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ホラーティウス『書簡集』2巻1歌50-75

Ennius, et sapiens et fortis et alter Homerus,   50
ut critici dicunt, leviter curare videtur
quo promissa cadant et somnia Pythagorea.
Naevius in manibus non est et mentibus haeret
paene recens? adeo sanctum est vetus omne poema.
ambigitur quotiens, uter utro sit prior, aufert   55
Pacuvius docti famam senis, Accius alti,
dicitur Afrani toga convenisse Menandro,
Plautus ad exemplar Siculi properare Epicharmi,
vincere Caecilius gravitate, Terentius arte.
hos ediscit et hos arto stipata theatro      60
Spectat Roma potens, habet hos numeratque poetas
ad nostrum tempus Livi scriptoris ab aevo.
interdum volgus rectum videt; est ubi peccat.
si veteres ita miratur laudatque poetas,
ut nihil anteferat, nihil illis comparet, errat;    65
si quaedam nimis antique, si pleraque dure
dicere credit eos, ignave multa fatetur,
et sapit et mecum facit et Iove iudicat aequo.
non equidem insector delendave carmina Livi
esse reor, memini quae plagosum mihi parvo   70
Orbilium dictare: sed emendata videri
pulchraque et exactis minimum distantia miror.
inter quae verbum emicuit si forte decorum,
si versus paulo concinnior unus et alter,
iniuste totum ducit venditque poema.      75

批評家達のいうところでは,賢人で,力強く,
ホメーロスの再来であるエンニウス*1は,ピュータゴラースの夢の約束*2
どのような結果になるか,あまり気にしていないように見えます.
ナエウィウス*3は,ほとんど最近の人のように,人の手にとられ,
そして心に残らないでしょうか.それほどまでに,古の詩はすべて神聖化されています.
どちらがどちらより上かが論争される度に,
パークウィウス*4は博識の古典作家の名声を,アッキウス*5は深淵な古典作家のそれを獲得し,
アーフラーニウス*6のトガはメナンドロス*7にも似合うといわれ,
プラウトゥス*8はシチリアのエピカルモス*9の手本にならってきびきびしており,
カエキリウス*10は荘重さで,テレンティウス*11は芸術性で勝ると言われます.
大ローマはこれらを暗記し,そしてこれらを狭い劇場に詰め込まれて
眺め,これらを,作家リーウィウス*12の世代から,
我々の時代までの詩人とみなし,数えるのです.
時には,大衆は正しくものを見ます.間違える時もあります.
もし古の詩人達を,何ものもそれ以上にはならず,
何ものも彼らに比較されないような形で賛嘆するのなら,彼らは間違っています.
もし,それらの詩人が,あるものをあまりに古くさく,大抵は荒っぽく
語っていると信じ,あるいは多くを締まりなく語っていると認めるなら,
彼らは見る目があり,私に与するもので,そして判断を下しても,ユッピテルの機嫌を損ねません.
私としては,リーウィウスの詩を苛むつもりもなく,あるいは消し去るべきだ
とも思いません.思い起こせばその詩を,小さい頃の私に,鞭の好きな
オルビリウス*13が暗唱してくれましたが.しかし,それが推敲がされたものと見られたり,
すばらしく,そして完璧に極めて近いと見られるのには驚きます.
その詩の中に,偶々光るものが輝いていたり,
詩行が少しばかりましにできているのが一つや二つあるなら,
それが不当にも詩全体をプロデュースして売るのです.


*1 前239-前169.ローマ史の叙事詩 Annales や悲劇・喜劇などを書く.
*2 Annalesの冒頭で,夢の中で彼はホメーロスの生まれ変わりだと語っている.ピュータゴラースは転生を主張していた.
*3 前270頃-前201年.劇作家,叙事詩作家.カルタゴ戦争叙事詩を書く.
*4 前220頃-前130頃.悲劇詩人.エンニウスの甥.
*5 前170-前86頃.悲劇詩人.
*6 前150頃-? ローマが舞台の喜劇 togata (ローマ人の服装であるトガを来て演じるという意味で)を書く.
*7 前343頃-前293頃.ギリシア新喜劇の最重要作家.
*8 前284-前184.もちろん有名な喜劇詩人.
*9 前550-前460頃.コース島生まれで,シチリアに暮らした喜劇詩人.
*10 前180頃.喜劇詩人.
*11 前185-前159.もちろん有名な喜劇詩人.
*12 Livius Andronicus. 前240頃.タレントゥム出身のギリシア人の詩人で,ローマにおける詩の創始者とされる.彼のオデュッセイアのラテン語訳は教科書として使われた.
*13 ベネウェントゥム出身の文法家で,ローマで教師をしており,ホラーティウスの先生であった.



【2012/07/12 03:00】 Horatius Epistulae | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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