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ホラーティウス『歌集』2巻18歌29-40(完結)

 nulla certior tamen
rapacis Orci fine destinata     30
 aula divitem manet
erum. quid ultra tendis? aequa tellus
 pauperi recluditur
regumque pueris, nec satelles Orci
 callidum Promethea       35
revinxit auro captus. hic superbum
 Tantalum atque Tantali
genus coercet, hic levare functum
 pauperem laboribus
vocatus atque non vocatus audit.  40

 しかし如何なる館も
貪欲な冥府という宿命の場所以上に
 確実に富んだ主を
待ちはしない.なぜ過剰に努めるのか?公正な大地は
 貧者にも開かれているし,
王者らの子にも開かれている.そして冥府の衛士*6
 抜け目ないプロメーテウスでも
金で籠絡されて解き放つことはない.この者は傲慢な
 タンタロス*7とタンタロスの
一族*8を監禁し,この者が労苦を果たした
 貧者の苦しみを取りあげ,
呼ばれようと呼ばれまいと耳を傾けるのだ.

*6 冥界の河の渡し守であるカローン.
*7 ゼウスとプルートーの子で,傲慢で富裕であったプリュギアの王.息子ペロプスを殺し,料理にして神々に出したため,冥界で水辺に首までつかるも,水を飲もうとすると水は逃げ,頭上の果物を食べようとすると食べられないという苦しみを与えられている.
*8 タンタリダイ(タンタロスの子孫)のペロプス,ニオベー,アガメムノーン,メネラーオス,アイギストスなど.あるいは,タンタロス的な性向の者(富裕で傲慢な者)とも解釈されている.


【2008/05/30 17:12】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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