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カトゥッルス67歌(後編 29-48)

egregium narras mira pietate parentem,
 qui ipse sui gnati minxerit in gremium.    30
'atqui non solum hoc dicit se cognitum habere
 Brixia Cycneae supposita speculae,
flavus quam molli praecurrit flumine Mella,
 Brixia Veronae mater amata meae,
Sed de Postumio et Corneli narrat amore,     35
 cum quibus illa malum fecit adulterium.
dixerit hic aliquis: quid? tu istaec, ianua, nosti,
 cui numquam domini limine abesse licet,
nec populum auscultare, sed hic suffixa tigillo
 tantum operire soles aut aperire domum?    40
saepe illam audivi furtiva voce loquentem
 solam cum ancillis haec sua flagitia,
nomine dicentem quos diximus, utpote quae mi
 speraret nec linguam esse nec auriculam.
praeterea addebat quendam, quem dicere nolo   45
 nomine, ne tollat rubra supercilia.   
longus homo est, magnas cui lites intulit olim
 falsum mendaci ventre puerperium.'

お前は驚くべきピエタースを持った素晴らしい父のことを語っている,
 自分で自分の息子の懐に小便をしたその父のことを.(30)
「だが,キュクヌスの見張り台の元にあるブリクシアは,
 これだけを知っているわけではないと言う,
穏やかな流れの金色のメッラ河が脇を流れる
 我がウェローナの愛しい母なるブリクシアが.
それはポストゥミウスとコルネーリウスとの愛についても語っている,(35)
 彼らと共に,あの女はひどい不義を働いた.
ここで誰かは言うかもしれない.『どうして門よ,お前はそれを知っているのか,
 決して主人の入り口からいなくなることも
人に聞き耳をたてることも許されていないで,いつもここで横木の下に打ち付けられて
 ただ家を開けたり閉めたりしているのが常なのに.』(40)
私はしばしば彼女がひとりひそひそ声で
 女中たちと,この彼女自身の不義について喋っているのを聞いた,
私が言ったその者たちを名指しして,というのも,彼女は私に
 舌も耳もないと望んでいたからで.
その上,ある者の名前も付け加えていた,その人が眉毛を赤くしないように,
 私は名指しすることは望まないが,
彼は背が高い人で,かつて偽りの腹でもって
 偽の妊娠の訴訟を吹っかけられた男だが」


【2005/09/18 14:17】 Catullus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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カトゥッルス67歌(中編 15-28)

Non istuc satis est uno te dicere verbo,    15
 sed facere ut quivis sentiat et videat.
'Qui possum? nemo quaerit nec scire laborat.'
 Nos volumus: nobis dicere ne dubita.
'Primum igitur, virgo quod fertur tradita nobis,
 falsum est. non illam vir prior attigerit,  20
languidior tenera cui pendens sicula beta
 numquam se mediam sustulit ad tunicam;
sed pater illius gnati violasse cubile
 dicitur et miseram conscelerasse domum,
sive quod impia mens caeco flagrabat amore,  25
 seu quod iners sterili semine natus erat,
et quaerendum erat, unde foret nervosius illud,
 quod posset zonam solvere virgineam.'

20 attigerat η: attigerit V
27 et quaerendum erat Kroll  et] ut Bergk erat scripsi et querendus unde foret V   quaerendum unde unde Statius et quaerendus unde unde foret nervosius illud fortasse recte

お前があっさりというだけでは十分ではない,(15)
 誰でもよく感じて分るようにして欲しい.
「どうやってできるだろう?誰も知ることを望みもしないし,骨折ろうともしない.」
 私が望んでいる.ぐずぐずしないで言ってくれ.
「それじゃあ,まず,私に乙女が引き渡されたと言われているのは,
 出鱈目だ.以前の夫は,彼女を触らなかった,(20)
その男にはふにゃふにゃの砂糖大根よりも力ない武器がぶら下がっていて
 決してトゥニカの真中まで頭をもたげたことはなかった.
ところがそいつの父親が,息子の床を犯して,
 家を悪に染めて惨めなものにしたということだ.
不敬な心が闇雲な愛欲によって燃え上がったせいなのか,(25)
 その息子が不毛な種をもった力なしで,
そして乙女の帯をほどく事ができるような逞しい精力が
 わき上がるところのものを求めなければならなかったせいなのか」


