FC2ブログ
ラテン語徒然  ラテン語の翻訳・覚え書きなど
log-in  ラテン語入門 作家別インデックス 文法資料 リンク集 ギリシア語フォントについて アーカイブ他
歴史地図 伊北 伊南 希北 希南 小ア PHI Perseus POxy KVK CiNii L-S Georges Gildersleeve 省略記号 Text Archive BMCR DCC BMCR 日本西洋古典学会

ホラーティウス『書簡集』2巻2歌87-105

frater erat Romae consulti rhetor, ut alter
alterius sermone meros audiret honores,
Gracchus ut hic illi, foret huic ut Mucius ille.
qui minus argutos vexat furor iste poetas?   90
carmina compono, hic elegos. Mirabile visu
caelatumque novem Musis opus! adspice primum,
quanto cum fastu, quanto molimine circum-
spectemus vacuam Romanis vatibus aedem:
mox etiam, si forte vacas, sequere et procul audi, 95
quid ferat et qua re sibi nectat uterque coronam.
caedimur totidem plagis consumimus hostem
lento Samnites ad lumina prima duello.
discedo Alcaeus puncto illius; ille meo quis?
quis nisi Callimachus? si plus adposcere visus, 100
fit Mimnermus et optivo cognomine crescit.
multa fero, ut placem genus irritabile vatum,
cum scribo et supplex populi suffragia capto;
idem, finitis studiis et mente recepta,
obturem patulas impune legentibus aures.   105

ローマでは,弁論家は法律家の兄弟のごとくで,一方は
一方の褒め言葉しか話の中では聞かず,
あちらにとってはこちらはグラックス*1,こちらにとってはあちらはムーキウス*2となるほどでした.
どうしてこんな狂気が,声朗々たる詩人を,それ以上に悩ませないということがあるでしょう?
僕は叙情詩を書き,この者はエレゲイアを書きます.なんと見るも驚くべき,
九柱のムーサらにより彫琢された作品か!まず見てください,
どれほどの誇らしさと,どれほどの尊大さとともに,
我々がローマ詩人のために空けられた神殿*3を見渡しているかを.
やがてまた,もしたまたま時間があれば,ついて来て,離れた所から聞いてください,
二人とも何を差し出し,何でもって自分の花冠を編むのかを.
我々は,サムニウム剣闘士*4のごとく,緩慢な戦いを,夕暮れまで行いつつ
切られ合い,同じ回数ぶんだけ,打撃で相手を消耗させます.
彼の投票で,僕はアルカイオスとなって退場します.彼は僕ので,何になるのか?
カッリマコス以外の何になるでしょう*5?もし彼がもっと大きいものを要求するようなら,
彼はミムネルモス*6になり,また,望む呼び名を取ってより尊大になります.
僕が詩を書いており,そして拝んで人々の票あつめをする間,
詩人たちという気難しい種族を宥めるために,僕は多くのことを我慢します.
その僕も,熱意は尽き,正気を取り戻した今,
朗読している者に対して,開いた耳を閉ざしても,罰はあたりますまい.


*1 グラックスの改革で有名なグラックス兄弟のこと.弁論家としても有名.
*2 著名な法律家のP.ムーキウス・スカエウォラは,数名の可能性があるが,おそらく,前133年に執政官で,個人法の創始者であるそれのこと.
*3 『書簡集』2巻1歌216(*3)参照.
*4 イタリア中部のサムニウム(地図Da)人風の出で立ちで戦う剣闘士.
*5 この部分は,ローマのカッリマコスを自称したプロペルティウスを指すとも言われているが,反対意見も多い.
*6 コロポーン(地図Bc)のエレゲイア詩人(前6世紀).



【2012/07/25 05:22】 Horatius Epistulae | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

TOPへ


この記事に対するコメント

TOPへ


この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

TOPへ


この記事に対するトラックバックトラックバックURL
→http://litterae.blog8.fc2.com/tb.php/2100-a1199131

TOPへ


PROFILE

  • Author:メレアグロス
  • 気が向いた時にラテン語を訳したりしています.
    ヘレニズムのギリシア語もたまに訳しています.

