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ラテン語入門 8 文字と発音など(8) 子音(4) 摩擦音 s f と気息音 h

 人によってはもう訳が分からなくなっているかもしれませんが,それは説明が多分まだわかりにくいからだとおもうので,大変申し訳なく思います.ただ,わからなくてもとりあえず目を通しておいて,ある程度全体がわかってからもう一度勉強し直すのが独学のコツだと思うので,まあ発音の部分が終わるまで読み通してみて下さい.こちらも発音部分だけでかなり消耗しています……

 ラテン語では,摩擦音 s f と気息音が別枠になっていますが,音声学ではすべて摩擦音です.有声・無声の区別ならびに調音点(狭めや閉鎖が起こっている場所)といっしょに記述するなら,正確には s は無声歯茎摩擦音,f は無声唇歯摩擦音 h は無声声門摩擦音となります.

 まず発音には問題ないかと思いますが,若干の注意だけ.

 ヨーロッパ近代語を勉強している方は,s の発音が有声化して [z] にならないように注意すべきでしょう.また,日本語のシは,[si] ではなく [ʃi] なので,ラテン語の si「もし」のような単語を発音するときには,スィという感じで発音されたほうがいいと思います.つまり,s はカタカナにすれば,サスィ(!)スセソの音です.

 f はカタカナで表すなら,ファフィフフェフォになりますが,これも日本語の場合はすべて両唇摩擦音で,唇歯音にはなっていません.まあそれでもいいと思いますが,正確に発音したいなら,鏡をみて上の歯を見せたままファフィフフェフォといえば,大体正確な f 音がだせると思います.ラテン語では基本的に語の最初に出て来る音です(元の bʰ, dʰ, gᵂʰ が語頭でのみ f になり,語中では別の音になった).f 音が語中で出てくる場合は,合成語などの場合です.

 h 音はハヒフヘホの音ですが,フは上のように,両唇摩擦音なので,まあそれでもいいと思いますが,気になるならのどの奥の摩擦になるようにしたらいいと思います.ちなみに h 音は特に日常語ではよく脱落していたことが,碑文などからわかります.おそらくあまり強い摩擦ではなかったと想像されます.イタリア語フランス語などを見てもわかるように,最終的には h 音はすべて発音されなくなるのですが,これは古典ラテン語の段階からすでに起こっていたことです.
 最後に例など……

  silva「森」スィルウァ  sēdēs「席」セーデース  salvē「こんにちは!」サルウェー  
  sumus「我々はいる,…である」スムス  miser「あわれな」ミセル
  familia「家族」ファミリア  fūmus「煙」  fīlia「娘」フィーリア
  ferō「持って行く」フェロー  fōrma「形,姿」フォールマ
  haereō「固着する」ハエレオー  vehō「運ぶ」ウェホー  herī「昨日」ヘリー
  hodiē「今日」ホディエー  humus「地面」

 なお,su によって [sᵂ] の音が表されることがありますが,これはまた別のところでまとめます.



【2013/10/12 00:45】 ラテン語入門 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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