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ホラーティウス『書簡集』2巻2歌65-86

praeter cetera me Romae poemata censes   65
scribere posse inter tot curas totque labores?
hic sponsum vocat, hic auditum scripta, relictis
omnibus officiis; cubat hic in colle Quirini,
hic extremo in Aventino, visendus uterque.
intervalla vides humane commoda. 'Verum    70
purae sunt plateae, nihil ut meditantibus obstet.'
festinat calidus mulis gerulisque redemptor,
torquet nunc lapidem, nunc ingens machina tignum,
tristia robustis luctantur funera plaustris,
hac rabiosa fugit canis, hac lutulenta ruit sus:  75
i nunc et versus tecum meditare canoros.
scriptorum chorus omnis amat nemus et fugit urbem,
rite cliens Bacchi somno gaudentis et umbra:
tu me inter strepitus nocturnos atque diurnos
vis canere et contracta sequi vestigia vatum?  80
ingenium, sibi quod vacuas desumpsit Athenas
et studiis annos septem dedit insenuitque
libris et curis, statua taciturnius exsit
plerumque et risu populum quatit: hic ego rerum
fluctibus in mediis et tempestatibus urbis    85
verba lyrae motura sonum conectere digner?

何よりも,ローマで僕が詩を書くことができると君は思うのですか?
これほど多くの心配事とこれほど多くの苦労の中にあって?
ある者は保証人にするために,ある者は書いたものを聞かせるために呼びつけ,
僕はすべての仕事を後にすることになります.ある者はクィリーヌスの丘*1で,
あるものはアーウェンティーヌスの丘*1で病に伏しており,どちらも見舞わねばなりません.
その感覚ときたら,ご存知のとおり,御丁寧にも都合良い距離です.「しかし
街路は清潔で,思索を妨げるものも何一つ無い程です」
熱心な請け負い業者は,驢馬と驢馬引きと共に急いでおり,
クレーンは時に石を,時に木材を巻き上げ,
悲しみの葬列は,頑丈な荷車と争い,
あちらでは怒り狂う犬が逃げ,あちらでは泥まみれの豚が突進します.
さあ君,行きたまえ,そうして自分で麗しき詩行を思索して見たまえ.
作家の群は皆,森を愛し,都を避けますが,
それは本性通り,眠りと日陰を愛でるバッコス*2の被庇護民たるがゆえです.
君は僕に,昼夜を問わず続く騒音の中で
歌うことを,かつ詩人達の残した細い足跡を踏んで行く*3ことを望むのですか?
人気のないアテーナイを選んで,そうして
七年間の研究に身を捧げ,本と心労とに
老いた天才が,彫像よりも黙りこくって外に出ると,
大抵は人々を笑いころげさせることになります.
人波の真っ只中,そして都の嵐の真っ只中で,
リュラの音を揺さぶるであろう言葉を,僕はつなぐ気になるでしょうか.


*1 地図A参照.クィリーヌスの丘は北のほう,アーウェンティーヌスの丘は南端.距離にしておよそ2km離れている.
*2 『歌集』3巻25歌参照.
*3 カッリマコス的な詩人の立場は,あまり踏まれた事の無い道を行くこと.カッリマコス『縁起集』断片1.25-8行参照.比喩的に語られているところの,人にあまり踏まれていない小径(すなわち,あまり他の人が歌っていないテーマ)と,現実のローマの喧噪に満ちあふれた雑踏が対比されている.



【2012/07/25 00:17】 Horatius Epistulae | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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