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ブログ一つ

いい雰囲気のブログです.かもさん経由で,かもさんのところのご常連さまも.

  かぷかぷにっき
  http://d.hatena.ne.jp/qupqup/


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【2009/01/31 21:53】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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2009年最初の月末

もう一月も終わり…….

今年の目標の一つができたので,幸先のよい始まりでしたが,あまりに大きい区切りなので,何をしたらいいのかわからなくなりますね.

今月はまた,お世話になっていたブログ,行きつけのブログが連続してなくなってしまいました.ネットでは日々サイトが生まれ消えて行くものですから,これもサイトの宿命だとは思いますが,やはり寂しいものです.ともあれ,お世話になった方々には本当に感謝申し上げます.


【2009/01/31 20:53】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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非常勤食品募集

タイトル打ち間違えましたが,面白いのでそのまま:

  東京大学工学部広報室・非常勤職員募集
  http://d.hatena.ne.jp/ut-tlounge/20090127/

そういえば庭園大学でもなにか募集していたような気が…….


【2009/01/31 11:44】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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サイト紹介

上智大学の西洋古代史研究室です.

  西洋古代史の部屋
  http://pweb.sophia.ac.jp/k-toyota/index.html


 リビアの滞在記などもあります.案外いいところのようですね.いつかカッリマコスの生まれたキュレーネーには行ってみたいものです.

 ちなみに上智大学というのは今はわかりませんが,カトリック大学ならではで,神学部では昔は毎日ラテン語でラテン語の授業があって,単語一つ一つ変化からなにからなにまで毎日毎日叩き込まれたそうです.上智を卒業するとヨーロッパなどでは,当地の言葉はわからなくても,神学者同士ではラテン語で会話が通じたそうですから,すごいものですね.


【2009/01/31 11:28】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ヘーロドトス今更

なんだかずっと以前注文していた本が今になって届いて来たので,最初だけ申し訳程度に翻訳してみました.

George A. Sheets. Herodotus Book I. Bryn Mawr: Bryn Mawr Commentaries, 1993.

J.H. Sleeman. Herodotus Book I. Ed. with Intro. and Notes by. Cambridge: Cambridge UP., 1909. London: Duckworth, 2003.

上のほうの注釈は特に初学者用に親切で,下と組み合わせればあまり困る事はないでしょう.


【2009/01/29 22:52】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ヘーロドトス『歴史探究』1巻序


Ἡροδότου Ἁλικαρνησσέος ἱστορίης ἀπόδειξις ἥδε, ὡς μήτε τὰ γενόμενα ἐξ ἀνθρώπων τῷ χρόνῳ ἐξίτηλα γένηται, μήτε ἔργα μεγάλα τε καὶ θωμαστά, τὰ μὲν Ἕλλησι, τὰ δὲ βαρβάροισι ἀποδεχθέντα, ἀκλεᾶ γένηται, τά τε ἄλλα καὶ δι᾽ ἣν αἰτίην ἐπολέμησαν ἀλλήλοισι.

人々により行われた物事が,時間により忘れられたものとならぬよう,そして壮大で驚嘆すべき事柄であって,かつはギリシア人,かつは異邦人によって行われた事蹟が,名もなきこととならぬようにするため,ハリカルナーッソスのヘーロドトスの研究を本書は公表するものである.それはすなわち,他の事物もさることながら,如何なる理由で彼らが互いに戦ったのか,ということである.


【2009/01/29 22:19】 ORATIONES SOLUTAE GRAECAE | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス年表

前70頃 マエケーナース生誕

65年12月8日 ホラーティウス生誕

63年9月23日 ガイユス・オクターウィアーヌス(後のアウグストゥス帝)生誕

60年 第一次三頭政治(ポンペイユス,クラッスス,カエサル)

50年頃 プロペルティウス,ティブッルス生誕

49-46年 市民戦争(カエサル対ポンペイユス)

44年3月15日 カエサル暗殺.オクターウィアーヌス,カエサルの遺産継承.

44-42年 市民戦争(対カエサル暗殺者)

43年(-33年) 第二次三頭政治(アントーニウス,レピドゥス,オクターウィアーヌス)

43年3月20日 オウィディウス生誕.

43年12月7日 キケロー殺害.

42-39年 ウェルギリウス『牧歌』

42年 ピリッピーの戦い.カエサル暗殺者掃討.ブルートゥス自殺.

40年 ブルンディシウム協定.アントーニウスとオクタウィアーヌス,マエケーナースとポッリオーの交渉で和解.

37年 タレントゥム協定.再度アントーニウスとオクターウィアーヌス交渉.ホラーティウス『談話集』1巻5歌参照

36年 アグリッパ,セクストゥス・ポンペイユスを破る.

35年頃 ホラーティウス『談話集』1巻

33年 三頭政治終結.

32年 アントーニウス派執政官,オクターウィアーヌス罵倒.オクタウィアーヌス,武装護衛付きで反論.両執政官,エペソスのアントーニウスのもとに.アントーニウスの遺言状公開

31年以降,オクターウィアーヌス(アウグストゥス)連年執政官(-23年)

31年9月2日 アクティウムの海戦..

30年 アレクサンドリア陥落.アントーニウス・クレオパトラ自殺.カエサルとクレオパトラの子カエサリオン殺害.

30年頃 ホラーティウス『談話集』2巻,『イアンボス集』,ウェルギリウス『農耕詩』

30年 オクターウィアーヌス凱旋

30年頃 ホラーティウス『歌集』執筆開始

28年 プロペルティウス『エレゲイア集』1巻

27年1月 オクターウィアーヌス全権返還.アウグストゥスの名を獲得.元首制開始.

26年 アウグストゥス,ガリア,ヒスパーニアに遠征.

24年 アウグストゥス,遠征より帰還.病床につく.

23年 ムレーナ(マエケーナースの義兄弟)の陰謀発覚,処刑.アウグストゥス,健康回復.連年執政官断念.元老院より護民官職権付与.

23年 ホラーティウス『歌集』1-3巻出版

22年頃 プロペルティウス『エレゲイア集』2-3巻

20年頃 ホラーティウス『書簡集』1巻出版

19年9月21日 ウェルギリウス死去

17年5月31日-6月3日 世紀祭 ホラーティウス『世紀讃歌』上演

13年頃 ホラーティウス『歌集』4巻

12年頃 ホラーティウス『書簡集』2巻

10頃?『詩論(ピーソー父子宛書簡)』

8年9月末(ホラーティウス死去の59日前) マエケーナース死去.

8年11月27日 ホラーティウス死去.



【2009/01/29 00:27】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』完訳

とりあえずですが,ホラーティウス『歌集』完訳しました.Carmen Saeculareはいずれまた.
最初の頃の翻訳は注などがないので,ぼちぼち補完しなければ行けませんし,間違いなどもなおさなければいけませんが,いちおう一区切りです.

それにしても,ちゃんとした日本語訳や日本語の注釈書が欲しい所ですね.


