FC2ブログ
ラテン語徒然  ラテン語の翻訳・覚え書きなど
log-in  ラテン語入門 作家別インデックス 文法資料 リンク集 ギリシア語フォントについて アーカイブ他
歴史地図 伊北 伊南 希北 希南 小ア PHI Perseus POxy KVK CiNii L-S Georges Gildersleeve 省略記号 Text Archive BMCR DCC BMCR 日本西洋古典学会

ホラーティウス『書簡集』2巻1歌76-102

indignor quicquam reprehendi, non quia crasse
compositum illepideve putetur, sed quia nuper,
nec veniam antiquis, sed honorem et praemia posci.
recte necne crocum floresque perambulet Attae
fabula si dubitem, clament periisse pudorem   80
cuncti paene patres, ea cum reprehendere coner,
quae gravis Aesopus, quae doctus Roscius egit:
vel quia nil rectum, nisi quod placuit sibi, ducunt,
vel quia turpe putant parere minoribus et, quae
inberbi didicere, senes perdenda fateri.     85
iam Saliare Numae carmen qui laudat et illud,
quod mecum ignorat, solus volt scire videri,
ingeniis non ille favet plauditque sepultis,
nostra sed impugnat, nos nostraque lividus odit.
quod si tam Graecis novitas invisa fuisset,    90
quam nobis, quid nunc esset vetus? aut, quid haberet,
quod legeret tereretque viritim publicus usus?
ut primum positis nugari Graecia bellis
coepit et in vitium fortuna labier aequa,
nunc athletarum studiis, nunc arsit equorum,   95
Marmoris aut eboris fabros aut aeris amavit,
suspenditque picta voltum mentemque tabella,
nunc tibicinibus, nunc est gavisa tragoedis;
sub nutrice puella velut si luderet infans,
quod cupide petiit, mature plena reliquit.    100
[quid placet aut odio est, quod non mutabile credas?]
hoc paces habuere bonae ventique secundi.

101 Del. C. G. Schütz. Post 107 trans. Lachmann,
post 102 Vollmer



私が不当に思うのは,粗野だとか魅力なく作られていると
判断されるためではなく,最近作られたという理由から,何でもかんでもが,非難されており,
また,古い作品には,寛容ではなく,名誉と褒賞が要求されていることです.
アッタ*1の劇が,サフラン*2と花々の中上演されたのが
正当かどうか,私が疑えば,殆ど全部の古い世代の人々は,
偉大なアエソープス*3と,博識のロースキウス*3が行ったことを
私が非難しようとしたということで,恥を知る気持ちは死んでしまったと叫ぶでしょう,
それは,彼らは自分が気に入ることでなければ,なにも正しいと思わないからか,
あるいは,若輩の者たちに従い,そして髭もないころに習ったことを,
年取ってからあれは抹消されるべきだと認めるのはみっともないと思うからです.
さらにいえば,ヌマの作ったサリイーの歌*4を讃え,
私同然知らないその歌を,自分だけが知っていると見られたがる者は,
埋もれた才能を愛好し喝采しているわけではなく,
我々の才能を攻撃し,我々と我々の才能を鈍色になって憎んでいるのです.
しかしもし,ギリシア人にとって,新しさが厭われていた度合いが,
我々と同じほどであったら,どの古い作品が今存在することになったでしょう?あるいは,
大衆は,読んでは各々再読するようなものとして,何を持つことになったでしょう?
ギリシアは戦争が終わって*5道楽に
走り,そして,幸運のうちに悪徳に堕落しはじめるや否や,
かつは競技者への熱狂,かつは馬への熱狂に燃え,
大理石や象牙や銅の職人を愛好し,
絵画には顔も心もうっとりとして見蕩れ,
かつは笛吹きを,かつは悲劇俳優に喜びました.
乳母のもとの幼き女児のごとくに,
欲しい欲しいとねだったものを,すぐに満足して捨てました.
[あなたが不変と考えるものが,好かれたり嫌われたりするでしょうか?]*6
よき平和と順境がこのような状態をもたらしていたのです.


*1 ローマ喜劇作家.前78年死亡.
*2 舞台はサフラン水で香りがつけられた.
*3 キケロー時代の有名な役者.
*4 ヌマ・ポンピーリウス.伝説では前715-前673に生きたとされるローマの二代目の王.宗教的行事などを制定し,サリイーと呼ばれるマールスの神官もヌマが創設した.マールス祭には武器を持って踊り,歌を歌ったが,この歌は時代の経過とともに,意味が分からなくなっていった.
*5 ペルシア戦争のこと.プラタイアの戦い(479年)などの後,ギリシアからペルシア軍が追い払われたあと,ギリシア諸国はデーロス同盟を結び(478年),来るべきペルシア軍の襲来に備えて,軍資金を出し合うことになる.もともとアテーナイがこの同盟で指揮権も実質管理も担っており,その上,後にアテーナイに金庫がうつされ,この資金は流用し放題となった.アテーナイはこれにより文化的繁栄を享受することになる.
*6 恐らく後の挿入.



