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年号対応表

ちょっと年号を変換する必要があったもので:


明治から平成にいたるまでの年号表です.

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【2008/11/19 00:16】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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太宰ファン失格

実は昔,西洋古典に挫折したら太宰研究をしようと思っていた頃もあったのですが,ギリシア語・ラテン語をやっているうちに忘れていました(別に挫折しなかったわけではありませんが).その程度だったので,根っからのファンというわけではなかったのですが,やはり古典の眼で読んでいると気になる事もちらほらあったので,いずれ余裕ができたら太宰文献学などもやってみようかとは思っています.そんな文献学的太宰ファンには垂涎の一冊です:

太宰治『直筆で読む「人間失格」』集英社新書ヴィジュアル版.東京:集英社,2008(11月19日刊行予定).

以前記事にしている『直筆で読む「坊ちゃん」』に続く第2段です.
 ご存知のように,西洋古典の作品では,自筆本やそれに等しいと思われる文書は完全に失われていますが,近代日本文学ではそういう物がそれなりにあるわけです.おそらくこれを使って実験文献学的な試みは幾つかできるでしょうね.例えば直後の版本や年代毎の再版でどのように改変ないし誤謬が生じているかなどは,やってみる価値はあるでしょうし,うまくいくとそれで論文ぐらいにはなるでしょう.そうでなくとも,太宰ファンには純粋にとても嬉しい贈り物でしょう.明日発売ですが,本当に待ち遠しいです.


【2008/11/18 20:04】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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卒業論文に関するブログ記事

なかなか面白いブログがありましたが,そこで卒業論文に関するアドバイスなどがまとめられています:

  http://d.hatena.ne.jp/next49/20080105/p3

ここの「卒論生のみなさまへ」のあたりの記事群が特に役に立つところが多いかと思います.書いている人にとってもですが,指導するほうにとってもかなりためになると思います.ただし,書かれているのは理系の先生なので,直接当てはまることばかりでもありませんが,心構えなどの点ではかなり参考になると思います.

 まあこういうことを書いてしまえばいいのかどうか解りませんが,結局の所,人文科学では卒業論文は,「書けば官軍」という感じでしょうか.やっぱり文字を書き下ろしてみないことには始まらないということがあります.実際何かでも書いてあれば,それをもとに後から改良していくこともできます.書かないと改良もできないですから,考えていないでまず書くことでしょうね.そうして,基本的には,書いてあればよほどのことがない限り通るといっていいでしょう.


【2008/11/17 02:14】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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庭園大学集中講義のお知らせ

てえへんだ,てええんだ,庭園だというわけで,なんと庭園大学で明日17日(月)に京都で集中講義が行われるようです.

  庭園大学 庭園学部&建築学部 日本庭園史集中講義 開講

講師はイタリア内外で活躍中の斜塔堂博士.満を持しての京都での日本庭園史講義です.しかし,16日午後8時02分に受講案内がでて,同午後9時までにメールで登録せよ!ということで,もう受付は終わってしまいました.当然予期されたことではありますが,1時間も経たないうちに定員が一杯になる超人気集中講義だったようですね.まあ単位は貰えないでしょうが,とりあえず京都の銀閣寺のあたりでも歩いていたら斜塔堂博士の授業風景に出くわすかもしれないですね.(追記:銀閣寺はコースに入っていないようです.また,おやつは200円以内とのこと.バナナはおやつに入るかどうか不明.)


【2008/11/16 22:35】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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名文

トゥーキューディデースを今読んでいるところですが,こういうのを名文というのでしょうかねえ.普段のブログ記事を見ていらっしゃるかたなら解るとおり,こんなぐだぐだの文体を平気で書けるような人間には,この風格に見合った翻訳などできません.できるかたは,拙訳の日本語のほうは早々に忘れて,是非ギリシア語のほうでご理解くださると幸いです.意味が解らなくとも,読み上げるだけでも格調は解ると思います.