【2009/01/28 21:11】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(2) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻30歌

Exegi monumentum aere perennius
regalique situ pyramidum altius,
quod non imber edax, non aquilo impotens
possit diruere aut innumerabilis

annorum series et fuga temporum.   5
non omnis moriar multaque pars mei
vitabit Libitinam: usque ego postera
crescam laude recens, dum Capitolium

scandet cum tacita virgine pontifex:
dicar, qua violens obstrepit Aufidus  10
et qua pauper aquae Daunus agrestium
regnavit populorum, ex humili potens

princeps Aeolium carmen ad Italos
deduxisse modos. sume superbiam
quaesitam meritis et mihi Delphica   15
lauro cinge volens, Melpomene, comam.


韻律:第1アスクレピアデース風ストロペー

  ― ― ― UU ― || ― UU ― U x


私は記念碑を完成させた,青銅よりも永遠な,
聳える王のピラミッドよりも高い記念碑を.
それは蝕む雨も,抑えもきかぬ北風も
あるいは数えもきれぬ

年の連なりも,逃げ行く時間も壊すことのできぬもの,
僕は全てが死ぬことにはなるまい.私の多くの部分は
リビティーナ女神を逃れよう.ずっと私は後世の
名声によって新たに育つだろう,カピトーリウムを

黙せる乙女とともに司祭が登る間は*1
私は語られるだろう,アウフィドス河*2が荒々しく音をたてる所で,
そして水乏しきダウヌス*3が農耕の
民を支配した所で,卑しきところより力を得て,

アイオリスの詩*4をイタリアの調べへと
最初に移した者として.お認め下さい,
業績により得られた誇りを,そしてデルポイの
月桂樹*5にて,メルポメネー*6様,我が髪をすすんで巻き給え.


*1 ローマの重要な宗教儀式が続く限り,つまりローマが存続する限りということ.
*2 アープリアの河.上流はウェヌシア(現ヴェノーサ)のすぐ傍を通る.
*3 アープリアの伝説的王で,アープリア北側のダウニアを支配していた.アープリアは水に乏しかった.
*4 サッポー,アルカイオスの歌のこと.
*5 月桂樹はデルポイ神殿の神アポッローンの樹であるため.
*6 悲劇と叙情詩を司るムーサ女神の一人.


【2009/01/28 20:56】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻25歌

Quo me, Bacche, rapis tui
 plenum? quae nemora aut quos agor in specus
velox mente nova? quibus
 antris egregii Caesaris audiar

aeternum meditans decus        5
 stellis inserere et consilio Iovis?
dicam insigne, recens, adhoc
 indictum ore alio. non secus in iugis

exsomnis stupet Euhias
 Hebrum prospiciens et nive candidam 10
Thracen ac pede barbaro
 lustratam Rhodopen, ut mihi devio

ripas et vacuum nemus
 mirari libet. o Naiadum potens
Baccharumque valentium        15
 proceras manibus vertere fraxinos,

nil parvum aut humili modo,
 nil mortale loquar. dulce periculum est,
o Lenaee, sequi deum
 cingentem viridi tempora pampino.  20


韻律:第4アスクレピアデース風ストロペー

  ― ― ― UU ― U x
   ― ― ― UU ― || ― UU ― U x
  ― ― ― UU ― U x
   ― ― ― UU― || ― UU ― U x


どこに僕を,バッコスよ,ひっさらって行くのか,あなたに
 満ちた僕を?どの森へ,あるいはどの洞穴へと僕は急ぎ駆り立てられて行くのか,
新たな精神に満ちて?どの洞穴で
 聞かれるだろうか,比類なきカエサルの

永遠なる誉を
 星星の中とまたユッピテルの計画に植え込むことを考えている僕は?
私は歌おう,素晴らしく,新しく,今まで
 余人の口によっては語られた事のないものを.まさにこの様に,尾根で

眠らぬエウホイの叫び手*1は,
 ヘブロス河*2を見,そして雪に輝く
トラーキアを,さらに異人の足にて
 歩き回られたロドペー山*3を見て驚嘆したのだ,ちょうど私が好んで道を外れて

岸辺と人のいない森を
 驚き眺めるように.おお,ナーイス*4たちと
そびえ立つトネリコの樹々を手にて引き抜く
 力もあるバッコス信女らを支配する神よ,

決して小さなもの,卑しい様のもの,
 通俗のものを私は歌うまい.甘美な冒険だ,
おお,酒桶の神よ,
 青々した葡萄の蔓を額にまいて,神に付き従うことは,


*1 バッコス信女.
*2 トラーキアの東部の河.
*3 トラーキアの西部の山.
*4 河の妖精.


【2009/01/28 20:17】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻23歌

Caelo supinas si tuleris manus
nascente Luna, rustica Phidyle,
 si ture placaris et horna
  fruge Lares avidaque porca,

nec pestilentem sentiet Africum 5
fecunda vitis nec sterilem seges
 robiginem aut dulces alumni
  pomifero grave tempus anno.

nam quae nivali pascitur Algido
devota quercus inter et ilices  10
 aut crescit Albanis in herbis
  victima, pontificum securis

cervice tinguet; te nihil attinet
temptare multa caede bidentium
 parvos coronantem marino  15
  rore deos fragilique myrto.

immunis aram si tetigit manus
non sumptuosa blandior hostia
 mollivit aversos Penatis
  farre pio et saliente mica.  20


韻律:アルカイオス風ストロペー

  x ― U ― ― || ― UU ― U x
  x ― U ― ― || ― UU ― U x
   x ― U ― ― ― U ― x
    ― UU ― UU ― U ― x


新月の時に,天に向かってお前が手を返して
かざしたなら,田舎住まいのピーデュレーよ,
 もし香とこの年の
  作物と食い太った豚で家神をなだめるなら,

アフリカからの風の害毒を受けずに
葡萄は豊かに実り,作物の不毛にする
 錆の病を受けず,可愛らしい家畜の仔も
  実りの季節に病気の時を過ごさないだろう.

というのも,雪のアルギドゥス山*1
オークと柊の間で養われたり,
 アルバ山の草地で育った捧げものの
  犠牲獣が首にて染めることになるのは,

司祭たちの斧だ.お前のほうは,
二歳の羊の犠牲を沢山捧げる必要はない,
 小さき神々をローズマリーと
  華奢なミルテで飾るお前は.

贈り物なき手が祭壇を触るなら,
孝神の麦とはぜる塩により
 豪勢な生贄よりも気に入られて
  背を向け給う守護神をなだめるのだ,.


*1 ローマから北東約20kmほどにあるアルバ山の東側の尾根.


【2009/01/28 20:05】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻21歌

O nata mecum consule Manlio
seu tu querellas sive geris iocos
 seu rixam et insanos amores
  seu facilem, pia testa, somnum,

quocumque lectum nomine Massicum 5
servas, moveri digna bono die,
 descende Corvino iubente
  promere languidiora vina.

non ille, quamquam Socraticis madet
sermonibus, te neglegit horridus:   10
 narratur et prisci Catonis
  saepe mero caluisse virtus.

tu lene tormentum ingenio admoves
plerumque duro, tu sapientium
 curas et arcanum iocoso      15
  consilium retegis Lyaeo,

tu spem reducis mentibus anxiis
virisque et addis cornua pauperi
 post te neque iratos trementi
  regum apices neque militum arma. 20

te Liber et si laeta aderit Venus
segnesque nodum solvere Gratiae
 vivaeque producent lucernae,
  dum rediens fugat astra Phoebus.


