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ホラーティウス『書簡集』2巻1歌156-176

Graecia capta ferum victorem cepit et artes
intulit agresti Latio: sic horridus ille
defluxit numerus Saturnius, et grave virus
munditiae pepulere; sed in longum tamen aevum
manserunt hodieque manent vestigia ruris.   160
serus enim Graecis admovit acumina chartis
et post Punica bella quietus quaerere coepit,
quid Sophocles et Thespis et Aeschylus utile ferrent.
temptavit quoque rem, si digne vertere posset,
et placuit sibi, natura sublimis et acer:     165
nam spirat tragicum satis et feliciter audet,
sed turpem putat inscite metuitque lituram.
creditur, ex medio quia res arcessit, habere
sudoris minimum, sed habet comoedia tanto
plus oneris, quanto veniae minus. adspice, Plautus 170
quo pacto partes tutetur amantis ephebi,
ut patris attenti, lenonis ut insidiosi,
quantus sit Dossennus edacibus in parasitis,
quam non adstricto percurrat pulpita socco:
gestit enim nummum in loculos demittere, post hoc 175
securus, cadat an recto stet fabula talo.

征服されたギリシアは,野蛮な勝利者を征服し,そして諸芸術を
田舎臭いラティウムに持ち込みました.このようにして,かの荒っぽい
サトゥルヌヌス律*1は流れが絶え,そしてひどい毒気を
気品が駆逐しました.しかしながら,長い年月の間,
その痕跡は残っておりましたし,田舎には今日も残っています.
というのも,ローマは遅くになってギリシアの書物に重点を移し,
そして,ポエニー戦争の後,平和になってから,
ソポクレースが,テスピス*2が,アイスキュロスが何の益をもたらすかを探求し始めたのです.
そして,翻訳しうるに相応しいものがあれば,それを試みもしました.
そして,気質の点で気高く明敏であるがゆえ,満足行く結果となりました.
実際ローマは悲劇の才能が十分あり,そして敢えて行ったことも良い結果となりますが,
しかし,愚かにも推敲をみっともないことと考え,恐れました.
日常からテーマが来ているので,
労力は一番小さいと思われていますが,しかし喜劇は
手加減が少ない分だけ,より大きな負担があります.ご覧下さい,プラウトゥスが
どんな風にして年頃の恋人の役を演じ切り,
いかに締まり屋の父親の役を,悪巧みする女衒の役を演じるか,
どこまで貪欲な食客の中のドッセンヌス*3でいるか,
いかにぶかぶかのスリッパ*4を履いて舞台を駆け回るかを.
彼は金庫に銭を投げ入れることばかりを切望して,その後は,
劇が転けたか,それともしっかり地に足がついているかには,無関心なのです.


*1 古いイタリア固有の韻律.
 ᴗ — ᴗ — ᴗ — × || — ᴗ — ᴗ — — (ᴗ は — または ᴗ ᴗ に変わりうるほか,完全に消えてもよい)
*2 アテーナイで悲劇を演じた最初の伝説的役者.
*3 即興の幕間喜劇のアテッラ劇に登場するstock figure.この部分の意味は判りにくいが,Brink (p.213)に従うなら,プラウトゥスがどれほどあか抜けていないアテッラ劇のドッセンヌス的に演じているか,ということが言われているようである.
*4 喜劇ではスリッパを履いた.ぴったり合っていないスリッパは,プラウトゥスの配慮の行き届かない詩作スタイルの暗喩.



【2012/07/17 03:01】 Horatius Epistulae | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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