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マーニーリウス『占星術』

ようやく届きました:

Wolfgang Fels Ed. Manilius: Astronomica/Astrologie. Stuttgart: Reclam, 1990. Bibliographisch erfänzt Ausgabe. 2008.

日本の古典関係者でまともにこれに挑戦した人は殆どいないと思いますが,世界的にみても,それほど研究が進んでいる分野とはいえないようです.まあこういう研究の間隙というものはどうしても存在してしまうものですが,それにしても,ドイツでも実はこのレクラム文庫の翻訳までは,ドイツ語の全訳は存在しなかったというのは,本当にちょっと信じられないですね.というわけで,この一冊はドイツの古典文献学の世界では記念碑的な一冊ということになるでしょうか.

一方日本では:

有田忠郎 訳『占星術または天の聖なる学』ヘルメス叢書.新装版.東京:白水社,1993.

が出ています.古典作品でドイツよりも先に日本で全訳が出たというのは,まずあり得ない話でしょうね…….ただし,紀伊国屋の検索にはありますが,白水社の検索には引っかからないので,絶版かもしれません.(追記:フランス語訳からの重訳だそうです.ドイツの初版は1990年で,日本が先ではありませんでした.残念.)

我々がとりあえず使える校訂本や注釈なども,あまり多くはないようですね.一番新しい校訂本はGooldのTeubnerです:

G. P. Goold Ed. M. Manilii Astronomica. Bibliotheca scriptorum Graecorum et Romanorum Teubneriana. Leipzig: Teubner, 1985.


ちなみにLoebのマーニーリウスはGooldのものです.一番新しい注釈書は,100年前になってしまうようですね:

Th. Breiter Ed. M. Manilius: Astronomica. Text u. Kommentar. 2 Bde. Leipzig: Dietrich, 1907-08.

しかし,両方とも図書館か古書店でなければ手に入らないでしょう.

書誌は幸いLustrumが特集しているようです:

M. G. Bajoni. "Manilio 1950–1999". Lustrum 41 (2001): pp. 105–93

これを入手したらもうすこし必須文献なども報告しようと思います.

なんだかちょっと手出しの難しそうな分野ではありますが,しかし考えようによっては,今のうちにマーニーリウスを精読すれば,これをネタに独自の占星術を編み出す事ができて,ひょっとすると○木○子のようなカリスマ的占い師になることもできるかもしれませんね.そうすると,マーニーリウス研究は,西洋古典学徒に残された数少ない大学以外での立身出世につながる道かもしれません.誰かマーニーリウス,試してみませんか?

追記:もう一つ注釈がありました:

Alfred Edward Housman Ed. Marcus Manilius: Astronomicon. 2 vols. 1903-1916. Reprint. Hildesheim et al.: Olms, 1972. Out of Print. Reprint in Preparation.



【2009/03/21 04:23】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(4) | 記事修正

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この記事に対するコメント

no subject


マニリウス、興味深いですね。
白水社の有田訳は、フランス語からの重訳らしいです。
Housmanのコメンタリーが再版されて入手し易かったかと思います。


【2009/03/21 07:09】 URL | n #4S4GEE5Y [ 編集]

Housman


nさま,いつもありがとうございます.
Housman未見だったのですが,コメンタリーだったのですね.

Marcus Manilius
Astronomicon
Recensuit et enarravit Alfred Edward Housman. 5 Bde. in 2 Bänden.
London 1903-30. 2. Reprint: Hildesheim 2002.
CXCVII/627 S.
Leinen
Vergriffen. Neuaufl. geplant! / Out of print. New ed. in preparation!
ISBN: 978-3-487-04271-8 198,00 Eur

Olmsで改めて探すと以上のようでした.給付金が二人分要りますね…….


【2009/03/21 13:07】 URL | メレアグロス #YOGZRu26 [ 編集]

レクラム対訳


最近取り上げられるレクラムの対訳は大分前から出てゐますし、安いだけでなく語学的にも、学生が参考に出来る優れたものだと思ひます。
キケロの翻訳は、著名なM.フールマンの翻訳は(意訳にすぎて)信頼出来ないので、その替りに学先が生学生に薦めるらしい。


【2009/03/21 15:08】 URL | あがるま #tyeS9vdg [ 編集]

Re: レクラム対訳


> 最近取り上げられるレクラムの対訳は大分前から出てゐますし、安いだけでなく語学的にも、学生が参考に出来る優れたものだと思ひます。
> キケロの翻訳は、著名なM.フールマンの翻訳は(意訳にすぎて)信頼出来ないので、その替りに学先が生学生に薦めるらしい。

あ,本当ですね.よく見ると1990年出版で,参考文献補完版が2008年とありました.いや,本当に情報に疎いです.情報補完ありがとうございます.しかし補完された文献もあまり多くないところをみると,この20年弱あまり多くの文献は出ていないようではありますね.


【2009/03/22 19:12】 URL | メレアグロス #- [ 編集]

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