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ラテン語入門 5 文字と発音など(5) 子音(1) 半母音の i [j] と v [w]

 今まで母音をあつかってきましたが,ここから子音についてです.

 ラテン語では,半母音 [j] (大雑把に ia ヤ,iu ユ,ie イェ,io ヨ [ii] については下記参照)と [w](va ワ,vi ウィ,vu ウゥ,ve ウェ,vo ウォ)があります.この子音の開始音は実は母音の [i] と [u] の音と同じものですが,この音から次の音に移行する音色の変化を子音と認識する音で,音声学的には接近音です.ラテン語ではこれに特別な文字をつくらずに,母音と同じ I と U をそのまま当てたのですが,ある意味正確に聞いていたということになります.狭めができる場所(調音点)は,i のほうは硬口蓋,v のほうは唇と軟口蓋なので,前者は唇硬口蓋接近音,後者は唇軟口蓋接近音です.

 先に書いたように,現行の表記で一般的なやり方は,半母音 [j] は古代と同様に母音 I i の文字をそのまま使い,半母音 [w] には,v をあてます.この入門ではこの方式を取りますが,実は不統一な方法です.採用したのは,ただ一般的に使われているという理由と,やっているうちに何となくなれる(笑)という理由からです.この方式でやや誤解を招きそうな場合には, 補助的に j を使おうと思います.たとえば,iaciō「投げる」だと,語頭の i のみが半母音ですが,iaciō (jaciō) という具合に添えて明確にしようと思います.幾つか例を挙げると:

  iānua (jānua)「扉」ヤーヌア  iūs (jūs)「法」ユース  iecur (jecur)「肝臓」イェクル
  iocus (jocus)「冗談」ヨクス
  vacuus「空の」ウァクウス  vestis「服」ウェスティス  servus「奴隷」セルウゥス
  vīnum「葡萄酒」ウィーヌム  volūmen「巻物,巻」ウォルーメン

 表記の仕方としては,他に次の二通りがあります.
 1. 半母音 [j] [w] にそれぞれ J j V v を当てる.山下太郎先生の方式では 前者が使われています.入門ではこの方式が取られることも多いです.
 2. 古代の表記そのままに,母音と半母音ともに I i U u を使う.近年オックスフォードで出ている校訂本では広く使われていますし,Oxford Latin Dictionary もこの表記です.


【2013/10/11 13:29】 ラテン語入門 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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