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リュグダムス(偽ティブッルス3巻)3歌 富よりもネアイラの愛 前編:1-22

Qui prodest caelum votis implesse, Neaera,
 blandaque cum multa tura dedisse prece,
non ut marmorei prodirem e limine tecti,
 insignis clara conspicuusque domo,
aut ut multa mei renovarent iugera tauri    5
 et magnas messes terra benigna daret,
sed tecum ut longae sociarem gaudia vitae
 inque tuo caderet nostra senecta sinu,
tunc cum permenso defunctus tempore lucis
 nudus Lethaea cogerer ire rate?      10
nam grave quid prodest pondus mihi divitis auri,
 arvaque si findant pinguia mille boves,
quidve domus prodest Phrygiis innixa columnis,
 Taenare sive tuis, sive Caryste tuis,
et nemora in domibus sacros imitantia lucos  15
 aurataeque trabes marmoreumque solum,
quidve in Erythraeo legitur quae litore concha
 tinctaque Sidonio murice lana iuvat,
et quae praeterea populus miratur? in illis
 invidia est: falso plurima vulgus amat.    20
non opibus mentes hominum curaeque levantur;
 nam Fortuna sua tempora lege regit.


何の役に立つのか,ネアエラよ,僕が天を願掛けで満たしたことが,
 そして多くの祈りとともに,ご機嫌宥める香をあげたことが?
僕がそうするのは大理石の家の敷居から,
 高名な家から人目を引きつつ,見栄えよく僕が出て行くことを願ってのことでも,
あるいは僕の牛が幾ユーゲルム*1をも耕し,
 そして大地が恵み深く,多くの収穫を与えるように願ってのことでもなく,
光の時間を生き終えて死んだ僕が(9)
 裸のまま三途の川の筏に乗って行くことを強いられた時,(10)
お前とともに長い人生の喜びを分かち合い,(7)
 そしてお前の懐の中で,僕の老年が倒れるようにと願ってのこと.(8)
なぜなら,僕にとって,高価な金の重みが何の役に立とう,
 もし千もの牛が豊かな畑を耕したとしても,
あるいはプリュギアの柱*2に支えられている家が何の役に立とう,
 あるいはタイナロスよ,お前の柱*3に,あるいはカリュストスよ,お前の柱*4に支えられている家が?
また,家々の中で,聖なる林を模している森や,
 金箔の貼られた梁,大理石の床が,
あるいは,紅海の岸で集められる貝*5や,
 フェニキアの紫貝*6で染められた羊毛が,何の喜びとなろう,
また,その他人々が賛嘆するものが?それらの中には
 妬みがあるのだ.大衆は誤って極めて多くのものを愛好するものだ.
財によって人々の心と心労は軽くはならない,
 というのも,運命女神がその法に則って時節を支配しているのだから.


*1 1ユーゲルムは2.5km2
*2 紫に白の混じった大理石が,プリュギアのシュンナダ(地図Dc)の近くで産出した.
*3 ペロポンネーソス半島の南端タイナロス(地図Cc)で取れる大理石は黒いものだった.
*4 エウボイアの南端のカリュストス(地図Ea)では,緑に白の混じった大理石が産出した.
*5 紅海は今でいう紅海の範囲より広く,インド洋やペルシャ湾をも含んだ.貝はここでは真珠のこと.
*6 ツロツブリ(Hexaplex trunclus Wikipedia参照)あるいはシリアツブリボラ(Bolinus blandaris Wikipedia参照)のこと(和名のリンク先は『微小貝データーベース』様.驚くべき情熱と忍耐力により作られた素晴らしいデーターベースです).フェニキア人はこの貝から取れた紫の染料で染めた衣服を専売にしていた.



【2012/09/30 02:58】 [Tibullus] | TRACKBACK(0) | COMMENT(1) | 記事修正

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この記事に対するコメント

no subject


すごいブログですね、最近ラテン文学に興味を持っているのでありがたい。
今は高田康成『キケロ』を読んでラテン的伝統の深さを実感しているところです。なんと西洋ではオイディプス王といえばセネカというほどだったらしいです。
ところで色を貝殻の染料で暗示するのをみて次の詩を思い出しました。
シモニデスの詩です。(呉茂一訳)

眞紅の帆、
咲き栄える 榛(はしばみ)の
花のしづくで染めなした


【2012/10/03 08:08】 URL | らっこ #- [ 編集]

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