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プロペルティウス第4巻11歌85-102行(完結)

seu tamen adversum mutarit ianua lectum,    85
 sederit et nostro cauta noverca toro,
coniugium, pueri, laudate et ferte paternum:
 capta dabit vestris moribus illa manus;
nec matrem laudate nimis: collata priori
 vertet in offensas libera verba suas.      90
seu memor ille mea contentus manserit umbra
 et tanti cineres duxerit esse meos,
discite venturam iam nunc sentire senectam,
 caelibis ad curas nec vacet ulla via.
quod mihi detractum est, vestros accedat ad annos: 95
 prole mea Paullum sic iuvet esse senem.
et bene habet: numquam mater lugubria sumpsi;
 venit in exsequias tota caterva meas.
causa perorata est. flentes me surgite, testes,
 dum pretium vitae grata rependit humus.    100
moribus et caelum patuit: sim digna merendo,
 cuius honoratis ossa vehantur avis.


102 avis Heinsius : aquis Ω

あるいは,しかしながら,もし入り口が,別の向かい合う床を持ったなら*1
 そして,私の床に,警戒しつつ継母が座ったなら,
子供達よ,父の妻を讃え,受け入れなさい.
 あなた方の振る舞いに負かされて,彼女は手を差し出すでしょう.
だが,母をあまりに讃えてはいけません.以前の母に比較されて,
 自分の気分を害したことに対して,彼女は出るにまかせて言葉を向けるでしょう.
あるいは,彼が私を忘れずに,私の霊に満足したままでいて,
 そして,私の灰がこれほどに大切なものだと思っているなら,
もうすぐにも老年が来るであろうことを知りなさい,
 そして,独り身の心配へのいかなる道もないようにしなさい.
私から取られたものが,あなた方の年令に加わりますように.
 パウッルスが,そうして,私の子孫のために,老人になることを喜びますように.
そして,よかったのです.私は母として,決して喪服をまとうことはありませんでした.
 私の葬儀には,全ての子供達の輪がやってきました.
私の弁論は終わりました.私を嘆いている,証人達,あなた方は立ちなさい,
 生きている時の価を,大地が喜んで返してくれる間に.
良き振る舞いには,天もまた開かれました.美徳によって,私の
 骨が,名誉ある父祖の元へ運ばれて行くのに相応しからんことを.


*1 入り口の近くの床は妻のそれ.つまり,再婚して,別の妻が,その床をもったなら,ということ.

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【2007/02/27 23:15】 Propertius | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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プロペルティウス第4巻11歌67-84行

filia, tu specimen censurae nata paternae,
 fac teneas unum nos imitata virum.
et serie fulcite genus: mihi cumba volenti
 solvitur aucturis tot mea fata meis.     70
haec est feminei merces extrema triumphi,
 laudat ubi emeritum libera fama rogum.
nunc tibi commendo communia pignora natos:
 haec cura et cineri spirat inusta meo.
fungere maternis vicibus pater: illa meorum   75
 omnis erit collo turba ferenda tuo.
oscula cum dederis tua flentibus, adice matris:
 tota domus coepit nunc onus esse tuum.
et si quid doliturus eris, sine testibus illis!
 cum venient, siccis oscula falle genis!     80
sat tibi sint noctes, quas de me, Paulle, fatiges,
 somniaque in faciem credita saepe meam:
atque ubi secreto nostra ad simulacra loqueris,
 ut responsurae singula verba iace.


71 aucturis recc. : uncturis LPΛ : nupturis F meis recc. : malis Ω

娘よ,父の監察官職の手本として生まれたお前よ,
 私を見倣って,只一人の夫を持つよう心がけなさい.
そして,一連の子孫によって,氏族を支えなさい.私は渡し船が出るのを
 喜んでいます,私のこれほどの子孫たちが,私の命を長くするのですから.
これが,女性の凱旋の最大の利益なのです,
 高貴な名声が終えられた葬儀を讃える時には.
今私はあなたに,二人の共通の保証たる子供達を委ねます.
 この心配は,私の灰に焼き付けられて生きているのです.
父であるあなたは,母の声の役目も果たしてください.私の子たちの
 一群は皆,あなたの首に縋られるべきなのです.
泣いている彼らに,あなたが口づけを与える時には,母のそれも加えて下さい.
 全ての家が,今や,あなたの重荷となり始めたのです.
そしてもし何かあなたが悲しむことになったら,彼らが見ないところでそうして下さい.
 もし彼らが来たら,乾いた頬で口づけをしてごまかしなさい.
あなたには十分な夜としてください,パウッルスよ,私を思ってやつれる夜が.
 そして,しばしば私の顔だと思ったその夢で.
そして,こっそりと私の像に向かって語る時には,
 答える者に語るように,一つ一つの言葉をかけて下さい.


【2007/02/27 21:58】 Propertius | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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クセノポーン

クセノポーンに久々のコメンタリーが.

Gray, Vivienne J. Ed. Xenophon on Government. Cambridge Greek and Latin Classics. Cambridge: Cambridge U.P., 2007(5月).

5月刊行予定で,収録されるのは,『ヒエロン』,『ラケダイモン人の国制』,『アテナイ人の国制』です.幸いこれらは日本語訳も入手可能です.

松本仁助 訳『クセノポン小品集』西洋古典叢書.京都:京都大学学術出版会,2000.

さらに,このような本格的研究書も.

真下 英信『伝クセノポン「アテーナイ人の国制」の研究』東京:慶応義塾大学出版会,2001.

興味津々ですが,全部買っていると破産するので,一番上のだけ買う予定でいます.

そのほか,Cambridge U.P.の西洋古典関係の出版物は,http://www.cambridge.org/uk/browse/default.asp?subjectid=1008573でみることができます.Cambridge classical texts and commentariesのシリーズのカタログを見ると,長らく入手不可だった多くの版がin stockになっていました.Shackleton-Baileyのキケロー書簡や,Tacitusのコメンタリーなどはこれを逃すと入手は厳しいかもしれませんね.しかも,ほとんどPaperbackになっているので,お買い得です(それほど安くなってはいないですが).


【2007/02/27 20:20】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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難しい……

エレゲイアの女王,本当にただ事でなく難しいです.この難しさはカッリマコス並みでしょうか.頭がしびれてきました.明日で終わる事を祈りつつ…….


【2007/02/27 04:34】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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プロペルティウス第4巻11歌45-66行

nec mea mutata est aetas, sine crimine tota est: 45
 viximus insignes inter utramque facem.
mi natura dedit leges a sanguine ductas,
 nec possis melior iudicis esse metu.
quaelibet austeras de me ferat urna tabellas:
 turpior assessu non erit ulla meo,       50
vel tu, quae tardam movisti fune Cybeben,
 Claudia, turritae rara ministra deae,
vel cui sacra suos cum Vesta reposceret ignis,
 exhibuit vivos carbasus alba focos.
nec te, dulce caput, mater Scribonia, laesi:    55
 in me mutatum quid nisi fata velis?
maternis laudor lacrimis urbisque querelis,
 defensa et gemitu Caesaris ossa mea.
ille sua nata dignam vixisse sororem
 increpat, et lacrimas vidimus ire deo.     60
et tamen emerui generosos vestis honores,
 nec mea de sterili facta rapina domo.
tu, Lepide, et tu, Paulle, meum post fata levamen,
 condita sunt vestro lumina nostra sinu.
vidimus et fratrem sellam geminasse curulem;  65
 consule quo facto tempore rapta soror.

