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蝦夷地共和国入門 2005年度銀杏並樹文学賞次席

 なんだか週末ついつい休んでしまいました.その間にLupa Saevaさんのサイトに凄いものが……

  蝦夷地共和国入門 2005年度銀杏並樹文学賞次席

 個人的には芥川賞と直木賞とノーベル文学賞を同時に差し上げたくなるようなすばらしい作品です.所々,註がついているのですが,ここでも「こひつじ書房」など,大変腹のよじれる表現がちりばめられています.それにしても,これで主席でなくて次席というのはちょっと解せませんが,主席はよほど凄い作品だったのでしょうか.

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【2008/04/28 21:05】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(2) | 記事修正

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ソポクレース『オイディプース王』1-13


ΟΙΔΙΠΟΥΣ
Ὦ τέκνα, Κάδμου τοῦ πάλαι νέα τροφή,
τίνας ποθ᾽ ἕδρας τάσδε μοι θοάζετε
ἱκτηρίοις κλάδοισιν ἐξεστεμμένοι;
πόλις δ᾽ ὁμοῦ μὲν θυμιαμάτων γέμει,
ὁμοῦ δὲ παιάνων τε καὶ στεναγμάτων. 5
ἁγὼ δικαιῶν μὴ παρ᾽ ἀγγέλων, τέκνα,
ἄλλων ἀκούειν αὐτὸς ὧδ᾽ ἐλήλυθα,
ὁ πᾶσι κλεινὸς Οἰδίπους καλούμενος.
ἀλλ᾽ ὦ γεραιέ, φράζ᾽, ἐπεὶ πρέπων ἔφυς
πρὸ τῶνδε φωνεῖν, τίνι τρόπῳ καθέστατε, 10
δείσαντες ἢ στέρξαντες; ὡς θέλοντος ἂν
ἐμοῦ προσαρκεῖν πᾶν· δυσάλγητος γὰρ ἂν
εἴην τοιάνδε μὴ οὐ κατοικτίρων ἕδραν.

8 del. Wunder
11 στέρξαντες Lrp : στέξαντες at : στέργοντες Dawe

オイディプス:
おお,子らよ,古きカドモスのあらたな養い子よ,
一体如何なる座りをば,お前たちは私の前で座っているのか,
嘆願の枝持ち,冠を巻いて.
町はかつは香にも満ち,
かつはパイアーンとまた呻きにも満ちている.
これを私は使いの者らから聞くのは,子よ,
他人から聞くのは正しからぬと思い,自らこうしてやってきた.
全ての者に名高い者と呼ばれるオイディプースがな.
さあ,老人よ,言うがよい,なぜならお前は相応しく生まれついているのだ,
これらの者らの代わりに語るのにはな.如何なる気があってお前たちは座しているのか,
恐れてのことか,満足してのことか.なぜなら
私は喜んで全てに力を貸すだろうから.なぜなら憐れみなき者と
私はなろうから,このような座に同情もせぬとあらば.


【2008/04/23 23:52】 CARMINA GRAECA | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』2巻8歌

Vlla si iuris tibi peierati
poena, Barine, nocuisset umquam,
dente si nigro fieres vel uno
 turpior ungui,

crederem. sed tu, simul obligasti  5
perfidum votis caput, enitescis
pulchrior multo iuvenumque prodis
 publica cura.

expedit matris cineres opertos
fallere et toto taciturna noctis   10
signa cum caelo gelidaque divos
 morte carentis.

ridet hoc, inquam, Venus ipsa, rident
simplices nymphae, ferus et Cupido,
semper ardentis acuens sagittas  15
 cote cruenta.

adde quod pubes tibi crescit omnis;
servitus crescit nova, nec priores
impiae tectum dominae relinquunt,
 saepe minati.          20

te suis matres metuunt iuvencis,
te senes parci, miseraeque nuper
virgines nuptae, tua ne retardet
 aura maritos.


韻律:サッポー風ストロペー

  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
    ― UU ― x


もし一つでも誓いを破った罰が君に
当たって,バーリーネー*1,一度でも君が酷い目にあったなら,
もし歯一本でも黒くなって,一枚でも
 爪が汚くなれば*2

僕も君を信じられるのに.だが君ときたら,
誓いで不実の君を縛り付けたとたんに,ずっと
きれいに輝きだすし,若者たち
 皆の人気の的になる始末.

役に立っているわけだ,母親の埋められた灰にかけて
そして空全体といっしょに
夜のもの言わぬ星座,そして冷たき死を欠く
 神々にかけて偽りを誓うのが.

はっきりいうが,このことをウェヌスご自身も笑ってるし,
飾らぬニンフらも笑ってる,残酷なキューピット,
常に燃える矢を血染めの砥石で
 研いでいる彼も笑ってる.

これも考えてみるがいい,君の餌食になるために若者は育っている;
新たな奴隷が育っているわけだが,昔の奴らも
不敬の女主人の家を離れはしない,
 何度もそうすると脅しはするが.

君は自分の若牛を気遣う母親に恐れられている,
君は吝嗇な老人にも,そして最近嫁いだ
乙女たちにも,かわいそうに,君の
 フェロモンが旦那さんを引き止めてるんじゃないかってね*3

*1 女性の名.
*2 嘘の印と考えられていた.
*3 カッリマコス『エピグラム』25(Pf.)参照.


【2008/04/22 22:49】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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Oxford Readings : カトゥッルス

J. H. Gaisser. Oxford Readings in Classical Studies: Catullus. Oxford: Clarendon Press, 2007. BMCR書評

 カトゥッルスの論文集です.よりすぐりとはいえ,がんばれば全部雑誌論文などから集められる……と思いきや,

Angelo Poliziano. "How the Sparrow of Catullus is to be Understood, and a Passage Pointed Out in Martial." 1489

Jacopo Sannazaro. "The Flea and the Sparrow." c. 1490.

Pierio Valeriano. "O factum male! O miselle passer! " 1521.

といった年代物の論文など,入手がきわめて困難そうなものも入っています.ぜひとも欲しいですが,ただ,値段は高いので,図書館に入るのを心待ちにするしかありません.


【2008/04/22 21:31】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ブログふたつ

  ヘルモゲネスを探して 錬金術書を読む
 訳書などもだされている本格的研究者のブログですが,錬金術関係の資料を惜しげもなく紹介されています.情報量がほんとうに凄いです.全部読んだら錬金術師になれるかもしれません.ローマ在住なんて,うらやましい限りです…….

  Leidende Frucht
 北ドイツ在住で,古典文献学を先攻されているそうです.あまりに面白い毎日です.ラテン語の韻律の解説をお願いしたいところです.





【2008/04/22 21:08】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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一番安いラテン韻律入門

レクラム文庫,やってくれますねー.ついになんと4ユーロのラテン韻律入門書が.

Stephan Flaucher. Lateinische Metrik. Reclam Universal-Bibliothek. Ditzingen: Reclam, 2008.06(出版予定).

