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ウィキペディア
http://la.wikipedia.org/wiki/Pagina_prima

なんとウェッブ辞典のウィキペディアにラテン語版がありました.
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【2006/01/30 00:39】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(2) | 記事修正

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残りは……
ホラーティウスの『イアムボス集』,残りは5・16・17という,長くてちょっと厄介そうな詩だけ残っています.ぼちぼち手を付けようかと……

しかし,この間カウンター5000行ったと思ったら,今はもう7500目前です.多い時には一日100人ぐらいカウントしています.ご来訪いただいた方には本当に感謝しています.

【2006/01/29 23:33】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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有田さん
http://www.web-arita.com/

テレビでおなじみの有田さんのサイトを見つけました.実は一頃,ジャーナリストを目指していたこともあったのですよ.自分でも信じられないですが.しかし,政治・経済・その他現実的な事にはさっぱり知識がなく,入社試験も受けたのですが,殆ど解答できませんでした.

読んでみたら,有田さんは某政党員だったんですね.しかも,記事が元で,追放されてしまっています.その経緯をみると,今時こんな政党があったんだなー,とある意味感動してしまいます.今でも嫌がらせが時々あるんだそうで…….

【2006/01/29 12:16】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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読まなくては……
ずっと読まなきゃと思いつつ,読んでいない本が沢山あります.本当に読まねば,ということで,そのうちの一冊を.

Griffin, Jasper. Latin Poets and Roman Life. London:Duckworth, 1985. Reprint. London:Bristle Classical Press, 1994.

これで読めるかな……

【2006/01/29 02:46】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『イアムボス集』12歌

Quid tibi vis, mulier nigris dignissima barris?
 munera quid mihi quidve tabellas
mittis nec firmo iuveni neque naris obesae?
 namque sagacius unus odoror
polypus an gravis hirsutis cubet hircus in alis  5
 quam canis acer ubi lateat sus.
qui sudor vietis et quam malus undique membris
 crescit odor, cum pene soluto
indomitam properat rabiem sedare, neque illi
 iam manet umida creta colorque       10
stercore fucatus crocodili iamque subando
 tenta cubilia tectaque rumpit!
vel mea cum saevis agitat fastidia verbis:
 'Inachia langues minus ac me;
Inachiam ter nocte potes, mihi semper ad unum 15
 mollis opus. pereat male, quae te
Lesbia quaerenti taurum monstravit inertem,
 cum mihi Cous adesset Amyntas,
cuius in indomito constantior inguine nervus
 quam nova collibus arbor inhaeret.      20
muricibus Tyriis iteratae vellera lanae
 cui properabantur? tibi nempe,
ne foret aequalis inter conviva, magis quem
 diligeret mulier sua quam te.
O ego non felix, quam tu fugis ut pavet acris  25
 agna lupos capreaeque leones!'

何を望んでいるんだ,黒い象を相手にするのが一番お似合いのあんたは.
 どうして僕に贈り物やら,書き付けやらを
送ってよこすんだい,僕はしっかりしてもいないし,鈍い鼻もしていない若者なのに.
 だって,僕ときたら,
蛸やらひどい山羊やらが,毛むくじゃらな脇の下に寝ているかどうかを(5)
 犬が豚の隠れ場所を嗅ぎ付けるのよりも敏感に嗅ぎ付けるんだからね,
どんな汗が,どれほどひどい悪臭が,しわくちゃの体で
 育っていることか,彼女が陰茎の
御しがたい怒りを宥めてしぼませるのに一生懸命な時に,そして,
 もう彼女には濡れた白粉も,蜥蜴の糞の*1(10)
頬紅も残っておらず,そして発情して
 張ったベッドも天蓋も壊してしまう時に,
あるいは,激しい言葉で僕がしたがらないのを責める時に.
 「イーナキア*2だと,私よりも勃つのね.
イーナキアとは一晩に三度はいくのに,私には一度のお仕事にも(15)
 萎えてるのね.惨めにくたばればいい,
牛並みのが欲しいのに,ふにゃふにゃのあなたを紹介したレスボスの女*3は.
 私にはコース島のアミュンタース*4がついていたのに,
彼の御しがたい一物には,丘で新樹が根を張るよりも
 ずっとしっかりした筋が張っているのよ.(20)
誰のために,テュロスの紫貝で二度染めされた羊毛*5
 用意していたの?もちろん,あなたのためよ,
宴会の時,あなたがあなたのお相手の女に好かれるよりも,
 もっと好かれるような同僚がいないようにするためにね.
ああ,不幸な私,あたかも子羊が(25)
 獰猛な狼を恐れ,山羊がライオンを恐れるがごとくに,あなたが私を避けるとは!」


*1 ニキビや頬紅のための化粧.
*2 神話では「イナコスの娘」はイーオーで,牛に姿を変えられる.
*3 女衒.イーナキアの事かもしれない.
*4 Theocr. Id. 7.2で,やはりコース島のアミュンタスが登場するが,ここでの関係は不明.
*5 高級な染め布.二度染めはさらに高級とされるが,臭いもするという(Mankin, ad loc.).


【2006/01/29 02:25】 Horatius Iambi (Epodi) | TRACKBACK(0) | COMMENT(2) | 記事修正

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そろそろ復活
体調を崩してしまって,更新できませんでした.
またぼちぼちアップしていこうと思います.

そういえば,NCB英会話教習所って倒産してしまったみたいですね.一度勧誘を受けて,断るのが大変だったのを覚えています.あのときの勧誘のお姉さん,大丈夫かなあと,ちょっと心配です(笑).