【2005/09/18 02:43】 Catullus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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カトゥッルス67歌 (前編 1-14)

O dulci iucunda viro, iucunda parenti,
 salve, teque bona Iuppiter auctet ope,
ianua, quam Balbo dicunt servisse benigne
 olim, cum sedes ipse senex tenuit,
quamque ferunt rursus gnato servisse maligne,      5
 postquam es porrecto facta marita sene.
dic agedum nobis, quare mutata feraris
 in dominum veterem deseruisse fidem.
'Non (ita Caecilio placeam, cui tradita nunc sum)
 culpa mea est, quamquam dicitur esse mea,       10
nec peccatum a me quisquam pote dicere quicquam:
 verum †istius populi iamua qui te† facit,
qui, quacumque aliquid reperitur non bene factum,
 ad me omnes clamant: ianua, culpa tua est.'

おお,愛される夫にとって嬉しい,親にとって嬉しい者よ,
 サルウェ,そして,ユッピテルがお前をよき力添えで祝福せんことを.
門よ,お前は以前はバルブスに,よく仕えたと人が伝えている,
 老いた彼自身が家を持っていた時だが,
そして,今度はその息子に,酷い仕え方をしたと伝えているな,(5)
 それは老人が死んで,お前が新婚の扉となった後に.
さあさあ,僕に言ってくれ,どうしてお前は変節して
 主人に対する古い忠誠を捨ててしまったと言われるのか.
「それは(私が今引き渡されているカエキリウスの気を害さないように)
 私の所為(せい)ではない,私の所為と言われてはいるにしても.(10)
また,私によって犯された罪は何一つ,だれも言う事は出来ない.
 実の所†・・・・・・・・・・・・・・・†
彼らは何かを上手くすることが出来なかったことが分かった時に
 皆,私に叫ぶのだ.『門よ,お前の所為だ!』」


【2005/09/17 13:34】 Catullus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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オウィディウス『恋の治療法』
オウィディウスで多分,翻訳がない唯一の作品だと思うので,すぐに始めるかどうかはわかりませんが,いずれぼちぼち翻訳してみたいと思います.一応参考文献を(*は未入手)

校訂本

Kenny, E.J. P.Ovidi Nasonis Amores, Medicamina Faciei Femineae, Ars Amatoria, Remedia Amoris. OCT. 1961. 2nd Ed. 1994. Reprinted with corrections. Oxford etc.: Clarendon Press, 1995.
定番の優れた校訂本.

Antonio Ramírez de Verger Ed. Ovidius. Carmina Amatoria. Bibliotheca Teubneriana. München/Leipzig: Saur, 2003.(書評)*
最新の校訂本.Ars AmatoriaとRemedia Amoris.

注釈

Henderson, A.A.R. P. Ovidi Nasonis Remedia Amoris. Edited with Introduction and Commentary. Edinburgh: Scottisch Academic Press, 1979.
コンパクトで使い易い注釈.これ一冊でほぼ十分.

Pinotti, Paola. P. Ovidio Nasone Remedia Amoris. Introduzione, texto e commento. 2nd Ed. Bologna: Pàtron, 1993.
イタリア語の注釈.恐らく最新のものでしょう.

Geisler, Hans Joachim. P. Ovidius Naso Remedia Amoris mit Kommentar zu Vers 1-396. Inaugural-Diss. Berlin, Freie Univ., 1969.*
Lucke, Christina. P. Ovidius Naso Remedia amoris: Kommentar zu Vers 397-814. Reihe klass. Philologie 33. Bonn: Habelt, 1982.*
上二つは未入手ですが,今の所一番詳しい注釈のようです(ドイツ語).

翻訳

Ehwald, R. tr. in Perseus Project
多分Loebの翻訳のネット版.

樋口 勝彦 訳『オウィディウス 恋の技法』平凡社ライブラリー 97.東京:平凡社,1995.
『恋の治療法』ではありませんが,その前に出ていた『恋の技法』(追放の表向きの理由となったいわゆる筆禍本)を知らないことには面白みが半減してしまいます.それを一番手っ取り早く知るのに,非常に便利な翻訳.ただし,残念ながら行数が振られていません.オリジナルは確か相当古い翻訳だったと思います(1961年の版を元にした,としていますが,その前に翻訳が出ているはずです).