韻律:アルカイオス風ストロペー

  x ― U ― ― || ― UU ― U x
  x ― U ― ― || ― UU ― U x
   x ― U ― ― ― U ― x
    ― UU ― UU ― U ― x


おお,僕と一緒に,マンリウスが執政官の時*1に生まれたものよ,
お前が嘆きをもたらすのであれ,冗談であれ,
 喧嘩であれ,狂おしい愛であれ,
  安らかな眠りであれ,義しき酒瓶よ,

何の名目のためにであれ,より抜きのマッシクス葡萄酒*2
お前は貯めている,良き日に取り出されるに相応しい葡萄酒を.
 降りてこい,コルウィーヌス*3は命じている,
  より熟した葡萄酒を出すようにと.

あの方は,たとえソークラテース談義に
浸かっていても,無粋にお前を軽んじはしない.
 またいにしえの有徳のカトー*4も,
  しばしば生酒に暖まったといわれている.

お前は大抵は頑な精神に
優しく拷問を加え,お前は知者の
 悩みと隠された思案を
  楽しい酒神によってあからさまにする.

お前は悩む精神から望みを再び導きだす,
そして力と勇気を貧しき者に加え,
 お前を飲めば,震えることはなくなるのだ,怒れる
  王どもの王冠にも,兵士らの武器にも.

お前にはリーベル神が,そして,もし喜んでおわすなら,ウェヌス女神が,
なかなか絆を解かぬ優美の女神が,
 そして煌々としたランプが先導するだろう,
  太陽神が戻り星星を追い払う時まで.


*1 ルーキウス・マンリウス・トルクァートゥスは,前65年執政官.
*2 ラティウムとカンパーニアの間にあるマッシクム山産の高級葡萄酒.
*3 マールクス・ワレリウス・メッサッラ・コルウィーヌス(前64年-後8年).ピリッピーの戦いではブルートゥス側,後アントーニウスにつき,アウグストゥスに寝返る.弁論家であり文人で,ティブッルスとオウィディウスのパトロン.
*4 マールクス・ポルキウス・カトー(前234年-149年).厳格でしられる大カトーのこと.


【2009/01/28 19:31】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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あと3つ

あと3つなので,明日か明後日には『歌集』全訳完成でしょうか.きょうはそろそろ休みます.


【2009/01/27 23:26】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻19歌

Quantum distet ab Inacho
 Codrus pro patria non timidus mori,
narras et genus Aeaci
 et pugnata sacro bella sub Ilio:

quo Chium pretio cadum        5
 mercemur, quis aquam temperet ignibus,
quo praebente domum et quota
 Paelignis caream frigoribus, taces.

da lunae propere novae,
 da noctis mediae, da, puer, auguris 10
Murenae: tribus aut novem
 miscentur cyathis pocula commodis.

qui Musas amat imparis,
 ternos ter cyathos attonitus petet
vates; tris prohibet supra       15
 rixarum metuens tangere Gratia

nudis iuncta sororibus:
 insanire iuvat: cur Berecynthiae
cessant flamina tibiae?
 cur pendet tacita fistula cum lyra?  20

parcentis ego dexteras
 odi: sparge rosas. audiat invidus
dementem strepitum Lycus
 et vicina seni non habilis Lyco.

spissa te nitidum coma,        25
 puro te similem, Telephe, Vespero
tempestiva petit Rhode:
 me lentus Glycerae torret amor meae.


韻律:第4アスクレピアデース風ストロペー

  ― ― ― UU ― U x
   ― ― ― UU ― || ― UU ― U x
  ― ― ― UU ― U x
   ― ― ― UU― || ― UU ― U x


イーナコス*1から,祖国のために死ぬのを恐れなかった
 コドロス*2がどれほど離れているか,
君は語っている,また,アイアコスの一族*3と,
 聖なるイーリオンのもとで争われた戦いも.

どれほどの値段で僕らはキーオス*4の葡萄酒瓶を
 買うのか,だれが風呂の水を火で暖めるのか,
誰が家を提供して,そして何時になったら僕は
 パエリグニーの寒さ*5から解放されるのか,君は語っちゃくれない.

注げ,新月の葡萄酒をさっさと,
 注げ,真夜中の葡萄酒を,注げ,ボーイよ,鳥占官
ムレーナ*6の葡萄酒を.三つか九つ,
 ちょうどいい数の柄杓で盃は混ぜられるもの.

奇数の数のムーサイを愛する者は
 三倍の三の数の柄杓を求めるだろう,神懸かった
詩人は.三つ以上には触れることは
 優美女神は戦を恐れてゆるさない,

裸の姉妹と手をつなぐその女神は.
 酔狂は楽しいもの.どうしてベレキュントス*7
笛の息吹は止んでいるのか?
 どうして牧笛は黙せる琴と一緒にぶら下がっているのか?

けち臭い右手を僕は
 嫌う.薔薇を撒け.妬み深い
リュコスが浮かれた騒ぎを聞けばいい.
 年取ったリュコスに似合わぬ隣の女も.

濃い髪のてかてかする*8君,
 澄んだ宵の明星にも似た君を,テーレポスよ,
いい年頃のローデーが求めている.
 僕のほうは,我がグリュケラのつれない愛が焦がしているのだ.


*1 アルゴス初代王.
*2 伝説的なアテーナイの最後の王.スパルタが侵略の際に,デルポイよりアテーナイ王を殺さなければスパルタは勝利するという神託を得たと聞き,身を変えてスパルタの兵に喧嘩を仕掛けて自ら殺される.
*3 ゼウスとアーソーポス河神の娘アイギーナとの間の子.一族とはテラモーン,アイアース,ペーレウス,アキッレウスなど.
*4 エーゲ海の島で,レスボス島より南下したところにある.
*5 ローマから東北東に130kmほどに行った所にある町.山中にあり,寒さは厳しい.ここでは本当にパエリグニーにいるわけではなく,寒さの程度を示すためにこの名前が使われている.
*6 アウルス・テレンティウス・ワッロー・ムレーナ.前22年,陰謀に加担し殺される.
*7 笛をともなった狂乱の祭儀の踊りで有名なキュベレー女神信仰の盛んなプリュギアの山.
*8 宴では頭に油が塗られる.


【2009/01/27 23:17】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻17歌

Aeli vetusto nobilis ab Lamo–
quando et priores hinc Lamias ferunt
 denominatos et nepotum
  per memores genus omne fastus

auctore ab illo ducit originem,   5
qui Formiarum moenia dicitur
 princeps et innantem Maricae
  Litoribus tenuisse Lirim

late tyrannus–: cras foliis nemus
multis et alga litus inutili      10
 demissa tempestas ab Euro
  sternet, aquae nisi fallit augur

annosa cornix: dum potes, aridum
compone lignum: cras genium mero
 curabis et porco bimenstri    15
  cum famulis operum solutis.


