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ホラーティウス『歌集』4巻1歌21-40 (完結)

illic plurima naribus
 duces tura lyraque et Berecynthia
delectabere tibia
 mixtis carminibus non sine fistula;

illic bis pueri die          25
 numen cum teneris virginibus tuum
laudantes pede candido
 in morem Salium ter quatient humum.

me nec femina nec puer
 iam nec spes animi credula mutui 30
nec certare iuvat mero
 nec vincire novis tempora floribus.

sed cur, heu, Ligurine, cur
 manat rara meas lacrima per genas?
cur facunda parum decoro     35
 inter verba cadit lingua silentio?

nocturnis ego somniis
 iam captum teneo, volucrem sequor
te per gramina Martii
 Campi, te per aquas, dure, volubilis. 40

かの場所では,もっと多くの香をあなたは鼻で
 嗅ぐでしょう,そしてリュラとベレキュントス*4
笛とにあなたは喜びを覚えるでしょう,
 歌もそれに混じって,また牧笛も欠けてはおりません.

かの場所では,一日に二度少年らは
 たおやかな乙女らとともにあなたの神威を
称え,色白の足にて
 サリイー人風*5に三度大地を打つでしょう.

私はといえば,もはや女性も少年も,
 相思相愛の心を軽信する望みも,
生酒を競うことも
 新しく摘んだ花々を頭に巻くことも,私を楽しませはしません.

しかしなぜ,ああ,リグリーヌスよ,なぜ
 私の頬を,時に涙が濡らすことがあるのか,
なぜ雄弁の言葉の間に,あまりご立派とは言えぬ
 沈黙をもって舌が詰まるのか?

私は夜の夢のなか,
 もう君を捕まえて抱きしめ.飛び去る君を追って
マルスの原の芝中を駈け,
 流れる水の上を,つれない君よ,泳いでいる.


*4 プリュギアの山.狂乱的な歌舞を伴うキュベレー女神信仰と関わりが深い.
*5 マールス神の神官.豪華な宴と踊りで有名であった.


【2008/09/28 23:02】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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