【2005/09/17 05:16】 Ovidius Remedia Amoris | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ピンダロス『ネメア祝勝歌』9 第1ストロペー(1-5)
ピンダロス『ネメア祝勝歌』9 第1ストロペー(1-5)


XRWMIWI AITNAIWI ARMATI

Kwma/somen par 070Apo/llwnov Sikuwno/qe, Moi=sai,
ta_n neokti/stan e0v Ai1tnan, e1nq 0 a0napeptame/nai
77cei/nwn neni/kantai qu/rai,
o1lbion e0v Xromi/ou dw~m 0. a0ll 0 e0pe/wn gluku_n u3mnon pra/ssete.
to_ krath/sippon ga_r e0v a3rm 0 a0nabai/nwn
77mate/ri kai didu/moiv pai/dessin au0da_n manu/ei
Puqw~nov ai0peina=v o9mokla/roiv e0po/ptaiv.


エトナのクロミオスに,戦車競技の勝利に際して

押しかけようではないか,アポッローンゆかりのシキュオーンから,ムーサらよ,
新たに築かれたエトナへ??そこでは開いた
 扉が他所者に仕えている??,
クロミオスの幸福な
 家へ.さあ,言葉による甘美な賛歌を為せ.
なぜなら,力強き馬牽く戦車に乗って,
 母*と双児の子ら**に,歌の開始を呼ばわっているから,
聳えるピュトーンを,等しく割り当てられて見張る神々に.

*レートー. **アルテミスとアポッローン.

【2005/09/16 23:56】 Pindarus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ピンダロス『ネメア祝勝歌』9歌
 ピンダロスは黙っているとなかなか読む機会がないので,ちょっと読んでみようと思います.
 ちょっと見た感じでは,ホラーティウス読みには多分,サッポーやアルカイオスなどの叙情詩と並んで,必読書ですね.Nisbet-Hubbardの注釈を読むよりも,直接ピンダロス(やバッキュリデースなど)を読む方が,発見が多いと思います.

一応,手に入った参考文献をあげると……

校訂本・注釈書

Braswell, Bruce Karl. A Commentary on Pindar Nemean Nine. Texte und Kommentare 19. Berlin/New York: de Gruyter, 1998.(書評)
一番新しい校訂本+対訳+注釈でしょうか.注釈はしかし凄まじく専門的です.しかし対訳は大変便利で,信頼がおけます.

翻訳

内田 次信 訳『ピンダロス 祝勝歌集/断片選』西洋古典叢書第II期第13回配本.京都:京都大学学術出版会,2001.
僕のようなラテン語しか読めない(それもそんなに読めてませんが)自称西洋古典学学徒には,喉から手が出る程欲しかった一冊です.翻訳そのものも優れていると思いますが,解説も非常によくまとまっていて,現時点の研究概観になっています.


ピンダロスは,内容の難しさもさる事ながら,韻律になると,殆ど韻律の専門家のテーマになる程の難しさだそうです.これについては追々(勉強しながら),参考文献などをあげることにします.

【2005/09/16 23:02】 Pindarus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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アルカイオス L-P Z 23, Diel 94 Bergk 39 灼熱の季節

te/gge pleu/monav oi1nw|, to_ ga_r a1stron perite/lletai,
a0 d 0 w1ra xa/lepa, pa/nta de_ di/yais 0 u0pa_ kau/matov,
a1xei d 0 e0k peta/lwn a1dea te/ttic, pteru/gwn d 0 u1pa
kakxe/ei ligu/ran <pu/knon> a0oi/dan, <qerov> o!ppota
flo/gion kaqe/tan e0pipta/menon kataudei/h
<...........................................>
a1nqei de_ sko/lumov: nu=n de_ gu/naikev miarw/tatai,
le/ptoi d 0 a1ndrov, e0pei_ kefa/lan kai go/na Sei/riov
a1sdei ...