韻律:アルカイオス風ストロペー

  x ― U ― ― || ― UU ― U x
  x ― U ― ― || ― UU ― U x
   x ― U ― ― ― U ― x
    ― UU ― UU ― U ― x


アエリウス*1よ,いにしえのラモス*2に由来せる高貴な方よ,
というのは,伝えられるところでは,ここからラミア家の先祖たちが
 その名を引いており,そしてその子孫たちの
  氏族も皆系譜録によって

その創始者に起源を引いているからである,
その始祖は,フォルミアエ*3の城壁を,
 また,マリーカの岸辺に流れ入る
  リーリス川*4を広く統べる君主として

支配したと伝えられる.明日は聖林には
多くの木の葉を,そして岸辺には役に立たぬ海藻を,
 東から送り込まれた嵐が
  ばらまくだろう,もし年老いた鴉の

雨の予言が裏切っているのでなければ.できるうちに,乾いた
薪を集めたまえ.明日は守護神に生酒と
 二ヶ月の子豚を捧げることになろう,
  仕事から解放された奴隷達とともに.


*1 ルーキウス・アエリウス・ラミアのこと.
*2 シチリアの巨人族で,フォルミアエを創建.
*3 ローマより南東約120km,アッピア街道沿いの海岸の町.
*4 リーリス川はフォルミアエから10kmほど東の町ミントゥルナエを河口とする川.マリーカはミントゥルナエの妖精で,ミントゥルナエと海岸までの間のリーリス川の沼沢地にはマリーカの社があった.マリーカはファウヌスと交わってラティーヌスを生んだとされる.


【2009/01/27 20:10】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻14歌

Herculis ritu modo dictus, o plebs,
morte venalem petiisse laurum
Caesar Hispana repetit penatis
 victor ab ora.

unico gaudens mulier marito    5
prodeat iustis operata sacris
et soror clari ducis et decorae
 supplice vitta

virginum matres iuvenumque nuper
sospitum; vos, o pueri et puellae,  10
non virum expertae, male nominatis
 parcite verbis.

hic dies vere mihi festus atras
exiget curas: ego nec tumultum
nec mori per vim metuam tenente 15
 Caesare terras.

i pete unguentum, puer, et coronas
et cadum Marsi memorem duelli,
Spartacum siqua potuit vagantem
 fallere testa.           20

dic et argutae properet Neaerae
murreum nodo cohibere crinem:
si per invisum mora ianitorem
 fiet, abito.

lenit albescans animos capillus   25
litium et rixae cupidos protervae:
non ego hoc ferrem calidus iuventa
 consule Planco.


韻律:サッポー風ストロペー

  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
    ― UU ― x


ヘーラクレースの様*1に,おお,大衆よ,
死によって買われうる月桂冠を求めたと少し前に言われていた
カエサルは,ヒスパーニアの岸辺より家へと
 勝利者として帰還された*2

無二の夫に喜ぶ妻は
捧ぐべき正しい儀式にかしずいて出で立ち,
そして名将の妹も,
 頭帯を巻き飾れ,

乙女らと今無事に帰った若者の
母たちも.汝ら,おお少年たちよ,
男をしらぬ少女どもも,禍々しく発される
 言葉を控えよ.

この日は真実私にとって祭日であり,暗き
悩みを追い払うだろう.私は争乱も,
強いられた死も恐れない,カエサルが
 世界を統べるならば.

さあ,香油を取りに行け,ボーイよ,そして花輪と
マールシー族との戦い*3を記憶せる酒壷も.
もしどれか徘徊せるスパルタクス*4の手を逃れた
 壷があればだが.

また言ってくれ,声高きネアエラに急いで
没香を振った髪を結ぶようにと.
もし意地悪な門番のために暇が
 かかりそうなら,かえって来い.

白くなりつつある髪は,争いや
暴力的な喧嘩を好む心を和らげている.
僕はこんなのは我慢できなかろう,若さに血気立っていた,
 プランクスが執政官のころ*5だったら.


*1 ヘーラクレースのゲリュオーンの牛を連れ戻す偉業はヒスパーニア(スペイン)であったとされる.また,ジブラルタル海峡の両側の岸に,ヘーラクレースの柱を建てている.
*2 前27年から24年まで,ガリアとヒスパーニアに遠征.タッラコーでの死亡の噂も流れ,帰還時には重病であった.
*3 マールシー族はローマから東70kmほどの地域に住む,勇猛な民族.この戦いは前91-87年の市民権を要求する戦いのこと.
*4 前73-71,スパルタクスが率いる奴隷が反乱を起こした.
*5 ルーキウス・ムーナーティウス・プランクスは前42年に執政官.


【2009/01/27 18:59】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻10歌

Extremum Tanain si biberes, Lyce,
saevo nupta viro, me tamen asperas
porrectum ante foris obicere incolis
 plorares Aquilonibus.

audis, quo strepitu ianua, quo nemus 5
inter pulchra satum tecta remugiat
ventis et positas ut glaciet nives
 puro numine Iuppiter?

ingratam Veneri pone superbiam,
ne currente retro funis eat rota:   10
non te Penelopen difficilem proicis
 Tyrrhenus genuit parens.

o quamvis neque te munera nec preces
nec tinctus viola pallor amantium
nec vir Pieria paelice saucius     15
 curvat, supplicibus tuis

parcas, nec rigida mollior aesculo
nec Mauris animum mitior anguibus:
non hoc semper erit liminis aut aquae
 caelestis patiens latus.       20


韻律:第2アスクレピアデース風ストロペー

  ― ― ― UU ― || ― UU ― U x
  ― ― ― UU ― || ― UU ― U x
  ― ― ― UU ― || ― UU ― U x
   ― ― ― UU ― U x


最果てのタナイス川*1の水を,もし君が厳格な夫に嫁いで
飲むとしても,リュケーよ,それでも僕が冷酷な
戸口の前,その土地の北風に,我が身を大の字にして
 さらしているのを見て嘆くことになるはずだ.

君には聞こえるか?どんな騒音をたてて風に門が軋み,どんな音をたてて
立派な家々の間に植えられた森が唸るかを,
そしてユッピテル*2は,雲一つない神威により
 どんなふうに霜を凍りつかせているのかを.

ウェヌスにたいして忘恩の仕業たる傲慢は止めよ,
車が逆に走って綱が逆戻りしないように*3
お前を求婚者に気難しいペーネロペーとして,
 エトルリア人の父親は生んだのではない.

おお,たとえ贈り物や祈りも,
すみれ色にそまって青ざめた恋人どもの顔も,
ピーエリア*4の姦婦に夫が惑わされていることも,
 お前を曲げないにしても,お前に嘆願する者たちには

容赦したまえ,堅いオークの木よりも頑迷で,
マウリー*5の蛇どもよりも情け容赦ない女よ.
この僕の身体は,永遠には門と空から降る雨に
 耐えられないだろう.


*1 現ドン川.黒海に北東より注ぐ.
*2 ユッピテルは気象の神でもある.
*3 滑車などの表現.度を超えた重みで車が逆にまわって綱がもどるように,度を過ぎて物事をすると逆効果だということ.
*4 マケドニアのこと.
*5 アフリカ北西部の地域.


【2009/01/26 23:00】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻20歌

Non vides, quanto moveas periclo,
Pyrrhe, Gaetulae catulos leaenae?
dura post paulo fugies inaudax
 proelia raptor,

cum per obstantis iuvenum catervas 5
ibit insignem repetens Nearchum,
grande certamen, tibi praeda cedat,
 maior an illa.

interim, dum tu celeris sagittas
promis, haec dentis acuit timendos, 10
arbiter pugnae posuisse nudo
 sub pede palmam

fertur et leni recreare vento
sparsum odoratis umerum capillis,
qualis aut Nireus fuit aut aequosa  15
 raptus ab Ida.