まだ出ていませんが,これでかなり安上がりに勉強できます.それに,多分一番新しい韻律入門書でもありますね.小さいので,授業の時に机の下でこっそり確かめるにも最適です.

 それにしても,韻律は面倒です.カエスラとかは切れ目が「ある」のでわかりやすいのですが,逆に切れ目が「あってはならない」規則なんかが覚えるのが大変です(しかもいろいろある……).まあこういう規則は,もう既に調べ尽くされているので,それに反する場合は大抵注釈書などには書かれるはずなので(1例しか例外がないという凄くレアな場合は,ハンドブックにその箇所も書いてあります),パピュロスでも読むのでないかぎり,知らなくても良さそうな気もうっかりしてしまいます.
 切れ目が「あってはならない」場所は,ブリッジとかブリュッケとかユンクトゥーラとか言うのですが,あまり韻律の概説ではでてこない名前ですし,ギリシア語専門の人でもたまにしらなかったりします.ただ,ちゃんとMaasなんかには載っていますから,基礎事項なのでしょうね.
 クロアシさんの記事ではポルソンのブリッジ(イアンビック・トリメターではカエスラの場所を除いて,アンケプスが長い時にその直後には語の切れ目がない(つまりブリッジがある))という面倒な規則がでていましたが,この表現でわかるように,ブリッジって覚えにくいんですよね(わざわざMaasだして調べました……).大きく書いて壁にでも貼っておかないと覚えられないでしょう(僕は貼ってないせいか,覚えてません).
 ヘクサメターではヘルマンのブリッジというのがあるそうです.これは4番目の脚がダクテュロス―UUの時には,ブリッジが短の間にあるというものです.

  ―UU ―UU ―UU ―U⁀U ―UU ― ―

あまりきれいになってませんが,⁀がブリッジの記号です.例外は1000分の1だそうですから,確認するには最低1000例はスキャンしなければいけないのですね…….が,ラテン語では守られないそうなので,安心感からかすぐ忘れます.

で,普通におすすめされているMaasの書誌情報でも:

Paul Maas. Hugh Lloyd-Jones tr. Greek Metre. Oxford: Clarendon Press, 1962.

本文100ページもないのですが,なんというか頭に入らないです.

 まあ古典をやっていると,できないことばかりあるというのがわかりますが,韻律は本当にできないことばかり……


【2008/04/20 23:06】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』2巻7歌

O saepe mecum tempus in ultimum
deducte Bruto militiae duce,
 quis te redonavit Quiritem
  dis patriis Italoque caelo,

Pompei, meorum prime sodalium?   5
cum quo morantem saepe diem mero
 fregi coronatus nitentis
  malobathro Syrio capillos.

tecum Philippos et celerem fugam
sensi relicta non bene parmula,    10
 cum fracta virtus et minaces
  turpe solum tetigere mento.

sed me per hostis Mercurius celer
denso paventem sustulit aere;
 te rursus in bellum resorbens    15
  unda fretis tulit aestuosis.

ergo obligatam redde Iovi dapem
longaque fessum militia latus
 depone sub lauru mea nec
  parce cadis tibi destinatis.    20

oblivisco levia Massico
ciboria exple, funde capacibus
 unguenta de conchis. quis udo
  deproperare apio coronas

curatve myrto? quem Venus arbitrum 25
dicet bibendi? non ego sanius
 bacchabor Edonis. recepto
  dulce mihi furere est amico.


韻律:アルカイオス風ストロペー

  x ― U ― ― || ― UU ― U x
  x ― U ― ― || ― UU ― U x
   x ― U ― ― ― U ― x
    ― UU ― UU ― U ― x


おお,ブルートゥスが兵役の将たる時*1
僕と何度も死の瀬戸際まで引き込まれた君よ,
 誰が君をローマ人として祖国の神々と
  イタリアの空の下へ送り返してくれたのか,

ポンペイユス*2よ,わが友のうち,最高の友よ,
君とはしばしば生酒で退屈な日々を
 暇潰ししたものだな,シリアのポマードで
  ぴかぴかにした頭に花冠を巻いて.

君とともに僕はピリッポスの大急ぎの逃げ戦を
体験した,実にみっともなくも,小盾を残して.
 それは勇気もみじんに砕け,強者どもが
  恥ずかしくもあごで地に触れた時のこと.

だが,敵中より,足速きメルクリウス神は
おびえる僕を濃い霧に包んで取り除いて下さったが,
 君の方は波が再び戦いに取り込んで,
  沸き立つ海のなかを連れて行った.

それだから,ユッピテル様に,果たすべき宴を捧げよ,
そして長い兵役に疲れた脇を
 うちの月桂樹の樹の下に横たえ,
  酒壷に遠慮もするな,それは君にと決めておいたのだ.

忘却促すマッシクス酒*3
手触り滑らかな盃に満たせ,
 大きな貝殻から香油を注げ.誰かな,しっとりした
  三つ葉かミルテで花冠を急いで

作ってくれるのは?誰をウェヌスの賽の目が
飲み会の主に決めるのかな?僕はエードーニー*4の奴らよりも
 狂おしく騒ぐとしよう,友が
  戻ってきた時に,馬鹿をやるのは僕には楽しいのだ.

*1 前42年,ブルートゥスはカエサル暗殺者としてアントーニウスとオクタウィアーヌスにより討伐され,マケドニアのピリッピーでの敗戦の後自決する.ホラーティウスもこの戦いでブルートゥス側についた.
*2 不詳.
*3 ラティウムとカンパーニアの狭間のマッシクス山の葡萄で作られた葡萄酒.ファレルヌスなどに次ぐ銘酒.
*4 トラキアの部族.バッコス信仰の狂乱の儀式で知られていた.


【2008/04/20 21:39】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』2巻6歌

Septimi, Gadis aditure mecum et
Cantabrum indoctum iuga ferre nostra et
barbaras Syrtis, ubi Maura semper
 aestuat unda,

Tibur Argeo positum colono   5
sit meae sedes utinam senectae,
sit modus lasso maris et viarum
 militiaeque.

unde si Parcae prohibent iniquae,
dulce pellitis ovibus Galaesi   10
flumen et regnata petam Laconi
 rura Phalantho.

ille terrarum mihi praeter omnis
angulus ridet, ubi non Hymetto
mella decedunt viridique certat 15
 baca Venafro,

ver ubi longum tepidasque praebet
Iuppiter brumas et amicus Aulon
fertili Baccho minimum Falernis
 invidet uvis.         20

ille te mecum locus et beatae
postulant arces; ibi tu calentem
debita sparges lacrima favillam
 vatis amici.

19 fertili Pl : fertilis codd., Serv. ad A.3.553

韻律:サッポー風ストロペー

  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
    ― UU ― x


セプティミウス*1よ,ガーデース*2に僕とともに行くであろう君よ,
また我らの軛を背負うこと知らぬカンタブリー*3へ,そして
野蛮のシュルテース*4,マウルス*5の海が常に
 たぎる場所にも僕と行く君よ,

アルゴスの植民者*6により置かれたティーブルが
僕の老年の終の住処となってほしい,
とどまる場所となってほしい,海と旅行と
 兵役に疲れた僕に.