肺を葡萄酒で濡らせ,なぜなら星座は回り,
季節は厳しくなり,全ては暑さによって乾いている.
木の葉の中から蝉は甘く歌い,羽の下から
通る強い声を注ぐ,それは燃え盛る夏が
・・・・・・・・・・・・・・・の時.・・・・
チョウセンアザミは花咲く.だが今,女性達は最もひどく,
男達は弱々しい,というのも,犬座が頭から膝まで
ひからびさせているから・・・・


【2005/09/16 13:24】 Alcaeus | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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カトゥッルス64歌の対訳化
http://blog-imgs-1.fc2.com/l/i/t/litterae/Catul_64.html

一応64歌全体を対訳形式にしました.若干直したりしているので,こちらの中にあるほうがいい状態だと思います.それにしても,タグ打ち結構時間がかかるものですね…….

【2005/09/15 23:25】 Catullus 64 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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対訳形式に
http://blog-imgs-1.fc2.com/l/i/t/litterae/Catul_64.html

64歌を対訳形式にしてみました(まだ作りかけですが).
このブログはhtmlやcssファイルもアップできるので,ここでサイトを作ってしまうこともできるのですね.fc2ブログは凄いです.

【2005/09/15 15:12】 Catullus 64 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス1巻11歌 この日を摘め

Tu ne quaesieris, scire nefas, quem mihi, quem tibi
finem di dederint, Leuconoe, nec Babylonios
temptaris numeros. ut melius, quidquid erit, pati,
seu pluris hiemes seu tribuit Iuppiter ultimam,
quae nunc oppositis debilitat pumicibus mare    5
Tyrrhenum! sapias, vina liques et spatio brevi
spem longam reseces. dum loquimur, fugerit invida
aetas. carpe diem quam minimum credula postero.

君は尋ねてはならない,知るのは許されざること,いかなる最期を神々が
僕や君に,与えるのかなどとは,レウコノエーよ,そして,バビロニアの
占星術を試みてはいけない.何が起ろうと,受け入れるほうがずっといいじゃないか?
ユッピテルがもっと多くの冬を与えてくれたのであれ,最期の冬を与えてくれているのであれ,
その冬の嵐は今この時も,向かい合う岩肌によって,テュッレーニアの海を弱らせている.(5)
賢くあれ,葡萄酒を濾せ,そして長い望みを
短い期間に切り分けよ.僕達が話しているうちにも,意地悪にも
時は逃げてしまうだろう.後の日をできる限り頼りにしないで,この日を摘め.


韻律:Asclepiadeum quintum
― ― | ― UU ― || ― UU ― || ― UU ― | U U


【2005/09/14 22:25】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(1) | 記事修正

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カトゥッルス64歌のindex
Indexがないと,64歌の翻訳を探し当てるのも大変なので,鳥瞰図を兼ねてまとめました.

1-21: アルゴー船の出発.
22-30: 後のペーレウスとテティスの婚礼の讃歌.
31-42: 婚礼の招待客の到着.
43-9: 王宮と新床.

 50-70: 捨てられたアリアドネー.
 71-5: アリアドネーが捨てられるに至る理由 移行部分
 76-85: テーセウスのクレタ来訪
 86-102: 恋に落ちたアリアドネー
 103-115: ミノタウロス退治
 116-131: アリアドネーの境遇

  132-148: アリアドネーの独白(前編)
  149-70: アリアドネーの独白(中編)
  171-191: アリアドネーの独白(中編の2)
  192-201: アリアドネーの独白(後編) テーセウスへの呪い

 202-14: テーセウスの帰郷
 215-37: アエゲウスの別れの言葉
 238-250: アエゲウスの死(アリアドネーの呪いの成就)
 251-64: バッコスの登場(アリアドネーの救い)

265-77: 結婚式への移行・人間の来訪者の帰宅
278-302: 神々の来訪
303-22: 運命女神パルカ

 323-41: 運命女神パルカらの歌・婚姻の予言
 338-355: パルカらの予言・アキレウス(前編)
 357-70: パルカらの予言・アキレウス(後編)
 372-83: パルカらの予言・締めくくり

384-96: エピローグ・神々が人々の前に現れていた時代
397-408: エピローグ・神々が姿を隠した時代

【2005/09/14 20:32】 Catullus 64 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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一応一区切り……
このブログの初のまとまった大仕事,カトゥッルス64歌の全訳,一応一区切り終わりました.まだ間違いなどもあるので,徐々にアップデートしようと思っていますし,メインのサイトに移動して,対訳にいずれはしようと思います.