また,私の人生は変節を経ず,罪なくして全きものでした.
 私は立派に両方の松明の間を生き終えました*1
私には,生来の性が血筋から由来する生き方の法を与えたのです.
 裁判官を恐れる事によっても,これより良くはなり得ないでしょう.
どんな瓶が私について厳しい調書をもたらしても,
 私が傍に座ることによって,どんな女性もより汚らわしくはなりはしないでしょう.
なかなか進まないキュベーベーをともづなを引いて動かした
 クラウディアであるあなた,塔に守られた女神の並ぶ者ない従者も*2
あるいは,聖なるウェスタが自分の火を要求した時,
 白い綿衣は竃が生きていることを示したところのあなたも*3
また,愛しい方よ,母たるスクリーボニアよ,私はあなたの名誉も傷つけませんでした.
 私の中に,死の運命以外に,どんな変節を欲するのでしょう.
私は母の涙と,ローマの嘆きによって讃えられており,
 私の骨は,カエサル*4の嘆きによって擁護されました.
彼は,自分の娘に相応しい妹として生きたこと*5
 嘆きつつ語りました,そして,私は神*4から涙が流れるのを見ました.
そして,しかしながら,気前のよい名誉の衣*6に相応しかったし,
 私は不毛な家から奪われたのではありません.
お前,レピドゥスよ,そして,お前,パウッルス*7よ,私の死後の慰めよ,
 お前達の懐で,私の目は閉じられました.
そして,私は,私の兄弟が高官の席を二度座ったのを見ました,
 彼が執政官となったその喜ばしい時に,姉妹たる私は奪い去られたのです.


*1 結婚の松明と,葬儀の松明の間.つまり,結婚の時から葬儀の時まで.
*2 キュベーベーを乗せた船がティベリス川をさかのぼろうとするとき,立ち往生していると,不品行の噂を立てられたクラウディアという女性は,この船を引くことができ,それで純潔を証明した.
*3 ウェスタの女司祭であったアエミリアは,ウェスタの火を消して,不品行の疑いをかけられたが,彼女の衣を竃に置くと燃え上がり,純潔が証明された.
*4 アウグストゥス.
*5 コルネーリアはユーリアとは腹違いの姉妹.
*6 3人以上子供を生むと,女性用のストラと呼ばれる衣が与えられた.
*7 M.Aemilius Lepidusと,L.Aemilius Paullusが彼女の息子であった.


【2007/02/27 04:20】 Propertius | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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プロペルティウス第4巻11歌23-44行

Sisyphe, mole vaces; taceant Ixionis orbes;
 fallax Tantaleo corripere ore liquor;
Cerberus et nullas hodie petat improbus umbras; 25
 et iaceat tacita laxa catena sera.
ipsa loquor pro me: si fallo, poena sororum
 infelix umeros urgeat urna meos.
si cui fama fuit per avita tropaea decori,
 Aera Numantinos nostra loquuntur avos:    30
altera maternos exaequat turba Libones,
 et domus est titulis utraque fulta suis.
mox, ubi iam facibus cessit praetexta maritis,
 vinxit et acceptas altera vitta comas,
iungor, Paulle, tuo sic discessura cubili:      35
 in lapide hoc uni nupta fuisse legar.
testor maiorum cineres tibi, Roma, colendos,
 sub quorum titulis, Africa, tunsa iaces,
et, Persen proavi stimulat dum pectus Achilli,
 qui tumidas proavo fregit Achille domos,    40
me neque censurae legem mollisse neque ulla
 labe mea nostros erubuisse focos.
non fuit exuviis tantis Cornelia damnum:
 quin et erat magnae pars imitanda domus.


39 stimulat Plessis, dum Goold : stimulantem Ω  40 qui tumidas Heyne : quique tuas Ω  42 nostros recc. : vestros Ω

シーシュポスよ,重荷から解放されなさい.イクシーオーンの車輪は黙さんことを.
 欺く水もタンタロスの口に奪われなさい.
悪辣なケルベロスは,今日はいかなる霊も襲わぬように.
 そして,緩んだ閂から,鎖がだまって垂れ下がっているように.
私自身が,私のために語ります.もし嘘をついていれば,姉妹たちを
 苦しめる瓶が,私の肩を苛むように.
もし誰かに,父祖の戦勝記念による名声が名誉であったなら,
 我々の青銅の戦利品が,ヌマンティアゆかりの父祖*1のことを語っています.
もう一方の人々も,母方のリボーネースの一族に匹敵し,
 そしてどちらの家も,自らの碑文に支えられています.
やがて,縁付きの着物が婚礼の松明に譲り*2
 別のリボンが髪の毛をまとめて結わえた時,
私は,パウッルスよ,このように死ぬ定めを持ちながら,あなたの床と結ばれたのです.
 この一つの石に,私は嫁であったことが読まれるでしょう.
私は誓います,ローマよ,あなたに尊敬されるべき先祖の遺骨にかけて,
 その先祖たちは,その碑銘の下で,アフリカよ,お前が打ちのめされて倒れており,
そして,先祖のアキッレウスの心意気がペルセースを鼓舞した時,
 先祖のアキッレウスのせいで意気の上がった家を打ち倒したその人であるのですが*3
私は検察官の法律も緩くはしませんでしたし,決して
 私の不品行によって,我々の竃が恥をかくことはありませんでした.
これらの戦勝記念に対して,コルネーリアは泥を塗りはしませんでした.
 それどころか,偉大な家の,模倣されるべき一部であったのです.


*1 Scipio Aemilianus. 前133年,スペインでヌマンティアを破る.
*2 ローマでは,幼少期は縁取りのついたトガを着ていた.
*3 Aemilius Paullusは前168年に,マケドニアの王ペルセースを破り,王国を滅ぼす.
*4 Corneliaの夫Aemilius Lepidus Paullusは,監察官の仕事を前22年にアウグストゥスから受け継いでいる(Hutchinson: ad 41).


【2007/02/26 23:13】 Propertius | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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久々に

やろうやろうと思いつつ,プラトーンをほったらかしに…….待っていらっしゃる方がいたら,申し訳ございませんでした.目の疲れもとれて来たので,週2回ぐらいは投稿できるかと.

こちらも久々ですが,プロペルティウスをやりました.これは最近,

Hutchinson, Gregory Ed. Propertius : Elegies Book IV.Cambridge Greek and Latin Classics. Cambridge: Cambridge U.P., 2006.

を購入したので,記念というわけでもないですが,一番有名というか,悪名高いRegina elegiarumを訳しておこうと思ったので.これを昔読んだ時には,あまりの難しさに辟易して,しばらくはエレゲイア詩は見るのも嫌になりました.
 ちょっとプロペルティウスを検索してみると,結構新刊がでていました.

Cairns, Francis. Sextus Propertius : The Augustan Elegist. Cambridge: Cambridge U.P., 2006.

Fedeli, Paolo Ed. Properzio : Elegie libro II. Introduzione, teste e commento. Arca Classical and Medieval Texts, Papers and Monographs. Cambridge: Francis Cairns, 2006.

Günther, Hans-Christian Ed. Brill's Companion to Propertius. Leiden: Brill, 2006.

内容は知りませんが,どれも値段がすごくたかいのです.BrillのCompanionは3万円以上,Fedeliの注釈は4万円以上で,OLDと同じぐらい…….教授でもやっていない限り個人では買えないですね(やっていても公費で買うでしょう).TIbullusに続く,CairnsのPropertiusの研究書はできれば買いたいですが,これも1万数千円.しかし,これはTibullusと同じく,いずれペーパーが出ると踏んでいます.辛抱して待ちましょう.こういう値段をみると,やはり学問というのは特別な階級の人間がやるものなのかなあとも思います.せめて,日本の本は安くして欲しいですが,西洋古典叢書,やっぱり高いですねえ.