【2008/11/16 22:06】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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トゥーキューディデース第1巻1.1
ΘΟΥΚΥΔΙΔΟΥ
ΙΣΤΟΡΙΩΝ Α

1. 1 Θουκυδίδης Ἀθηναῖος ξυνέγραψε τὸν πόλεμον τῶν Πελοποννησίων καὶ Ἀθηναίων, ὡς ἐπολέμησαν πρὸς ἀλλήλους, ἀρξάμενος εὐθὺς καθισταμένου καὶ ἐλπίσας μέγαν τε ἔσεσθαι καὶ ἀξιολογώτατον τῶν προγεγενημένων, τεκμαιρόμενος ὅτι ἀκμάζοντές τε ᾖσαν ἐς αὐτὸν ἀμφότεροι παρασκευῇ τῇ πάσῃ καὶ τὸ ἄλλο Ἑλληνικὸν ὁρῶν ξυνιστάμενον πρὸς ἑκατέρους, τὸ μὲν εὐθύς, τὸ δὲ καὶ διανοούμενον.
トゥーキューディデース
歴史 第1巻

アテーナイ人トゥーキューディデースは,ペロポンネーソス人とアテーナイ人との戦いを,彼らが互いに対してどのように戦ったかを著す.彼は開戦から直ちに著述を始め,そしてそれが大事に至り,そしてこれまでに起こったことのうちで最も特筆すべき事となるだろうことを予測した.それはその戦いに向かったのが,両者があらゆる準備の点で機が熟した時であったことを彼が認め,そして他のギリシアも,あるものは直ちに,あるものは逡巡しつつ,それぞれに同盟を結んでゆくのを目の当たりにした故である.


【2008/11/16 21:57】 ORATIONES SOLUTAE GRAECAE | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻2歌17-32 (完結)

Virtus repulsae nescia sordidae
intaminatis fulget honoribus,
 nec sumit aut ponit securis
  arbitorio popularis aurae.   20

Virtus, recludens immeritis mori
caelum, negata temptat iter via
 coetusque vulgaris et udam
  spernit humum fugiente penna.

est et fideli tuta silentio      25
merces: vetabo, qui Cereris sacrum
 vulgarit arcanae, sub isdem
  sit trabibus fragilemque mecum

solvat phaselon. saepe Diespiter
neglectus incesto addidit integrum. 30
 raro antecedentem scelestum
  deseruit pede Poena claudo.

「美徳」は選挙敗北の汚名をしらず,
涜職なき名誉にて輝く.
 そして,大衆の雰囲気による判断によって
  斧*1を取ったり置いたりすることはない.

「美徳」は死ぬに相応しからぬ人々に
天を開き,拒まれた道を進むことを試み,
 大衆との交わりと濡れた
  泥を,羽もて蔑み逃げる.

そして信義ある者には,安全な沈黙が
報償となる.秘密のケレースの聖儀を
 巷にばらす者が,私と同じ梁の下にいることを
  私は禁じ,そして私とともに華奢な

小舟を船出するのを禁じる.しばしばユッピテルは
蔑ろにされて,まったき人を不敬の者に加えたが,
 萎えた脚の「罰」が先に行く悪人に
  追いつかなかったことも滅多にないのだ.


*1 ローマでの懲罰の権威を示す,ファスケースのこと.


【2008/11/16 10:54】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ギリシア語基礎単語帳

ドイツで出ているギリシア語の基礎単語帳です.英語でもいいのですが,どのみちドイツ語の文法書のKühnerやSchwyzerを普通に読めなければモグリにしかなれないわけですから,ついでにドイツ語も勉強できるドイツの基礎単語帳のほうが便利なのですね.時間はかかりますが,この回り道は実は近道なのです:

Thomas Meyer u. Hermann Steinthal. Grund- und Aufbauwortschats Griechisch. Stuttgardt et al.: Klett, 1993.

前半は一般的な基礎語彙,後半はヘーロドトスやトゥーキューディデース,プラトーン,アリストテレース,ホメーロスに悲劇,最後には新約聖書に至るまで,個別作家に特化した基礎語彙がまとめられていてこれも便利です.