興味深い作品で,多分ウェルギリウスなどを読む時にも,かなり役立つことの多い作品だと思いますが,やはりテクストの問題も多いですし,語学的な注釈が足りない(日本人にとってというだけではなくて)ので,ちょこちょこ注釈も足して行って,もう少し読み易いようにしなければ,と思います.

翻訳開始が9月1日,結局2週間もかかってしまいましたが,もしおつきあい下さっていた方がおられましたら,心より感謝申し上げます.

【2005/09/14 01:46】 Catullus 64 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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カトゥッルス64歌397-408 エピローグ・神々が姿を隠した時代
sed postquam tellus scelere est imbuta nefando
iustitiamque omnes cupida de mente fugarunt,
perfudere manus fraterno sanguine fratres,
destitit extinctos gnatus lugere parentes,   400
optavit genitor primaevi funera nati,
liber ut innuptae poteretur flore novercae,
ignaro mater substernens se impia nato
impia non verita est divos scelerare penates.
omnia fanda nefanda malo permixta furore    405
iustificam nobis mentem avertere deorum.
quare nec talis dignantur visere coetus,
nec se contingi patiuntur lumine claro.

Explicit Catulli sexagesimum quartum carmen



しかし,大地が言うのも憚られる悪事によって汚されて,
全ての者が正義を望む心から逃げ去ってしまった後,
兄弟は兄弟の血を手に注ぎ,
子は死んだ親たちを嘆く事を止め,(400)
嫁がぬ義母の花を自由に味わうために
父は子の早い葬儀を望み,
母は不敬にも,何も知らない息子の床に入り,
不敬にも,神々の竈に悪事を働くことを恐れなかった.
全ての吉凶は禍々しい狂気によって滅茶苦茶にされ (405)
神々の正義の心を我々から引き離した.
そのために,彼らはこのような集まりに訪れるを良しとせず,
自分を白日のもとにさらすことも許さないのだ.

カトゥッルス64歌終わり



【2005/09/14 01:32】 Catullus 64 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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カトゥッルス64歌384-96 エピローグ・神々が人々の前に現れていた時代
praesentes namque ante domos invisere castas
heroum et sese mortali ostendere coetu    385
caelicolae nondum spreta pietate solebant.
saepe pater divum templo in fulgente revisens,
annua cum festis venissent sacra diebus,
conspexit terra centum procumbere tauros.
saepe vagus Liber Parnasi vertice summo    390
Tyiadas effusis euantis crinibus egit,
cum Delphi tota certatim ex urbe ruentes
acciperent laeti divum fumantibus aris.
saepe in letifero belli certamine Mavors
aut rapidi Tritonis era aut Rhamnusia virgo  395
armatas hominum est praesens hortata catervas.

というのも,以前は英雄達の汚れない家に,天に住むもの達は
姿を現して訪れ,そして人間の集まりにも姿を現した(385)
ものであった,まだ敬神が軽んぜられてはいなかったので.
祭りの日に,年ごとの聖なる儀式がやってくる時には,
しばしば,神々の父は輝く寺院に現れて,
百頭牛が大地に倒れるのを見た.
しばしば,彷徨うリーベル神は,パルナッススの頂上から(390)
髪の毛振り乱し叫び声あげるバッコス信者を率いた,
デルポイ人が競って町中から押しかけ,
喜んで煙りたなびかせる祭壇に神を迎える時.
しばしば,死をもたらす戦の競り合いで,マルス神や
激しい流れのトリトーン河の女主人(アテーネー)やラムノスの乙女(ネメシス)が(395)
姿を現し,武装した人々の集団を励ました.


【2005/09/14 00:53】 Catullus 64 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ローマ恋愛詩人の詩論
中山恒夫『ローマ恋愛詩人の詩論?カトゥルルスとプロペルティウスを中心に?』東京:東海大学出版会,1995.(5150円税込)

ローマ恋愛詩の中には色々詩論に関係しそうなものが出て来ますが,そういうものを俎上に挙げた論文を色々集めたというものです.

実は中山先生の第1章の「カトゥルルスとプロペルティウスにおける美の概念」という論文は,海外の研究でも注目をされていて,時々引用もされています.この元論文はTsuneo Nakayama. "Schönheitbsbegriff bei Catull und Properz" AIGC 1 (1963-4):61-74.です.これがどこにあるものやら入手できないでいたのですが,日本語で出ていてようやく読めるので嬉しいです.ちなみにこの論文,引用される時は誤植が多い事も指摘されているのですが,後書きで,事務員が船便で論文を送ったため,締め切りに間に合わず校正なしで印刷に回ったとのことで,納得が行きました.