【2007/02/26 04:49】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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プラトーン『エウテュプローン』4c-e
e0pei_ o3 ge a0poqanw_n pela/thv tiv h]n e0mo/v, kai_ w(v e0gewrgou~men e0n th=| Na/cw|, e0qh/teuen e0kei~ par 0 h9mi~n. paroinh/sav ou]n kai_ o0rgisqei_v tw~n oi0ketw~n tini tw~n h9mete/rwn a0posfa/ttei au0to/n. o9 ou]n path_r sundh/sav tou_v po/dav kai_ ta_v xei=rav au0tou=, katabalw_n ei0v ta/fron tina/, pe/mpei deu=ro a1ndra peuso/menon tou= e0chghtou=, o3ti xrei/h poiei=n. e0n de_ tou/tw| tw~| xro/nw| tou= dedeme/nou w)ligw/rei te kai_ h0me/lei, w(v a0ndrofo/nou kai_ ou0de_n o2n pra~gma, ei0 kai_ a0poqa/nei, o3per ou]n kai_ e1paqen: u9po_ ga_r limou= kai_ r9i/gouv kai_ tw~n desmw~n a0poqnh|/skei pri_n to_n a1ggelon para_ tou= e0chghtou= a0fike/sqai.tau=ta dh_ ou]n kai_ a0ganaktei= o3 te path_r kai_ oi9 a1lloi oi0kei=oi, o3ti egw_ u9pe_r tou= a0ndrofo/nou tw~| patri_ fo/nou e0pece/rxomai ou1te a0pokteinanti, w3v fasin e0kei=noi, ou1t 0 ei0 o3ti ma/lista a0pe/kteinen, a0ndrofo/nou ge o1ntov tou= a0poqano/ntov, ou0 dein fronti/zein u9pe_r tou= toiou/tou - a0no/sion ga_r ei]nai to_ u9o_n patri_ fo/nou e0pecie/nai - kakw~v ei0do/tev, w} Sw/kratev, to_ qei=on, w(v e1xei tou= o9si/ou te pe/ri kai_ tou~ a0nosi/ou. というのも,その殺された当の者は,私のお抱えの一人で,そして,我々がナクソス島で農業をしていた時に,そこで我々のところで使われていたのです.そうして,酒に酔って,我々の奴隷のある者に立腹し,彼の喉を掻き切ります.そうして,父は彼の足と手を縛って,どこかの溝に放り込んでから,宗教学者に,何をすることが必要かを教えてもらうために,ここへ人を遣りました.そして,その間,縛られた男のことは構わずに,そして,気にもかけませんでした.人殺しであり,そして,たとえ死んでも問題はないという理由で.そうして,まさにその事が,起こりもしたのです.というのも,彼は,餓えと寒さと縛めのせいで,使者が宗教学者の許から到着する前に,死んだのです.そうして,まさにこの事で,父と他の家人は,困惑しているのです,この私が,人殺しのために,父を殺人罪で訴追しているという事でね.というのも,その父は,彼らが言うには,殺したのではないし,もし万一殺したとしても,殺されたものは少なくとも人殺しだから,そんな者のために,気配りをする必要はないというのです.実際息子が父を殺人罪で訴追することは,不敬虔だと言うことで.彼らは神的な事柄を,間違って理解しているのです,ソークラテースよ,敬虔と不敬虔について,それがどんなものであるか,ということをね.


【2007/02/26 02:21】 Plato Euthyphro | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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プロペルティウス第4巻11歌1-22行

Desine, Paulle, meum lacrimis urgere sepulcrum:
 panditur ad nullas ianua nigra preces;
cum semel infernas intrarunt funera leges,
 non exorato stant adamante viae.
te licet orantem fuscae deus audiat aulae,   5
 nempe tuas lacrimas litora surda bibent.
vota movent superos: ubi portitor aera recepit,
 obserat herbosos lurida porta rogos.
sic maestae cecinere tubae, cum subdita nostrum
 detraheret lecto fax inimica caput.     10
quid mihi coniugium Paulli, quid currus avorum
 profuit aut famae pignora tanta meae?
non minus immitis habuit Cornelia Parcas:
 et sum, quod digitis quinque legatur, onus.
damnatae noctes et vos, vada lenta, paludes, 15
 et quaecumque meos implicat unda pedes,
immatura licet, tamen huc non noxia veni:
 det Pater hic umbrae mollia iura meae.
aut si quis posita iudex sedet Aeacus urna,
 in mea sortita iudicet ossa pila:       20
assideant fratres, iuxta et Minoida sellam
 Eumenidum intento turba severa foro.

お止め下さい,パウッルスよ,私の墓を涙で苛むのは.
 いかなる祈りにも,黒い門は開かれないのです.
一度死者が地下の定めのもとに入ったなら,
 その道は願いを聞き入れない鋼のものとなって立ちはだかるのです.
あなたが祈るのを,暗い王宮の神*1が耳を傾けたところで,(5)
 あなたの涙は疑いなく耳を貸さぬ岸辺が飲み込むのです.
誓いは神々をも動かします.しかし三途の川の渡し守が渡し賃を受け取った時,
 土気色の門は草だらけの焼き場の薪に閂をかけるのです.
このように悲しげに葬送ラッパは歌ったのです,松明が憎らしくも
 寝台の下に入れられて私の命を奪った時に.(10)
私にとって,パウッルスとの婚姻が,父祖の凱旋が,
 あるいは私の名声のこれほどの保証が,何の役に立ったのでしょう.
同じように,コルネーリアは,つれない運命女神を持ったのです.
 そして私は,5本の指で集められる重さとなったのです.
忌まわしい夜よ,そしてお前たち,粘る浅瀬よ,沼よ,(15)
 そして,何であれ,私の足にまとわりつく水よ,
早すぎるにせよ,しかし私は罪あるものとしてここへ来たのではありません.
 父神が,ここで私の霊に,穏便な処遇をお与え下さるように.
あるいはもしアイアクス*2か誰かが瓶を置いて裁判官として座すなら,
 籤が引かれて私の骨の順番が来た時に,裁きをせんことを.(20)
かれの兄弟も座せんことを,そして,ミーノースの座の隣に,
 厳正な裁きに対して無情な復讐女神の群れも座せんことを.


アエミリウス・レピドゥス・パウッルスAemilius Lepidus Paullusの早生した妻で,アウグストゥスの最初の妻スクリーボニアとの娘であるコルネーリアが,冥界で語る歌.プロペルティウスのエレゲイア詩集最終巻の末尾を飾る作品で,エレゲイアの女王(Regina elegiarum)とすら言われますが,本文はまさに難解そのもので,多分伝承の過程で誤写などが数多く生じていると思います.とりあえず比較的穏健な路線でやっていますが,もっと過激に本文を修正する人もいます.

*1 プルートー.
*2 ゼウスと河の神の娘アイギーナとの子で,死後冥界の裁判官となる.


【2007/02/26 00:04】 Propertius | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホメーロス

ホメーロス久しぶりに読んでみました.最初の7行は暗唱してはいたのですが,改めてテクストを打ち込んでみると,アクセントをめちゃくちゃに暗記していました.つまり,昔読んだ時って全然アクセント正確に発音できなかったというか,適当に発音していたということです…….当時は先を読むのに精一杯で,細かいところはでたらめだったのですね.まあ思わぬ所で恥をかかないためにも,ギリシア語を初められる方も,もうキャリアが長い方も,アクセントと長短は正確に読むくせをつけましょう(自分のことだ……).


【2007/02/24 04:08】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホメーロス『イーリアス』第1巻1-7行

Mh~nin a1eide, qea_, Phlhi+a/dew70Axilh=ov
ou0lome/nhn, h4 muri/ 070Axaioi~v a1lge 0 e1qhke,
polla_v d 0 i0fqi/mouv yuxa_v71Ai+di proi5ayen
h9rw/wn, au0tou_v de_ e9lw/ria teu~xe ku/nessin
oi0wnoi=si/ te pa~si, Dio_v d 0 e0telei/eto boulh/,
e0c ou{ dh_ ta_ prw~ta diasth/thn e0ri/sante
70Atrei5dhv te a1nac a0ndrw~n kai_ di=ov70Axilleu/v.

怒りを歌え,女神よ,ペーレウスの子アキレウスの
呪われし怒りを,それは数知れぬ苦難をアカイア勢にもたらし,
多くの高貴なる英雄らの魂を冥界に送り込み,
その身体は犬どもとあらゆる類いの鳥どもに
獲物とし,そうしてゼウスの計画は実現されていった,
歌え,まさに初めて二人が争い対立したところから,
人々の王たるアトレウスの子と,素晴らしきアキッレウスの二人が.


【2007/02/24 03:47】 CARMINA GRAECA | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー概説

最近キケローもぼちぼち研究されている方々が出て,岩波でも選集が出て,日本人による伝記関係もでていますが,やっぱり一番手軽でしっかりしているとなると,これでしょうか.

グリマル,ピエール 著 高田康成 訳『キケロ』文庫クセジュ.東京:白水社,1994.

実はこれのフランス語版を入手して,フランス語の勉強にしようとも思った事があったのですが,現在フランス語版は絶版のようで,図書館などでなければ入手できないようです.グリマルはのちに次の本を出していて,こちらがグリマルのキケローといえば,こちらのほう,いうことのようです.