その地から,もしパルカエ姉妹*7が悪意もて僕を遠ざけるなら,
毛皮纏う羊がいて楽しいガラエスス*8
川と,ラコーニアのパラントスが支配した
 田舎*9に向かいたい.

世界中のうち,その一角はどこよりも
僕に笑いかけてくれる,そこの蜂蜜は
ヒュメットス*10のそれに勝るとも劣らず,オリーブの実は
 青々したヴェナーフロン*11に競うもの.

春はそこでは長く,また暖かい冬を
ユッピテルはお与えになった,そして豊かなバッコスに
親しきアウローン*12は,ファレルヌス
 葡萄酒を毫も羨むことはない.

あの場所は,君を僕とともに求めている,
そして恵まれし要塞も.そこで君こそが
火葬の灰の熱いうち,注ぐべき涙を注ぐだろう,
 詩人の友の灰に.

*1 不詳.『書簡集』1巻9歌で,ホラーティウスは推薦状を彼のために書いている.
*2 スペインの南端に近い町.
*3 北スペインの地方.
*4 現リビア国の海岸部.
*5 現アルジェリア,モロッコの北部の地域.
*6 カーティルス.1巻18歌参照.
*7 運命の糸を紡ぐ姉妹.
*8 イタリア南部,タレントゥムの近くの川.
*9 言い伝えでは前708年にタレントゥムがパラントスにより建設されたという.
*10 アテーナイのやや南東の山.
*11 サムニウムの西端の町.
*12 タレントゥム(あるいはその近郊)の谷.


【2008/04/19 23:11】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』2巻5歌

Nondum subacta ferre iugum valet
cervice, nondum munia comparis
 aequare nec tauri ruentis
  in Venerem tolerare pondus.

circa virentis est animus tuae    5
campos iuvencae, nunc fluviis gravem
 solantis aestum, nunc in udo
  ludere cum vitulis salicto

praegestientis. tolle cupidinem
immitis uvae: iam tibi lividos    10
 distinguet autumnus racemos
  purpureo varius colore,

iam te sequetur; curret enim ferox
aetas et illi, quos tibi dempserit,
 apponet annos. iam proterva   15
  fronte petet Lalage maritum,

dilecta quantum non Pholoe fugax,
non Chloris albo sic umero nitens,
 ut pura nocturno renidet
  luna mari, Cnidiusve Gyges;   20

quem si puellarum insereres choro,
mire sagacis falleret hospites
 discrimen obscurum solutis
  crinibus ambiguoque vultu.


韻律:アルカイオス風ストロペー

  x ― U ― ― || ― UU ― U x
  x ― U ― ― || ― UU ― U x
   x ― U ― ― ― U ― x
    ― UU ― UU ― U ― x


まだそれは首をおろして軛を背負う
力はなく,まだ相棒となって
 仕事を分け合うも,情をもとめて突進する雄牛の
  重みを耐えるだけの力もない.

青々した野原のあたりにあるのだ,君の
若雌牛の心はね.今は川でひどい
 暑さを和らげ,今は濡れた柳の茂みで
  子牛たちと遊ぶのを

彼女は望んでいるのだから.止めよ,
熟せぬ葡萄を欲しがるのは.今に青い
 葡萄の房は,色とりどりの秋になれば,君のために
  紫に際立つだろうし,

今に彼女は君を追っかけるだろう.だってどんどんと
齢は駈け行き,君から奪った年月を,彼女に
 付け加えるだろうから.今に,恥も外聞もない
  顔をして,ララゲーは夫を求めるだろう,

彼女は愛されるだろう,逃げ足速いポロエーも
夜の海に澄んだ月が輝くように
 白い方の輝くクローリスも
  クニドス*1のギュゲースも愛された事がない程までに.

そのギュゲースを乙女らの合唱隊に混ぜたなら,
すばらしく抜け目ない客すら欺こう,
 解いた髪とどちらの性ともとれる顔で
  男女の区別もかすむ彼だから.

*1 小アジアのカリアの半島の先端にある町.コース島から30kmほど南東,ロドス島からは60kmほど北西.


【2008/04/19 21:59】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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マンガ・シェイクスピア

このようなものを見つけました.

Shakespeare, William /Appignanesi, Richard (ADP) /Mahbab, Mustashrik. Julius Caesar. Manga Shakespeare. New York: Harry N Abrams, 2008.08(出版予定).

出版社のサイトhttp://www.hnabooks.com/でmangaで検索すると,The Tempest, A Midsummer Night's Dream, Romeo and Juliet, Hamletが既刊のようです.

英語はちゃんとシェイクスピアのものかどうかはわからないです.絵の感じからすると,翻案に近いかもしれないですね…….



【2008/04/18 21:50】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』2巻4歌

Ne sit ancillae tibi amor pudori,
Xanthia Phoceu; prius insolentem
serva Briseis niveo colore
 movit Achillem,

movit Aiacem Telamone natum   5
forma captiva dominum Tecmessae,
arsit Atrides medio in triumpho
 virgine rapta,

barbarae postquam cecidere turmae
Thessalo victore et ademptus Hector 10
tradidit fessis leviora tolli
 Pergama Grais.

nescias an te generum beati
Phyllidis flavae decorent parentes;
regium certe genus et Penatis    15
 maeret iniquos.

crede non illam tibi de scelesta
plebe dilectam, neque sic fidelem,
sic lucro aversam potuisse nasci
 matre pudenda.          20

bracchia et vultum teretesque suras
integer laudo; fuge suspicari,
cuius octavum trepidavit aetas
 claudere lustrum.


韻律:サッポー風ストロペー

  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
    ― UU ― x


婢女を愛することを,君は恥とするなかれ,
ポーキス*1生まれのクサンティアース*2よ.以前にも乱暴な
アキッレウスを色白の奴隷女ブリーセーイス*3
 心動かしたのだし,

テラモーン*4より生まれしアイアース*5
捕虜のテクメーッサ*6の容姿が心動かし,
アトレウスの子*7は凱旋の最中に
 奪った乙女*8に恋い焦がれた,

それは異人の部隊*9がテッサリアの勝利者*10の前に
倒れ,そしてヘクトルが除かれて
ペルガモン*11は疲れきったギリシア勢にも容易に倒されるべく
 引き渡された後のこと.

金髪のピュッリス*12の両親は裕福で,
婿入りすれば君にも立派な飾りとなるかもしれない.
きっと生まれは王族で,そして竃の神が背いたのを
 悲しんでいるのだ.

疑うなかれ,君に愛された彼女が
性悪な平民の女ではないことを,そしてかくも一途で,
かくも利益に背を向ける女性が
 恥ずべき母より産まれたはずのないことを.

僕はその腕とかんばせと形よき脛を
他意なく賛嘆する.勘ぐっちゃいけない,
その齢,急ぎ40の年を
 全うした者を.

