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ミクロコスモス

平井浩 編『ミクロコスモス——初期近代精神史研究』第1集.東京:月曜社,2010.


紹介し忘れてましたが,インターネットの人文系サイトの中でも異彩を放つ,bibliotheca hermeticaから生まれた,本格的な初期近代精神史研究論文雑誌の第1巻です.
 もとより僕がこういった分野を理解する能力はないのですが,しかしたとえば桑木野幸司氏の論文「百科全書的空間としてのルネサンス庭園」(pp.94-140)を見るだけでも,この論文作成に必要とされる,まさに当時の膨大な百科全書的知識と,ラテン語文献——それもその時代や地域と著者のスタイルの理解が要求されるであろう,Loebなどでどこかに翻訳があるはずの西洋古典とは比べ物にならない苦労が要求される——の読解,さらにこの時代の人々が基づいていた,西洋古典に関する知識と,その時代に獲得された新知識などの関わりを咀嚼し,それらをつらぬいている隠れた原理を発見して一つの論考にまとめた上,論文自体すらも紙面の上でも美的に統合させるそのセンスなどを考えると,この分野での活躍に必要とされる努力と能力と情熱が並大抵のものではないことがわかります(正しくこの論文を評価できていればいいのですが……).そうした論文が8篇,重要研究論文と,編者平井氏によるフィチーノ原典「光について」の日本語訳,3篇の研究動向の解説(かのノストラダムス研究を含む!)など,がこの論文には収録されています.
 ちっとも評価できる能力がないので(爆),最後に外見にだけ触れておきますが,この版型は,西洋古典では19世紀ぐらいのHermesなどが取っているもので,ちょっと懐古的な雰囲気があります.表紙のデザインも美しく,本編の印字されている色もセピア色で,これも目にやさしく,本文・注の配分などのレイアウトの配分も申し分ないですね.
 残念ながら現在は重版を待っている状態のようですが,本屋の棚にはまだたまに見かけることもありました.第2集以降はまだ出ていないようですが,この分野の方々には待ち望まれていると思います.


ミクロコスモス―初期近代精神史研究 第1集 (シリーズ・古典転生 別巻1 初期近代精神史研究 第 1集)ミクロコスモス―初期近代精神史研究 第1集 (シリーズ・古典転生 別巻1 初期近代精神史研究 第 1集)
(2010/02/25)
平井浩

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