Grimal, Pierre. Cicéron. Paris: Fayard, 1986.

その他,めぼしいキケロー関係の文献は上記の文庫クセジュの巻末に載っています.

で,まあどうしてグリマル『キケロ』を取り上げたかというと,この96-98頁に,キリキアの属州総督になるに至った経緯や統治ぶりなどが,短いですが,本当にわかりやすく書いてあるのです.これを読むと,Wardleの殆ど日程のみの注が,人間キケローのキリキアでの生き様にまで立体化して,感動的ですらあります(ちょっと大袈裟ないい方ですが).名著は必ずしも大部ならず,ということでしょうか.翻訳も非常に優れていて,よどみなく読む事ができますし,絶対おすすめですね.それにしても,だれかフランス語に堪能な方,下のほうの本を翻訳しないでしょうか.


【2007/02/24 01:40】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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英語でしゃべらナイト

 釈さんと松本アナが卒業らしいです.もう結構しゃべれるようにもなっていて,番組の設定レベルを越えつつあるということなのでしょうね.この番組はたまにブログの翻訳などしながら聞いていましたが,英語のアナウンサーしている男性の声が,かなりリズム感がよい英語で,その御蔭で結構耳がなれてきました.NHKには批判も多いですが,教育関係の番組は他局とは比較にならないぐらいいいですね.


【2007/02/23 23:35】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー『卜占について』第1巻2

2 Gentem quidem nullam video neque tam humanam atque doctam neque tam immanem tamque barbaram, quae non significari futura et a quibusdam intellegi praedicique posse censeat. Principio Assyrii, ut ab ultimis auctoritatem repetam, propter planitiam magnitudinemque regionum, quas incolebant, cum caelum ex omni parte patens atque apertum intuerentur, traiectiones motusque stellarum observitaverunt, quibus notatis quid cuique significaretur, memoriae prodiderunt. Qua in natione Chaldaei, non ex artis sed ex gentis vocabulo nominati, diuturna observatione siderum scientiam putantur effecisse, ut praedici posset, quid cuique eventurum, et quo quisque fato natus esset. Eandem artem etiam Aegyptii longinquitate temporum innumerabilibus paene saeculis consecuti putantur. Cilicum autem et Pisidarum gens et his finituma Pamphylia, quibus nationibus praefuimus ipsi, volatibus avium cantibusque, <ut>*1 certissimis signis, declarari res futuras putant.

*1  ut addidit Lambinus: et addidit V2

2 実際,私の知るところでは,来るべき事が予兆され,そして,ある種の人々によって理解され予言されることはできないと考えるほど,洗練された,かつ博識な民族も,野卑野蛮な民族も存在しない.最も遠い時代から根拠を探すとすれば,最初にアッシュリア人は,彼らが住むところの地域の平坦さと広大さの故に,全く曇りなく開けた天を見た時に,星々の進行と動きを観察し,それらを記録して,何が各々に予兆されているのかを,後世に伝えたのだ.その国で,カルダエイー人*1は??彼らはその技の名前でなく,民族の名前で呼ばれているのだが??長期にわたる星々の観察によって,その学問を確立し,その結果,何が各々に起こるであろうか,そして,各々がいかなる運命に生まれたかを予言することができるようにした,と考えられている.同じ技術を,エジプト人もまた,長い時にわたって,殆ど無限の世紀をかけて,手に入れたと考えられている.一方,キリキアの民とピシディアの民と,これらに隣接するパンピュリア*2は??これらの国々を私自身が統治したことがあるのだが*3??鳥の飛び方と歌い方を,最も確実な兆とし,それらによって来るべき事々が明らかにされうると考えていた.


*1 本来アッシリア人ではなく,アラム人.バビロニア南部に住む.
*2 キリキア,ピシディア,パンピュリアは,いずれも小アジア南部の地域.
*3 キケローは前51年7月から翌年7月までこれらの地域の統治を行っていた.


【2007/02/23 20:36】 Cicero De divinatione | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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メレアグロス Gow-Page 41, A.P.5.24 (伝フィロデーモス)

Yuxh/ moi prole/gei feu/gein po/qon79Hliodw/rav,
77da/krua kai_ zh/louv tou_v pri_n e0pistame/nh.
fhsi_ me/n: a0lla_ fugei=n ou1 moi sqe/nov: h9 ga_r a0naidh_v
77au0th_ kai_ prole/gei, kai_ prole/gousa filei=.

我が魂は僕に警告している,ヘーリオドーラを好くのは止せと.
 以前の涙と妬みを知っているから.
そう警告している.だが僕には逃げる力はない.無恥なる
 彼女も僕に警告しているが,警告しながらも僕を愛している.


【2007/02/22 18:18】 Meleager | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ティブッルス第1歌第7歌49-64行(完結)

huc ades et Genium ludis centumque choreis
 concelebra et multo tempora funde mero:   50
illius et nitido stillent unguenta capillo,
 et capite et collo mollia serta gerat.
sic venias hodierne: tibi dem turis honores,
 liba et Mopsopio dulcia melle feram.
at tibi succrescat proles, quae facta parentis   55
 augeat et circa stet veneranda senem.
nec taceat monumenta viae, quem Tuscula tellus
 candidaque antiquo detinet Alba Lare.
namque opibus congesta tuis hic glarea dura
 sternitur, hic apta iungitur arte silex.      60
te canet agricola, a magna cum venerit urbe
 serus inoffensum rettuleritque pedem.
at tu, Natalis multos celebrande per annos,
 candidior semper candidiorque veni.

ここへ来たまえ*1,そして,ゲーニウス*2を競技と百もの歌舞によって
 共に祝い,そして,頭に多くの生酒を注ぎたまえ.
彼のてかてかに輝く頭から,香油が滴り落ちんことを,
 そして,頭と首とに,柔らかい花冠を冠らんことを.
今日の日に,あなた*3が来らんことを.さすればあなたに香の栄誉と,
 お供え菓子と,モプソスの地の蜂蜜の甘物*4を私は捧げよう.
だが,あなたには子孫が育ち,父の業績を増し,
 そして年老いた父を尊敬すべく,その回りに立たんことを.
そして,トゥスクルムの地と,古の土地神おわす
 輝けるアルバにいる者が,道の記念碑を黙ってはいないように*5
なぜなら,あなたの財産によって,ここに硬い砂利が集められて
 敷かれたのだから,ここに相応しい仕方で敷石が組まれたのだから.
あなたを農夫が歌うだろう,大いなる都から夜遅くに帰って行く時に,
 そして,妨げなく足を運んで家路をゆく時に.
だが,汝,多くの年にわたって祝われるべき生誕の神よ,
 つねにより輝かしく,より輝かしく来たらんことを.


*1 オシーリスへの呼びかけ.
*2 ローマでの個人の守護神.
*3 ゲーニウスへの呼びかけ.
*4 モプソスはアッティカの神話時代の王.モプソスの地は,アッティカのこと.アッティカのヒュメットゥスでは蜂蜜が特産であった.
*5 メッサッラはトゥスクルムとアルバ・ロンガの間のウィア・ラティーナ(ラテン街道)の修復を担当した.


【2007/02/21 23:56】 Tibullus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス2冊

Harrison, Stephen Ed. Cambridge Companion to Horace. Cambridge Companions to Literature. Cambridge UP., 2007. ISBN 9780521536844. US$ 27.99 (Paperback).

ケンブリッジから,ホラーティウスのコンパニオンが出ていました.しかし値段が安い.西洋古典叢書の一冊とほぼ同じ値段ぐらいですね.Brillがこの10倍ぐらいの値段でコンパニオンを出しているのを考えると,本当に良心的です.
 もう一つ朗報は……

Nisbet, R. G. M. and Niall Rudd. A Commentary on Horace: Odes Book III. Oxford: Oxford UP., 2007 (Paperback4月発売予定). ISBN 9780199288748. US$55.00 (Paperback)

なんとNisbet-Ruddが,ペーパーバックで買えます.2万円以上していたのが,これで7000円ぐらいにまでなりました.高いことは高いですが,なんとか個人で充分買えそうな値段です.いや,はやまらなくてよかったです(笑).