*1 ギリシアのコリントス湾の北側,デルポイなどのある地方.
*2 「金髪の」を意味するギリシア語の名前だが,不詳.架空の設定か.
*3 アポッローンの神官ブリセーウスの娘で,夫ミュネースをアキッレウスに殺された後に捕虜とされ,アキッレウスの妾となる.
*4 サラミスの王.
*5 トロイア戦争に参上した武将で,アキッレウスに次ぐ勇猛さであった.
*6 プリュギア王テレウタースの娘.アイアースの捕虜となる.
*7 アガメムノーンのこと.
*8 プリアモス王の娘,カッサンドラー.
*9 ギリシア人からみた異人で,トロイア人のこと.
*10 アキッレウス.
*11 トロイアの要塞.
*12 女奴隷にしばしば付けられていた名前.


【2008/04/18 21:13】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』2巻3歌

Aequam memento rebus in arduis
servare mentem non secus ac bonis
 ab insolenti temperatam
  laetitia, moriture Delli,

seu maestus omni tempore vixeris,  5
seu te in remoto gramine per dies
 festos reclinatum bearis
  interiore nota Falerni,

quo pinus ingens albaque populus
umbram hospitalem consociare amant 10
 ramis, quid obliquo laborat
  lympha fugax trepidare rivo?

huc vina et unguenta et nimium brevis
flores amoenae ferre iube rosae,
 dum res et aetas et sororum    15
  fila trium patiuntur atra.

cedes coemptis saltibus et domo
villaque, flavus quam Tiberis lavit,
 cedes, et exstructis in altum
  divitiis potietur heres.      20

divesne prisco natus ab Inacho
nil interest an pauper et infima
 de gente sub divo moreris,
  victima nil miserantis Orci.

omnes eodem cogimur, omnium   25
versatur urna serius ocius
 sors exitura et nos in aeternum
  exsilium impositura cumbae.


2 ac recc. : in codd. : ut Housman
11 quid] quo a E l


韻律:アルカイオス風ストロペー

  x ― U ― ― || ― UU ― U x
  x ― U ― ― || ― UU ― U x
   x ― U ― ― ― U ― x
    ― UU ― UU ― U ― x


平静の心を,火急の事態においても
保つこと忘れるなかれ,順境において
 度を超えた喜びから精神を
  守るに劣らず,デッリウス*1よ,

あらゆる時も悲しみに満ちて生を生き終えようと,
祭りの日の間中遠くの草の上で
 寝転がって,蔵の奥にて熟す銘ファレルヌム酒を
  堪能するにせよ,死すべき定めの者なれば.

何のためにそびえる松と白いポプラが
枝にて人を誘う木陰を共にするのを好み,
 なぜ曲がりくねる小川をつとめて
  逃げるように急ぎ流れようとするのか.

ここに葡萄酒と香油とあまりに短命な
薔薇の愛らしい花々を持ってくるように言いたまえ,
 状況と年と三姉妹の
  黒い糸*2が許しているうちに.

君は去るだろう,買い上げた森と家と
黄色いティベリス川の洗う別荘から,
 君は去るだろう,そして高く積み上げられた
  富は相続人のものとなろう.

君が富貴で古のイーナコス*3の出自であるか,
貧しくまた卑賤の氏族より産まれて
 日の下にとどまるものであるかは,何ら関係はなく,
  何ら哀れむことなき冥界の生贄となる.

我々すべての者は同じ場所に集められている,すべての者の
籤は振られている*4,それは遅かれ早かれ瓶より
 飛び出すだろう,そして我々を永遠の
  追放地へと向かう小舟に置くだろう.

*1 アントーニウスに仕えていたが,後にオクターウィアーヌスに鞍替えし,寵愛を得た人物.
*2 人生の糸を紡いでいるパルカエ三姉妹.
*3 アルゴスの始祖たる王.
*4 ローマでは籤は瓶などに入れられて,出てくるまで回される.


【2008/04/17 00:51】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ウェルギリウス新刊

中級レベル学習者用の『アエネーイス』の全巻コメンタリーが,Focus Pub.で出されるようです.その第1段は『アエネーイス』2巻.

Randall Ganiban Ed. Vergil: Aeneid, Book II. Newburyport: Focus Publishing, 2008. ISBN 978-1-58510-226-6(paper) $15.95.

語彙などもつけられて,コメンタリーも同じページに入っているようですから,これで寝ながら読めますね(笑).


【2008/04/13 17:03】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(2) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』2巻2歌

Nullus argento color est avaris
abdito terris, inimice lamnae
Crispe Sallusti, nisi temperato
 splendeat usu.

vivet extento Proculeius aevo   5
notus in fratres animi paterni;
illum agit penna metuente solvi
 Fama superstes.

latius regnes avidum domando
spiritum, quam si Libyam remotis 10
Gadibus iungas et uterque Poenus
 serviat uni.

crescit indulgens sibi dirus hydrops,
nec sitim pellas, nisi causa morbi
fugerit venis et aquosus albo   15
 corpore languor.

redditum Cyri solio Phraaten
dissidens plebi numero beatorum
eximit Virtus populumque falsis
 dedocet uti          20

vocibus, regnum et diadema tutum
deferens uni propriamque laurum,
quisquis ingentis oculo irretorto
 spectat acervos.


韻律:サッポー風ストロペー

  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
    ― UU ― x


いかなる色も銀にはない,貪欲な
大地に隠されているうちは.
クリスプスのサッルスティウス*1よ,
 節度ある使用により輝くもの以外の金銭を憎む者よ.

プロクレイウス*2は時代を超え生きるだろう,
兄弟らへの父親らしい心で名高いものとして.
彼を休めることを厭う翼にて
 不滅の「名声」が運ぶのだ.

貪欲な精神を制することで,より広く
支配することができよう,リビアを遠くはなれた
ガーデース*3と結び,そして両フェニキア*4
 一人に隷属する以上の広さを.

恐ろしい水腫は,好き放題に進行するもの.
そして,その渇きは払えないのだ,病の原因が
逃げ去り,そして水気を帯びた衰弱が
 青白い肉体を去らぬ限り.

キュロスの王座に再び戻ったプラアーテース*6を,
大衆とは意を異にして,「恵まれし」人々の数から
「美徳」は締め出し,民に誤った
 言葉を用いぬことを

教えている*6.その「美徳」が盤石の王国と王冠,
そして相応しき桂冠をもたらすのは,ただ一人,
誰であれ,心惑うことなき目で
 巨大な富の山を正視する者のみ.

*1 有名な歴史家のガーイユス・サッルスティウス・クリスプス(前86-35年)の養子(?-紀元後20年).マエケーナース同様,富裕な騎士階級で,ホラーティウスのパトロンでもあり,アウグストゥスの助言者でもあった.
*2 富裕な騎士階級で,文人であった.兄弟が市民戦争で敗者の側に回ったため,財産を没収されたが,彼らに財産を分け与えた.
*3 南スペインの町.
*4 すなわち,アフリカのカルタゴと,南スペインのNova Carthagoのこと.
*5 パルティアの王.暴政で王座からティーリダテースにより追放され,後にスキュタイ人の助けで復帰.
*6 つまり,ラテン語beatus「恵まれた」が,単なる金銭的な意味で用いるべきでないということ.

