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ホラーティウス『詩論』361-390

ut pictura, poiesis: erit, quae, si propius abstes,
te capiat magis, et quaedam, si longius abstes;
haec amat obscurum, volet haec sub luce videri,
iudicis argutum quae non formidat acumen;
haec placuit semel, haec deciens repetita placebit. 365
o maior iuvenum, quamvis et voce paterna
fingeris ad rectum et per te sapis, hoc tibi dictum
tolle memor, certis medium et tolerabile rebus
recte concedi, consultus iuris et actor
causarum mediocris abest virtute diserti      370
Messallae nec scit quantum Cascellius Aulus,
sed tamen in pretio est: mediocribus esse poetis
non homines, non di, non concessere columnae.
ut gratas inter mensas symphonia discors
et crassum unguentum et Sardo cum melle papaver 375
offnedunt, poterat duci quia cena sine istis,
sic animis natum inventumque poema iuvandis,
si paulum summo decessit, vergit imum.
ludere qui nescit, campestribus abstinet armis,
indoctusque pilae discive trochive quiescit,    380
ne spissae risum tollant impune coronae:
qui nescit versus tamen audet fingere. quidni?
liber et ingenuus, praesertim census equestrem
summam nummorum, vitioque remotus ab omni.
tu nihil invita dices faciesve Minerva:       385
id tibi iudicium est, ea mens. si quid tamen olim
scripseris, in Maeci descendat iudicis aures
et patris et nostras, nonumque prematur in annum,
membranis intus positis; delere licebit
quod non edideris, nescit vox missa reverti.    390

詩は絵の如くです.近くに立つほうが
より人を引きつけるものもあれば,遠く離れて立つ方がそうであるものもありましょう.
あるものは,暗い所がよく,あるものは,批評家の鋭い舌鋒を恐れず,
光の下で見られるのを好みます.
あるものは一見に限り好まれ,あるものは10回繰り返し見られても気に入られるでしょう.
おお,年長のほうの若君よ,たとえ父の言葉によって,
あなたが正しくしつけられ,将来の分別があるにしても,あなたに向けたこの言葉を
取り上げ,忘れずにいてください.ある物事には,凡庸さや,我慢できる程度が
譲歩されてしかるべきです.凡庸な法律家と
弁護士は,雄弁なメッサーッラ*1の美徳からはかけ離れており,
また,カスケッリウス・アウルス*2程にはものを知らないのですが,
しかしながらそれでも価値があります.が,詩人が凡庸であることは,
人々も神々も円柱*3も許しはしません.
楽しい食事の間,調子はずれの合奏,
べとつく香油,サルディニアの蜜付きの芥子*4は,
気分を害します.というのも,そんなものなしに,宴は催されうるのですから.
そのように,心を楽しませるために生まれ,考えだされた詩は,
もし最高より少しでも落ちれば,最低にまで堕するのです.
競技を知らぬものは,競技用具から離れ,
球・円盤・輪を知らぬ者は,何もせずにいます.
それは罪もないのに,混み合う群衆に笑い声を上げられぬためです.
詩を知らぬ者は,しかしながら,あえて詩を作ります.どうしてだめなのか?
自由人だし,名家の生まれで,とりわけ騎士の
総財産*5を戸口調査により認められており,あらゆる犯罪から無縁なのですが.
あなたは,ミネルウァ*6の意に反しては,何も語れず,なし得ないでしょう.
それはあなたの判断であり,良識なのです.しかしながら,もしいつか何かを
あなたが書いたなら,批評家マエキウス*7の耳に,
父親の耳に,私の耳に聞かせ,そして9年目まで
箱の中にしまっておいて下さい.あなたが出版していないものは
ボツにできますが,放たれてしまった言葉は戻ることを知らないのです.

*1 マールクス・ワレリウス・メッサーッラ・コルウィーヌス(前64-後8).軍人であると同時に著名な弁論家でもあり,ティブッルスなどのパトロンであった.
*2 前104生まれ.死亡年不詳.著名な法律家であった.
*3 本屋の近くの柱廊の柱には,本の広告がだされていた.
*4 サルディニアの蜂蜜はひどい味であったという.
*5 40万セーステルティウス.
*6 文芸の女神.ギリシア神話のアテーナーに相当.
*7 スプリウス・マエキウス・タルパ.著名な批評家だったらしく,キケローによると,ポンペーイウスの劇場で上演される劇の選択を任されている.



【2012/09/12 20:07】 Horatius De arte poetica | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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