なる短い剣というより,暗殺用に隠し持たれるというイメージの剣.
*2 第一弁論の24に類似する箇所が出てくる(そこでは短剣の代わりに軍旗が儀式に捧げられたことが言及されている)が,おそらくそこからヒントを得て,後に付け足された部分.24の表現に比べると,文の作りが単純で,必要性も感じられない.続く quae quidem quibus の関係代名詞も,sica から引き離されてしまっており(もちろん可能でないとはいわないが),この一文はないほうが文の流れとしてはよい.
*3 暗殺者はしばしばこのような怪しげな儀式と関係付けられた.



【2014/11/05 02:43】 Cicero In Catilinam | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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