韻律:サッポー風ストロペー

  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
    ― UU ― x


君はわからないか?どれほど危険なことか,
ピュッロスよ,ガエトゥーリア*1の雌獅子の子を物にすることが?
奪ったものの間もなく気弱なお前は
 厳しい戦いを尻込みするだろう,

立ち向かう若者の群れを通って
絶世のネアルコスを求めて彼女がやってくる時には.
それはより大きなあの獲物が君に下るか,
 彼女かという大々的な決闘だ.

君の方は速き矢を抜いて,
彼女のほうは恐るべき歯を研いでいるその間,
この争いの審判は裸足の足下に
 棕櫚をおいて,

そして穏やかな風に
香を振った髪のかかった肩を吹かせているとのこと,
ちょうどニーレウス*2がそうであったように,あるいは水の豊かな
 イーダ山より連れ去られた子*3のように.


*1 アフリカ北西岸.北イタリアからスペインのちょうど対岸部分.
*2 トロヤ戦争でのギリシア側勢で最も美しかった美男子.
*3 美貌のため,鷲に変身したゼウスによりオリュンポスに連れ去られ,酌取りとなったトロス王の息子ガニュメーデースのこと.


【2009/01/26 20:07】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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役に立つラテン語

にくさん経由ですが……

  http://globe.asahi.com/feature/090126/01_2.html

ラテン語を本当にちゃんとやったら論理性も身に付きますし,コニュニケーション能力も高くなると思います.IT企業でもその経験は十二分に役に立つと思います.ですから,僕は論理性もないですし,コミュニケーション能力も低いですし,IT企業ではとてもつとまらないでしょうね.


【2009/01/26 19:17】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(2) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻8歌

Martiis caelebs quid agam kalendis,
quid velint flores et acerra turis
plena miraris positusque carbo in
 caespite vivo,

docte sermones utriusque linguae: 5
voveram dulcis epulas et album
Libero caprum prope funeratus
 arboris ictu.

hic dies anno redeunte festus
corticem adstrictum pice dimovebit 10
amphorae fumum bibere institutae
 consule Tullo.

sume, Maecenas, cyathos amici
sospitis centum et vigiles lucernas
perfer in lucem: procul omnis esto 15
 clamor et ira.

mitte civilis super urbe curas:
occidit Daci Cotisonis agmen,
Medus infestus sibi luctuosis
 dissidet armis,          20

servit Hispanae vetus hostis orae
Cantaber sera domitus catena,
iam Scythae laxo meditantur arcu
 cedere campis.

neglegens, ne qua populus laboret, 25
parce privatus nimium cavere et
dona praesentis cape laetus horae:
 linque severa.


韻律:サッポー風ストロペー

  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
    ― UU ― x


3月の朔日に,独身の私は何をするのか,
花々と香でいっぱいの香箱と,
生きた芝におかえれた炭は
 何の意味かと,あなたは驚かれています,

両の言葉の伝承をよくお知りになる方よ.
私は約束していたのです,美味しい宴と白い
山羊を,リーベル神に捧げることを,それは危うく私が
 木に打たれて死ぬ所だった時ですが.

一年が巡ったこの祭りの日が,
酒瓶から松やにで封をしたコルクを取り除くでしょう,
その酒瓶が煙を吸う事を教えられた*1のは
 トゥッルスが執政官だったころ*2

取って下さい,マエケーナース様,無病息災の友の
盃を百も,そして夜伽のランプを
朝まで灯し続けて下さい.喧噪や怒りは全て
 遠くに追いやりましょう.

都に関する国家事案は放っておいて下さい,
ダキアのコティソーの戦列は倒れ*3
メーディー人は仲違いを起こして
 いがみ合っています*4

ヒスパーニアの海岸の古き敵カンタブリー人は
ようやく鎖にて御されて奴隷となっており*5
今やスキュティアは弓を緩めて
 戦場より去ることを思案しています.

何か国民が苦しんでいるのでは,ということは構わずに,
私人としてあまりに心配することは控え,そして
今の時間の贈り物を喜んでお取り下さい.
 堅苦しいことは抜きで.


*1 葡萄酒は煙を吸って熟成すると考えられ,屋根裏に貯蔵された.
*2 トゥッルスの名の執政官の年は前66年と33年があり,どちらも同名の別人L.Volcatius Tullus.ここでどちらかは意見が分かれ,多分解答はでない.
*3 ダキアの王子コティソーはアントーニウス側についたが,前30年クラッススに敗れる.
*4 パルティアの王位についていた暴君パラアーテースとティーリダテースの戦いのこと.後者は2度パラアーテースを倒そうとして失敗するが,ここでは2回目のこと(前26年)が言及されているようである(Nisbet-Hubbard I: xxxii).
*5 スペイン北部の種族で,ローマにしぶとく抵抗していた.ここでは29年のスタティリウス・タウルスによる戦勝が言及されている.


【2009/01/26 18:36】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻7歌13-32 (完結)

ut Proetum mulier perfida credulum
falsis impulerit criminibus nimis
 casto Bellerophontae         15
  maturae necem, refert,

narrat paene datum Pelea Tartaro,
Magnessam Hippolyten dum fugit abstinens,
 et peccare docentis
  fallax historias movet,        20

frustra: nam scopulis surdior Icari
voces audit adhuc integer. at tibi
 ne vicinus Enipeus
  plus iusto placeat cave,

quamvis non alius flectere equum sciens 25
atque conspicitur gramine Martio
 nec quisquam citus aeque
  tusco denatat alveo.

prima nocte domum claude neque in vias
sub cantu querulae despice tibiae    30
 et te saepe vocanti
  duram difficilis mane.

どのようにして軽信のプロエソスに,不義の女が
でっち上げた罪過でもって,あまりにも
 潔白なベッレロポーンに
  若死にをもたらさんとけしかけたか*4を語り,

マグネーシアのヒッポリュテーの恋を拒んで逃げた時に,
ペーレウスが危うく冥府に送り込まれるところであったこと*5を語り,
 さらに不義を教唆する
  物語を,そのペテン師は持ち出すのだが,

それは無駄なことだ.なぜなら彼はイーカロス島*6の岩よりも聾せる耳で
この声を聴くも今までずっと揺らぎはしなかったのだ.しかし君は
 注意したまえ,君に隣のエニーペウスが
  普通以上に気に入りすぎないように.

たとえ他の男でマールス競技場の芝生で
馬を操るのに長けている者が知られていないにせよ,
 誰一人同じぐらい速く
  エトルリアの川*7を泳げないとしても.

夜が来たらすぐ家の戸締まりをし,
嘆く笛の歌がしたからといってすぐ道を見下ろしてはいけない,
 そして君を何度もつれない女と
  呼ぶ男には,強情なままでいるがよい.