    問い合わせ先(メールフォーム)
  • RSS1.0
  • CM, TB, ARCHIVE

    COMMENT
  • メレアグロス [06/06 15:20] 
  • outis [06/05 21:42] 
  • メレアグロス [06/05 10:37] 
  • outis [06/01 22:33] 
  • メレアグロス [05/28 18:31] 
  • outis [05/26 23:35] 
  • Succarum [09/24 20:12] 
  • メレアグロス [09/24 00:15] 
  • Succarum [09/23 16:32] 
  • メレアグロス [11/06 01:49] 
    TRACKBACK
  • えいじゅなすの本棚 - 英語, 医学, 投資の専門書レビューブログ:Wheelock's Latin(05/26)

  • ARCHIVE
  • 2019年03月 (1)
  • 2018年11月 (1)
  • 2018年08月 (1)
  • 2018年05月 (3)
  • 2018年03月 (20)
  • 2018年02月 (25)
  • 2016年07月 (1)
  • 2016年05月 (1)
  • 2016年01月 (1)
  • 2015年08月 (1)
  • 2015年07月 (1)
  • 2015年06月 (1)
  • 2015年05月 (2)
  • 2015年04月 (1)
  • 2015年03月 (4)
  • 2015年02月 (1)
  • 2015年01月 (1)
  • 2014年12月 (4)
  • 2014年11月 (24)
  • 2014年10月 (6)
  • 2014年08月 (1)
  • 2014年07月 (3)
  • 2014年06月 (10)
  • 2014年04月 (3)
  • 2014年03月 (3)
  • 2014年02月 (1)
  • 2014年01月 (2)
  • 2013年12月 (3)
  • 2013年11月 (4)
  • 2013年10月 (25)
  • 2013年09月 (1)
  • 2013年08月 (5)
  • 2013年07月 (6)
  • 2013年06月 (1)
  • 2013年05月 (2)
  • 2013年04月 (1)
  • 2013年03月 (1)
  • 2013年02月 (2)
  • 2013年01月 (2)
  • 2012年12月 (1)
  • 2012年10月 (6)
  • 2012年09月 (27)
  • 2012年08月 (32)
  • 2012年07月 (47)
  • 2012年06月 (50)
  • 2012年05月 (3)
  • 2009年10月 (1)
  • 2009年09月 (2)
  • 2009年08月 (12)
  • 2009年07月 (7)
  • 2009年06月 (14)
  • 2009年05月 (2)
  • 2009年03月 (40)
  • 2009年02月 (14)
  • 2009年01月 (75)
  • 2008年12月 (26)
  • 2008年11月 (22)
  • 2008年10月 (60)
  • 2008年09月 (95)
  • 2008年08月 (68)
  • 2008年07月 (42)
  • 2008年06月 (54)
  • 2008年05月 (49)
  • 2008年04月 (49)
  • 2008年03月 (35)
  • 2008年02月 (9)
  • 2008年01月 (27)
  • 2007年12月 (40)
  • 2007年11月 (35)
  • 2007年10月 (26)
  • 2007年09月 (43)
  • 2007年08月 (10)
  • 2007年05月 (33)
  • 2007年04月 (8)
  • 2007年03月 (61)
  • 2007年02月 (51)
  • 2007年01月 (75)
  • 2006年12月 (68)
  • 2006年11月 (23)
  • 2006年10月 (56)
  • 2006年07月 (1)
  • 2006年06月 (7)
  • 2006年05月 (125)
  • 2006年04月 (77)
  • 2006年02月 (34)
  • 2006年01月 (69)
  • 2005年12月 (54)
  • 2005年11月 (50)
  • 2005年10月 (7)
  • 2005年09月 (106)
  • 2005年08月 (38)
  • 2005年07月 (4)