英会話関係でもなんでもそうですが,実のところ,日本で語学学校に通うとすると,余裕でイギリスやアメリカに行けるぐらいのお金がかかるんですよね.バブルの時でもないと儲かるわけがないと思っていたら,これまたよく倒産しているんですねー.前払いの学費とか,どうなるんでしょう.

資金があったら,ラテン語教習所なんかも作ってみたい今日この頃です(嘘).

【2006/01/28 12:30】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ちょっと風邪気味かな……
先週後半からちょっと頭が回転しないなあと思ったら,どうも風邪の引きかけのようです.年々無理の利かない体になっているということでしょうかねえ.そんなわけで,ちょっと更新しばらく停滞すると思います.

ようやくこれを目にする事ができました.

Watson, Lindsay C. A Commentary on Horace's Epodes. Oxford: Oxford University Press, 2003.

ううむ,それにしても,厚い(Pp.604)……しかも高い…….ペーパーバックでないと買うの無理ですよ.例のニンニク歌でちょっと話題になっていたvapor (Hor.Epod. 3.15)について,これだけ厚いんだから何か書いてあるに違いないと思ったら,全ー然なーんにも書いてません…….うーん,最近やたら厚いコメンタリー出る割に,既存の問題にはうんざりするぐらい注がついている割には,こういった誰でも気になるけどあまり言及のされていないことには意外と注がないもんなんですよねー.オックスフォード大出版局から出てるくせに,と文句をいうよりは,むしろ我々もアクティブにコメンタリー作りに取り組むチャンスがあると,前向きに理解しました.

【2006/01/23 23:20】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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大変なお正月
 なんだかこの年越し前後からもうはや2006年の重大事件になりそうなことがどんどん出て来て,人ごとながらなんだか心安からぬ昨今です.

 そんな時読んだせいか,この一冊本当に面白かったです.

  香山リカ『いまどきの「常識」』岩波新書(新赤版)969.東京:岩波書店,2005.

 タイトルがちょっと時代遅れっぽいネーミングなのは,内容を読んで分かるとおり(直接はそう言ってはいませんが),ちょっとしたウィットだと思います.この本の方針みたいなものを小難しくいうと,いまどきの某IT長者の本に出てくるような常識を考察しつつ,それをとおして現実社会がどうなっているのか見て行こう本です.作者は精神科医で,その視点やエピソードが随所にみられますが,もちろん難解さからは無縁です.まあ簡単にいうと,帯にあるように,「勝ち組」「負け組」式の発想でいいのかな,というのを精神科医が問いかけてみた,という本です.
 著者の立場は,どちらかといえば一昔前の常識に近いということになるかもしれませんが,もちろん,どちらの常識に対しても与する事なく,文面は穏やかながらよく考えるとなかなか鋭い考察がなされていると思います.ただ,今風の人にはあまりにも普通過ぎて,面白くないということになるかもしれません.それよりは「金が全てでいいんです」などとぶちかまして,株の買い方を教えてくれるIT社長のほうが「説得力」があるのかもしれませんね(いまどのくらい説得力があるかどうかは分かりませんが).
 何より一番ほっとしたのは,あとがきが,編集の方へのほのぼのした感謝の言葉で終わっていることですね.ああ,やっぱりこういう風に生きていかなきゃなあ,と思いました.

【2006/01/21 15:56】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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西洋古典語好きの人への33の質問
とりあえず33まで増やしてみました.ついでに訂正なども.
加えたら面白いという設問,教えて下さるとありがたいです.

西洋古典語好きの人への33の質問


1. あなたはヘレニスト?ラテニスト?両刀使い?
2. ギリシア・ラテンで好きな作家は?
3. ギリシア・ラテンで好きな作品は?
4. ギリシア・ラテンで苦手な作家は?
5. ギリシア・ラテンで苦手な作品は?
6. 恋人に送りたいギリシア・ラテン語の詩を一つ.
7. 座右の銘を一つ.
8. 自分の墓に彫って欲しい銘を一つ(何語でも)
9. 蔵書の数は?
 50冊未満 50-100冊 101-200冊 201-300冊 301-500冊 501-1000冊 1001-2000冊 2001-∞冊
10. ギリシア・ラテン文学関係(作品でなくて)でおすすめの一冊.
11. ギリシア・ラテン語をやっていてよかったと思うのはどういう時ですか?
12. ギリシア・ラテン語をやっていてよくなかったと思うのはどういう時ですか?
13. 一番最初に使ったギリシア・ラテン語の教科書は?
14. 一番最初に読んだギリシア・ラテン語の作品は?
15. 自分を古代ギリシア・ラテン世界の,実存するしないを問わず,人物・英雄・神などに例えると誰でしょうか.
16. 古代ギリシア・ラテン世界の,実存するしないを問わず,神・女神・英雄・人物の異性(あるいは同性)と恋愛関係になるとしたら,誰を選びますか.
17. あなたは死刑を待つソークラテースです.脱獄のお誘いが来たらどうしますか.
18. あなたは無文字時代のギリシアの吟遊詩人です.叙事詩を歌うとしたら,ギリシア神話のどの場面を歌いますか.
19. 神様が1巻だけ,古代ギリシア・ラテン作家の自筆文書を貴方に授けよう,と言ったとしたら,どの1巻をお願いしますか(例えばプラトーン『国家篇』第1巻とか).
20. 今,ギリシア語・ラテン語以外に,どんな程度でもいいですから,できる外国語をあげて下さい.
21. 生まれ変わってもギリシア・ラテン語を勉強したいですか.
22. タイムマシンがあったら,ギリシア・ローマ世界で旅行したい時代と場所を.
23. 今更ですが,なんでギリシア語・ラテン語を勉強したのでしょうか.
24. 一般の人に,ギリシア語・ラテン語をすすめるとしたら,何をセールスポイントにしますか.
25. あなたは航海中難破しました.目の前に,ようやく人一人だけしがみついて助かることが出来る板きれがありますが,別の人もそれにすがろうとしています.さて,あなたはどうしますか.
26. あなたは無人島に島流しにされることになりました.その際,Loeb Classical Libraryのうち,5冊だけ持って行くことを許されました.さて,何を持っていきますか.
27. あなたは満足した豚と,貧乏なソークラテースのどちらになりたいですか.
28. 日本の国会に登場してもらいたい弁論家は?
29. 日本でギリシア語・ラテン語を広めるために,一般の人にどのように売り込みたいですか.
30. 日本でラテン語かギリシア語が英語に代わって初習外国語となりました.さて,何歳から教育し始めるべきでしょう.
31. もしあなたがある程度長くギリシア・ラテン語をやっていたら,初心者の方へのアドバイス,もし初心者なら,今後の抱負について語って下さい.
32. 恩師のギリシア語・ラテン語の先生に一言.
33. おつかれさまでした.最後にこの『33の質問』についての感想をお聞かせ下さい.


