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ホラーティウス『歌集』2巻19歌17-32(完結)

tu flectis amnis, tu mare barbarum,
tu separatis uvidus in iugis
 nodo coerces viperino
  Bistonidum sine fraude crinis: 20

tu, cum parentis regna per arduum
cohors Gigantum scanderet impia,
 Rhoetum retorsisti leonis
  unguibus horribilique mala;

quamquam choreis aptior et iocis 25
ludoque dictus non sat idoneus
 pugnae ferebaris: sed idem
  pacis eras mediusque belli.

te vidit insons Cerberus aureo
cornu decorum leniter atterens  30
 caudam et recedentis trilingui
  ore pedes tetigitque crura.

あなたこそが川の流れをかえ,あなたこそが蛮族の海を征し,
あなたこそが人里離れた山脈にて酒に浸り,
 蛇の結び目にて
  ビストニア*7の女どもの髪を傷付けることなく結わえたまう*8

あなたこそが,不敬の巨人族の軍が
父神の王国へ向かって断崖登りし時,
 ロイトス*9を,ライオンの爪と恐ろしい顎とで*10
  突き落としたもうた.

たとえあなたは歌舞と冗句と
戯れの方が向いているといわれ,戦いには向かないと
 言われているにもかかわらず,あなたは一つ身にして
  平和の要かつ戦いの要であらせられる.

ケルベロスも害を加えることなく,黄金の
角麗しきあなたを,しっぽをすりつけつつ
 穏やかに見,去るあなたの足を
  足と脛と三つの口にて舐めたのであった.

*7 ビストニア人はトラキアの一種族.ここではトラキアを意味する.
*8 しばしばバッコス信女は蛇のリボンで髪を結わえている.
*9 巨人族の一人.
*10 バッコスは巨人族と戦った際に,ライオンに変じたとも,ライオンの助けを得たともいわれる(cf. Nisbet-Hubbard: ad loc.).


【2008/05/31 09:36】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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