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ホラーティウス『書簡集』2巻2歌41-64

Romae nutriti mihi contigit atque doceri,
iratus Grais quantum nocuisset Achilles.
adiecere bonae paulo plus artis Athenae,
scilicet ut vellem curvo dinoscere rectum
atque inter silvas Academi quaerere verum.   45
dura sed emovere loco me tempora grato,
civilisque rudem bellli tulit aestus in arma
Caesaris Augusti non responsura lacertis.
unde simul primum me dimisere Philippi,
decisis humilem pinnis inopemque paterni    50
et laris et fundi paupertas impulit audax,
ut versus facerem. sed quod non desit habentem
quae poterunt umquam satis expurgare cicutae,
ni melius dormire putem quam scribere versus?
singula de nobis anni praedantur euntes:    55
eripuere iocos, venerem, conviva, ludum,
tendunt extorquere poemata: quid faciam vis?
denique non omnes eadem mirantur amantque:
carmine tu gaudes, hic delectatur iambis,
ille Bioneis sermonibus et sale nigro.      60
tres mihi convivae prope dissentire videntur,
poscentes vario multum diversa palato.
quid dem? quid non dem? renuis tu, quod iubet alter.
quod petis, id sane est invisum acidumque duobus.

僕はローマで養われ,そうして,怒れるアキッレウスが
どれほどギリシア勢に損害を与えたのか*1を教育される機会を得ました.
よきアテーナイ*2は,もう少し多くの教養を加えてくれました.
すなわち,僕は曲がったことから正しいものを区別したいと欲し,
そうしてアカデーモス*3の森の中,真理を探求したいと思うに至るほどでした.
しかし,厳しい時代が僕を心地よい場所から引き離し,
そうして市民戦争*4という苦難が,新兵の僕に武具をまとわせました,
その武具はアウグストゥス様の腕力には応えるべくもないものでしたが,
そうして,ピリッピー*5の戦いが僕を解放するや否や,
羽を切られて地に落ちて,先祖代々の家神も
地所も欠いた僕を,赤貧が追い立て,
詩行を書くこととなりました.しかし,欠ける物とてなき僕を,
一体どんな毒人参が十分清めることができるでしょうか,
詩を書くよりも寝ているほうがよいと思っているので無い限り?
過ぎ行く年は,僕から一つ一つものを奪って行きます.
それは冗談を,愛を,諍いを,見世物を奪い取り,
今詩をもぎ取ろうとしています.僕に何をすることを君は望むのですか?
最期に言えば,皆が同じものを賛嘆し,愛好する訳ではありません.
君は叙情詩を喜び,この者はイアンボスが,
かの者はビオーン*6風の談話とブラックジョークが楽しいのです.
三人の宴客が,異なる味の好みから,大いにかけ離れたものを望んで,
殆ど一致をみないかのごとくのように思われます.
何を僕は出しましょう?何を出さずにおきましょう?他の人の注文を,君は嫌だといいます.
君が望むものは,それは他の二人には全く嫌いで不味いものなのです.


*1 ホメーロス『イーリアス』の内容.
*2 ローマの若者は,教育の仕上げとして,しばしばアテーナイへ留学した.
*3 アテーナイの英雄.その墓所の周りの森に,プラトーンの学園アカデーメイアがあった.
*4 前42年11月-12月,共和制派でカエサル暗殺者,マールクス・ブルートゥス,カッシウスらと,カエサル派アントーニウス,オクターウィアーヌスらの決戦のこと.ホラーティウスは共和制派で出兵.
*5 ピリッピーはマケドニアの町(地図Fa.旧名クレーニデス).市民戦争の戦場となる.
*6 前300年頃の犬儒派の哲学者詩人.



【2012/07/24 05:11】 Horatius Epistulae | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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