FC2ブログ
ラテン語徒然  ラテン語の翻訳・覚え書きなど
log-in  ラテン語入門 作家別インデックス 文法資料 リンク集 ギリシア語フォントについて アーカイブ他
歴史地図 伊北 伊南 希北 希南 小ア PHI Perseus POxy KVK CiNii L-S Georges Gildersleeve 省略記号 Text Archive BMCR DCC BMCR 日本西洋古典学会

New OCT Propertius

ついにお待ちかねのOCTプロペルティウス.前回のBarber (2nd Ed. 1960)から48年ぶりです.

S.J. Heyworth Ed. Sexti Properti Elegos. Critico Apparatu Instructos Edidit. Scriptorum Classicorum Bibliotheca Oxoniensis. Oxonii: E typographeo Clarendoniano, 2007.


 フォーマットなど「普通のもの」とちょっと違って,あれっとおもうところもありますが,思ったよりはおとなしいテクストかもしれませんね.

外見でいえば,詩の番号は横付け.

            VII
  Dum tibi Cadmeae dicuntur, Pontice, Thebae
      ....

と普通はなりそうですが,

  Dum tibi Cadmeae dicuntur, Pontice, Thebae vii
      ....

となっています.あと,写本で詩の区切りがはっきりしないという事態がよくあるため,詩の最後の行と見なされるものの終わりに⊗をつけています(よくHTML実体参照にあったものです……それともHTML参照でも使えるからこの記号を選んだのでしょうか).例えば:

   uiuere me duro sidere certus eris. ⊗

という感じです.あと,改竄部として,本文中から削除されるべきとされたものは,本文から取り出して,詩の終わりの後に[ ]に入れて書いているなど,これもちょっと変則的です(が,読みやすいといえば読みやすいです).

主要写本は,これはここ四半世紀ほどの調査によって,参照すべきものが大幅に変わっています(一番上のほうは変わっていないようですが).

それから,この新OCT版も,序文は英語で書かれています.批判は色々あると思いますが,プロペルティウスほど複雑な写本事情をラテン語で書くことに意味があるかどうかという気もするので,(ラテン語のできない)僕としては有り難いと思います.

誤植は早速見つけました(入手15分後ほど):
 本文じゃないですが,表紙カバーの裏のところ,citation ofとあるべきところがcitationofになっています.
 p.168ですが,詩の番号がviとあるべき所,vに間違えています.これはこのフォーマットにしたせいで見つからなかったのでしょうね……(下手に新しい事をすると危険という教訓かも).

このルーズな僕が見つけられるぐらいですから,もっと沢山ありそうですね…….

ところで,序文のp. lvxiのAcknowledgementを見ると……な,なんと,上で書いた,「ここ四半世紀ほどの精査」を,Heyworthと並んでやっていたJames Butrica氏(*1)が,ごく最近お亡くなりになってしまったことが書かれていました.このOCT版はButrica氏に多大な恩恵をこうむっているそうです.おそらくButrica氏自身も,独自に校訂本を用意していたと思われるのですが,これは本当にとんでもないプロペルティウス研究上の損失でしょう.冥福をお祈りします.


*1 James L. Butrica. The Manuscript Tradition of Propertius. Phoenix Supplementary Volume xvii. Toronto; Buffalo; London: U. of Toronto Press, 1984.


【2008/03/16 18:24】 Propertius | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

TOPへ


この記事に対するコメント

TOPへ


この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

TOPへ


この記事に対するトラックバックトラックバックURL
→http://litterae.blog8.fc2.com/tb.php/1197-6f6b99a4

TOPへ


PROFILE

  • Author:メレアグロス
  • 気が向いた時にラテン語を訳したりしています.
    ヘレニズムのギリシア語もたまに訳しています.

    問い合わせ先(メールフォーム)
  • RSS1.0
  • CM, TB, ARCHIVE

    COMMENT
  • メレアグロス [06/06 15:20] 
  • outis [06/05 21:42] 
  • メレアグロス [06/05 10:37] 
  • outis [06/01 22:33] 
  • メレアグロス [05/28 18:31] 
  • outis [05/26 23:35] 
  • Succarum [09/24 20:12] 
  • メレアグロス [09/24 00:15] 
  • Succarum [09/23 16:32] 
  • メレアグロス [11/06 01:49] 
    TRACKBACK
  • えいじゅなすの本棚 - 英語, 医学, 投資の専門書レビューブログ:Wheelock's Latin(05/26)

  • ARCHIVE
  • 2019年03月 (1)
  • 2018年11月 (1)
  • 2018年08月 (1)
  • 2018年05月 (3)
  • 2018年03月 (20)
  • 2018年02月 (25)
  • 2016年07月 (1)
  • 2016年05月 (1)
  • 2016年01月 (1)
  • 2015年08月 (1)
  • 2015年07月 (1)
  • 2015年06月 (1)
  • 2015年05月 (2)
  • 2015年04月 (1)
  • 2015年03月 (4)
  • 2015年02月 (1)
  • 2015年01月 (1)
  • 2014年12月 (4)
  • 2014年11月 (24)
  • 2014年10月 (6)
  • 2014年08月 (1)
  • 2014年07月 (3)
  • 2014年06月 (10)
  • 2014年04月 (3)
  • 2014年03月 (3)
  • 2014年02月 (1)
  • 2014年01月 (2)
  • 2013年12月 (3)
  • 2013年11月 (4)
  • 2013年10月 (25)
  • 2013年09月 (1)
  • 2013年08月 (5)
  • 2013年07月 (6)
  • 2013年06月 (1)
  • 2013年05月 (2)
  • 2013年04月 (1)
  • 2013年03月 (1)
  • 2013年02月 (2)
  • 2013年01月 (2)
  • 2012年12月 (1)
  • 2012年10月 (6)
  • 2012年09月 (27)
  • 2012年08月 (32)
  • 2012年07月 (47)
  • 2012年06月 (50)
  • 2012年05月 (3)
  • 2009年10月 (1)
  • 2009年09月 (2)
  • 2009年08月 (12)
  • 2009年07月 (7)
  • 2009年06月 (14)
  • 2009年05月 (2)
  • 2009年03月 (40)
  • 2009年02月 (14)
  • 2009年01月 (75)
  • 2008年12月 (26)
  • 2008年11月 (22)
  • 2008年10月 (60)
  • 2008年09月 (95)
  • 2008年08月 (68)
  • 2008年07月 (42)
  • 2008年06月 (54)
  • 2008年05月 (49)
  • 2008年04月 (49)
  • 2008年03月 (35)
  • 2008年02月 (9)
  • 2008年01月 (27)
  • 2007年12月 (40)
  • 2007年11月 (35)
  • 2007年10月 (26)
  • 2007年09月 (43)
  • 2007年08月 (10)
  • 2007年05月 (33)
  • 2007年04月 (8)
  • 2007年03月 (61)
  • 2007年02月 (51)
  • 2007年01月 (75)
  • 2006年12月 (68)
  • 2006年11月 (23)
  • 2006年10月 (56)
  • 2006年07月 (1)
  • 2006年06月 (7)
  • 2006年05月 (125)
  • 2006年04月 (77)
  • 2006年02月 (34)
  • 2006年01月 (69)
  • 2005年12月 (54)
  • 2005年11月 (50)
  • 2005年10月 (7)
  • 2005年09月 (106)
  • 2005年08月 (38)
  • 2005年07月 (4)