(2008.08.06訂正)

【2008/04/13 14:53】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』1巻11歌再考

本当はこんな感じなんでしょうかねえ……

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ねえ君,そんなこと知ろうとしちゃいけないよ,僕と君とに,
神様がどんな結末を用意してるのか,なんてさ.そんな事,許されるもんじゃないよ,麗子ちゃん,
それに,古代星占いなんてのを試したりしてもいけないよ.何だって起こった事はそのまま受け入れるほうがよっぽどましなんだよ,
神様がずっとずっと長く生きられることに決めてたって,この年でもう死んじまうことにしてたってさ.
もうほら,温暖化だってここんところずっと進みまくって,手がつけられなくなってきてるんだよ.
ほら,目を覚ませよ,さあ,酒を用意して,長い将来計画なんかしないで,
とんとんとん,ってさ,人生太く短く切っちまおうよ.ほら,こんなおしゃべりしてる間だってさ,
どんどん時間は過ぎちゃうんだよ.明日のお楽しみなんて馬鹿な事考えてないでさ,今をたのしもうよ♡.
???????????????????????

いや,銀座の中年親父みたいな翻訳になってしまいました(行ったことないけど).

原文と昔の翻訳


【2008/04/13 03:31】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』2巻1歌17-40

iam nunc minaci murmure cornuum
perstringis auris, iam litui strepunt,
 iam fulgor armorum fugacis
  terret equos equitumque vultus. 20

audire magnos iam videor duces
non indecoro pulvere sordidos
 et cuncta terrarum subacta
  praeter atrocem animum Catonis.

Iuno et deorum quisquis amicior   25
Afris inulta cesserat impotens
 tellure, victorum nepotes
  rettulit inferias Iugurthae.

quis non Latino sanguine pinguior
campus sepulcris impia proelia    30
 testatur auditumque Medis
  Hesperiae sonitum ruinae?

qui gurges aut quae flumina lugubris
ignara belli? quod mare Dauniae
 non decoloravere caedes      35
  quae caret ora cruore nostro?

sed ne relictis, Musa procax, iocis
Ceae retractes munere neniae,
 mecum Dionaeo sub antro
  quaere modos leviore plectro.   40

21 audire] videre Beroaldus

今やもう,角笛の険悪なくもぐり声で
あなたは耳を聾し,今やラッパは響き,
 今や武具の輝きが逃げる馬と
  騎兵の顔を脅かしています.

私には思えます,今や偉大な将らが
決して不名誉ならぬ塵に汚れる様が語られるように,
 そしてカトーの強情な心*7以外は
  大地のすべてが平定される様が語られるように.

ユーノー*8と,神々のうちアフリカにより親しき者は
誰もが,その地の仇討たぬまま力なく
 引き下がり*9,勝利者たりし者らの孫を
  ユグルタ王の死者供儀にと捧げました*10

ラティウム人の血に肥えた
どの地が,その墓により,不敬な戦と,
 メディー族*11の耳にまで届いた
  西方の地*12の壊滅する音を証言しないでしょうか.

どの海の渦が,どの川が,悼ましい
戦を知らぬでしょうか,どの海をダウニア*13
 殺戮が色づけずにいたでしょう,
  どの岸辺に,我々の血が染みずにいたでしょう.

しかし,お転婆のムーサよ,あなたが戯れ捨てて
ケオスの挽歌*14の仕事を再び扱わぬよう,
 我とともに,ディオーネー*15の洞の下で,
  もっと軽い撥にて調べを求めたまえ.

*7 マールクス・ポルキウス・カトー.前46年,カエサルが市民戦争に勝利した後,カエサルのもとで生きるのを拒み,自殺する.
*8 ユーノーはもちろん,カルタゴをひいきにしていた女神.
*9 カルタゴはポンペイユスの義理の父であるメテッルス・スキーピオーにより,共和制側についていたが,ポンペイユス敗戦後,自殺する.
*10 メテッルス・スキーピオーの祖父は,ユグルタ王討伐(前111-105年)に貢献していた.
*11 パルティアに住んでいたメーディー族はすでに滅びていたが,その名はパルティアをさすのにしばしば使われる.
*12 すなわち,イタリアのこと.当方のパルティアに対比させている.
*13 ホラーティウスの故郷のアプリアの北部.
*14 アッティカからやや南東のケオス島からは,挽歌で有名だったシーモーニデースが出ている.
*15 アプロディーテーの母だが,大抵アフロディーテーと同一視されている.


【2008/04/12 21:23】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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また始めてしまった……

なんだかまたブログに追われる気持ちになるのを承知で,ホラーティウス『歌集』第2巻の翻訳を始めてしまいました.しかし20歌で終わりなので,短くて多少気が楽です.
 しかし,この巻の始まりの第1歌はなかなか凄まじい序歌です.序歌でこんな血塗られた歌,他にあるでしょうかねえ.それに,一応巻の最初の歌は,その詩集のプログラムみたいなものなのですが,これはプログラムともどう関係しているんだか,よくわかりません(特に調べてもいないですけど).なんだか存在意義が謎な歌です.意味はそんなにわからないということはないですが.


【2008/04/12 20:07】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』2巻1歌1-16

Motum ex Metello consule civicum
bellique causas et vitia et modos
 ludumque Fortunae gravisque
  principum amicitias et arma

nondum expiatis uncta cruoribus  5
periculosae plenum opus aleae,
 tractas et incedis per ignis
  suppositos cineri doloso.

paulum severae Musa tragoediae
desit theatris: mox, ubi publicas  10
 res ordinaris, grande munus
  Cecropio repetes cothurno,

insigne maestis praesidium reis
et consulenti, Pollio, Curiae,
 cui laurus aeternos honores   15
  Delmatico peperit triumpho.



韻律:アルカイオス風ストロペー

x ― U ― ― || ― UU ― U x
x ― U ― ― || ― UU ― U x
 x ― U ― ― ― U ― x
  ― UU ― UU ― U ― x





メテッルスが執政官の時からの市民の動乱*1
戦の理由と悪徳とその様相,
 運命女神の戯れと第一人者らの
  由々しき友誼*2,そして

未だ清められぬ血に濡れし武具,といった,
危険な賭けに満ちた作品を
 あなたは扱われ,そしてあなたはお進みになられています,
  陥穽に満てる灰の下にある火を通って.

しばし厳しき悲劇のムーサは
劇場から離れんことを.やがて,国家の
 事ごとをあなたが著された時*3,キクロプスの高靴*4履き,
  あなたは偉大な仕事に再び向かわれるでしょう,

悲しむ被告らと,
伺い立てる元老院の著名なる守り手たるポッリオー*5様,
 ダルマティアからの凱旋式*6により,
  月桂冠が永遠の名誉を産みしお方.

