FC2ブログ
ラテン語徒然  ラテン語の翻訳・覚え書きなど
log-in  ラテン語入門 作家別インデックス 文法資料 リンク集 ギリシア語フォントについて アーカイブ他
歴史地図 伊北 伊南 希北 希南 小ア PHI Perseus POxy KVK CiNii L-S Georges Gildersleeve 省略記号 Text Archive BMCR DCC BMCR 日本西洋古典学会

ホラーティウス『談話集』2巻5歌45-69

si cui praeterea validus male filius in re     45
praeclara sublatus aletur, ne manifestum
caelibis obsequium nudet te, leniter in spem
adrepe officiosus, ut et scribare secundus
heres, et, si quis casus puerum egerit Orco,
in vacuum venias: perraro haec alea fallit.   50
qui testamentum tradet tibi cumque legendum,
abnuere et tabulas a te removere memento,
sic tamen, ut limis rapias, quid prima secundo
cera velit versu; solus multisne coheres,
veloci percurre oculo. plerumque recoctus   55
scriba ex quinqueviro corvum deludet hiantem,
captatorque dabit risus Nasica Corano.
Ulix. num furis? an prudens ludis me obscura canendo?
Tir. o Laertiade, quicquid dicam aut erit aut non:
divinare etenim magnus mihi donat Apollo.    60
Ulix. quid tamen ista velit sibi fabula, si licet, ede.
Tir. tempore quo iuvenis Parthis horrendus, ab alto
demissum genus Aenea, tellure marique
magnus erit, forti nubet procera Corano
filia Nasicae metuentis reddere soldum.     65
tum gener hoc faciet: tabulas socero dabit atque
ut legat orabit; multum Nasica negatas
accipiet tandem et tacitus leget, invenietque
nil sibi legatum praeter plorare suisque.


さらに,もし誰かに,体の悪い息子が認知されて,
多大な財産の中で育てられているとすれば,あからさまに
独り者を褒めることで馬脚を現さぬように,世話焼きしながら
そっとお望みへと這いよりたまえ,それは,二番目の
相続人として書かれるように,そして,もし何かの偶然が子供を冥土に送り込んだら,
その空いたところに入り込むためである.こういう賭けは滅多に失敗しない.
誰であろうと,君に遺言状を読むように渡すなら,
嫌だといって,蝋板を君から遠ざけるのを忘れるな.
しかしながら,隙間から,何が最初の蝋板の二番目の行*1に書かれているか,
覗き見できるようなやりかたでそうせよ.一人か,複数の人と共同相続人なのか,
早い目で目を通せ.非常によくあることだが,
五人委員から転身した秘書*2が,鴉を欺き口を開けさせ*3
遺産狩りのナーシカはコラーヌスの笑い者,ということになろう.
(オ) お前は狂っていないだろうな?それとも意図的に曖昧な事を歌って私をからかっているのか.
(テ) ラーエルテースの子よ,私の語ることはなんでも成就するものはするししないものはしない*4
なんとなれば,予言の業を私に贈りしは偉大なるアポッローンゆえ.
(ウ) しかし,お前の話は何を意味しているのか,できれば告げたまえ.
(テ) 高みのアエネーアースより下りし血筋の若者*5
パルティア人に恐れられ,大地に海に
権勢盛んなろう頃,逞しき*6コラーヌスに,
全額返済を渋るナーシカの,すらりとした*6娘が嫁ぐであろう.
その時,婿はこのようにするだろう,蝋板を義父に渡し,そうして
読んでくれと頼むであろう.ナーシカは何度も拒んでから蝋板を
ようやく受け取るだろう,そして黙って読み,気付くであろう,
自分と身内には,泣くこと以外には何も相続されないことを.


*1 遺言はくくられて封印された複数の蝋板に書かれており,最初の蝋板の1行目に遺言者が,2行目に相続人が書かれていた.
*2 五人委員は夜警と消防のための下級の役職で,しばしば解放奴隷が担った.秘書は要人のそれで,かなりの栄転.
*3 日本でも有名なイソップ物語.肉を加えた鴉に,いい声だから聞きたいと狐がたのみ,鴉が口を開けて啼いた拍子に肉を落とし,狐に取られてしまう話.
*4 本来なら「成就すると私がいえば成就するし,しないといえばしない」を端折って言ったために,「当たるも八卦当たらぬも八卦」のような表現になっている.
*5 オクターウィアーヌスのことを指す.この時点では30過ぎ.
*6 「逞しい」「すらりとした」は,花嫁花婿の形容の決まり文句.日本でいえば「美男美女」がつくところか.