【2006/01/20 02:01】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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Vergiliana
ウェルギリウスは割合すっと読める作品なんですが,たまに頭がねじ切れそうな難しいところとかがあります.例えば:

... mediaque in valle theatri
circus erat; quo se multis cum milibus heros
consessu medium tulit exstructoque resedit.
                 (Verg. A. 5.288-90)

...... 谷の真ん中に,見物のできる
円形の場所があった.そこへと,英雄(アエネーアース)は数千の人々と共に
真ん中へと行き(?),積み上げられた座席(?)に腰を下ろした.

 Williamsのコメンタリー*1などを参考にして考えると,まずconsessuとexstructoがすごく難しいです.まず,consessusは普通は「集まり,聴衆」(OLD 1)で,「席」という意味にはならないのですね.唯一OLDでは,「座る権利,席」として,2のカテゴリーにCILを引用していますが,それが唯一の例で,ウェルギリウスのこの箇所はあげていません.もし,「席」という意味を取ったとしても,こんどはconsessu ... exstructo ... reseditというふうに理解するには,結構すごいhyperbaton,つまり se... tulitの中に入っているconsessuをreseditの動詞の支配する文に入れなければならないからです.つまり,非常に希な「席」の意味のconsessuと,hyperbatonが重なるという変な構文になってしまいます.それから,mediumがまた厄介です.quoが先に方向を示しながら,さらにmediumはじゃあまた方向の対格と取らざるを得ないと思うのです.つまり,quo medium se tulit = cuius in medium se tulitということになります.理解できないとは思いませんが,無理がかかる言い方だと思います.Williamsは,このquoとmediumを密接に関係づけて解釈すべしとしていますが,その結果"'central figure in the assemblage', i.e. with the audience of many thousands about him"と解釈せよ,としていて,これも無理がかかりそうです.まあ実際にローマ人が読む際には,我々が現代の日本語を読んでいるときのように,多少文法の不都合があっても,全体のコンテクストが支えていますから,読むのに問題はないと思うのですが,こういうのが授業などで出て,君どう思うかね,などと聞かれた時に,ちょっと変だけどまあいいのでは,とか,某IT企業のニュースが気になって考えられません,とか言うわけには行かないですからねー.
 一応,私案では,se multis cum milibus heros | consessum medium tulit exstructoque (sc.consessu) resedit.と読んで,「そこへ英雄は数千の人と,席の真ん中へと進み,それを積み上げて座った」と解釈したらいいかなあ,と思っています.ホメーロスとかでは方向を示すものが重なるのは確か普通だったと思いますし,consessum「席」の問題は解決されていない不都合はありますが,最初の状態よりはいいのじゃないかと…….consessum medium がconsessu mediumになるのはまあありそうなハプログラフィーでしょう.ちなみに,consessumの読み方は既にGossrauという人がやっていますが,これをsupinumとして,「座るために」と読む方法を取っているようです(Williams, ad loc.).その時にはやっぱりmediumが変ですが.とはいえ自分の考えも正しいわけでもありません.
 ......などと言う,普通の人に取ってみればどうでもいいような事を考えながら,今日の夕方は過ぎていきました.

*1 R. D. Williams. Virgil: Aeneid V. Edited with a Commentary by. Oxford: Oxford U.P. 1960. Reprint. London: Bristle Classical Press, 1994.

【2006/01/20 00:01】 Vergilius | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『イアムボス集』13歌

Horrida tempestas caelum contraxit et imbres
 nivesque deducunt Iovem; nunc mare, nunc silvae
treicio Aquilone sonant. rapiamus, amici,
 occasionem de die, dumque virent genua
et decet, obducta solvatur fronte senectus.     5
 tu vina Torquato move consule pressa meo.
cetera mitte loqui; deus haec fortasse benigna
 reducet in sedem vice. nunc et Achaemenio
perfundi nardo iuvat et fide Cyllenea
 levare duris pectora sollicitudinibus,      10
nobilis ut cecinit grandi Centaurus alumno;
 'invicte, mortalis dea nate puer Thetide,
te manet Assaraci tellus, quam frigida parvi
 findunt Scamandri flumina lubricus et Simois,
unde tibi reditum certo subtegmine Parcae    15
 rupere, nec mater domum caerula te revehet.
illic omne malum vino cantuque levato
 deformis aegrimoniae, dulcius alloquiis.'