【2008/11/16 02:13】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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軍人皇帝時代

今までこの時代を扱う本はあまりなかったと思うのですが,3世紀半ば以降の軍人皇帝時代を真っ向からテーマにしたモノグラフです.本屋に並んでいたのをみただけで,買ってはいません.購入予定図書が多すぎて,図書館入りしないと読めなそうです.しかし同じく今年岩波から出版された澤田典子氏の著書が本当にすばらしかったので,この本もおそらくそのレベルではないかと思います:

井上文則『軍人皇帝時代の研究 ―― ローマ帝国の変容 ――』東京:岩波書店,2008.(既刊)



【2008/11/14 22:49】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻2歌1-16

Angustam amice pauperium pati
robustus acri militia puer
 condiscat et Parthos ferocis
  vexet eques metuendus hasta

vitamque sub divo et trepidis agat 5
in rebus. illum ex moenibus hosticis
 matrona bellantis tyranni
  prospiciens et adulta virgo

suspiret, eheu, ne rudis agminum
sponsus lacessat regius asperum  10
 tactu leonem, quem cruenta
  per medias rapit ira caedes.

dulce et decorum est pro patria mori.
mors et fugacem persequitur virum,
 nec parcit imbellis iuventae    15
  poplitibus timidove tergo.


韻律:アルカイオス風ストロペー

  x ― U ― ― || ― UU ― U x
  x ― U ― ― || ― UU ― U x
   x ― U ― ― ― U ― x
    ― UU ― UU ― U ― x


少年は厳しい軍務にて頑強に鍛えられ
酷い困窮にも喜んで耐えるを
 学ばしめよ,そして荒々しきパルティア人を,
  恐るべき騎士となりて槍にて悩ましめよ,

そして日の下で,恐怖にさらされた事態のうち,
人生を過ごさしめよ.かの者を,敵陣の城壁より,
 戦える暴君の妻や
  女となりし乙女が長め

嘆息させしめよ――ああ,戦列に慣れぬ
王たる夫が,触れるも荒々しき
 獅子に挑まぬよう,そを血に飢えた怒りが
  殺戮のまっただ中を駆け回らしめるゆえ.

甘美で立派なことだ,祖国のために死ぬことは.
死はまた逃げる男をも追いかけ,
 戦好まぬ若者とてその
  膝や臆病な背中を容赦することはない.


【2008/11/14 22:18】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻1歌33-48 (完結)

contracta pisces aequora sentiunt
iactis in altum molibus; huc frequens
 caementa demittit redemptor  35
  cum famulis dominusque terrae

fastidiosus, sed Timor et Minae
scandunt eodem quo dominus; neque
 decedit aerata triremi et
  post equitem sedet atra Cura. 40

quod si dolentem nec Phrygius lapis
nec purpurarum Sidere clarior
 delenit usus nec Falerna
  vitis Achaemeniumque costum,

cur invidendis postibus et novo  45
sublime ritu moliar atrium?
 cur valle permutem Sabina
  divitias operosiores?

海の深みには土塊が投げ込まれて
魚どもは海が狭くなったと感じている.ここに来たって
 奴隷達を引き連れた建築請負人と
  地上に嫌気がさした主人は

土台石を投げ込むのだ*9.しかし,「恐怖」と「脅威」は
主人のいるのとまさに同じ場所に登る.また
 黒き「心配」は青銅の張られた三段櫂船からも去らず,
  騎兵の後ろにも座るのだ.

しかしもし悲しむ者を,プリュギアの大理石も
星よりも明るく輝く紫衣を着ることも
 なだめることなく,またファレルヌス
  葡萄酒も,アカエメネースの甘松*10もなだめぬのなら,

どうして人も羨む門柱と新しき
様式にで高く聳える館を私はたてるだろうか?
 どうしてサビーヌムの谷を
  もっと手間暇かかる財産と取り替えるだろうか?


*9 当時は海岸にせり出す邸宅をつくるのが流行した.
*10 アカエメネースはペルシアの伝説的始祖で,ここではペルシアそのものをさす.東方は当時富裕の代名詞であり,また香料のこの地方に産していた.


【2008/11/13 00:18】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻1歌17-32

destrictus ensis cui super impia
cervice pendet, non Siculae dapes
 dulcem elaborabunt saporem,
  non avium citharaeque cantus  20

somnum reducent: somnus agrestium
lenis virorum non humilis domos
 fastidit umbrosamque ripam,
  non Zephyris agitata tempe.

desiderantem, quod satis est, neque 25
tumultuosum sollicitat mare
 nec saevus Arcturi cadentis
  impetus aut orientis Haedi,

non verberatae grandine vineae
fundusque mendax, arbore nunc aquas 30
 culpante, nunc torrentia agros
  sidera, nunc hiemes iniquas.

