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Wheelock's Latin オフィシャルサイト

最近取りかかっておられる方がいらっしゃるので…….

 現時点で,ある程度安心して使えるラテン語初級入門となると,おそらく日本語で書かれた入門書はほぼ例外なく,その資格を満たしているものはないと思います.かろうじて,国原先生の『新ラテン文法』,小さいながらいいのは中山恒夫先生の『標準ラテン語文法』でしょうか.

 英語で書かれた入門としては,僕は使っていませんが,色々資料などの充実をみると,今はWheelockが結局一番いい入門書ということになるでしょうか:

Frederic M. Wheelock and Richard A. Lafleur. Wheelock's Latin. 6th Ed. New York: HarperCollins, 2005.

この本のオフィシャルサイトがここです.

  wheelockslatin.com

ただの宣伝用のオフィシャルと思いきや,なんとFlashを使った語彙の音声ファイルがおかれているページまであります.動詞の場合,4基本形が一緒に発音されていますから,これはラテン語の動詞論の制覇にはとてつもなく役に立つでしょう(僕も中級の課程ではテープに録音して暗記していました).しかも,ZipですべてDL可能です.

  WHEELOCK'S LATIN AUDIO FILES

ちょっとわかりにくいですが,このページの左側にナビゲーションが出ますから,そこからChapters 1-10……とクリックしていって下さい.発音は長短は若干大げさですが,正確で,覚えるにはむしろいいと思います.

例文なども含めた朗読ファイルは,いつものBolchazy-Carducciで:

Richard A. LaFleur Prod. Mark Robert Miner Readings. Readings from Wheelock's Latin. 4CDs. Wauconda: Bolchazy-Carducci, 2006.

さすがにここまで来ると,無料奉仕というわけには行かないようですが,それでもCD4枚で$43.00ですから,凄く高いというほどではありません.少なくともLinguaphonのようには暴利ではありません.

 日本ではしようもない入門書にCDなど付けて満足しているうちに,欧米ではこんなマルチメディアを使った周辺教材のある入門書ができているわけですね.オフィシャルサイトでも,色々紹介しているように,他にもReaderあり,ワークブックありで,ラテン語をやったことない人でもなんとなく面白そうという気にはなると思います.

 考えてみれば,こういった周辺の補助教材があるほどに,入門書も安心して使えるわけですから,売れ行きもあがって,使用者も増え,さらに彼らがこの本で十分基礎を学んだという実感があれば,教える時には確実にこの本を使うことになるわけですから,相乗効果で,売り手にも買い手にも恒久的に満足できる教育ビジネスモデルができるわけです.こういった,多角的に発展させられる語学の教科書の発想は,日本ではほとんどありません.日本でも,こういった企画の点でずば抜けた教科書があったら,一冊5000円もして,意味もなくハードカバーにしたりしなくても,最低でも利益は上げられる程度にはなると思いますが…….


【2008/06/20 12:30】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(1) | COMMENT(4) | 記事修正

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この記事に対するコメント

最近取りかかって...


最近取りかかっているcomcです。
おっしゃる通り、こうした入門書(周辺教材を含めて)の充実ぶりにおける彼我の差は歴然ですね。ラテン語に限らず、例えば理科系の大学初年級向け教科書などでも、webとタイアップしたこの種の教材に関しては、日本は欧米に大きく後れをとっていると思います。とにかく、面白い教科書という点では、向こうのほうが一枚も二枚も上手でしょう。これは、そういう教科書に対する需要がないからなのか(作っても売れないのか)、それとも作り手側が今まで怠慢だったのかはわかりませんが、後者だとしたら、まだまだラテン語に興味を持つ人を開拓する余地はありそうですね。


【2008/06/20 22:35】 URL | comc #akl3PPgs [ 編集]

理系でも……


理系でも同じようなことがあるのですか.それは知りませんでした.