恐ろしい嵐が雲を集め,そして雨と
 雪はユッピテルをも引きずり降ろす.今や海も,今や森も,
トラキアからの北東風によって音をたてている.友よ,
 この日から機会を得ようではないか,膝が十分力があり,
そしてそれに相応しい限りは,皺をよせた額から老年を払いのけよう.(5)
 君は,我がトルクヮートゥスが執政官の時に*1搾られたワインを持って来たまえ.
他の事を話す事を許したまえ.神は,おそらく,これらも,恵み深くも
 流転によって本来の位置に戻すことだろう.今や,ペルシアの
香油を体に塗りたい,そしてキュッレーネーの弦*2
 胸からひどい苦悩を解放したい.(10)
ちょうど高貴なケンタウルス*3が,偉大な弟子*4に歌ったようにして.
 「打ち負かされぬ者,女神テティスより生まれし,死すべき子よ,
お前をアッサラクスの地*5が待っている,その地を小さな
 スカマンドロス河の冷たい流れと,ぬめつくシモイス河*6が割いているのだが.
そこからの帰郷は,パルカ女神たちは,過たぬ運命の糸で(15)
 望みを絶ち,また緑色の母*8もお前を家へとつれては帰られないだろう.*7
あそこで,全ての目も当てられぬ苦悩という不幸を払え,
 葡萄酒と歌という,甘き慰めによって.


*1 前65年で,ホラーティウスの誕生年.
*2 リュラの発明者であるヘルメースはキュッレーネーで生まれた.
*3 キローン.
*4 アキッレウス.
*5 アッサクルスはアエネーアースの祖先.
*6 スカマンドロス河もシモイス河も,アキッレウスと戦う事になるトロヤの河.
*7 アキッレウスはトロヤ戦争に参加すれば生を全うすることは出来ない定めであった.
*8 テティス.


【2006/01/19 03:10】 Horatius Iambi (Epodi) | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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まだアップせず
ここのところ,あるIT企業の強制捜査などで大騒ぎです.なんだか株価も急落したみたいですねー.株の仕組みはよく分からないですが,あんまり下がったら,どっかが大量に買い占めて,会社乗っ取りなんていうこともあり得るんでしょうかねえ.……などということばかり考えていた訳ではないのですが,昨日もホラーティウスはアップできませんでした.これからなんとかひと頑張りして,短いのをアップしようかと思っています.

【2006/01/19 00:40】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ああまた……
今日もホラーティウスはアップできませんでした.明日こそは……

ウェッブでは100の質問なんかありますが,古典語関係はあるんでしょうかねえ.誰か作ってくれたらうれしいです.というかちょっと作ってみると……

1. あなたはヘレニスト?ラテニスト?両刀使い?
2. ギリシア・ラテンで好きな作家は?
3. ギリシア・ラテンで好きな作品は?
4. ギリシア・ラテンで苦手な作家は?
5. ギリシア・ラテンで苦手な作品は?
6. 恋人に送りたいギリシア・ラテン語の詩を一つ.
7. 座右の銘を一つ.
8. 自分の墓に彫って欲しい銘を一つ(何語でも)
9. 蔵書の数は?
 50冊未満 50-100冊 101-200冊 301-500冊 500-1000冊 1001-2000冊 2001-∞冊
10. ギリシア・ラテン文学関係(作品でなくて)でおすすめの一冊.
11. ギリシア・ラテン語をやっていてよかったと思うのはどういう時ですか?
12. ギリシア・ラテン語をやっていてよくなかったと思うのはどういう時ですか?
13. 一番最初に使ったギリシア・ラテン語の教科書は?
14. 一番最初に読んだギリシア・ラテン語の作品は?
 ………

これぐらいしか思いつきません.誰か設問ほかのを考えて下さい……

【2006/01/18 00:54】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ウェルギリウス
今本当に久しぶりにウェルギリウスに取り組んでいるのですが,ホラーティウスなどをやっているとこちらは本当に爽快に読めます.それこそ読み始めたら一気に100-200行は読めるようにしなきゃいけないのですが,やっぱり問題の箇所も多くあるので,そんなに速くは読めません.日本語の注釈があったらもっと楽なんですけどねー.唯一あるというか,あった日本語の注釈書はこれです.

高津春繁『ウェルギリウス:アエネイス 1』岩波ギリシア・ラテン原典叢書.東京:岩波書店,1950(昭和25年).¥230

もちろん入手困難な絶版書です.復刊もほぼ絶望的でしょう.ウェルギリウスは研究する人は日本でもかなりいるはずなので,今後の新刊に期待すべきでしょうね.

【2006/01/17 22:46】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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音象徴……
 しばしば注釈などで言われる事ですが,よくある音の連続などが,感情などを表しているとかいうのがあります.読むたびに本当にそうなのか,いつも疑問なのですが……

 今日ウェルギリウスを読んでいたら,こんなのがありました.

  extremam hanc oro veniam ...,
  quam mihi cum dederit, cumulatam morte remittam. (Verg.A.4.435-6)

  最後のこのお願いを,私は聞き届けて欲しいのです……
  そのお願いを彼が聞いてくれたら,私はそれに死を重ねてお返ししましょう.

ディードーのアエネーイスへのお願いの所なんですが,この436行,Austinは"Note the extreme difficulty of reading it aloud ... there is no easy liaison between the words to make pronunciation easy" (Austin, ad loc.)と注をつけています.しかし,この部分,少なくとも僕は全くなんの困難もないどころか,エリジョンがあったりする行などよりはよほど楽に読めてしまうのですが…….m-mの衝突が,英語話者には難しいのかもしれませんが,そうだとしても,これは英語をしゃべる人に作ったものじゃあないですからねー.ついでにこれを証拠に,"the effect is intermittent and halting, as if the line were broken by sobs." (下線部メレアグロス)とまで言っています…….英語話者の方が読んだら,つっかえつっかえ読まれて,まるでむせび泣いているように聞こえるのでしょうか(笑).