【2012/07/15 00:23】 Horatius Epistulae | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

TOPへ


この記事に対するコメント

TOPへ


この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

TOPへ


この記事に対するトラックバックトラックバックURL
→http://litterae.blog8.fc2.com/tb.php/2078-1efd093a

TOPへ


PROFILE

  • Author:メレアグロス
  • 気が向いた時にラテン語を訳したりしています.
    ヘレニズムのギリシア語もたまに訳しています.

    問い合わせ先(メールフォーム)
  • RSS1.0
  • CM, TB, ARCHIVE

    COMMENT
  • メレアグロス [06/06 15:20] 
  • outis [06/05 21:42] 
  • メレアグロス [06/05 10:37] 
  • outis [06/01 22:33] 
  • メレアグロス [05/28 18:31] 
  • outis [05/26 23:35] 
  • Succarum [09/24 20:12] 
  • メレアグロス [09/24 00:15] 
  • Succarum [09/23 16:32] 
  • メレアグロス [11/06 01:49] 
    TRACKBACK
  • えいじゅなすの本棚 - 英語, 医学, 投資の専門書レビューブログ:Wheelock's Latin(05/26)

  • ARCHIVE
  • 2019年03月 (1)
  • 2018年11月 (1)
  • 2018年08月 (1)
  • 2018年05月 (3)
  • 2018年03月 (20)
  • 2018年02月 (25)
  • 2016年07月 (1)
  • 2016年05月 (1)
  • 2016年01月 (1)
  • 2015年08月 (1)
  • 2015年07月 (1)
  • 2015年06月 (1)
  • 2015年05月 (2)
  • 2015年04月 (1)
  • 2015年03月 (4)
  • 2015年02月 (1)
  • 2015年01月 (1)
  • 2014年12月 (4)
  • 2014年11月 (24)
  • 2014年10月 (6)
  • 2014年08月 (1)
  • 2014年07月 (3)
  • 2014年06月 (10)
  • 2014年04月 (3)
  • 2014年03月 (3)
  • 2014年02月 (1)
  • 2014年01月 (2)
  • 2013年12月 (3)
  • 2013年11月 (4)
  • 2013年10月 (25)
  • 2013年09月 (1)
  • 2013年08月 (5)
  • 2013年07月 (6)
  • 2013年06月 (1)
  • 2013年05月 (2)
  • 2013年04月 (1)
  • 2013年03月 (1)
  • 2013年02月 (2)
  • 2013年01月 (2)
  • 2012年12月 (1)
  • 2012年10月 (6)
  • 2012年09月 (27)
  • 2012年08月 (32)
  • 2012年07月 (47)
  • 2012年06月 (50)
  • 2012年05月 (3)
  • 2009年10月 (1)
  • 2009年09月 (2)
  • 2009年08月 (12)
  • 2009年07月 (7)
  • 2009年06月 (14)
  • 2009年05月 (2)
  • 2009年03月 (40)
  • 2009年02月 (14)
  • 2009年01月 (75)
  • 2008年12月 (26)
  • 2008年11月 (22)
  • 2008年10月 (60)
  • 2008年09月 (95)
  • 2008年08月 (68)
  • 2008年07月 (42)
  • 2008年06月 (54)
  • 2008年05月 (49)
  • 2008年04月 (49)
  • 2008年03月 (35)
  • 2008年02月 (9)
  • 2008年01月 (27)
  • 2007年12月 (40)
  • 2007年11月 (35)
  • 2007年10月 (26)
  • 2007年09月 (43)
  • 2007年08月 (10)
  • 2007年05月 (33)
  • 2007年04月 (8)
  • 2007年03月 (61)
  • 2007年02月 (51)
  • 2007年01月 (75)
  • 2006年12月 (68)
  • 2006年11月 (23)
  • 2006年10月 (56)
  • 2006年07月 (1)
  • 2006年06月 (7)
  • 2006年05月 (125)
  • 2006年04月 (77)
  • 2006年02月 (34)
  • 2006年01月 (69)
  • 2005年12月 (54)
  • 2005年11月 (50)
  • 2005年10月 (7)
  • 2005年09月 (106)
  • 2005年08月 (38)
  • 2005年07月 (4)