【2007/02/21 02:50】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ティブッルス第1歌第7歌23-48行

Nile pater, quanam possim te dicere causa
 aut quibus in terris occuluisse caput?
te propter nullos tellus tua postulat imbres,   25
 arida nec pluvio supplicat herba Iovi.
te canit atque suum pubes miratur Osirim
 barbara, Memphiten plangere docta bovem.
primus aratra manu sollerti fecit Osiris
 et teneram ferro sollicitavit humum,     30
primus inexpertae commisit semina terrae
 pomaque non notis legit ab arboribus.
hic docuit teneram palis adiungere vitem,
 hic viridem dura caedere falce comam:
illi iucundos primum matura sapores      35
 expressa incultis uva dedit pedibus.
ille liquor docuit voces inflectere cantu,
 movit et ad certos nescia membra modos:
Bacchus et agricolae magno confecta labore
 pectora tristitiae dissolvenda dedit.      40
Bacchus et adflictis requiem mortalibus adfert,
 crura licet dura compede pulsa sonent.
non tibi sunt tristes curae nec luctus, Osiri,
 sed chorus et cantus et levis aptus amor,
sed varii flores et frons redimita corymbis,    45
 fusa sed ad teneros lutea palla pedes
et Tyriae vestes et dulci tibia cantu
 et levis occultis conscia cista sacris.

父たるナイル川よ,一体どんな理由で,
 またどの地に,あなたは頭を隠していると私は言おうか?
あなたの御蔭で,あなたの流れる地はいかなる雨も必要としないし,(25)
 乾いた草が雨恵むユッピテルに祈ることもない.
あなたを異邦の民はオシーリス*1として歌いかつ讃える,
 メンピースの牛*2の死を嘆く事を知る民は.
最初にオシーリスが巧みな手で鋤を作り,
 そして,鉄でか弱き大地を掘り返したのだ.(30)
最初に彼が経験のない大地に種を蒔き,
 知られていない樹々から果実を摘んだのだ.
彼が柔らかい葡萄の蔓を杭に結わえ,
 彼が青々した葉を硬い鎌で切り落とすことを教えたのだ.
彼のために,初めて熟した葡萄が(35)
 野卑な足で踏み搾られて甘美な果汁を与えたのだ.
かの果汁が歌によって声を曲げることを教え,
 決まったリズムにあわせて,身体を知らず知らず踊らせたのだ.
バッコスが多大な労苦で疲れた農夫の
 心を苦しみから解放させたのだ.(40)
バッコスは苛まれた人々に休息をもたらす,
 たとえ足から硬い足枷の打ち合わされる音を出していても*3
あなたには,オシーリスよ嫌な心労も苦痛も相応しくはなく,
 歌舞隊と歌と気安い愛が相応しい,
様々な花と,木蔦を巻いた額と,
 華奢な足下にまで裾が届くサフラン色の着物が,
そして,テュロスの衣*4と甘い歌の笛と,
 秘密の聖儀の知る所である,軽い箱*5が相応しい.


*1 エジプトの最高神で,ユッピテルと同一視される.
*2 オシーリスの具現とされた黒毛の雄牛で,メンピスで養われ崇められていた.
*3 つまり,奴隷の状態にあっても.
*4 テュロス産の紫貝の染料で染められた効果な衣服.
*5 聖物が入っている箱.枝の篭であるために軽い.


【2007/02/21 00:54】 Tibullus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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Ad Fontes

  The Latin Library http://www.thelatinlibrary.com/index.html

もう知っている人は知っているでしょうが,ラテン語のテクストがおかれているサイトです.そこの一部ですが,リンクのページがなかなかすごいです.

  THE CLASSICS PAGE at Ad Fontes Academy http://www.thelatinlibrary.com/classics.html

このサイトをやっているのは,Ad Fontes Academyという,アメリカの小中高一貫教育(K-12)のプロテスタントの学校 のようです.このようなページを主催しているところを見ると,古典語教育も重点的にやっているようですね.この学校からも,未来の文献学者が生まれてくるのでしょうか.


【2007/02/20 03:31】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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テオクリトス第1歌137-52行(完結)

Lh/gete boukolika~v, Moi=sai, i1te lh/get 0 a0oida~v.

xw@ me_n to/ss 0 ei0pw_n a0pepau/sato: to_n d 070Afrodi/ta
h1qel 0 a0norqw~sai: ta/ ge ma_n li/na pa/nta leloi/pei
e0k Moira~n, xw) Da/fniv e1ba r(o/on. e1kluse di/na77140
to_n Moi/saiv fi/lon a1ndra, to_n ou0 Nu/mfaisin a0pexqh~.

Lh/gete boukolika~v, Moi=sai, i1te lh/get 0 a0oida~v.

kai_ tu_ di/dou ta_n ai]ga to/ te sku/fov, w#v ken a0me/lcav
spei/sw tai=v Moi/saiv. w} xai/rete po/llaki, Moi=sai,
xai/ret 0: e0gw_ u1mmin kai_ e0v u3steron a3dion a0|sw~.77145

7777777777777AIPOLOS
Plh~re/v toi me/litov to_ kalo_n sto/ma, Qu/rsi, ge/noito,
Plh~rev de_ sxado/nwn, kai_ a0p 0 Ai0gi/lw i0sxa/da trw/goiv
a9dei=an, te/ttigov e0pei_ tu/ga fe/rteron a1|deiv.
h0ni/de toi to_ de/pav: qa~sai, fi/lov, w(v kalo_n o1sdei:
79Wra~n peplu/sqai nin e0pi_ kra/naisi dokhsei~v.77150
w{d 0 i1qi, Kissai/qa: tu_ d 0 a1melge/ nin. ai9 de_ xi/mairai,
ou0 mh_ skirtash~te, mh? o9 tra/gov u1mmin a0nasth=|.

止めたまえ,ムーサらよ,さあ,止めたまえ,牧人の歌を.

そして,彼はこれだけ語って終わりを迎えた.彼をアプロディーテーは
起き上がらせようとした.だが,運命女神らの糸は全て
なくなっていた,そして,ダプニスは川*1に入った.水の渦が(140)
ムーサらに愛された男,ニンフらにも好まれた男を洗った.

止めたまえ,ムーサらよ,さあ,止めたまえ,牧人の歌を.

そして,君は山羊と杯をくれ,僕は乳を搾って
ムーサらに捧げよう.おお,さらば,さらば,ムーサらよ,
さらば.僕はあなた方に,後々もまた甘く歌うだろう.(145)

         山羊飼い
君の口が蜂蜜でいっぱいになるように,テュルシスよ,
そして,蜂巣でも,そして,アイギリア*2の甘い干しイチジクを
噛むがいい,なぜなら,君ときたら,蝉よりも見事に歌うのだから.
さあ,君の杯だ.見てくれ,友よ,どんなによい香りがするかを.
君はこれはホーラら*3の泉で洗われたと思うだろう.(150)
こちらへ来い,キッサイタ*4よ.そして,君はこいつの乳を搾るがいい.だが,雌山羊たち,
跳ね回るんじゃない,雄山羊がお前達に乗っからないようにな.


*1 冥界の川.
*2 アテーナイで,イチジクの産地として有名なデーモス.
*3 季節の女神.
*4 雌山羊の名前.


【2007/02/19 22:43】 Theocritus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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Wardleの注釈を使ってみて

Wardle, David. Cicero on Divination: Book 1. Translated with Introduction and Historical Commentary by. Clarendon Ancient History Series. Oxford: Clarendon Press, 2006.

前の投稿で,Wardleの上の本について,ちょっと悪印象を持つような書き方をしてしまいました.Peaseと比較しながら実際幾つかの章を読んでみましたが,最初の印象よりはかなりいい注釈でした.

文法注はあまりないですが,語の意味範囲などは,他の研究者の解釈と異なる部分など,適宜必要なところに簡潔にかかれていました.同じ箇所に対する注を比較しても,Peaseの注釈からは大分進歩しているところが多く,研究者で解釈が別れている部分も,簡潔に取るべき解釈とその根拠が述べられています.もちろん,Peaseから80年以上経っているので,その間の最新の情報,特にこの10数年のそれが,大量に加わっていて,この本が対象にしている,宗教史関係の研究をするにしても,本文を中心に研究するにしても,これからは必要不可欠な注釈でしょう.