*4 ティーリンス王プロエソスの妻アンティアは,訪れたコリントス王の息子ベッレロポーンに恋するが拒まれ,これを恨んで言い寄られたと罪をでっち上げ,リュキア王の元に送り,殺すように頼む.彼はキマイラと戦うことになり,これを退治する.
*5 イオールコス王アカストスの妻ヒッポリュテーは,ペーレウスが王の所に来た時に言い寄り,ペーレウスは,その恋を断ったために言い寄られたと王に嘘をつき,王は狩りに誘って,眠っているところを刀を奪い,ケンタウロスに殺されそうになる.
*6 エーゲ海のサモス島の西側の島.
*7 ティベリス川のこと.


【2009/01/25 23:54】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ソポクレースとサッポー

下の方は買うかもしれません.上のほうは多分買わないでしょう.
Simon Goldhill Ed. Sophocles and the Greek Tragic Tradition. Cambridge: Cambridge UP., 2009.02 (forthcoming)

Dimitrios Yatromanolakis. Fragments of Sappho : A Commentary. Hellenic Studies. Cambridge, Mass.: Harvard University Center for Hellenic, 2008.



【2009/01/25 22:56】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻7歌1-12

Quid fles, Asterie, quem tibi candidi
primo restituent vere Favonii
 Thyna merce beatum,
  constantis iuvenem fide

Gygen? ille Notis actus ad Oricum 5
post insana Caprae sidera frigidas
 noctis non sine multis
  insomnis lacrimis agit.

atqui sollicitae nuntius hospitae,
suspirare chloen et miseram tuis 10
 dicens ignibus uri
  temptat mille vafer modis.


韻律:第3アスクレピアデース風ストロペー

  ― ― ― UU ― || ― UU ― U x
  ― ― ― UU ― || ― UU ― U x
   ― ― ― UU ― ―
    ― ― ― UU ― U x


どうして泣くのか,アステリエーよ?澄み渡った西風が
春の初めにお前に
 テューニア*1の商品で裕福にして返すであろう男,
  忠誠の点では揺らぐ事ない若者

ギュゲースのことを?彼は山羊座の荒れ狂う星*2の季節の後,
南風によってオーリコス*3に行くのを強いられ,冷たい
 夜々を,多くの涙も欠くことなく,
  眠らずに過ごしている.

しかし,恋煩いする宿屋の女将の使い役が,
クロエーが溜息をつき,そして哀れにも
 お前と同じ恋の炎に焼かれていると言って,
  ずる賢いそいつは千の業にて誘惑している.


*1 黒海の入り口のボスポロス海峡の東側の地域.
*2 9月の下旬の星で,嵐をもたらすとされる.
*3 イタリアのハイヒールの先の部分をほぼ東に行ったところにある,アクロケラウニア岬を回って入る湾の奥にある,ギリシアの港.


【2009/01/25 21:50】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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その他諸言語

各国語辞書

The Free Dictionary
http://www.thefreedictionary.com/

メインはAmerican Heritage Dictionary (4th ed.),Collins English Dictionary の,Web英英辞書.そのほか専門辞典も同時に検索できる.発音も確認できる.リンクから各国語の辞書にも.




French-English Dictionary in French Linguistics
http://www.french-linguistics.co.uk/dictionary/

発音つきのフランス語・英語辞典.動詞は変化表もフルにでてきます.French Linguisticsはフランス語学習サイト.


sapere.it
http://www.sapere.it/sapere/dizionari.html

イタリア語辞典サイト.デフォルトで伊伊になっていますが,クリックで他言語も選択できます.



色々

Google 翻訳
http://translate.google.co.jp/

多言語に対応する翻訳ツール.ラテン語もあります.ただし,文章を翻訳させると,ほとんどジョークにしかなりません.単語一つずつ引くぐらいが関の山でしょう.下のInfoseekマルチ翻訳も同様.


Infoseek マルチ翻訳
http://translation.infoseek.co.jp/

西洋古典をやるにあたってとりあえず必要な近代語はすべてそろっています.


TUFS言語モジュール
http://www.coelang.tufs.ac.jp/modules/index.html

東京外語大主催のインターネット上の言語教材.言語により完成度のばらつきがありますが,最近は大分そろってきたようです.しかしイタリア語がないのは困ります. イタリア語も新たに付け加わりました.


NHK World: Radio Programs
http://www.nhk.or.jp/nhkworld/english/radio/program/index.html

世界向きに発信しているNHKのウェッブラジオ.アジア系は充実していますが,ドイツ語・イタリア語はなし.


wwiTV.com
http://wwitv.com/portal.htm

世界中のWeb Radioをひとまとめにしたサイト.



ドイツ語

Learning German | Deutsche Welle
http://www.dw-world.de/dw/0,,2547,00.html

ドイツの放送局主催のドイツ語講座.LEARN GERMAN WITH TOP-THEMA MIT VOKABELN とDEUTSCH LERNEN MIT VIDEOSのところではトランスクリプションなども入手でき,ヒアリングにはなかなかいいです.語学コースもあります:
 初級:Deutsch – Warum nicht?
 中級:Deutsch – Wieso nicht?
 それぞれ下のほうにGET DEUTSCH – WARUM NICHT? AS A PODCASTというところがあるので,RSSかiTunesかで音声ファイルをゲットできます.これだけあれば学習マテリアルとして少ないということはないでしょう.


Köhlmeiers Märchen
http://www.br.de/fernsehen/br-alpha/sendungen/koehlmeiers-maerchen/koehlmeier-maerchen102.html

Michael Köhlmeier氏朗読のドイツ語メルヒェン.そのほかBayerischer RundfunkのPodcastでいろいろな番組をDLできます.


Aktuelles & Politik: Manuskripte der Nahaufnahme
Bayerischer Rundfunkのニュース関連の記事の放送内容のトランスクリプション.実際のラジオ放送はPodcastで入手できます.インタビューなど微妙に細部は違います(ドイツ語の小辞が入ったりするなど)が,十分見当がつく範囲です.



フランス語

podcastfrancaisfacile.com
http://www.podcastfrancaisfacile.com/

もともとエフィ横浜フランス語教室の講師の方が作っているサポート頁だったようです.日本語訳などはつかないものの,フランス語マテリアルとしては初級から上級まで,多彩な実例がそろっています.教室に入っている人は日本語訳付きのサポート頁が使えるようです.


Radio France International: Langue Française
http://www.rfi.fr/lffr/statiques/accueil_apprendre.asp

ニュースとトランスクリプション.上級用でしょうね.



イタリア語

LA7.it
http://www.la7.it/

イタリアのテレビ局のオンライン版.ニュースのところでは動画が見られます.いくつかはトランスクリプション付き.番組の一つAtlantideでは,古代ギリシア・ローマが扱われていることがあります.ピックアップしてみると:
  L'ASCESA AL POTERE DI GAIO GIULIO CESARE
  LA VERA STORIA DELLA CITTA' DI TROIA
  LE GRANDI OPERE ROMANE
  IL MONDO DEI GLADIATORI
  CLEOPATRA, DALL'INFANZIA ALL'AMORE CON GIULIO CESARE
  CRISTOFORO GORNO E IL RITO DELLA VILLA DEI MISTERI
  L'ANTICO IMPERO ROMANO
  CLEOPATRA, L'ULTIMA REGINA D'EGITTO
  POMPEI
  CALIGOLA E NERONE
  LA CITTA' ETERNA ALL'ULTIMO SANGUE


Dentro l'Italiano
http://www.italica.rai.it/lingua/corso.htm

イタリアの放送局Rai Internationalのイタリア語講座.


