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キケロー 『カティリーナ弾劾』 第一弁論 11

(11) magna dīs immortālibus habenda est atque huic ipsī Iovī Statōrī, antiquissimō custōdī huius urbis, grātia, quod hanc tam taetram, tam horrībilem tamque īnfestam reī pūblicae pestem totiēns iam effūgimus.
 nōn est saepius in ūnō homine summa salūs perīclitanda reī pūblicae. quam diū mihi cōnsulī dēsignātō, Catilīna, īnsidiātus es, nōn pūblicō mē praesidiō, sed prīvātā dīligentiā dēfendī. cum proximīs comitiīs cōnsulāribus mē cōnsulem in campō et competitōrēs tuōs interficere voluistī, compressī cōnātūs tuōs nefāriōs amīcōrum praesidiō et cōpiīs nūllō tumultū pūblicē concitātō; dēnique quotiēnscumque mē petīstī, per mē tibi obstitī, quamquam vidēbam perniciem meam cum magnā calamitāte reī pūblicae esse coniūnctam.


(11) 我々は不死なる神々に,さらには,この都の最も古い守護者であらせられるこのユッピテル・スタトル*1御自身に,大いなる感謝を持たねばならぬ.なぜなら,国家に対する,かくも忌まわしく,かくも恐ろしく,かくも剣呑なこの害悪を,我々はかくも繰り返し逃れてきているのだから.
 国家の安全の根幹が,ただ一人の人間*2のために,これ以上何度も危険にさらされてはならぬ.次期執政官となった私に,カティリーナよ,お前が謀を巡らせている間ずっと,私は公の警備によってではなく,私個人の警戒によって我が身を守ってきた*3.先の執政官選挙の時には,執政官である私とお前の対立候補らを,マールスの野で殺そうとした際*4,お前の悪辣な試みを,私は友人たちの警備と手勢とでもって,いかなる混乱も公に引き起こすことなく潰えさせたのである.つまり,お前が私を攻撃する度に,私は独力でお前に対抗したのだ.自分の破滅が国家の大きな厄災につながっていると,私は考えていたにも拘らずである.

*1 ユッピテル・スタトルとは文字通りには「立ち止まらせる者」の意味で,サムニテース人との戦争中,ローマ軍敗走の危機に際してユッピテルに加護を乞うたのち,逃亡しかけていた兵士を止めることができて壊滅を逃れたため,293年に建設されたのがユッピテル・スタトル神殿であり,この場所がまさにキケローの演説している場所(Shepherd, Historical Atlas, p. 24の右下のあたり). 古くはロームルスもユッピテルに加護を祈願する際に,この神殿の建造を誓約している.その後は意味が不明瞭となり,「守護者」としての意味にとられていたようである.[注が不適切だったため,書き換えています(2014.11.22)]
*2 すなわちキケローのこと.下の「自分(=キケロー)の破滅が国家の大きな厄災につながっている」を参照.
*3 前64年の7月以降,正式な執政官になる前63年1月まで.
*4 前63年の7月.デキムス・ユーニウス・シラーヌス,ルーキウス・リキニウス・ムーレーナ(この二人が当選),セルウィウス・スルピキウス(落選)が,カティリーナの対立候補であった.マールスの野が投票所であるので,この陰謀はまさに投票所でのテロということになる.


【2014/10/25 01:16】 Cicero In Catilinam | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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