 まあAustinのコメンタリーは全体としては,かなりいい注釈なのですが,こういった妙な音の話がかなり頻繁に出て来るのには閉口します.Austinに限らず,英語の注釈や研究書には,この手の論は比較的多くて,場合によっては解釈の根拠にされたりしているのですが,いいのかなあ,と思います.

 ちなみにAustinのアエネーイス4巻のコメンタリーはこれです.

R. G. Austin. P. Vergili Maronis Aeneidos Liber Quartus. Edited with a Commentary by. Oxford: Clarendon Press, 1955. Paperback. 1982. アマゾン

【2006/01/15 23:17】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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一夫多妻制
http://www.asahi.com/international/update/0115/001.html

いや,その前にしなければならない事のほうが多いのではないかと……

【2006/01/15 16:52】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『イアムボス集』15歌

Nox erat et caelo fulgebat luna sereno
 inter minora sidera,
cum tu magnorum numen laesura deorum
 in verba iurabas mea,
artius atque hedera procera astringitur ilex     5
 lentis adhaerens bracchiis,
dum pecori lupus et nautis infestus Orion
 turbaret hibernum mare
intonsosque agitaret Apollinis aura capillos,
 fore hunc amorem mutuum,           10
o dolitura mea multum virtute Neaera!
 nam si quid in Flacco viri est,
non feret assiduas potiori te dare noctes
 et quaeret iratus parem,
nec semel offensi cedet constantia formae,     15
 si certus intrarit dolor.
et tu, quicumque es felicior atque meo nunc
 superbus incedis malo,
sis pecore et multa dives tellure licebit
 tibique Pactolus fluat,              20
nec te Phythagorae fallant arcana renati
 formaque vincas Nirea,
heu heu, translatos alio maerebis amores:
 ast ego vicissim risero.

夜だった,そして澄んだ空には月が
 小さい星々の間に輝いていた,
その時君は偉大な神々の神威を傷つけるべく
 僕の言う通りに誓ったのだ,
木蔦が細いオークの木に巻き付くのよりももっときつく(5)
 つれなくする僕の腕にしがみつきながら,
狼が家畜を脅かし,そして船乗りらにとって
 冬の海荒らすオリオンが恐ろしく
風が切られる事のないアポッローンの髪の毛を揺らす限りは
 この愛は相思相愛のものとあるでしょう,と.(10)
おお,僕の男らしさによって,多くを悲しむことになるであろうネアエラよ!
 なぜなら,もしフラックスになにがしかの男らしさがあれば,
その強い奴に君が夜をいつも捧げるのを我慢しないだろうし,
 怒って相応しい相手を探すだろう,
そして,一度怒った僕の不動の決心は,君の美貌には屈しないだろう,(15)
 もし,確かな悲しみが入り込んできたならば.
そして,お前,誰であろうと,幸せいっぱいで,僕の不幸に今や
 居丈高になって歩いているものよ,
たとえお前が家畜や広い土地で裕福になっていて,
 パクトルス河*1がお前のために流れ,(20)
生まれ変わったピタゴラスの奥義をお前は熟知し*2
 姿はニーレウス*3に勝るとしても,
ああ,ああ,別の男に移った愛を,お前は悲しむ事になるだろう.
 その時僕はお前に代わって笑う番だろう.


*1 砂金ととれるリュディアの河.
*2 ピタゴラスは転生を主張していた.ここではある種妖術使いとして使われている.しばしば,妖術は,恋人を得るために使われ,詩でもしばしば登場する.
*3 トロヤ戦争のギリシア勢の将の一人.Il.2.671-5によると,シュメから来たこのニーレウスはギリシア勢ではアキッレウスに次ぐ美男子だったが,力も弱く,部隊も小さかった.


誤植訂正しました.ご指摘ありがとうございます.

5 atrius → artius
9 intonsoque → intonsosque

【2006/01/15 14:06】 Horatius Iambi (Epodi) | TRACKBACK(0) | COMMENT(1) | 記事修正

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15歌アップならず……
いや,もう疲れました.また明日……

【2006/01/15 02:25】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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難しい……
なぜかは分かりませんが,イアムボス集の11歌はすごく難しく感じました.色々恋愛詩などで馴染みのあるテーマが出て来ているのですが,全体として何を言わんとしているのかちょっと分からないというのがあって,訳が進みませんでした.手元にあるホラーティウス関係の論文集や,Gordon Williamsの本などを見ても,この詩はあまりメインとして取り上げてはいないですし,Mankinの注釈も今ひとつ腑に落ちない解説に鳴っているのです(もちろん僕の力不足のせいであるのは間違いないですが).とりあえず訳してはいますが,また少し調べてみようとおもいます.

【2006/01/14 22:45】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『イアムボス集』11歌

Petti, nihil me, sicut antea, iuvat
 scribere versiculos amore percussum gravi,
amore, qui me praeter omnis expetit
 mollibus in pueris aut in puellis urere.
hic tertius December, ex quo destiti        5
 Inachia furere, silvis honorem decutit.
heu me, per urbem (nam pudet tanti mali)
 fabula quanta fui! conviviorum et paenitet
in quis amantem languor et silentium
 arguit et latere petitus imo spiritus.       10
'contrane lucrum nil valere candidum
 pauperis ingenium?' querebar applorans tibi,
simul calentis inverecundus deus
 fervidiore mero arcana promorat loco.
'quod si meis inaestuet praecordiis        15
 libera bilis, ut haec ingrata ventis dividam
fomenta vulnus nil malum levantia;
 desinet imparibus certare summotus furor.'
ubi haec severus te palam laudaveram,
 iussus abire domum ferebar incerto pede    20
ad non amicos, heu, mihi postis et, heu,
 limina dura, quibus lumbos et infregi latus.
nunc gloriantis quamlibet mulierculam
 vincere mollitie amor Lycisci me tenet,
unde expedire non amicorum queant       25
 libera consilia aut contumeliae graves,
sed alius ardor aut puellae candidae
 aut teretis pueri longam renodantis comam.