Rai.tv
http://www.rai.tv/

イタリアの国営放送.かなり多くの番組がon demandで見ることができます.ただ,向こうからこちらに送る回線が細いようで,うまく見れないこともあります.いくつかピックアップ:
  Gladiatori
  Graffiti di Pompei
  Circo Massimo
  Il Foro Romano
  Le stanze di Augusto e Livia al Palatino


スペイン語


サンスクリット語

まんどぅーかネット
http://www.manduuka.net/index.htm

サンスクリットをはじめ,インド古今の言語を学べるサイト.サンスクリットの戦前の教科書,荻原雲来『実習梵語学』(東京:丙午出版,1916)を現代語にあらため,さらに適宜補遺をしてあるという親切さです.ギリシア語・ラテン語も負けてはいられないと思うのですが.




【2009/01/25 21:15】 リンク集 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻16歌21-44 (完結)

quanto quisque sibi plura negaverit,
ab dis plura feret: nil cupientium
nudus castra peto et transfuga divitum
 partis linquere gestio,

contemptae dominus splendidior rei,  25
quam si, quidquid arat, impiger Apulus
occultare meis dicerer horreis,
 magnas inter opes inops.

purae rivus aquae silvaque iugerum
paucorum et segetis certa fides meae 30
fulgentem imperio fertilis Africae
 fallit sorte beatior.

quamquam nec Calabrae mella ferunt apes
nec Laestrygonia Bacchus in amphora
languescit mihi nec pinguia Gallicis   35
 crescunt vellera pascuis,

importuna tamen pauperies abest
nec, si plura velim, tu dare deneges.
contracto melius parva cupidine
 vectigalia porrigam,          40

quam si Mygdoniis regnum Alyattei
campis continuem. multa petentibus
desunt multa: bene est cui, deus obtulit
 parca, quod satis est, manu.

各々が自分に拒んだものの多いほど,
その分だけ多く神々より頂くことになるでしょう.何一つ望まぬ人々の
陣営を,私は裸一貫で追い求め,そして金持ちの
 徒党から鞍替えして捨て去りたいのです.

私の財は蔑まれますが,その財の主人であるのを誇りに思っているのです,
あのアープリアの男は勤勉で,何であれ耕したものを,
自分の倉庫に隠している,
 巨財の間にて足らざる者と言われるよりは.

澄んだ水の小川と,僅かなユゲルム*5
森と,決して裏切らぬ我が作物とのほうが
幸運な持ち分であるということは,豊かなアフリカを手中にして
 輝くばかりに名高い人にはわからないことです.

たとえカラブリアの蜜蜂*6が蜜を運ばず,
ラエストリューゴネース人のアンフォラに私の酒が
寝かされてもおらず*7,ガッリアの牧場に
 豊かな羊毛がのびていなくとも,

しかし厳しい貧困があるわけでもなく,
また,もしより多くを私が望めば,あなたは与える事を拒まないでしょう.
欲望を切り詰めることで,私は僅かな収入を
 より大きく拡げたいのです.

ミュグドニア*8の野にアリュアッテース*9の王国を
繋ぐよりは.多くを求める者には
多くの物が欠乏しているのです.神が倹しい手で
 十分なだけのものを与えた人は,幸運なのです.


*5 1ユゲルムは4分の1ヘクタール.
*6 『歌集』2巻6歌14行で,ホラーティウスはヒュメットスより良質の蜂蜜がとれるとしている.
*7 フォルミアエ(アッピア街道沿いにある,ラティウムの海岸沿いの町)の葡萄酒が自分にはない,ということ.フォルミアエの創始者ラモスはラエストリューゴネース人の王.
*8 プリュギアの一部. 
*9 リュディアの王で,クロイソス王の父.




【2009/01/25 18:52】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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OUP Book Sale

またOxford University Pressの安売り季節になりました.期間は3月3日までだそうです.

  http://www.oup.co.uk/sale/2009/

今年はさすがにLSJなども出ていないようですね.ちょっとめぼしいのはこんなところでしょうか.

John Roberts. The Oxford Dictionary of the Classical World . Oxford: Oxford UP., 2005.



【2009/01/25 17:17】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(2) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻16歌1-20

Inclusam Danaen turris aenea
robustaeque fores et vigilum canum
tristes excubiae munierant satis
 nocturnis ab adulteris.

si non Acrisium virginis abditae   5
custodem pavidum Iuppiter et Venus
risissent: fore enim tutum iter et patens
 converso in pretium deo.

aurum per medios ire satellites
et perrumpere amat saxa potentius 10
ictu fulmineo; concidit auguris
 Argivi domus ob lucrum

demersa exitio; diffidit urbium
portas vir Macedo et subruit aemulos
reges muneribus; munera navium  15
 saevos inlaqueant duces.

crescentem sequitur cura pecuniam
maiorumque fames: iure perhorrui
late conspicuum tollere verticem,
 Maecenas, equitum decus.    20


第2アスクレピアデース風ストロペー

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  ― ― ― UU ― || ― UU ― U x
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閉じ込められたダナエー*1を,青銅の塔と
オークの門,そして眠らぬ犬たちの
恐ろしい不寝番は,夜の姦夫たちから
 十分に護ったはずでしょう.

もし,隠されたその乙女を見張る
びくびく見張っているアクリシオス*2を,ユッピテルとウェヌスが
嗤う事がなかったら.すなわち,神が金に身を変えれば
 安全で開けた道ができるぞ,と言って.

黄金は衛兵らのただ中を行きたがり,
また好んで岩をも砕くのは,
電撃よりも強力なのです.アルゴスの
 予言者の家も,金銭のために倒れ,

破滅に沈んで行ったのです*2.マケドニアの男*3
諸都市の門を打ち開き,そしてしのぎを削る
王どもを賄賂にて崩落せしめたのです.賄賂は艦隊の
 冷酷な将ども*4も罠にかけるもの.

金銭が増えると,悩みもついてきますし,
より大きな物への渇望も続きます.私が
広く頭角を現すのを恐れてきたのは正しいことなのです,
 騎士達の星たるマエケーナース様.


*1 アルゴス王アクシリオスの娘.神託により,アクリシオスはダナエーの子に殺されるとあったので,青銅の部屋に閉じ込めたが,ゼウスは黄金の雨となってダナエーの膝に流れていって交わり,ペルセウスが生まれる.
*2 上注参照.
*3 アルゴスの英雄で予言者であり,テーバイ攻めの参加を求められた時に,失敗を予見して断るが,テーバイ攻めの七将の一人ポリュネイケースは,その妻エリピューレーを首飾りで籠絡し,夫に出征させる(婚姻の際の取り決めにより,妻の意見に従うとしていた).
*4 アレクサンドロス大王の父のピリッポス2世.で,ポテイダイア,オリュントス,アンピポリスなどを賄賂で籠絡.
*5 ポンペイユスを見捨てた艦隊の将メーナースのことを暗示.


