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ホラーティウス『談話集』2巻6歌16-39

ergo ubi me in montis et in arcem ex urbe removi,
quid prius illustrem saturis Musaque pedestri?
nec mala me ambitio perdit nec plumbeus Auster
autumnusque gravis, Libitinae quaestus acerbae.
Matutine pater, seu Iane libentius audis,      20
unde homines operum primos vitaeque labores
instituunt (sic dis placitum), tu carminis esto
principium. Romae sponsorem me rapis. 'heia,
ne prior officio quisquam respondeat. urge!'
sive Aquilo radit terras seu bruma nivalem     25
interiore diem gyro trahit, ire necesse est.
postmodo quod mi obsit clare certumque locuto,
luctandum in turba et facienda iniuria tardis.
'quid tibi vis, insane, et quam rem agis?' improbus urget
iratis precibus; 'tu pulses omne quod obstat,    30
ad Maecenatem memori si mente recurras.'
hoc iuvat et melli est, non mentiar. at simul atras
ventum est Esquilias, aliena negotia centum
per caput et circa saliunt latus. 'ante secundam
Roscius orabat sibi adesses ad Puteal cras.'    35
'de re communi scribae magna atque nova te
orabant hodie meminisses, Quinte, reverti.'
'imprimat his cura Maecenas signa tabellis.'
dixeris, 'experiar:' 'si vis, potes,' addit et instat.


それゆえ,私が都から山中の城に引きこもった今,
諷刺詩と歩調のムーサ*1にて,まず何を公にしよう?
悪しき野心も,鉛のような南風も,私を破滅させることはない,
鬱陶しいリビティーナの稼ぎ時*2たる鈍重な秋もだ.
父たる暁よ,あるいはヤーヌス*3と呼ばれるほうを好まれるか,
人の仕事と人生の最初の労苦が始まるところの
お方よ(これが神々の嘉したもうこと),あなたは歌の
最初となりたまえ.ローマではあなたは私を付き人としてひっさらう.「おい,
誰も先に仕事を請け負わぬよう,急げ!」
あるいは,北風が大地を掃く時も,あるいは真冬が
より内側を回って雪の日をもたらす時も,行かねばならないのだ.
後になって,自分に差し障りのあることを明らかに確かに言った日には,
群衆のなかで争ったり,のろのろしている人々に迷惑をかけねばならなかった.
「なにをしたいんだ,馬鹿やろう,またお前は何をしてるんだ?」厚かましい者は
怒って悪態をつき,私を苛む.「お前ときたら,なんでも邪魔なものを突き飛ばせる,
マエケーナースのことを忘れずに走り回っている時にはな」
この言葉は,偽りなく,私にはうれしくもあり蜜のようだ.だが,ひとたび黒き
エスクィリアエ*4に行けば,関係ない仕事が百も,
頭ごなしに,また脇の周りを飛び交うのである.「明日第2時の前に,
ロスキウスが,お前にプーテアル*5のところで立ち会って欲しいとお願いしていた」
「秘書たちが,大事な新しい共通の用事の件で,お前が
今日戻って来るのを忘れずにとお願いしている」
「マエケーナースに,この蝋板に印章を押すよう,取りはからってくれ」
「善処しましょう」君が言ったとする.「やろうと思えばできる」と彼は執拗に付け加える.

*1 散文で,ということ.
*2 死の女神Libitinaの神殿では,料金をとって死体をしかるべき仕方で埋葬していた(エスクィリーナエに会ったと想定されている).すなわち,秋は死者が出てその神殿が儲かる季節だが,その秋も私を死なせはしないということがこの行で語られている.
*3 門を神格化した,二面をもち,物事の始まりを司る神.
*4 ローマの北東のあたりの丘(地図北東部分参照)で,この区域は墓として用いられていた.そのために,「黒き」の形容詞がついている.後にマエケーナースにより公園に転用され,マエケーナース自身そこに居住していた.
*5 フォルムの雷に打たれて泉状に凹んだ部分.神聖視され,柵で囲われていた.法務官席Tribunalの近くであり,「プーテアルのところで立ち会う」というのは裁判に立ち会うということ.



【2012/06/26 17:55】 Horatius Sermones | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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