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落書き問題

最近落書き問題などがちょっとした騒ぎになっています.古代をやっている人間には,現代人の落書きはとんでもないものですが,これが2000年前の落書きだと,かけがえのない貴重なものだったりします.なにしろ,ラテン語作品の自筆の原本は伝わっていなくて,写本でも最古で5世紀ぐらい,たいていはもっと新しくて,12-3世紀ぐらいのが最古とかいうこともあります.中には,印刷校訂本が出た後に写本が消失したりと,目も当てられない例もありますからねえ.それが,ポンペイの遺跡のように,たまたま落書きに書かれてから,火山灰に覆われてしっかり保管されて,現代によみがえったりすると,一気に10世紀近く古いテクストの状態が手に入る可能性があるわけです.もちろん,それ以外にも,当時の生に近い言語資料なども手に入る訳ですから,当時の落書き屋さんには,是非好きなだけ落書きしていてくれたらよかったのに,と思わずにはいられません.いや,どうせだったら壁一面写本代わりにカトゥッルスでも書いてくれれば,こんなに悲惨な写本に頼らずにすんだのにと,心から思いますね.

……ということを書いて,どこかにいい落書き画像でもないかとおもったのですが,あまりいいのはなかったので,まだ買ってないですが,面白そうな本だけ紹介しておきます.いずれ買う予定ですけど.

  
Rex E. Wallace. An Introduction to Wall Inscriptions from Pompeii and Herculaneum. Wauconda: Bolchazy-Carducci, 2005.

でも,ポンペイの遺跡にあたらしく落書きするのだけは止めてほしいです.


【2008/06/29 17:54】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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