*1 メテッルスが執政官となったのは前60年で,この年にカエサル・ポンペイユス・クラッススの三頭政治開始.実際の市民戦争は前49年,カエサルがルビコン川をわたった時に開始.
*2 上述の三頭政治のこと.
*3 市民戦争の記述を書かれてから,ということ.
*4 キクロプスはアテーナイの始祖で,ここではアテーナイを意味する.高靴は,アテーナイで催されていた悲劇の中で役者に履かれていた.つまり,悲劇を書くために,ということ.
*5 政治家・軍人であり,悲劇などを書いた詩人・歴史家でもあったガーイユス・アシニウス・ポッリオー(前76/5年-紀元後4年).
*6 ポッリオーは前39年,パルティアに遠征し,凱旋する.


【2008/04/12 19:24】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』第2巻 参考文献

改めて参考文献など:

D.R. Schackleton Bailey Ed. Q. Horatii Flacci Opera. Bibliotheca Teubneriana. Editio Tertia. Stuttgart: Teubner, 1995.

R.G.M. Nisbet and Margaret Hubbard. A Commentary on Horace: Odes, Book II. Oxford: Clarendon Press, 1978. Reprint (Paperback). 1998.

David West. Horace Odes II: Vatis Amici. Text, Translation and Commentary by. Oxford: Clarendon Press, 1998. Reprint (Paperback). 2004.

Bernhard Kytzler. Quintus Horatius Flaccus: Sämtliche Werke. Lat./D. Reclams Universal-Bibliothek. Ditzingen: Reclam, 1996. Neuausgabe. 2006.

藤井昇 訳『ホラーティウス 歌章』古典文庫47 東京:現代思潮社,1948.



【2008/04/11 22:40】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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講義録?

さすがに1000行も訳したら,次のをはじめる気力がわきませんね…….
前に京大YouTube授業を紹介しましたが,こんどは西洋古典の講義DVDを発見.

Niklas Holzberg (Vorlesung). Die Augusteische Dichtung: Roms Beitrag zur Weltliteratur. uni auditorium. DVD 73 Min. Grünwald: KOMPLETT MEDIA, 2008. ISBN 978-3-8312-9564-7.

Niklas Holzberg (Vorlesung). Die erotische dichtung der Römer. uni auditorium. DVD 70 Min. Grünwald: KOMPLETT MEDIA, 2008. ISBN 978-3-8312-9588-3.

Martin Hose (Vorlesung). Die griechische Literatur: Von Homer bis zum Ende der Antike. uni auditorium 1 DVD 100 Min. Grünwald: KOMPLETT MEDIA, 2008. ISBN 978-3-8312-9529-6.

 ドイツ語の勉強にもなりますね.CDバージョンもありますが,5Euroほど高めにしろ,DVDのほうを買うのがいいでしょう.誰か買ったら報告して下さい.
 理系・文系を問わず,ほかの専門分野の講義も,たくさんDVDが出ています.驚くべきは,古代哲学の充実ぶり……

  http://www.komplett-media.de/wbc.php?sid=2369963ea27&tpl=pl.html&rid=171

ドイツ留学する人には,準備にもいいでしょうね.クロアシさんもprokoptonさんもnikubetaさんも,これを見てドイツへ!

追記:そういえば,ヨーロッパはひょっとするとDVD再生の方式が違うかもしれません.新しいDVD機器では対応できているのかもしれませんが,どうでしょうね.コンピューターで再生するなら,大抵OKだそうです.


【2008/04/11 02:02】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(2) | 記事修正

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京都大学YouTube公開講座

さすが京都大学,太っ腹です.200本ぐらい講座を公開しています.

   http://jp.youtube.com/profile_videos?p=r&user=KyoDaiOcw&page=1

でもITビジネスとか,一般受けしそうなものが多いようです.できれば西洋古典とかやってくれるとありがたいのですが,あまりやりたがる先生はいないでしょうね.


【2008/04/10 01:23】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(2) | 記事修正

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ホラーティウス『書簡集』1巻完訳

ようやく終わりました.今年に入ってからもちょっとブランクがあったりして,結局4月半ばまで取りかかっていたことになります.まあ全部で1000行以上あったので,ちょっと計算間違いということでしょうね.まあこれで終わりとせず,また時々直しを入れながら,いい翻訳にしていきたいと思います.
 次は『歌集』の2巻をやりながら,ちょっと別なものもやろうと思っています.


【2008/04/09 20:26】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『書簡集』1巻20歌19-28(完結)

cum tibi sol tepidus pluris admoverit auris,
me libertino natum patre et in tenui re   20
maiores pennas nido extendisse loqueris,
ut quantum generi demas, virtutibus addas;
me primis urbis belli placuisse domique;
corporis exigui, praecanum, solibus aptum,
irasci celerem, tamen ut placabilis essem. 25
forte meum si quis te percontabitur aevum,
me quater undenos sciat implevisse Decembris
collegam Lepidum quo dixit Lollius anno.

 28 dixit recc. : duxit codd.

日が暖かくなって,もっと多くの耳をお前は引きつけた時には,
僕は解放奴隷の父から生まれ,そして細々とした財産の中,
巣よりも大きい翼をひろげたとお前は言ってくれ,
そうして,素性の点でマイナスとなった分を,徳のほうに加えてくれ.
私は戦時中も平和時も,ローマの主立った人々に気に入られた,
小柄で若白髪,晴れた日がお似合いで,
すぐに怒るが,しかしなだめられる程度だ,と.
ひょっとして誰かがお前に私の歳を訊くなら,
私は44回目の12月を満了したと教えてほしい,
それはロッリウスがレピドゥスを同僚執政官に任命した年のこと*5

*5 前21年.65年12月8日にホラーティウスは生まれたとされる(スウェトニウスの証言).


【2008/04/09 19:35】 Horatius Epistulae | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『書簡集』1巻20歌1-18

Vertumnum Ianumque, liber, spectare videris,
scilicet ut prostes Sosiorum pumice mundus.
odisti clavis et grata sigilla pudico;
paucis ostendi gemis et communia laudas,
non ita nutritus. fuge, quo descendere gestis. 5
non erit emisso reditus tibi. 'quid miser egi?
quid volui?' dices, ubi quid te laeserit et scis
in breve te cogi, cum plenus languet amator.
quod si non odio peccantis desipit augur,
carus eris Romae, donec te deserat aetas.  10
contrectatus ubi manibus sordescere vulgi
coeperis, aut tineas pasces taciturnus inertis
aut fugies Uticam aut vinctus mitteris Ilerdam.
ridebit monitor non exauditus, ut ille,
qui male parentem in rupis protrusit asellum 15
iratus: quis enim invitum servare laboret?
hoc quoque te manet, ut pueros elementa docentem
occupet extremis in vicis balba senectus.