 18 commotus Sh.Bailey : summotus codd.   pudor ] furor Mankin

ペッティウスよ,僕には昔のようには,
 詩を書く事は楽しくはない,というのも,僕はひどい愛にやられたから.
その愛は,何よりもまして,僕を
 かわいい男の子や女の子に焦がれさせるのだ.
今は3回目の12月が森からその栄誉の衣を奪っている,(5)
 僕がイーナキアに首ったけになるのを止めてから.
ああ,なんてことだ,町中で(じつにこれほどの災難は恥ずかしい)
 僕はどれほどの話題となったことか.僕はあの宴会を後悔している,
そこでは僕の無気力と沈黙,
 そして腹の深いところからわき上がる嘆息が僕の愛をばらしてしまったのだが.(10)
「財産にたいして,輝ける貧乏人の才能は
 全然焼くに役に立たないのか」僕は君に訴えた,
同時に,燃え上がる僕の,傲慢不遜な神は
 燃え上がる生酒のせいで,秘密を置くべきところから明るみに出した.
「だがもし僕の心中を怒りの胆汁が(15)
 自由に荒れ回って,その悪い傷を全然直さない
役に立たない湿布*1を風の中でびりびりに破くほどになったら,
 僕の恥を知る気持ちがかき立てられて,相応しくないやつらと競うのを止めるだろう」
これを廉直に君の前で讃えた時,
 僕は家に帰れと言われて,おぼつかない足取りで(20)
僕につれない,ああ,門柱と,ああ,
 冷酷な敷居のほうに歩いていって,それに尻や脇腹を打ち付けた*2
今や僕を虜にしているのは,どんな女の子でも
 愛らしさで者にすると豪語するリュキスクスだ.
彼から解放できるのは,友達の(25)
 自由人らしい忠告でも,ひどい侮辱でもなく,
輝く女の子や,すべすべの肌で,長い髪を編んだ男の子への
 別の熱情さ.


*1 恋を癒すもの.つまり,ホラーティウスに取っては詩のこと.
*2 閉め出された恋人が,門柱などに口づけをするのは,恋愛詩のトポス.ここではおそらく,口づけなどを通り越して,性的な憂さ晴らしをしている.


【2006/01/14 22:28】 Horatius Iambi (Epodi) | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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外来語のイメージ
 文献学というと,なんとなく暗い書庫に引きこもりでカビ臭くて,世間から見放されたうだつの上がらない学者がやっているようなイメージですが,フィロロジーというと,モダンな建物で,若くてバリバリの研究者がやっているというイメージがあります.いや,なんとなくそんな気がするだけで…….

さて,フィロロジーにでもいそしむか……

【2006/01/14 13:08】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『イアムボス集』10歌

Mala soluta navis exit alite
 ferens olentem Mevium.
ut horridis utrumque verberes latus,
 Auster, memento fluctibus;
niger rudentis Eurus inverso mari     5
 fractosque remos differat;
insurgat Aquilo, quantus altis montibus
 frangit trementis ilices;
nec sidus atra nocte amicum appareat,
 qua tristis Orion cadit,         10
quietiore nec feratur aequore
 quam Graia victorum manus,
cum Pallas usto vertit iram ab Ilio
 in impiam Aiacis ratem.
o quantus instat navitis sudor tuis    15
 tibique pallor luteus
et illa non virilis eiulatio
 preces et adversum ad Iovem,
Ionius udo cum remugiens sinus
 Noto carinam ruperit!         20
opima quod si praeda curvo litore
 porrecta mergos iuveris,
libidinosus immolabitur caper
 et agna Tempestatibus.

凶兆とともに,船は解かれて
 臭いメーウィウス*1を乗せて出航する.
恐ろしい波で,船の両脇をむち打つのを,
 南風よ,忘れぬように.
黒い東風は逆巻く海原で漕ぎ手と(5)
 櫂を打ち砕いて散り散りにせよ.
北風は巻き起これ,山の頂きで
 樫の樹々を揺さぶり引きちぎるほどに.
星は漆黒の夜に,頼りになるものとして現れるなかれ,
 不吉なオリオン座が沈んだその空に.(10)
そして,パッラス(アテーネー)が,怒りの矛先を焼け落ちたイーリオンから
 不敬なアイアクスの船に向けた時に*2
勝利者のギリシアの軍勢がそうであったのよりも
 穏やかな海によって彼が運ばれることがないように.
おお,どれほどの冷や汗がお前の船乗りを待ち受けていることか,(15)
 そしてどれほどの土気色の蒼白と
男らしからぬかの嘆きと
 背を向けたユッピテルへの祈願の声がお前を待っていることか,
イーオニアの入り江が湿った南風によって
 うなり声をあげながら,船を打ち砕く時に.(20)
もしも太ったその餌食*3が,曲がった岸辺に
 横たわって,水鳥を喜ばせることになれば,
好色な山羊と子羊が
 嵐の神のために屠られることになるだろう.


*1 おそらくstock figure.
*2 アテーネーは,イーリオン陥落の時に,自分の神殿に助けを求めていたカッサンドラーを無理矢理引き離して連れて行った事に怒り,味方であったはずのギリシア軍を嵐に巻き込む.
*3 もちろんメーウィウスのこと.