 考えてみると,アメリカでは,学生による教師評価が当然のようにあって,教師の死活はそれでほとんど決まっているそうですから,興味を起こさせるためにはかなりの努力が必要なのだと思います.結果的に,いい方向で出ているのがこうした教科書を中心にしたシステムなのでしょうね.ただ,専門領域に近くなってくると,ここまでは充実していないと思います.個別の読本は,ご存知のとおり,色々な手引き付きの読本はけっこうありますが,中級文法書はちょっと線が細いですね.そして,完全に専門領域に入ると,辞書的な文法書はすべてドイツ語のものに切り替わります.上級の作文訓練などにはドイツの教科書を使っていたりするようです(もちろん英語のものも使われるそうですが).まあそれができるぐらい,周辺言語の教育もしっかりしているということでしょうが.

 日本での事情は,多分教育に対して,意識があまり高くなかったことが一つにはあるでしょうね.僕の個人的な印象で恐縮ですが,教育に情熱を注ぎすぎるような先生をむしろ,低レベルと蔑視する傾向がどこの専門でもあったようです(実際例をみると,それもあながち外れていなかったようにもおもいますが).学生は放置するほうがよく育つとされていましたし,乱暴な教科書でも,これぐらい切り抜けるのがが大学の学生だというのがあったのではないでしょうか.怠慢というのは語弊がありますが,外部からみたならそうとしか見えないかもしれませんね.

 作っても売れないかどうか……は,やっぱりどれぐらいしっかりした物ができるかでしょう.これは才能と企画力のバランスに多分かかっていると思います.現行の教科書は,まずレイアウトからしてすごく悪いですし,表を多用するわりには判型が極端に小さいものばかりです.そのあたりからバランスの悪さを感じますね.


【2008/06/20 23:38】 URL | メレアグロス #M6t13bQI [ 編集]

贅沢な悩みも


こんにちは。発音のサイトを見てみたところ、これならVox Latinaいらずだと感心しました。文字で「○○の発音で」なんて読むより、ずっといいでしょう。

教材について、横レスさせてください。もちろんわたしも、使いやすい、わかりやすい、面白い教材を作ることには賛成です。
しかしそういう初級教材が溢れている当地では、その後専門的に学ぶようになっても、文字の詰まった(Hofmann-Szantyrのような)本を使うのを億劫に感じる学生が多いようですよ。日本人のわたしからしたら贅沢な悩みだと思ってしまいますが、当地の先生がそう嘆くのを少し前に、ちょうど耳にしました。
この点では、学生を放置するというのも、一利あるのかもしれませんね。


【2008/06/22 21:24】 URL | バニ #- [ 編集]

教材論


 バニさん,ドイツではこの時間はまだこんにちはですね.

 欧米の教科書は高校生あたりも対象にしているものは,ただ注意力散漫な学生を引き止めるための(おそらくしょうもない)工夫がかなり多く行われていたりするようですね.まあドイツでも昨今のギュムナあたりの学生で,ラテン語をまともにやろうというほうが珍しいでしょうから,それなりに苦肉の策なのでしょうけど,結果として,当面学生を引き止められても,専門につながらりようがなくなることもあるのかもしれません.

 僕はどんな語学でも,必要な語彙と文法は覚えなければ,面白くなりようがないと思うのですが,どうも初級あたりの語学の教科書を書く方の発想では,できるだけ語彙を少なくとか,文法事項や練習をすくなくとかして,厚さを減らして,二色刷りにするとか,イラストを入れるとかいうのが,楽しい教科書の条件と勘違いされていたりするようです.しかし語学を実際に必要としている学習者にとっては,語彙や文法はちゃんと一定レベルは全て網羅されていなければならないですし,勘所は,明快ではあっても,下手な単純化はされてはこまりますよね.極端に堅い教科書もこまるかもしれませんが,だからといって子供扱いされてもこまるわけです.

 日本のラテン語の入門書は,そういう意味では迎合しないプライドは保っていますが,それにしても,もっと内容は充実しなければいけないですし,なにより中級の文法書がほしいところですね.


【2008/06/22 23:48】 URL | メレアグロス #2r4lHaBU [ 編集]

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ラテン語の教科書.オリジナルは1950年代に刊行されているが,何度か改訂が行われており,とても読みやすく,古臭い印象はない. ラテン語の例文や演習問題が豊富.副読本や問題集が別途販売されている. ア... えいじゅなすの本棚 - 英語, 医学, 投資の専門書レビューブログ【2011/05/26 02:33】

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