ウェルトゥムヌスとヤヌス*1を,本よ,お前は眺めているようだね,
おそらくソシイー書房*2の軽石できれいにされて売りに出されようとして.
慎ましやかな本が好む鍵やら封印を,お前は嫌っている.
わずかな人にしかご披露されないのをブーたれて,大衆を礼賛しているな,
そんな風に育てはしなかったのに.出て行け,お前がやたらと下りたがっているところへ.
追い出されたお前には後戻りはないぞ.「あわれな僕は何をした?
何を望んだのか?」お前は言うだろう,何かがお前を傷つけた時には.そして
お前の愛好家が十分読み飽きて,お前が狭い場所に詰め込まれる目にあった時には.
しかしもしお前の過ちを憎んで,間違った占いをしているのでなければ,
お前はローマでは愛好されるだろうが,それも若盛りがお前を去る時までだ.
大衆の手によっていじられてお前が汚くなりはじめたら,
お前は読まれぬままぐうたらな紙魚に食われるか,
あるいはウティカ*3へ逃げ出すか,あるいは縛られてイレルダ*4へ送られるだろう.
聞き入れられなかった忠告者は笑うだろう,ちょうど
腹を立てて言う事を聞かないロバを岩場に突き落とした
人のように.だって,誰がいやがる奴を助けようと骨折るだろうか.
こんな運命もまた,お前を待っているぞ,子供たちに初歩を教えながら,
道はずれで耄碌した老年に取り付かれる,という運命が.

*1 ローマの商店街にあった像.
*2 書店業を営んでいた.
*3 北アフリカ.カルタゴのやや北にある.小カトーはここで自殺する.
*4 スペインの町.ピレネー山脈の中央部から,100km強南に向かったところの町.現Lerida.


【2008/04/09 19:03】 Horatius Epistulae | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『書簡集』1巻19歌35-49(完結)

scire velis, mea cur ingratus opuscula lector   35
laudet ametque domi, premat extra limen iniquus?
non ego ventosae plebis suffragia venor
impensis cenarum et tritae munere vestis.
non ego nobilium scriptorum auditor et ultor
grammaticas ambire tribus et pulpita dignor.   40
hinc illae lacrimae. 'spissis indigna theatris
scripta pudet recitare et nugis addere pondus'
si dixi, 'rides' ait 'et Iovis auribus ista
servas: fidis enim manare poetica mella
te solum, tibi pulcher.' ad haec ego naribus uti  45
formido et, luctantis acuto ne secer ungui,
'displicet iste locus' clamo et diludia posco.
ludus enim genuit trepidum certamen et iram,
ira truces inimicitias et funebre bellum.

あなたは知りたいでしょうか,どうして僕の作品を,恩知らずな読者が
家では褒めて愛好するのに,門外では憎々しく貶すのかを.
僕は,宴に出費したり,すり切れた衣服を贈ったりなどして,
風見鶏の大衆の票などかり集めはしないからです,
僕は,高貴な書物の聞き手あるいは擁護者となって,
文法家の一族や演台に日参する気はありません.
ここから,ご存知の涙が生まれるのです.「満席の劇場で価値のない
書物を朗読し,駄作に威厳を着せるのは恥ずかしいことだ」
もし僕がこう言えば,「君は笑っているね」と言い,「そしてユッピテル*14の耳に君の言葉を
吹き込んでいるのだな.なぜなら君は,詩の蜜で溢れ潤しているのは
自分だけだと信じ,君には自分が立派にみえるのだから」この言葉を鼻であしらうことは
怖くて僕はできません.そして,争う輩の鋭い爪に僕が引き裂かれぬよう,
「君の立ち位置は気に入らん」と声を上げ,そしてインターバルを要求します.
なぜなら,競争は熱い闘争心と怒りを生み,
怒りは凄まじい不和と死をもたらす戦を生むものですから.

*14 アウグストゥスのこと.


【2008/04/09 07:37】 Horatius Epistulae | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『書簡集』1巻19歌19-34

o imitatores, servum pecus, ut mihi saepe
bilem, saepe iocum vestri movere tumultus!   20
libera per vacuum posui vestigia princeps,
non aliena meo pressi pede. qui sibi fidet,
dux reget examen. Parios ego primus iambos
ostendi Latio, numeros animosque secutus
Archilochi, non res et agentia verba Lycamben.   25
ac ne me foliis ideo brevioribus ornes,
quod timui mutare modos et carminis artem,
temperat Archilochi Musam pede mascula Sappho,
temperat Alcaeus, sed rebus et ordine dispar,
nec socerum quaerit, quem versibus oblinat atris, 30
nec sponsae laqueum famoso carmine nectit.
hunc quoque, non alio dictum prius ore, Latinus
vulgavi fidicen. iuvat immemorata ferentem
ingenuis oculisque legi manibusque teneri.

おお,模倣者どもよ,隷属する家畜よ,どれほど繰り返し僕に
怒りを,どれほど繰り返し笑いを,お前たちの騒ぎが引き起こしたことか!
僕は自由人らしく,人のいない場所に足跡をのこしたのであって,
他人の足跡を僕の足で踏んだのではない.自分を信じる者は,
将となって群衆を支配するのだ.パロス*9のイアンボス詩*10を僕は初めて
ラティウムに示したが,アルキロコスの韻律とその精神に
僕は従ったのであって,主題とリュカンベースを責めた言葉*11に従ったのではない.
だが,私が歌の韻律と形式を変えることを恐れたということで,
私をだからといって小さい花冠で飾ることのないようにいうが,
サッポーは男にまじってアルキロコスの韻律で音楽を試み,
アルカイオスも試みた,しかしテーマと配列の点では異なっていたし,
悪意ある詩句で汚名を着せるのに岳父*12を求めることもせず,
悪評たてる歌で,許嫁*12に首縊りの縄を巻き付けることもしなかった.
この詩人*13もまた,他の口では先に語られたことはなかったのだが,その竪琴弾きを,
ラティウム人の僕が世に知らしめたのだ.語られたことのない事を語り,
生まれよき人々の目に読まれ,手に持たれるのが,僕は嬉しいのだ.

*9 キュクラデース諸島の一つ.ナクソス島,デーロス島の近く.アルキロコスの出身地.
*10 U ― U – の韻律単位基本とする詩.風刺を主な内容とする.
*11 リュカンベースは娘ネオブレーをアルキロコスの許嫁としたが,後に翻意したため,アルキロコスの詩によって激しく攻撃され,それがもとで父娘ともに自殺に追い込まれたとされる.
*12 *11参照.
*13 29行のアルカイオスのこと.


【2008/04/09 07:36】 Horatius Epistulae | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『書簡集』1巻19歌1-18

Prisco si credis, Maecenas docte, Cratino,
nulla placere diu nec vivere carmina possunt
quae scribentur aquae potoribus. ut male sanos
ascripsit Liber Satyris Faunisque poetas,
vina fere dulces oluerunt mane Camenae.  5
laudibus arguitur vini vinosus Homerus.
Ennius ipse pater numquam nisi potus ad arma
prosiluit dicenda. 'Forum Putealque Libonis
mandabo siccis, adimam cantare severis:'
hoc simul edixi, non cessavere poetae   10
nocturno certare mero, putere diurno.
quid? si quis vultu torvo ferus et pede nudo
exiguaeque togae simulet textore Catonem,
virtutemne repraesentet moresque Catonis?
rupit Iarbitam Timagenis aemula lingua,  15
dum studet urbanus tenditque disertus haberi.
decipit exemplar vitiis imitabile. quod si
pallerem casu, biberent exsangue cuminum.