抜き身の剣が不敬の首の上に
ぶら下がっている者*4は,シチリアの宴も
 美味をしつらえることもなく,
  鳥もキタラの歌も

眠りをもたらさない.穏やかな眠りは
田舎の男どもの粗末な家々と
 陰多き岸辺をいたく好み,
  西風に揺さぶられるテンペー*5谷を好む.

十分であることを望む者を
荒れ狂う海も悩ますことはなく,
 沈み行く大熊座*6の,あるいは子やぎ星の
  昇る頃*7の凄まじい嵐も,

葡萄が霜に打たれるのにも,
時に雨を非難し,時に農地を
 乾かす星を,時に嫌な冬を嘆く木*8のお陰で,
  期待裏切る土地も悩ますことはない.

*4 シチリアの暴君ディオニューシオス王が,自分を羨むダモクレースを,馬の毛一本で吊るされている抜き身の刃の下での宴に誘い,自分の幸福とはこのようなものだと言った故事にちなむ.
*5 テッサリアの渓谷.
*6 10月末.
*7 御者座の手の部分の星.これが昇るのは10月初旬.
*8 オリーブのこと.


【2008/11/12 21:10】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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Die Vollmondlegende

ドイツ語に何度も挫折したのちに出会って,繰り返し読んでドイツ語を勉強しなおしたのがこの一冊です:

Michael Ende (Autor). Binette Schroeder (Illustratorin). Die Vollmondlegende. München: Deutscher Taschenbuch Verlag, 1981.

美しい挿絵が印象的で,挿絵も入れて30頁足らず,活字組もじつに読みやすそうだったので(少なくとも僕の持っている版では),何となく買った本ではあります.しかし,辞書を片手に読み始めると,解説などありませんでしたが,この小さい物語がもっているなんとも言いがたい芸術的魅力が,殆ど消えかけていたドイツ語学習意欲を奮い立たせてくれました.そういう意味では,この本こそが僕のドイツ語の先生ということになると思います.見かけこそ「絵本」のようですが,この物語が持っている意味は大変深くて,今でも時々この物語の意味はなんだったのかと考えることがあります.ミヒャエル・エンデは『モモ』『果てしない物語』などが代表作とされると思いますが,僕は彼の作品で古典として残るべき傑作はこの小さな珠玉の物語だと思います.ともあれ,ドイツ語を勉強される方には本当におすすめの一冊です.是非こういうすばらしい本こそ,中級講読の教科書にすべきですね.
 ただ,紀伊国屋Webでヒットした版(http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htmy/3522714601.html)では,僕の持っている版とは表紙絵が異なるようですから,ひょっとすると中身の挿絵の組み方なども少し違うかもしれませんね.
 日本語訳もあります.僕は読んではいないですが:

ミヒャエル・エンデ 文 ビネッテ・シュレーダー 絵 佐藤真理子 訳『満月の夜の伝説』東京:岩波書店,1994.



【2008/11/12 00:37】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻1歌1-16

Odi profanum vulgus et arceo.
favete linguis: carmina non prius
 audita Musarum sacerdos
  virginibus puerisque canto.

regum timendorum in proprios greges,
reges in ipsos imperium est Iovis,  5
 clari Giganteo triumpho
  cuncta supercilio moventis.

est, ut viro vir latius ordinet
arbusta sulcis, hic generosior    10
 descendat in Campum petitor,
  moribus hic meliorque fama

contendat, illi turba clientium
sit maior: aequa lege Necessitas
 sortitur insignis et imos;      15
  omne capax movet urna nomen.


韻律:アルカイオス風ストロペー

  x ― U ― ― || ― UU ― U x
  x ― U ― ― || ― UU ― U x
   x ― U ― ― ― U ― x
    ― UU ― UU ― U ― x


私は俗塵の大衆を嫌いまた遠ざく.
汝ら舌を慎むがよい.以前には
 聞かれた事のない歌をムーサらの司祭たる私は
  乙女らと少年らに歌わん.

畏れられる王どもの支配権は自分の統べる民に及ぶが
王自身への支配権はユッピテルのもの,
 ユッピテルはギガンテース族に凱旋せる時も,
  全てを眉一つで動かしたもうたのだ.

