FC2ブログ
ラテン語徒然  ラテン語の翻訳・覚え書きなど
log-in  ラテン語入門 作家別インデックス 文法資料 リンク集 ギリシア語フォントについて アーカイブ他
歴史地図 伊北 伊南 希北 希南 小ア PHI Perseus POxy KVK CiNii L-S Georges Gildersleeve 省略記号 Text Archive BMCR DCC BMCR 日本西洋古典学会

キケロー『デーイオタルス王弁護』10 注釈
本文と翻訳

1 cum ... liberares: cum+接続法未完了過去は,歴史的cumで,主文は同時に起っている付随的な状況を意味する(これに対して直接法の場合は純粋に時間的.G-L 585,詳しくはK-S 2,345 Anmerk.1, 2を参照).

maximis ... rebus liberares: maximis rebusは分離の奪格(G-L 390).

2 non solum ... non ..., sed: 「...しなかったばかりか,...さえする」

liberavisti, agnovisti, reliquisti: トリコロン(tricolon).

3 odio tui: 「あなたに対する憎悪」tuiは目的語的属格(G-L 364.N.2).

progressus: estを補う.progressusの意味は2通り考えられる.
 a.カエサルに対して軍を進めたこと(この時はodio tuiは「憎しみが原因で」).事実関係では正しい.
 b.度を超えた行動をしたこと(odio tuiは「あなたに対する憎悪の点で」),つまり「憎しみの余り度を超えたことをした」(cf. Glücklich 該当箇所.こちらはlapsus estとの対比の点では上手く合う.
 翻訳ではaで解釈している.上村はbで翻訳している.OLDのprogrediorの項は,意味の分類が不十分.

errore communi lapsus est: 「共通の過ちによって失敗をした」=「共通の過ちに陥った」communi erroreの奪格は原因の奪格.communi「共通の」は,nobis communis「我々ローマ人と同じ」という意味であることは,続く文から明らかになる.

4. is rex, quem ...: isはquemのかかる名詞を明確化している.

quem ... appellavisset, quique ... duxisset: 2つ以上の関係代名詞が並列される場合,もしそれが対等の要素なら-queやetで繋がれ(この場合のように),そうでない場合,つまりどちらかが従属的である場合は,繋ぎはつけない(複数の関係節が関わる規則についてはK-S 2,323-7を参照).この接続法は理由の接続法(cf.Gotoff ad loc.).

ab adulescentia: 「青年期から」.通常adulescentiaは少年期と盛年期の間の,14-30歳.上村の「幼少期」は少し早過ぎ.

homo longinquus et alienigena: 「遠方の,異民族の生まれにもかかわらず」.譲歩が文脈から読み取られる.

quibus nos ... versati: quibusはisdem rebusにかかる.この関係文は動詞を欠いているが,主文からperturbati sumusを補う.




【2005/09/25 01:53】 Cicero Pro rege Deiotaro | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

TOPへ


この記事に対するコメント

TOPへ


この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

TOPへ


この記事に対するトラックバックトラックバックURL
→http://litterae.blog8.fc2.com/tb.php/148-6952c1db

TOPへ


PROFILE

  • Author:メレアグロス
  • 気が向いた時にラテン語を訳したりしています.
    ヘレニズムのギリシア語もたまに訳しています.

    問い合わせ先(メールフォーム)
  • RSS1.0
  • CM, TB, ARCHIVE

    COMMENT
  • メレアグロス [06/06 15:20] 
  • outis [06/05 21:42] 
  • メレアグロス [06/05 10:37] 
  • outis [06/01 22:33] 
  • メレアグロス [05/28 18:31] 
  • outis [05/26 23:35] 
  • Succarum [09/24 20:12] 
  • メレアグロス [09/24 00:15] 
  • Succarum [09/23 16:32] 
  • メレアグロス [11/06 01:49] 
    TRACKBACK
  • えいじゅなすの本棚 - 英語, 医学, 投資の専門書レビューブログ:Wheelock's Latin(05/26)

  • ARCHIVE
  • 2019年03月 (1)
  • 2018年11月 (1)
  • 2018年08月 (1)
  • 2018年05月 (3)
  • 2018年03月 (20)
  • 2018年02月 (25)
  • 2016年07月 (1)
  • 2016年05月 (1)
  • 2016年01月 (1)
  • 2015年08月 (1)
  • 2015年07月 (1)
  • 2015年06月 (1)
  • 2015年05月 (2)
  • 2015年04月 (1)
  • 2015年03月 (4)
  • 2015年02月 (1)
  • 2015年01月 (1)
  • 2014年12月 (4)
  • 2014年11月 (24)
  • 2014年10月 (6)
  • 2014年08月 (1)
  • 2014年07月 (3)
  • 2014年06月 (10)
  • 2014年04月 (3)
  • 2014年03月 (3)
  • 2014年02月 (1)
  • 2014年01月 (2)
  • 2013年12月 (3)
  • 2013年11月 (4)
  • 2013年10月 (25)
  • 2013年09月 (1)
  • 2013年08月 (5)
  • 2013年07月 (6)
  • 2013年06月 (1)
  • 2013年05月 (2)
  • 2013年04月 (1)
  • 2013年03月 (1)
  • 2013年02月 (2)
  • 2013年01月 (2)
  • 2012年12月 (1)
  • 2012年10月 (6)
  • 2012年09月 (27)
  • 2012年08月 (32)
  • 2012年07月 (47)
  • 2012年06月 (50)
  • 2012年05月 (3)
  • 2009年10月 (1)
  • 2009年09月 (2)
  • 2009年08月 (12)
  • 2009年07月 (7)
  • 2009年06月 (14)
  • 2009年05月 (2)
  • 2009年03月 (40)
  • 2009年02月 (14)
  • 2009年01月 (75)
  • 2008年12月 (26)
  • 2008年11月 (22)
  • 2008年10月 (60)
  • 2008年09月 (95)
  • 2008年08月 (68)
  • 2008年07月 (42)
  • 2008年06月 (54)
  • 2008年05月 (49)
  • 2008年04月 (49)
  • 2008年03月 (35)
  • 2008年02月 (9)
  • 2008年01月 (27)
  • 2007年12月 (40)
  • 2007年11月 (35)
  • 2007年10月 (26)
  • 2007年09月 (43)
  • 2007年08月 (10)
  • 2007年05月 (33)
  • 2007年04月 (8)
  • 2007年03月 (61)
  • 2007年02月 (51)
  • 2007年01月 (75)
  • 2006年12月 (68)
  • 2006年11月 (23)
  • 2006年10月 (56)
  • 2006年07月 (1)
  • 2006年06月 (7)
  • 2006年05月 (125)
  • 2006年04月 (77)
  • 2006年02月 (34)
  • 2006年01月 (69)
  • 2005年12月 (54)
  • 2005年11月 (50)
  • 2005年10月 (7)
  • 2005年09月 (106)
  • 2005年08月 (38)
  • 2005年07月 (4)