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エウリーピデース『ヒッポリュトス』

とりあえずエウリーピデースをいくつか読もうとおもっているのですが,とりあえずは一番有名な『ヒッポリュトス』を読もうかと思っています.というか読み始めています.

John Ferguson Ed. Euripides: Hippolytus. Edited with Introduction, Commentary and Vocabulary by. Bristol: Bristol Classical Press, 1984. Reprint. London: Duckworth, 1994.

慣れればどうということはありませんが,タイプ打ちの原稿です.注は最小限,これはさすがに完全に中級開始レベルというわけではないです.150行ほどよんだ感じでは,簡潔でセンスのある注釈はついていますが,初級を終わった程度,というものではないですね.語形についてはほとんど注釈はないので,初級が終わったあとの,最初の韻文講読というレベルなら,やっぱりLuschnig-RoismanのAlcestisのほうがおすすめですね.それなりに動詞の語構成がわかって動詞の不規則変化の基礎語彙などをある程度覚えていれば,巻末の単語帳と合わせると,大体程よい手応えで読めると思います.なお,韻律については,この注釈では,学習過程ではあえて省くべきと思ったのでしょうが,全くふれられていません.

 専門である程度やっているような,ギリシア語に余裕がある方,上の注釈でも納得のいかない方には,やはり次の注釈がかなり役立つでしょう:

W.S. Barrett Ed. Euripides: Hippolytos. Edited with Introduction, Commentary by. Oxford: Clarendon Press, 1964. Clarendon Paperback. 1992.

もう40年以上も前の注釈ですが,古典ギリシア悲劇を専門にやるなら,序文から巻末インデックスまで全て目を通しておいても損はないという,記念碑的注釈だそうです.Fergusonでは本文の校訂上の問題はそんなに深入りはしていませんが,Barrettは十分に論議をしてくれていて,もちろん韻律も十二分に解説してくれています.最高レベルの文献学者の仕事ぶりがよくわかる,という点で,いつかは読みたい一冊といっていいでしょうか.もちろん,読むのにはそれなりの辛抱が必要ですが,そうするだけの価値は十分あります.これをじっくり読んで面白いと思うなら,専門の道に入っていってもいいかと思いますね.
 Barrettにはアパラトゥス・クリティクス付きのテクストもついているので,FergusonとBarrettを両方買っておいて,最初はFergusonの注と語彙を使いながらBarrettのテクストを読んで,ゆくゆくはBarrettの注の本文も読むという具合にするのもいいかもしれませんね.

 翻訳は英語対訳ならLoebでも出ていますし,岩波ギリシア悲劇全集の1冊でも出ています.古い邦訳なら,松平千秋先生のものが岩波文庫で単独で出ているほか,これと同じものが筑摩文庫の『ギリシア悲劇 III エウリーピデース(上)』にも入っています.


【2008/06/30 16:21】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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