もしいにしえのクラティーノス*1に信を置くなら,博識のマエケーナース様,
水しか飲まぬ人*2に書かれるならば,いかなる歌も,
長く人を喜ばせることも,生き続けることもできません.もの狂おしき
詩人を,リーベル神がサテュロスらやファウヌス*3に加えたとたん,
甘美なカメーナ*4は,ほとんど朝から葡萄酒の匂いがすることになりました.
酒を称えたせいで,ホメーロスは酒飲みと決めつけられています.
詩の父エンニウス自身*5,酒をのまずんば,武具に
飛びついて歌わんとはしなかったのです.「私はフォルムとリボーの井戸囲い*6
素面の奴らにくれてやろう,糞真面目なやつらからは歌を取り上げよう」
こう僕が宣言したとたん,詩人たちは
夜も生酒を飲み競うのを,昼も酒で腐臭をたてるのを止めなくなりました.
どうでしょうか?もし誰かが,凄い顔つきをして,また裸足で,
きついトガを纏って,荒々しい出で立ちでカトー*7のまねをするなら,
彼はカトーの徳と習いとを示すことになるでしょうか.
イアルビーテースは,ティーマゲネースに弁舌で競うことで,身を滅ぼしました*8
それは粋で雄弁な者と思われるよう努めることによってでした.
欠点を容易く模倣されてしまう手本に,人は欺かれるものです.だからもし仮に
僕がたまたま顔色を悪くでもしたら,奴らは血の気を引かせるクミンを飲むでしょう.

*1 アテーナイの喜劇詩人で,「酒を飲まぬものは何もいいものを作らない」と言った.
*2 水飲み=酒嫌い.
*3 リーベルはギリシアの酒神バッコスにあたる.サテュロスやファウヌスはお伴の半神.
*4 詩の女神.
*5 ローマの歴史をヘクサメトロスで書いた年代記の他,喜劇,悲劇,風刺詩などを書く.ラテン文学の父とされる.前239-169年.
*6 フォルムの近くにあり,演説などでのどの渇いた人に水を提供していた.
*7 大カトーと呼ばれる,マールクス・ポルキウス・カトー(234-149)とも,小カトーと呼ばれる同名のその孫(95-46)とも考えられる.出で立ちのことが言及されているなら,より近い小カトーであろう.
*8 イアルビーテースは不詳.ティーマゲネースは,アウグストゥス時代の弁論家で,洗練された弁舌に,鋭い皮肉を特徴としていたらしい.


【2008/04/07 20:59】 Horatius Epistulae | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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続けていればいつか終わる……

ホラーティウス『書簡集』1巻ももう終わりが見えてきました.そんなに長くないようにおもっていましたが,行数を数えてみたら1005行もありました.『書簡集』2巻と『詩論』をあわせたよりも長かったのですね…….


【2008/04/07 01:50】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『書簡集』1巻18歌104-112(完結)

me quotiens reficit gelidus Digentia rivus,
quem Mandela bibit, rugosus frigore pagus,  105
quid sentire putas? quid credis, amice, precari?
sit mihi, quod nunc est, etiam minus, et mihi vivam,
quod superest aevi, si quid superesse volunt di;
sit bona librorum et provisae frugis in annum
copia, neu fluitem dubiae spe pendulus horae. 110
sed satis est orare Iovem, quae ponit et aufert.
det vitam, det opes. aequum mi animum ipse parabo.

僕をディーゲンティア*16の冷たい川が生き返らせるたびに??
その川は,寒さでしわよったマンデーラ*17の村中が飲むのだが??
僕がどう感じると思うかね?僕が何をお願いすると信じるかね?
今あるものが,量は少なくなろうと,あらんことを,そして僕が自分自身のために,
もし神々が人生のなにがしかを残すつもりならだが.残りの人生を生きんことを.
本と,食料の蓄えが一年分たっぷりとあることを,
当てにならない未来の望みによって,あちらこちらに靡かぬように,ということだ.
だが,ユッピテルには,彼が下さりもし,取り去りもするものを,下さるよう願うだけで十分だ.
人生をお与えになるよう,財をお与えになるようにと.平静な心は,自分で備えるつもりだ.

*16 ホラーティウスの住む,サビーヌムにある川.現Licenza.
*17 サビーヌムの小村.現在のBardella.


【2008/04/07 00:34】 Horatius Epistulae | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『書簡集』1巻18歌86-103

dulcis inexpertis cultura potentis amici:
expertus metuet. tu, dum tua navis alto est,
hoc age, ne mutata retrorsum te ferat aura.
oderunt hilarem tristes tristemque iocosi,
sedatum celeres, agilem navumque remissi, 90
potores [bibuli media de nocte Falerni
oderunt] porrecta negantem pocula, quamvis
nocturnos iures te formidare tepores.
deme supercilio nubem; plerumque modestus
occupat obscuri speciem, taciturnus acerbi. 95
inter cuncta leges et percontabere doctos,
qua ratione queas traducere leniter aevum,
ne te semper inops agitet vexetque cupido,
nec pavor et rerum mediocriter utilium spes;
virtutem doctrina paret naturane donet;  100
quid minuat curas, quid te tibi reddat amicum;
quid pure tranquillet, honos an dulce lucellum
an secretum iter et fallentis semita vitae.

91 praebent recc. et manu recentiore R l ψ (cf. 14.34 quem bibulum liquidi media de luce Falerni) bibuli ... | oderunt secl. Pottier  98-99 ne ... nec (vel ne) ... recc. : num ... num codd.

未経験の者は,権力者の友と近づきになるのを喜び,
経験者は恐れるもの.君は,君の船が沖にある時に,
風が変わって後ろ向きに君を流さぬようにせよ.
暗い者は,明るい者を嫌い,陽気な者は暗い者を嫌う,
敏捷な者は落ち着いている者を,のんびり屋はきびきびして一生懸命な者を,
[飲まれる(?)ファレルヌム葡萄酒を]飲んだくれる者は
置いてある杯をいやがる者を嫌うもの,
たとえ君が夜に火照るのが嫌だからと言い張ろうともだ.
眉から曇りを取り除きたまえ.大抵は慎ましげな者は
陰気な外見を,口数が少ないと残忍な外見を持ってしまう.
何よりも,本を読み,そして博識の者に尋ねるがよい,
どうやって人生を穏やかに送る事ができるか,
??それは君を欠乏と物欲が,凡庸にしか役立たぬ物への恐れや
欲望が四六時中駆り立て苛まぬようにするためだが??
徳は教育が授けるのか,自然が与えるのか,
何が気苦労を減らし,何が君を君自身の友とするのか,
何が混じり気なしに安静なのか,名誉や嬉しい儲けなのか,
それとも隠れた道,人に知られぬ人生の脇道なのか,ということを.


【2008/04/06 22:08】 Horatius Epistulae | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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