ある男が他の男より広く
畝に楡の木*1を並べることもあり,あるものは他の者よりも
 より高貴な官僚志願者としてマールスの野に降り*2
  あるものはその習いと名声にて優れたものとして

競い,あるものには被護者どもの群れが
より多くなることもあろう.公平な法にて必然は
 著名な者どもも下々の者どもも籤にて選ぶ.
  たっぷり入る籤壷は全ての名札をふるうことができるのだ*3


*1 葡萄を巻き付ける親木.
*2 ローマでは丘に住むのは高貴な生まれの人々.マールスの野では兵民会が開かれて官僚が選ばれる.
*3 ローマでは籤は壷などに入れられ,それを振るい飛び出してくるものを選ぶ.




【2008/11/09 10:36】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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通訳技能検定試験中止……

http://www.asahi.com/national/update/1108/TKY200811080074.html

日本通訳協会の閉鎖にともなって,今まで通訳業界唯一(?)のスタンダードな資格であった通訳技能検定試験(11月9日,つまり明日!)が中止されるようです.僕は受けた事もありませんが,うちのブログに来られている方の中には,既に受けられたり,将来的に受ける予定のかたも数多くいらっしゃると思います.検定料も1万数千円とそれなりに高額ですから,検定料を払った方は取られっぱなしでは困るでしょうが,こういった状態になってから返金というのもなかなか現実的にはありえなさそうですね.しかしこんな大御所的な資格試験が資金難でなくなるというのは信じられない話です.他の検定など大丈夫なのでしょうか.



【2008/11/08 23:22】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』第3巻 参考文献など

すでにご存知でしょうけど:

Friedrich Klingner Ed. Horatius: Opera. 4. unveränd. Nachdr. d. 3. Aufl. von 1959. Berlin; New York: De Gruyter, 2008.
これがドイツを代表するラテン語文献学者による定番のテクスト.ようやく復刊しました.当面はテクストはこれ以外必要なしといっていいでしょう.

R.G.M. Nisbet and Nial Rudd. A Commentary on Horace, Odes, Book III. Oxford UP., 2004. (Paperbackあり)
これが一番詳しい注釈.文献学をやるならホラーティウスを読んだことがなくとも持っておきたいというか持たざるを得ない注釈.

David West Trans. Horace Odes III: Dulce Periculum. Oxford: Clarendon Press, 2002. (Paperbackあり)
対訳付きテクストと簡潔な解釈.最初にNisbetでは,注の海に溺れてしまうのでこちらがおすすめです.

Hans Peter Syndicus. Die Lyrik des Horaz: Eine Interpretation der Oden. 2 Bde. Darmstadt: Wissenschaftliche Buchgesellschaft, 1973. 3. völlig neu bearbeitete Auflage. 2001. (Paperbackあり)
個々の詩の解釈.


他にもあげると切りがありませんが,とりあえずこれだけで論文でも書くのでなければ十分でしょう.あとはそれぞれL'anneé PhilologiqueやTOCS-IN(http://www.chass.utoronto.ca/amphoras/tocs.html)で探すのがいいのでしょうが,とりあえず最新のコンパニオンなんかもあるようですね.

Stephen Harrison Ed. Cambridge Companion to Horace. Cambridge: Cambridge UP., 2007. (Paperbackあり.未見)
3000円前後で購入可能.Brillに見習ってほしいです.


これも未見ですが,中山恒夫先生のホラーティウス論集のようです.
中山 恒夫『詩人ホラーティウスとローマの民衆』東京 : 内田老鶴圃新社,1976.



【2008/11/08 16:16】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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イタリア語でノーベル物理学賞

http://www.la7.it/news/dettaglio_video.asp?id_video=17494&cat=cultura

トランスクリプションがあるので,聞き取り訓練用にもなります.もう旬を過ぎた記事ですけど.


【2008/11/07 21:54】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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Coningtonのウェルギリウス全巻セット

20000円弱でConingtonのウェルギリウス校訂本・注釈書が入手できそうです.6巻組ですから,一冊3000円ちょっと.安いと言えば安いのですが,全部揃いでないとこの価格にならないというのが微妙な感じです.もう少し円が強くなってほしいですね.