ラテン語の本文がついていなくて,しかも注の見出しが英語訳というのには,フラストレーションは感じますが,Peaseなどの本文を,Wardleの翻訳と対象して,対応関係を把握しておいてから,Wardleの注を読む,という感じにすれば,見失うことはないかと思います.英語が簡明なのが,この不都合をかなり補ってくれました(でもやっぱり対訳があったらもっとよかったと思いますが).ただ,ラテン語を充分学習していない学生が使う時に,どの程度この形式が有利に働くのかは,ちょっと疑問に思いますが,Peaseのように,ギリシア語・ラテン語が自由に読める事を前提にしている注釈よりは,ずっと馴染みやすいでしょう.

Wardleによると,H.HineによるDe Divinationeの校訂本が,Oxford Classical Textシリーズで準備されているそうで,いつ出版されるのかはわからないですが,待ち遠しい限りです.やっぱりApparatus Criticusが不十分な状態で読まざるを得ないというのは,ちょっと不安ですね.

それと,Wardleが底本にしているテクストについてですが,調べてみると,一つはまだ現役で入手可能のようです(前者).後者は日本の図書館にもないようで,書誌情報も正確なところはわかりません.さすがにここまで買う気はないですが,本気で読まれる方の参考までに.

Schäublin, Christoph. Cicero: De Divinatione. Lat.-Dtsch. Hrsg, übers., u. erl. von. München:Artemis & Winkler, 1991.

Timpanaro, S. Cicerone: Della divinazione. Milan: 出版社未確認, 1988.

底本にはしていないようですが,比較的最近の校訂本としては次のものがありました.

Giomini, Remo. Cicero: De divinatione. De fato. Timaeus. Leipzig: Teubner, 1975.


そんなわけで,そろそろDe Divinationeの翻訳でも始めようかと思っています.長いので,途中でくじけなければいいのですが…….


【2007/02/18 22:13】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(2) | 記事修正

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テオクリトス第1歌122-36行

71Arxete boukolika~v, Moi~sai, pa/lin a1rxet 0 a0oida~v.

w} Pa_n Pa/n, ei1t 0 e0ssi_ kat 0 w!rea makra_ Lukai/w,
ei1te tu/g 0 a0mfipolei=v me/ga Mainalon, e1nq 0 e0pi_ na~son
ta_n Sikela/n,79Eli/kav de_ li/pe r(i/on ai0pu/ te sa~ma77125
th=no Lukaoni/dao, to_ kai_ maka/ressin a0ghto/n.

Lh/gete boukolika~v, Moi=sai, i1te lh/get 0 a0oida~v.

e1nq 0, w}nac, kai_ ta/nde fe/reu paktoi=o meli/pnoun
e0k khrw~ su/rigga kalo_n peri_ xei=lov e9likta/n:
h] ga_r e0gw_n u9p 071Erwtov e0v73Aidan e3lkomai h1dh.77130

Lh/gete boukolika~v, Moi=sai, i1te lh/get 0 a0oida~v.

nu=n i1a me_n fore/oite ba/toi, fore/oite d 0 a1kanqai,
a9 de_ kala_ na/rkissov e0p 0 a0rkeu/qoisi koma/ssai,
pa/nta d 0 a1nalla ge/noito, kai_ a9 pi/tuv o1xnav e0nei/kai,
Da/fniv e0pei_ qna/skei, kai_ ta_v ku/nav w#lafov e3lkoi,77135
kh0c o0re/wn toi_ skw~pev a0hdo/si garu/sainto. 0 0

始めたまえ,ムーサらよ,再び始めたまえ,牧人の歌を.

パーンよ,パーンよ,あなたがリュカイオス*1の大きな山におわすとも,
あなたが大きなマイナロス山*2を歩き回っていようとも,そこからシチリアの島に
来たまえ,そして,ヘリケーの頂き*3と,リュカオーンの孫の(125)
聳えるかの墓*4を捨てよ,それは至福の神々にさえ賞賛に値するものではあるが.

止めたまえ,ムーサらよ,さあ,止めたまえ,牧人の歌を.

来たまえ,主よ,そして,この繋ぎの蜜蝋でよい香りのする,
口のところで繋がれた美しい牧笛を取りたまえ.
なんとなれば,僕はエロースによって,冥界へと引き込まれたのだから.(130)

止めたまえ,ムーサらよ,さあ,止めたまえ,牧人の歌を.

さあ,キイチゴよ,スミレの花を咲かせよ,アカンサスも,スミレの花を咲かせよ,
美しいスミレも,ネズの樹に咲くがよい.
そして,全てが変わればよい,そして,松の木が梨をつければよい,
なぜなら,ダプニスが死ぬのだから,そして,雄鹿が犬を引き裂き,(135)
山で梟がナイチンゲールに歌いかければよい*5


*1 アルカディア南西部の山.
*2 アルカディア中央の山.
*3 ヘリケーはカッリストーの別名.ゼウスにより,アルカースを生ませられたため,ヘーラーに憎まれて熊に変えられる.彼女の墓はマイナロス山の南西部にあったとされる.
*4 リュカオーンはカッリストーの父で,彼の孫はアルカースのこと.その墓は,マイナロスにあった.
*5 梟は人里の鳥.ナイチンゲールは美しい歌を歌う鳥で,梟とは比較にならないが,ここでは逆に歌の下手な梟がナイチンゲールに歌いかけるという逆の有様が語られている.


【2007/02/18 01:40】 Theocritus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ブログ巡りで外国語

最近は外国語をブログ巡りしながら勉強できるかも……と思うぐらい,ネットでの語学情報は増えて来ました.そういうサイトでは,単語と訳なんかもつけていてくれて,大変便利だったりします.リンクのほうに,フランス語関係で,ルロワさんのブログ「Rond Point」と,「ねむたい小うさぎ」さんのサイトを入れましたが,だいたいこのあたりを起点にしてあちこち巡っていたら,膨大な量のフランス語関係サイトに行き当たるとおもいます.熱心にやっている人も多くて,また語学知識や周辺情報を惜しみなく提供してくれているのですね.これぐらいあると,フランス語に関心がなかった人でも,フランス語をやりたくなると思いますね.なにより,情報量は多くても,気負いがないブログが多くて,日常の日記をみるのも大変面白いのです.ギリシア語の対訳が黙々と投稿されているのとは,印象が大幅に違います.

しかし,こういったフランス語関係のブログのように,気軽にみることができて,語学も身に付き,かつ情報も少なくないラテン語ブログなどというのは,まだ数が限られているというのが実情ですね.この辺り,層の薄さはいかんともし難いです.

そんなわけで,暇な週末午後には,語学ブログ巡りがおすすめです.


【2007/02/17 14:35】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(2) | 記事修正

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牛歩

牛飼いのダプニスが出て来るから,というわけでもないですが,とんでもなく遅い牛歩ペースで翻訳をやっています.それにしても,あと2回程度で終わるので,しょうしょうご辛抱を.これが終わったらティブッルスをやってしまいたいと思います.

ところで,

Wardle, David. Cicero on Divination: Book 1. Translated with Introduction and Historical Commentary by. Clarendon Ancient History Series. Oxford: Clarendon Press, 2006.

ようやく入手しました.しかし,この本,ラテン語本文の代わりに英語の翻訳だけつけてあるだけでなくて,中のコメンタリーも英語の本文の一部をあげて,それに注を付けるという形になっています.ラテン語に対する注が全然ないというわけでもないのですが,重点は歴史的・宗教史的なものにおかれています.必ずしも文献学者でない研究者が読む場合には,それで悪くないのでしょうが,本文のほうに関心がある読者は,母国語が英語でない限り,かなり使いにくいとかんじるのではないかと思います.しかも,基本にしている本文は,比較的入手しにくいドイツとイタリアの校訂本文,というのはまあしようがないかもしれませんが,それらと異なる本文を採用した部分の対照表などをつけてくれておらず,そのような場合には注の中でふれているだけ,とのことです.これもラテン語を読もうという向きには,親切設計とは言い兼ねますね.内容の是非はこれから読みながら検討しますが,ちょっと僕の期待からはそれている体裁ではあります.


