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ホラーティウス『談話集』2巻6歌77-97a

Cervius haec inter vicinus garrit anilis
ex re fabellas. si quis nam laudat Arelli
sollicitas ignarus opes, sic incipit: 'olim
rusticus urbanum murem mus paupere fertur   80
accepisse cavo, veterem vetus hospes amicum,
asper et attentus quaesitis, ut tamen artum
solveret hospitiis animum. quid multa? neque ille
sepositi ciceris nec longae invidit avenae,
aridum et ore ferens acinum semesaque lardi   85
frustra dedit, cupiens varia fastidia cena
vincere tangentis male singula dente superbo;
cum pater ipse domus palea porrectus in horna
esset ador loliumque, dapis meliora relinguens.  89
tandem urbanus ad hunc: 'quid te iuvat,' inquit, ' amice,
praerupti nemoris patientem vivere dorso?
vis tu homines urbemque feris praeponere silvis?
carpe viam, mihi crede, comes, terrestria quando
mortalis animas vivunt sortita, neque ulla est
aut magno aut parvo leti fuga: quo, bene, circa,  95
dum licet, in rebus iucundis vive beatus,
vive memor quam sis aevi brevis.'


隣人ケルウィウス*1はそうこうする間に,そのことに関連して
老婆から聞いた話をしゃべる.すなわち,だれかアレッリウス*1の財を,
それが心悩ますことも知らず讃えると,このように語り始めるのだ.「かつて
田舎の鼠が都会の鼠を貧しい穴蔵に
迎え入れたという.古い友の主人が,古い友を迎えたのである.
彼は野卑で,蓄えには締まり屋であったが,しかし友の
緊張した気持ちを解きほぐせる程度ではあった.何をこれ以上言おう?彼は
溜め込んだ空豆も長い燕麦もうらやましがらずに,
自分は乾いたベリーとベーコンの食べかけだけ口にくわえたまま,
それらを振る舞って,宴の趣向を変えて,傲慢にも一つも歯牙にかけない
鼠の気乗りのなさを克服しようとしたのだが.無駄であった.
そうして,その家の主人が取れたばかりの籾殻のなかに横になり,
宴のよりよいものは残して,スペルト麦*2とドクムギ*3を食べていると,
ついに,都会鼠はこの者に言った.『何が楽しいのか,友よ,
切り立った森の尾根で,我慢して生きることが?
君は人々や都を,荒涼とした森よりも上に置きたいと思わないか?
旅に出よう,僕にまかせてくれ,友よ,地上にあるものは
死すべき魂を付与されて生きており,また死を逃れることは
大きい者にも小さい者にもできないのだから*4.それゆえ,善き友よ,
できるうちに,愉しき事々の中で恵まれて生きるがよい,
君の人生はいかに短いかを忘れずに生きるがよい』


*1 ホラーティウスの隣人.実在したか架空の設定か?
*2 ここでadorと呼ばれているのは,triticumとも呼ばれる.スペルト小麦.殻が固く強い.
*3 イネ科の雑草.日本でも普通に生えているようであるが,ウィキペディア記事によると帰化したものとのこと.http://ja.wikipedia.org/wiki/ドクムギ属参照.
*4 エピクロス派的アドバイス.



【2012/06/27 18:19】 Horatius Sermones | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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