【2006/01/14 11:47】 Horatius Iambi (Epodi) | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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アップはまた後で……
『イアムボス集』10歌,20行ちょっとですが,だらだらとやっていたらアップできませんでした.さすがに12時回ってから始めると頭の回転も悪い……

しかしなんとかこの週末で短いものはアップし終わってしまいたいですね.なんとかがんばります.

【2006/01/14 03:39】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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文献学と他分野
ホラーティウスの『イアムボス集』9歌などを読んでいると,歴史の知識の薄弱さを痛感してしまいます.いや,歴史だけでなくて,実際は考古学などもちゃんと基礎的なところは押さえていなければいけないのですが,本を読んでいるだけで手一杯というか,それすらちゃんとこなせていないもので…….とくにホラーティウス,今までも時々話題になっていますが,どうも哲学関係の知識も必要みたいで,実は文献学プロパーにはかえって読みにくいものなのかなあとすら思ったりします.というか文献学プロパーって,ひょっとして何もできない人のことなんでしょうか(笑).

【2006/01/13 23:42】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『イアムボス集』9歌 後編

io Triumphe, tu moraris aureos
 currus et intactas boves?
io Triumphe, nec Iufurthino parem
 bello reportasti ducem
neque Africanum, cui super Carthaginem 25
 Virtus sepulcrum condidit.
terra marique victus hostis punico
 lugubre mutavit sagum.
aut ille centum nobilem Cretam urbibus,
 ventis iturus non suis,         30
exercitatas aut petit Cyrtis Noto
 aut fertur incerto mari.
capaciores affer huc, puer, scyphos
 et Chia vina aut Lesbia
vel, quod fluentem nauseam coerceat,  35
 metire nobis Caecubum:
curam metuemque Caesaris rerum iuvat
 dulci Lyaeo solvere.

 25 cui ] quo Bentley

おお,勝利の神よ,貴方が黄金の
 凱旋車と生け贄の軛に触れた事のない牛を遅らせているのですか,
おお,勝利の神よ,貴方はユグルタの戦いから,
 かの将軍*1をカエサルに並ぶものとしては連れ戻さず,
その勇気がカルターゴーの上に墓を(25)
 作ったところのアーフリカーヌス*2も連れ戻さなかったのですが.
大地と海とで打ち負かされた敵*3は,紫のマントを
 喪のそれに替えました.
かの者は,かつは千の都持つ高貴なクレータ*4
 逆風の中行こうと試み,(30)
あるいは南風に打たれたシュルテース*5に行こうとし,
 あるいは剣呑な海を運ばれているのです.
もっと大きい杯を,おおいボーイよ,ここへもってこい,
 そして,キオスやレスボスの葡萄酒*6
あるいは,船酔いを沈めるための(35)
 カエクブムの酒を我々に量ってくれ.
カエサルの境遇の心配や危惧を,
 甘き酒で解くのは喜ばしいこと.


*1 前107年に執政官となり,ユグルタ戦争(前111-104)をスッラの力添えのおかげで終わらせたガイウス・マリウス.
*2 第二次ポエニ戦争(前218-201)で活躍した小スキピオ(プーブリウス・スキピオー).
*3 再びアントーニウス.アクティウムの戦いののち,おそらくこの詩が書かれた時,彼は逃亡中であった.実際にはクレータでもキュレーネーでもなく,アレクサンドリアの近くのパラエトニオンへ,先に逃亡したクレオパトラを追って行った.
*4 詩的な決まり文句.
*5 キュレーネーの近くの危険な浅瀬.
*6 ギリシア産の最高級葡萄酒.
*7 イタリアの最高級葡萄酒.前編の1行を受ける(ring-composition).


【2006/01/13 13:17】 Horatius Iambi (Epodi) | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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Ibis 参考文献(改めて)

Ibisを読むのに,どうしても入手したいのはこれらでしょうか.どれも入手に時間がかかりそう……
Ovid読みの皆さん,ぜひとも日本語でコメンタリー書いて下さい!このリストに日本語のコメンタリーが加わらん事を!

Häuptli, Bruno W. Publius Ovidius Naso: Ibis . Fragmente [u.a]. Lateinisch-deutsch. Hrsg., übers. und erl. von. Darmstadt : Wissenschaftliche Buchgesellschaft, 1996.

La Penna, Antonio. Publius Ovidius Naso: Ibis. Prolegomeni, testo, apparato critico e commento a cura di. Firenze: La Nuova Italia, 1957.

Lenz, Waltharius. Publius Ovidius Naso: Ibis. 2. ed. et scholia adiecit. Corpus scriptorum Latinorum Paravianum. Torino: Paravia, 1956.

Mozley, J.H. (tr.) The art of love, and other poems. Loeb Classical Library 232. 2nd ed. revised by G.P. Goold. Cambridge, Mass.: Harvard University Press, 1979.

Ortega, Rosario Guarino. Los comentarios al "Ibis" de Ovidio: el largo recorrido de una exégesis. Studien zur klassischen Philologie 115. Frankfurt am Main et al.: Lang, 1999.

Owen, S.G. P. Ovidi Nasonis Tristium libri quinque, Ibis, Ex Ponto libri quattuor, Halieutica, Fragmenta. Recognovit brevique adnotatione critica instruxit. OCT. Oxford: Clarendon Press, 1915.