【2009/01/25 11:35】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻29歌49-64 (完結)

Fortuna saevo laeta negotio et
ludum insolentem ludere pertinax 50
 transmutat incertos honores,
  nunc mihi nunc alii benigna.

laudo manentem: si celeris quatit
pinnas, resigno quae dedit et mea
 virtute me involvo probamque 55
  pauperiem sine dote quaero.

non est meum, si mugiat Africis
malus procellis, ad miseras preces
 decurrere et votis pacisci,
  ne Cypriae Tyriaeque merces 60

addant avaro divitias mari:
tunc me biremis praesidio scaphae
 tutum per Aegaeos tumultus
  aura feret geminusque Pollux.

残酷な仕打ちを楽しみ,そして
傲慢な遊びをしつこく遊び続ける運命女神は
 名誉を一所におかず,
  かつは私に,かつは別人に恵み深くなっては置き換えます.

女神がとどまっているなら,私は賞讃しましょう.もし彼女が速き
翼を羽ばたくなら,彼女が与えた物を放棄し,そして私の
 徳でもって自分を覆い,公正なる
  貧困を,婚資もなく求めます.

私のすることではありません,アフリカでの嵐の中で
マストが軋む時になって,哀れましい祈りに
 訴えて,そして願掛けをして
  キュプロスやテュロスから得た商品が

貪欲な海に財産として加えることがないようにと願うというのは.
そんな時には,私は,二つの櫂もつ小舟の護りの中,
 安全にエーゲ海の荒海を,
  順風とポッルークスの双子の神*13が運んで行くでしょう.


*13 ディオスクーロイとよばれる,カストールとポッルークスの双子の兄弟で,航海の守護者.


【2009/01/25 09:42】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻29歌29-48

prudens futuri temporis exitum
caliginosa nocte premit deus    30
 ridetque, si mortalis ultra
  fas trepidat. quod adest memento

componere aequus: cetera fluminis
ritu feruntur, nunc medio alveo
 cum pace delabentis Etruscum  35
  in mare, nunc lapides adesos

stirpisque raptas et pecus et domos
volventis una, non sine montium
 clamore vicinaeque silvae,
  cum fera diluvies quietos    40

irritat amnis. ille potens sui
laetusque deget, cui licet in diem
 dixisse 'vixi'. cras vel atra
  nube polum pater occupato

vel sole puro, non tamen irritum,   45
quodcumque retro est, efficiet neque
 diffinget infectumque reddet
  quod fugiens semel hora vexit.

来るべき時の結末を,思慮深くも
漆黒の夜にて神は覆い,
 そして嗤っているのです,死すべき者が
  定め以上に怯える時には.傍にある物を

平常心にて用いることを忘れませんよう.他のものは川の
如くに流され行くのです,かつは川底の中央を
 平穏にエトルリアの海に流れて行く
  川のように,かつは浸食された石や

攫い流した木の根や牛や家々を
一緒くたに渦に巻く川のごとくに,その時山々と
 近隣の森の雄叫びも轟くのです,
  荒々しい奔流が静かな

川を怒り狂わしめる時には.自分を制御しつつ
楽しく過ごすであろう者は,毎日の終わりに
 「私は行き終えた」と言うことができる人です.明日は黒い
  雲で父神が天を覆おうと,

雲一つない太陽で満たそうと,しかし,何であれ
過ぎた事は,空しくすることはできないでしょうし,また
 一度逃げ行く時間が運んでしまったものを,
  別物にしたり,元に戻すこともできないでしょう.


【2009/01/24 23:32】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻29歌1-28

Tyrrhena regum progenies, tibi
non ante verso lene merum cado
 cum flore, Maecenas, rosarum et
  pressa tuis balanus capillis

iamdudum apud me est: eripe te morae, 5
ne semper udum Tibur et Aefulae
 declive contempleris arvum et
  Telegoni iuga parricidae.

fastidiosam desere copiam et
molem propinquam nubibus arduis:   10
 omitte mirari beatae
  fumum et opes strepitumque Romae.

plerumque gratae divitibus vices
mundaeque parvo sub lare pauperum
 cenae sine aulaeis et ostro      15
  sollicitam explicuere frontem.

iam clarus occultum Andromedae pater
ostendit ignem, iam Procyon furit
 et stella vesani Leonis
  sole dies referente siccos;     20

iam pastor umbras cum grege languido
rivumque fessus quaerit et horridi
 dumeta Silvani caretque
  ripa vagis taciturna ventis:

tu civitatem quis deceat status     25
curas et urbi sollicitus times,
 quid Seres et regnata Cyro
  Bactra parent Tanaisque discors.


韻律:アルカイオス風ストロペー

  x ― U ― ― || ― UU ― U x
  x ― U ― ― || ― UU ― U x
   x ― U ― ― ― U ― x
    ― UU ― UU ― U ― x


テュッレーニー族*1の王の子孫たる方よ,あなたのために
先には瓶を返したことのない生酒は
 薔薇の花とともに,マエケーナース様,そして
  あなたの髪につけるためにしぼられたワサビノキの油*2

もうずっと前から私のところにあります.ぐずぐずはお止めになって,
ずっと水に豊かなティーブル*3と,アエフラ*4
 傾斜した土地を眺めたり,また
  父殺しのテーレゴヌスの尾根*5を眺めておられませんよう.

財産は厭わしいものとして放っておき,そして
頭上はるかの雲にも近い建物*6もそうして下さい.
 恵まれしローマの
  煙や富や喧噪もお捨て下さい.

大抵の場合,金持ちの人々にも,気分転換は喜ばしく,
小さな屋根の下の,貧者のさっぱりした
 宴は壁掛けも紫の布*7もありませんが
  悩み深い額の皺を取り除いたものです.

今や,アンドロメダの輝ける父星*8は,
隠されていた光をかざし,今やプロキュオーン*9
 そして凶暴な獅子座の星も燃えたぎっています,
  太陽が乾燥した日々を再びもたらすこの時期に.

今や,牧人は疲れて,力ない家畜の群れとともに,日陰と
小川を,そして毛むくじゃらの
 シルワーヌス*10の茂みを求めています,そして岸辺は
  そよ吹く風も欠き,押し黙っています.

あなたはといえば,国家にはどの状態が相応しいかと
心配なさり,そして都のために心悩ましく気遣っています,
 中国が,そしてキューロスに支配された
  バクトラ*11が,また不穏なタナイス*12が何を謀っているか,ということを.


*1 エトルリア人の一部族.マエケーナースはエトルリアの王族の子孫.
*2 宴会では頭に香油が塗られた.
*3 ローマから東北東25kmほどのところの町.現ティボリ.
*4 ティーブルの近くの町. 
*5 トゥスクルムのこと.テーレゴノスはオデュッセウスとキルケーの間の子で,トゥスクルムの創建者. 
*6 ローマのエスクィリアエの丘にマエケーナースが建てた高い塔のことをさす.ローマと近郊の鳥瞰がきいた. 
*7 高価な紫貝で染められた,おそらく寝椅子の寝具の布.
*8 アンドロメダの父はケーペウスのこと.ペルセウスに,怪物に教われるところであったアンドロメダを助けられる.後アンドロメダ,ペルセウスとともに星座になる.
*9 犬座.猛暑をもたらすとされる.
*10 森の神.
*11 バクトリアの首都.キューロスは時代錯誤であるが,バクトリアが以前ペルシア王国があった所にあるために,この様に言われている.
*12 現ドン河.この近辺にはスキュティアがあった.


【2009/01/24 20:23】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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