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ホラーティウス『談話集』2巻5歌23-44

Tir. dixi equidem et dico: captes astutus ubique
testamenta senum, neu, si vafer unus et alter
insidiatorem praeroso fugerit hamo,      25
aut spem deponas aut artem illusus omittas.
magna minorve foro si res certabitur olim,
vivet uter locuples sine gnatis, improbus, ultro
qui meliorem audax vocet in ius, illius esto
defensor; fama civem causaque priorem    30
sperne, domi si gnatus erit fecundave coniunx.
'Quinte,' puta, aut 'Publi' (gaudent praenomine molles
auriculae) 'tibi me virtus tua fecit amicum;
ius anceps novi, causas defendere possum;
eripiet quivis oculos citius mihi, quam te     35
contemptum cassa nuce pauperet; haec mea cura est,
ne quid tu perdas, neu sis iocus.' ire domum atque
pelliculam curare iube; fi cognitor ipse.
persta atque obdura, seu 'rubra Canicula findet
infantis statuas,' neu pingui tentus omaso    40
Furius 'hibernas cana nive conspuet Alpis.'
'nonne vides,' aliquis cubito stantem prope tangens
inquit, 'ut patiens! ut amicis aptus! ut acer!'
plures adnabunt thynni et cetaria crescent.


私はむろん語ったのだが,また語るとしよう.あなたは抜け目なく,至る所
老人の遺言状を狩るがよい,また,もし狡猾なやつが一人二人
エサだけかじり取って,罠をかけた者を逃れても,
騙されたとて望みを捨てたり手管を怠ることなかれ.
大事小事にかかわらず法廷で訴訟が争われていて,
どちらかが子孫なしで裕福に生きており,ぬけぬけと,自分から
より理があるほうを,傲慢にも法廷に呼び込む者であったら,その者の
弁護士となるべし.名声の点で,そして訴訟上,有利な者は
もし家に子供がいたり,子を孕む妻がいれば,放っておけ,
たとえば「クゥイントゥスよ」あるいは「プーブリウスよ」(名前のほうが
耳は感じよく喜ぶのだ)「君の美徳は私をして友人にならしめた.
法律のあいまいさを私は知っている.私は裁判を弁護できよう.
だれかが君を貧乏に陥れて空っぽの胡桃*1と馬鹿にされるより先に,
私から目を奪い取る方が早いだろう.私の心配していることは,
君が何かを失ったり,笑い種になったりするのではないかだ」そして家に帰り,また
体をいたわるように言え.君自身が身内となるがよい.
辛抱強く持ちこたえるがよい,「灼熱の犬座が
もの言わぬ像を割ろうとも」あるいは脂ぎった臓物でたらふくの
フーリウス*2が「白い雪で冬のアルプスに唾しようとも」.
「見えるだろう?」だれかがそばに立っている者を肘で突きながら
言う,「何と忍耐強いんだ!何と友人に相応しいんだ!何と鋭いんだ!」
多くのマグロが泳ぎ寄り,生簀罠は大きくなるだろう*3


*1 「つまらない人物」を表す諺.
*2 キケローと同時代の詩人フーリウス・ビバークルスで,この詩が書かれた時も存命.「脂ぎった臓物でたらふくの」は彼の悪趣味でぎょうぎょうしいスタイルのこと.前後の引用は彼の失われた詩からの引用で,後者はクィンティリアーヌスに批判されている(付記).
*3 現代日本語の表現では,「鴨が葱をしょって来る」のようなものか.





付記:41行の引用=クィンティリアーヌス『弁論術教程』 8.6.17

sunt et durae, id est a longinqua similitudine ductae, ut capitis nives et

  iuppiter hibernas cana nive conspuit Alpes.

また,不快な(比喩が)ある,すなわち,あまりにも遠い類似性から比喩されているものである.たとえば,山頂の雪と,

  ユッピテルは白い雪で冬のアルプスに唾した

のごとく.



【2012/06/23 19:19】 Horatius Sermones | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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