【2007/02/16 23:24】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(2) | 記事修正

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テオクリトス第1歌108-21行

71Arxete boukolika~v, Moi~sai, pa/lin a1rxet 0 a0oida~v.

w(rai~ov xw!dwniv, e0pei_ kai_ mh~la nomeu/ei
kai_ ptw~kav ba/llei kai_ qhri/a pa/nta diw/kei.77110

71Arxete boukolika~v, Moi~sai, pa/lin a1rxet 0 a0oida~v.

au]tiv o3pwv stash=| Diomh/deov a]sson i0oi~sa,
kai_ le/ge79 9 to_n bou/tan nikw~ Da/fnin, a0lla_ ma/xeu moi 0 0.

71Arxete boukolika~v, Moi~sai, pa/lin a1rxet 0 a0oida~v.

w} lu/koi, w} qw~ev, w} a0n 0 w!rea fwla/dev a1rktoi,77115
xai/req 0: o9 bouko/lov u1mmin e0gw_ Da/fniv ou0ke/t 0 a0n 0 u3lan,
ou0ke/t 0 a0na_ drumw/v, ou0k a1lsea. xai=r 0,70Are/qoisa,
kai_ potamoi_ toi_ xei=te kalo_n kata_ Qu/bridov u3dwr.

71Arxete boukolika~v, Moi~sai, pa/lin a1rxet 0 a0oida~v.

Da/fniv e0gw_n o3de th=nov o9 ta_v bo/av w{de nomeu/wn,77120
Da/fniv o9 tw_v tau/rwv kai_ po/rtiav w{de poti/sdwn.

始めたまえ,ムーサらよ,再び始めたまえ,牧人の歌を.

アドーニス*1は若盛りだ,なぜなら,羊を放牧し,
さらに兎を射ては,その上あらゆる獣を狩りしているから.(110)

始めたまえ,ムーサらよ,再び始めたまえ,牧人の歌を.

再びディオメーデース*2の傍に行って立つがいい,
そして言いたまえ,「牛飼いダプニスに私は勝利した,さあ私と戦え」と.

始めたまえ,ムーサらよ,再び始めたまえ,牧人の歌を.

狼たちよ,ジャッカルたちよ,山の洞穴に住む熊たちよ,(115)
さらば.牛飼いたる僕ダプニスは,もはやお前たちの木立にも,
薮にも,森にも行くまい.さらば,アレトゥーサ*3よ,
そして,テュブリス*4の下流へ美しい水を注ぐ河も.

始めたまえ,ムーサらよ,再び始めたまえ,牧人の歌を.

我は,ここで牛たちを牧してきた者,ダプニスだ.(120)
雄牛と子牛にここで水をやったダプニスだ.


*1 アプロディーテーが寵愛した少年.狩りをしている間,猪に突かれて死ぬ.
*2 『イーリアス』で,ギリシア勢の勇士.アプロディーテーがアエネーアースを助けようとした時,ディオメーデースはアプロディーテーを傷つけ,天に逃げさしめる.
*3 シチリアのシラクサの近くのオルテュギエー島の泉のニンフ.
*4 不詳.


【2007/02/16 22:31】 Theocritus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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テオクリトス第1歌94-107行

71Arxete boukolika~v, Moi~sai, pa/lin a1rxet 0 a0oida~v.

h]nqe/ ge ma_n a9dei~a kai_ a( Ku/priv gela//oisa,7795
la/qrh me_n gela//oisa, baru_n d 0 a0na_ qumo_n e1xoisa,
kai]pe79 9tu/ qhn to_n71Erwta kateu/xeo, Da/fni, lugicei=n:
h] r( 0 ou0k au0to_v71Erwtov u9p 0 a0rgale/w e0lugi/xqhv; 0 0

71Arxete boukolika~v, Moi~sai, pa/lin a1rxet 0 a0oida~v.

ta_n d 0 a1ra xw) Da/fniv potamei/beto: 9 9Ku/pri barei=a,77100
Ku/pri nemessata/, Ku/pri qnatoi=sin a0pexqh/v,
h1dh ga_r fra/sdh| pa/nq 0 a#lion a1mmi dedu/kein;
Da/fniv kh)n70Ai/da kako_n e1ssetai a1lgov71Erwti.

71Arxete boukolika~v, Moi~sai, pa/lin a1rxet 0 a0oida~v.

ou) le/getai ta_n Ku/prin o9 bouko/lov; e3rpe pot 071Idan,77105
e3rpe pot 070Agxi/san: thnei_ dru/ev h0de_ ku/peirov,
ai9 de_ kalo_n bombeu~nti poti_ sma/nessi me/lissai.

始めたまえ,ムーサらよ,再び始めたまえ,牧人の歌を.

ついには甘美に微笑むキュプリス女神*1もやって来た,(95)
ほのかに微笑みながら,だが,意地悪な気持を持ちながら,
そして言った.「お前は確かに,エロースをひねりつぶすと自慢していたが,ダプニスよ,
実に自分の方が,抗い難きエロースにひねりつぶされているのではないか」

始めたまえ,ムーサらよ,再び始めたまえ,牧人の歌を.

すると彼女にまたダプニスはこう言い返した.「ひどいキュプリス様,(100)
憎たらしいキュプリス様,死すべき者に憎まれているキュプリス様,
だって,あなたはもう僕の日が全く沈みきったと思うのですか.
ダプニスは,冥界でもまたエロースのひどい苦しみとなるでしょう.

始めたまえ,ムーサらよ,再び始めたまえ,牧人の歌を.

あの牛飼い*3はキュプリス様と関係したというではないですか.イーダーに行きたまえ,(105)
アンキーセースのもとへ.あそこにはオークやカヤツリグサがある,
そして,蜜蜂が巣のあたりでブンブンとんでいる.


*1 アプロディーテー.
*2 日が沈む=人生が終わる.
*3 アンキーセース.牧人アンキーセースは,イーダー山でアプロディーテーと結ばれ,アイネーアースをもうける.


【2007/02/15 21:36】 Theocritus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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テオクリトス第1歌79-93行

71Arxete boukolika~v, Moi~sai fi/lai, a1rxet 0 a0oida~v.

h]nqon toi_ bou~tai, toi_ poime/nev, w(|po/loi h]nqon.7780
pa/ntev a0nhrw/teun, ti/ pa/qoi kako/n. h]nq 0 o9 Pri/hpov
kh1fa79 9 Da/fni ta/lan, ti/ tu_ ta/keai; a9 de/ tu kw/ra
pa/sav a0na_ kra/nav, pa/nt 0 a1lsea possi_ forei=tai-

71Arxete boukolika~v, Moi~sai fi/lai, a1rxet 0 a0oida~v.

za/teis 0 : a}, du/serw/v tiv a1gan kai_ a0mh/xanov e0ssi/.7785
bou/tav me_n e0le/geu, nu~n d 0 ai0po/lw| a0ndri_ e1oikav.
w(|po/lov, o3kk 0 e0sorh|~ ta__v mhka/dav oi{a bateu=ntai,
ta/ketai o9fqalmw_v, o3ti ou0 tra/gov au0to_v e1gento.

71Arxete boukolika~v, Moi~sai fi/lai, a1rxet 0 a0oida~v.

kai_ tu_ d 0 e0pei/ k 0 e0sorh~|v ta_v parqe/nov oi{a gela~nti,7790
ta/keai o0fqalmw_v o3ti ou0 meta_ tai~si xoreu/eiv. 0 0
tw_v d 0 ou0de_n potele/caq 0 o9 bouko/lov, a0lla_ to_n au9tw~
a1nue pikro_n e1rwta, kai_ e0v te/lov a1nue moi/rav.

始めたまえ,わがムーサらよ,始めたまえ,牧人の歌を.

牛飼いらが,羊飼いらが,山羊飼いらが来た.(80)
皆が尋ねた,どんなひどい目にあっているのかと.プリアーポスが来て,
そして言った「哀れなダプニスよ,なぜお前はやつれているのか.だが,娘は
全ての泉を,全ての森を足しげく彷徨っている?

始めたまえ,わがムーサらよ,始めたまえ,牧人の歌を.

お前を捜して.ああ,お前は実に哀れで救い様のないやつだ.(85)
牛飼いとお前は呼ばれた,だが今はお前は山羊飼いの男にそっくりだ*1
その山羊飼いは,雌山羊たちが番っている様を見ては,
自分が山羊に生まれなかったと,目を泣きはらしている.