John Conington. Conington's Virgil. 6 Vols. 1852. Reprint. Exeter: Bristol Phoenix Press, 2009/02 (Forthcoming). US$175.00



【2008/11/07 21:29】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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さらに続々新刊・復刊

さらに新刊・復刊が今月は目白押しです:

中務哲郎,久保田忠利 編『ギリシア喜劇全集 別巻  ギリシア喜劇案内』東京:岩波書店,2008.(11月26日刊行予定)

逸身喜一郎『ソフォクレース/エウリーピデース  『オイディプース王』と『バッカイ』 ―― ギリシャ悲劇とギリシャ神話 ――』書物誕生 新しい古典入門.東京:岩波書店,2008.(11月18日刊行予定)

H.I.マルー 著 横尾壮英,飯尾都人,岩村清太 訳『古代教育文化史』東京:岩波書店,1985.(11月7日復刊)


追記:岩波からコピペしたせいで,逸身先生を逸見先生に間違えていました.いやはや,天下の岩波が……(これが本当の責任転嫁).


【2008/11/07 02:07】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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我が師

休止中に復刊されていたようです 訂正:まだのようでした.11月20日ころ重版出来とのこと:

池田亀鑑『古典学入門』岩波文庫.東京:岩波書店,1991.(原著:池田亀鑑『古典の読み方』東京:至文堂,1952)

これについてはcomcさんが既に書評を書かれています(http://d.hatena.ne.jp/comc2008/20081105/1225892287).この名著とならんで,学生時代に文献学の心構えを学んだ師匠と言える本は:

小松英雄『徒然草抜書』講談社学術文庫.東京:講談社,1990.

この二冊が,大学学部・院時代にわたって,我が師と同等の価値をもっていた本です.といっても,僕自身がとても学者などには数えられない存在なので,師匠といわれても迷惑このうえないでしょうけど.


【2008/11/07 01:46】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻13歌

O fons Bandusiae, splendidior vitro,
dulci digne mero non sine floribus,
 cras donaberis haedo,
  cui frons turgida cornibus

primis et Venerem et proelia destinat -- 5
frustra: nam gelidos inficiet tibi
 rubro sanguine rivos
  lascivi suboles gregis.

te flagrantis atrox hora Caniculae
nescit tangere, tu frigus amabile    10
 fessis vomere tauris
  praebes et pecori vago.

fies nobilium tu quoque fontium
me dicente cavis impositam ilicem
 saxis, unde loquaces         15
  lymphae desiliunt tuae.


韻律:第3アスクレピアデース風ストロペー

  ― ― ― UU ― || ― UU ― U x
  ― ― ― UU ― || ― UU ― U x
   ― ― ― UU ― ―
    ― ― ― UU ― U x


おお,バンドゥシア*1の,玻璃よりも輝かしい泉よ,
甘き生酒に相応しく,花々にも事欠かぬ泉よ,
 明日汝は子やぎが贈られるだろう,
  その額は初めて生える角に膨らみ

そして恋にも争いにも向かっているのだが,
それも空しきこと.なぜなら汝のために,
 放埒な群れのこの子やぎは
  その冷たい流れを朱の血にて染めるだろうから.

燃え盛る犬座*2の凄まじい時期も,
汝には触れること能わぬ.汝こそが愛おしき涼を
 耕作に疲れた雄牛どもと
  放牧される家畜に供するのだ.

汝もまた,高貴なる泉の一つとなるだろう,
もし私が,そこより汝の水が声立てて
 流れ落ちるところの
  窪んだ岩間に身を置く樫の木を歌えば.


*1 在所不明.ホラーティウスの故郷ウェヌシア(現ヴェノーサ)の近くと考えられる.
*2 シリウスのこと.猛暑と関連させられる.


【2008/11/07 01:22】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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休止中 はじめて学ぶラテン文学史

疲れが取れないので,もうちょっと休止します.再開後はぼちぼちホラーティウスかプロペルティウスでも.

高橋 宏幸 編著『はじめて学ぶラテン文学史』シリーズ・はじめて学ぶ文学史.京都:ミネルヴァ書房,2008.

 今日書店で発見したものの,手持ちがなくて断念.ちょっと見た感想ですが,原典と訳が結構多いです.専門的なことも結構書いているのですが,どういう参考文献を読めばいいかというところまではカバーしていないようでちょっと残念.専門概説書としてはやはりここが重要だと思うのですが…….いずれ買う予定ではいるので,詳しい事は再開後に.


【2008/11/02 18:20】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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  • Author:メレアグロス
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