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ホラーティウス『歌集』2巻16歌21-40(完結)

scandit aeratas vitiosa navis
Cura nec turmas equitum relinquit,
ocior cervis et agente nimbos
 ocior Euro.

laetus in praesens animus, quod ultra est, 25
oderit curare et amara lento
temperet risu; nihil est ab omni
 parte beatum.

abstulit clarum cita mors Achillem,
longa Tithonum minuit senectus,     30
et mihi forsan, tibi quod negarit,
 porriget hora.

te greges centum Siculaeque circum
mugiunt vaccae, tibi tollit hinnitum
apta quadrigis equa, te bis Afro      35
 murice tinctae

vestiunt lanae: mihi parva rura et
spiritum Graiae tenuem Camenae
Parca non mendax dedit et malignum
 spernere vulgus.            40

悪辣な心労は銅板打ち付けし船おも
のぼり,騎兵の隊も捨て置きはせぬ.
それは鹿よりも速く,雨雲はらう
 東風よりも速い.

心は今あるものを喜び,先にあるものを
気にするのは憎ましめよ,そしてゆったりとした
笑いもて,つらき事を和らげさせよ.如何なることも,
 あらゆる面で恵まれているということはない.

速き死は高名なアキッレウスを奪い,
長き老年はティートーノス*5を干涸びさせ,
またひょっとすると,君に拒んでいたものを,
 時は私に差し出すかもしれぬ.

君の周りには100の群れとシチリアの
雌牛が唸り,君のために馬車につながれた
雌馬が嘶きをあげ,君を二度染めのアフリカの
 紫の羊毛の

衣が包む.私には小さな畑と
ギリシアのカメーナ女神ら*6の小さな息吹とを,
偽りなきパルカは与え,そして悪意ある大衆を
 蔑むことをお許しになった.


*5 曙の女神エーオースに愛され,永遠の生命を授かったが,若さを願うのを忘れたため,老いさらばえて干涸び,最後は声のみとなった.
*6 水のニンフで,ギリシアのムーサらと同一視されている.


【2008/05/27 05:55】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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