【2012/06/24 11:35】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

TOPへ


この記事に対するコメント

TOPへ


この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

TOPへ


この記事に対するトラックバックトラックバックURL
→http://litterae.blog8.fc2.com/tb.php/2027-82c3f264

TOPへ


PROFILE

  • Author:メレアグロス
  • 気が向いた時にラテン語を訳したりしています.
    ヘレニズムのギリシア語もたまに訳しています.

    問い合わせ先(メールフォーム)
  • RSS1.0
  • CM, TB, ARCHIVE

    COMMENT
  • メレアグロス [06/06 15:20] 
  • outis [06/05 21:42] 
  • メレアグロス [06/05 10:37] 
  • outis [06/01 22:33] 
  • メレアグロス [05/28 18:31] 
  • outis [05/26 23:35] 
  • Succarum [09/24 20:12] 
  • メレアグロス [09/24 00:15] 
  • Succarum [09/23 16:32] 
  • メレアグロス [11/06 01:49] 
    TRACKBACK
  • えいじゅなすの本棚 - 英語, 医学, 投資の専門書レビューブログ:Wheelock's Latin(05/26)

  • ARCHIVE
  • 2019年03月 (1)
  • 2018年11月 (1)
  • 2018年08月 (1)
  • 2018年05月 (3)
  • 2018年03月 (20)
  • 2018年02月 (25)
  • 2016年07月 (1)
  • 2016年05月 (1)
  • 2016年01月 (1)
  • 2015年08月 (1)
  • 2015年07月 (1)
  • 2015年06月 (1)
  • 2015年05月 (2)
  • 2015年04月 (1)
  • 2015年03月 (4)
  • 2015年02月 (1)
  • 2015年01月 (1)
  • 2014年12月 (4)
  • 2014年11月 (24)
  • 2014年10月 (6)
  • 2014年08月 (1)
  • 2014年07月 (3)
  • 2014年06月 (10)
  • 2014年04月 (3)
  • 2014年03月 (3)
  • 2014年02月 (1)
  • 2014年01月 (2)
  • 2013年12月 (3)
  • 2013年11月 (4)
  • 2013年10月 (25)
  • 2013年09月 (1)
  • 2013年08月 (5)
  • 2013年07月 (6)
  • 2013年06月 (1)
  • 2013年05月 (2)
  • 2013年04月 (1)
  • 2013年03月 (1)
  • 2013年02月 (2)
  • 2013年01月 (2)
  • 2012年12月 (1)
  • 2012年10月 (6)
  • 2012年09月 (27)
  • 2012年08月 (32)
  • 2012年07月 (47)
  • 2012年06月 (50)
  • 2012年05月 (3)
  • 2009年10月 (1)
  • 2009年09月 (2)
  • 2009年08月 (12)
  • 2009年07月 (7)
  • 2009年06月 (14)
  • 2009年05月 (2)
  • 2009年03月 (40)
  • 2009年02月 (14)
  • 2009年01月 (75)
  • 2008年12月 (26)
  • 2008年11月 (22)
  • 2008年10月 (60)
  • 2008年09月 (95)
  • 2008年08月 (68)
  • 2008年07月 (42)
  • 2008年06月 (54)
  • 2008年05月 (49)
  • 2008年04月 (49)
  • 2008年03月 (35)
  • 2008年02月 (9)
  • 2008年01月 (27)
  • 2007年12月 (40)
  • 2007年11月 (35)
  • 2007年10月 (26)
  • 2007年09月 (43)
  • 2007年08月 (10)
  • 2007年05月 (33)
  • 2007年04月 (8)
  • 2007年03月 (61)
  • 2007年02月 (51)
  • 2007年01月 (75)
  • 2006年12月 (68)
  • 2006年11月 (23)
  • 2006年10月 (56)
  • 2006年07月 (1)
  • 2006年06月 (7)
  • 2006年05月 (125)
  • 2006年04月 (77)
  • 2006年02月 (34)
  • 2006年01月 (69)
  • 2005年12月 (54)
  • 2005年11月 (50)
  • 2005年10月 (7)
  • 2005年09月 (106)
  • 2005年08月 (38)
  • 2005年07月 (4)