始めたまえ,わがムーサらよ,始めたまえ,牧人の歌を.

そして,お前は娘らが笑っている様をみては,(90)
彼女らと一緒に踊れないと,目を泣きはらしている」
彼らにその牛飼いは何も言わなかった,だが彼は自分の
つらい愛を終わらせた,そして,運命にけじめをつけた.


*1 牧人の世界では,牛飼いが一番地位が高く,次いで羊飼い,最後に山羊飼いが一番地位が低いとされている.


【2007/02/14 20:32】 Theocritus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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テオクリトス第1歌64-78行

7777777777777QURSIS
71Arxete boukolika~v, Moi~sai fi/lai, a1rxet 0 a0oida~v.

Qu/rsiv o3d 0 w(v Ai1tnav, kai_ Qu/rsidov a0de/a fwna/.7765
pa~| pok 0 a1r 0 h]sq 0, o3ka Da/fniv e0ta/keto, pa~| poka, Nu/mfai;
h] kata_ Phneiw~ kala_ te/mpea, h2 kata_ Pi/ndw;
ou0 ga_r dh_ potamoi=o me/gan r(o/on ei1xet 070Ana/pw,
ou0d 0 Ai1tnav skopia/n, ou0d 0 1Akidov i9ero_n u3dwr.

71Arxete boukolika~v, Moi~sai fi/lai, a1rxet 0 a0oida~v.7770

th~non ma_n qw~ev, th~non lu/koi w)ru/santo,
th~non xw)k drumoi=o le/wn e1klause qano/nta.

71Arxete boukolika~v, Moi~sai fi/lai, a1rxet 0 a0oida~v.

pollai/ oi9 pa_r possi_ bo/ev, polloi_ de/ te tau=roi,
pollai_ de_ dama/lai kai_ po/rtiev w)du/ranto.7775

71Arxete boukolika~v, Moi~sai fi/lai, a1rxet 0 a0oida~v.

h]nq 079Erma~v pra/tistov a0p 0 w!reov, ei]pe de_79 9Da/fni,
ti/v tu katatru/xei; ti/nov w)gaqe/, to/sson e1rassai; 0 0

        テュルシス
始めたまえ,わがムーサらよ,始めたまえ,牧人の歌を.

私はエトナのテュルシスだ,そして,テュルシスの歌は麗しい.
一体どこにいたのか,ダプニスが恋にやつれていた時,一体どこにいたのか,ニンフらよ.
ペーネイオス河の美しいテンペーの谷*1にか,それともピンドス*2にか.
なぜなら,アナポス河*3の大きな流れにはお前達はいなかったし,
エトナ山の頂きにも,アキス河*4の聖なる流れにも.

始めたまえ,わがムーサらよ,始めたまえ,牧人の歌を.

彼を悼んでジャッカルが,彼を悼んで狼が吠えた,
死にゆく彼を悼んでライオンも森から吠えた.

始めたまえ,わがムーサらよ,始めたまえ,牧人の歌を.

彼の足下で,多くの雌牛が,多くの雄牛が,
多くの若雌牛が,そして多くの子牛が嘆いた.

始めたまえ,わがムーサらよ,始めたまえ,牧人の歌を.

最初にヘルメースが,山からやって来た,そして言った.「ダプニスよ,
誰がお前を苛むのか,誰を,友よ,そんなに愛しているのか.


*1 テッサリア北東部,オリュンポス山とオッサ山の間にある.
*2 テッサリアの辺りの北ギリシア中央の山岳地帯.
*3 シチリア島のシラクサのすぐ傍を流れる河.
*4 エトナ山から流れる河.


【2007/02/13 22:11】 Theocritus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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テオクリトス第1歌45-63行

tutqo_n d 0 o3sson a1pwqen a9litru/toio ge/rontov7745
perknai=si stafulai=si kalo_n be/briqen a0lwa/,
ta_n o0li/gov tiv kw~rov e0f 0 ai9masiai~si fula/ssei
h3menov: a0mfi_ de/ nin du/ 0 a0lw/pekev, a4 me_n a0n 0 o1rxwv
foith~| sinome/na ta_n trw/cimon, a4 d 0 e0pi_ ph/ra|
pa/nta do/lon teu/xoisa to_ paidi/on ou0 pri_n a0nhsei=n7750
fati_ pri_n h2 a0kra/tiston e0pi_ chroi=si kaqi/ch|.
au0ta_r o3g 0 a0nqeri/koisi kala_n ple/kei a0kridoqh/ran
sxoi/nw| e0farmo/sdwn: me/letai de/ oi9 ou1te ti ph/rav
ou1te futw~n tossh~non o3son peri_ ple/gmati gaqei~.
panta~| d 0 a0mfi_ de/pav peripe/ptatai u9gro_v a1kanqov,7755
ai0poliko_n qa/hma: te/rav ke/ tu qumo_n a0tu/cai.
tw~ me_n e0gw_ porqmh~i Kaludni/w| ai}ga/ t 0 e1dwka
w}non kai_ turo/enta me/gan leukoi~o ga/laktov:
ou0de/ ti/ pw poti_ xei~lov e0mo_n qi/gen, a0ll 0 e1ti kei=tai
a1xranton. tw~| ka/ tu ma/la pro/frwn a0resai/man7760
ai1 ka/ moi tu/, fi/lov, to_n e0fi/meron u3mnon a0ei/sh|v.
kou1ti tu kertome/w. po/tag 0, w)gaqe/: ta_n ga_r a0oida/n
ou1 ti/ pa| ei0v70Ai/dan ge to_n e0klela/qonta fulacei=v.

海焼けした老人から少し離れた所では(45)
美しい果樹園が色づき始めた葡萄の実に満たされている.
それをある幼い少年が石垣の上に座って
見張っている.だが彼のまわりに二匹の狐がおり,一匹は樹の列をずっと
行き来して食べられるものを奪っており,もう一匹は弁当袋に
あらゆる手管を仕掛けて,朝ご飯を食べて座るまでは(?) (50)
その子を解放しないぞ言っている.
だが,その子はツルボランとイグサで美しいイナゴの虫かごを
組み合わせて編んでいる.彼は弁当袋も
果物も,編細工を楽しむほどには,全然気にしていない.
杯の廻り全てに,しなやかなアカンサスが広がっていて,(55)
羊飼いには眼を奪われるものだ.この驚くべき作品は君も心打たれるだろう.
これの代価に,僕はカリュドーンの船渡しに山羊と
大きな白い乳から作ったチーズをあげたのだ.
まだ,一度も僕の唇は触れてはおらず,まだ
新品だ.僕は本当に心から,君にそれをあげて喜ばせたい,(60)
もし,君が,友よ,あの心ゆかしき歌を歌ってくれるならね.
また,僕は決して君をからかってはいない.さあやってくれ,友よ.だって,君はその歌を
全てを忘れさせる冥界へ行くまで大事にしまっておくなんてことは絶対ないだろうから.
(以下でテュルシスの歌が始まる)


【2007/02/12 02:21】 Theocritus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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メレアグロス Gow-Page 81, A.P. 12.52

Ou1riov e0mpneu/sav nau/taiv No/tov, w} duse/rwtev,
77h3misu/ meu yuxa~v a3rpasen70Andra/gaqon.
tri_v ma/karev na~ev, tri_v d 0 o1lbia ku/mata po/ntou,
77tetra/ki d 0 eu0dai/mwn paidoforw~n a1nemov.
ei1q 0 ei1hn delfi/v, i3n 0 e0moi=v bastakto_v e0p 0 w1moiv
77porqmeuqei_v e0si/dh| ta_n gluku/paida79Ro/don.

水夫らに喜ばしい南風が吹いて,おお,恋に患いし者達よ,
 僕から魂の半分たる,アンドラガトスを奪った.
船は3倍幸福だ,そして,海の波も3倍幸福だ,
 そして,その子を運ぶ風は4倍幸福だ.
僕は海豚であればよかった,僕の肩の上に乗って
 運ばれて,可愛い児をもたらすロドスを彼が見るように.



【2007/02/11 17:55】 Meleager | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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