【2006/01/12 22:34】 Ovidius Ibis | TRACKBACK(0) | COMMENT(4) | 記事修正

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ホラーティウス『イアムボス集』9歌 前編

Quando repostum Caecubum ad festas dapes
 victore laetus Caesare
tecum sub alta (si Iovi gratum) domo,
 beate Maecenas, bibam
sonante mixtum tibiis carmen lyra,     5
 hac Dorium, illis barbarum,
ut nuper, actus cum freto Neptunius
 dux fugit ustis navibus,
minatus urbi vincla quae detraxerat
 servis amicus perfidis?          10
Romanus, eheu, posteri negabitis,
 emancipatus feminae
fert vallum et arma miles et spadonibus
 servire rugosis potest
interque signa turpe militaria       15
 sol aspicit conopium.
at huc frementis verterunt bis mille equos
 Galli canentes Caesarem
hostiliumque navium portu latent
 puppes sinistrorsum citae.       20

いつ僕は,とっておきのカエクブム葡萄酒*1を,お祝いの宴で
 カエサル*2の勝利を喜びながら
貴方とともに,聳える家で(ユッピテルのご容赦を),
 マエケーナース様,飲みましょうか,
リュラに笛の音とあわせて,歌を響かせつつ(5)
 リュラはドリア風の,笛は異国風の歌をならしつつ.
ちょうどこの間,ネプトゥーヌスの子の
 将軍*3が海を追われて,船を焼かれながら逃げた時のように,
その男は都に,不実な奴隷どもから親しくも取り外した
 鎖をかけようと脅していたのですが*4.(10)
あのローマの兵*5は,やれやれ,後の人は信じないでしょうが,
 女*6に売り渡されて
柵と武器とを持ち,そしてしわだらけの宦官どもに
 使えることもがまんでき,
そして,太陽は軍旗の間に(15)
 恥ずかしくも蚊帳*7を見たのです.
こちらの側へ,ガラティア人*8はカエサルを歌い讃えつつ,
 2000の馬を翻し,
敵の船の船首は逆向きに漕がれ
 左回りに港に入って隠れました*9.(20)


*1 最高のイタリア産葡萄酒の一つ.
*2 アウグストゥス(オクタウィアーヌス).
*3 セクストゥス・ポムペイウスのこと.ネプトゥーヌスの子と自称したことによる.彼のオクタウィアーヌスから被ったナウロコスでの敗北と敗走は前36年11月13日で,この勝利でオクタウィアーヌスは巨大な権力を手にする.
*4 オクタウィアーヌスはセクストゥス・ポムペイウスが,奴隷を軍に入れないという協定を破ったことを利用して,この戦いを「奴隷戦争」と呼んだ.
*5 アントーニウス.
*6 クレオパトラ.
*7 蚊帳はローマ人に取っては女々しいこととされた.それが軍旗の間にあるのはローマ人には考えられないこと.
*8 ガラティアの騎兵の長であったアミュンタースのこと.アントーニウスの側から寝返った.
*9 「左側へ」の意味は難解.実際の艦隊の動きとも,「敗走」を意味するともとられる.(Mankin: ad 19; ad 20)


【2006/01/12 20:22】 Horatius Iambi (Epodi) | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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疲れました……
タイトルのとおりで,『イアムボス集』更新できず申し訳ありません.
今準備したのは第9歌です.アクティウムの戦いがテーマで,歴史関係の人にもちょっとおもしろいものでしょう.
いまはアエネーイスも読んでいて,大変忙しいです.最近になってウェルギリウスの巨匠たる所以が分かって来たようなこないような.将来的に論文が書けるといいのですが,過去の研究を当たるのが大変そうです.アエネーイスも1巻分ぐらい翻訳しようかと思わないでもありません.
Ibisもネットでちょっと目を通してみましたが,これはなんとなく消化不良になりそうな印象があります.一般には,現実から目をそらすための自己満足の詩とすら言われているようで(cf. Brill's companion to Ovid, 233-4 ここでは再評価の機運があることも言及されています),なかなか読まれないというのも分からないでもありません.しかし実際にどうかは,本格的に取り組んでみないとわからないことですね.
そんなわけで,おやすみなさい.

【2006/01/12 01:12】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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Ibis
一応,将来的にここで翻訳を作ろうと思います.

しかし最新のコメンタリーは,なんとスペイン語……しかも国内に見当たりません.

R. Guarino Ortega. Los comentarios al "Ibis" de Ovidio: el largo recorrido de una exégesis ed. c. comm. Frankfurt, 1999.

研究書では

Gareth Williams. The Curse of Exile: A Study of Ovid's Ibis. Cambridge, Cambridge Philological Society Supplementary Volume 19, 1996.

というのが最新のようです.あと使えるのとなると,Lenzのドイツ語(ラテン語?),Budéのフランス語,La Pennaのイタリア語の注釈というところでしょうか.

いや,これはもう研究の間隙というしかありません.しかも入手どれも困難ですし.


【2006/01/11 23:51】 Ovidius Ibis | TRACKBACK(0) | COMMENT(2) | 記事修正

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ITって何の略?
森前首相も分からなかったみたいですが,ITがいったい何の略なのか,実は自分もよく分かってませんでした.なんとなくInternetの最初と最後かなあ,Informationと関係があるのかな,などと馬鹿な事を考えていました.
で,ちょっと思い立って調べてみましたが,ITというのはInclusive Tourの略語なんですね.
つまり,航空機のチケットだけでなく,お食事,宿泊,その他もろもろの一式の旅行セットが組み合わされたセット販売のツアーのことなんだそうです.

なんでも手をかけて調べておけば,恥を掻くんじゃないかと恐れずに生きなくてすんだのに,と,後悔しきりです.聞くは一時の恥ですが,今はちゃんとネットで調べられますしね.一時の恥も掻かずにすんだのですが.

こんど学会に行くときは,旅行会社で堂々と「……まで往復ITでお願いします!」と言うことにします.早く学会の季節にならないかな…….

【2006/01/11 11:50】 COMMENTARII DIURNI | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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