今これから翻訳をアップする予定の,カトゥッルスの64歌の結句についての論文も入っているので楽しみです.

【2005/09/13 20:01】 VARIA | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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古代ローマの日常生活
ピエール・グリマル著 北野 徹 訳『古代ローマの日常生活』文庫クセジュ885,東京:白水社,2005.

 クセジュ文庫で,なかなか面白い翻訳が登場していました.案外ローマの日常生活の概説書は手頃なものがなかったのですが,これがその役割を果たしてくれると思います.

 著者は10年ほど前に亡くなられた,フランスのラテン文献学の最高峰とまで言われた人で,クセジュ文庫にも幾つも書いています.

 この本で面白いのは,ローマの歴史の流れにおける,文化の変遷を追っているということです.これはともすると,数百年の歴史の中のものを,全く同じ状態のものとみなしがちな我々には非常に大切な視点でだと思います(同じ事は言語にも言えると思います).

 訳者の方は,ソフトウェア関係の会社の社長さんをされていて,今は多分その関係の研究所所長をつとめられているようです.翻訳はかなり読み易くて,しかも原著に付いていない原典を全て補充される等,親切な作りになっています.クセジュ文庫にも幾つか翻訳をだしていらっしゃいます.

【2005/09/13 15:10】 VARIA | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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カトゥッルス64歌372-83 パルカらの予言・締めくくり
quare agite optatos animi coniungite amores.
accipiat coniunx felici foedere divam,
dedatur cupido iam dudum nupta marito.
 currite ducentes subtegmina, currite, fusi.  375
non illam nutrix orienti luce revisens
hesterno collum poterit circumdare filo,
 currite ducentes subtegmina, currite, fusi,
anxia nec mater discordis maesta puellae
secubitu caros mittet sperare nepotes.      380
 currite ducentes subtegmina, currite, fusi.

 talia praefantes quondam felicia Pelei
carmina divino cecinerunt pectore Parcae.

378 secl. Bergk, quem sequuntur fere omnes editores, sed hunc versum retinere posse puto


それゆえ,心望む愛を,さあ,結び給え.
花婿は幸福な契りと共に,花嫁を受け入れるべし.
花嫁は欲している花婿にすぐにも与えられるべし.
 走るがよい,横糸を導きながら,走るがよい,糸巻き棒らよ. (375)
乳母が日の出に訪れたなら
昨日までの糸は首に巻く事はできないだろう,
 走るがよい,横糸を導きながら,走るがよい,糸巻き棒らよ.
母親が不仲な娘を心配して,
離れて寝ることで孫を望むことを諦めずに住むだろう.(380)
 走るがよい,横糸を導きながら,走るがよい,糸巻き棒らよ.

 このような幸福もたらす歌を,ペーレウスに予言して
パルカらは神々しい胸より歌う事を終えた.

【2005/09/13 14:29】 Catullus 64 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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カトゥッルス64歌357-70 パルカらの予言・アキレウス(後編)
testis erit magnis virtutibus unda Scamandri,
quae passim rapido diffunditur Hellesponto,
cuius iter caesis angustans corporum acervis
alta tepefaciet permixta flumina caede.      360
 currite ducentes subtegmina, currite, fusi.
denique testis erit morti quoque reddita praeda,
cum teres excelso coacervatum aggere bustum
excipiet niveos perculsae virginis artus.
 currite ducentes subtegmina, currite, fusi.   365
nam simul ac fessis dederit fors copiam Achivis
urbis Dardaniae Neptunia solvere vincla,
alta Polyxenia madefient caede sepulcra;
quae, velut anticipi succumbens victima ferro,
proiciet truncum summisso poplite corpus.     370
 currite ducentes subtegmina, currite, fusi.


スカマンドロス河の流れが,偉大な勇敢さの証人になるだろう,
それは荒れるヘッレスポントスに広く流れ込んでいるのだが,
その流れの道は殺された死体の山で狭くなり,
血のりと混ぜて河をあたためるだろう.(360)
 走るがよい,横糸を導きながら,走るがよい,糸巻き棒らよ.
そうして,死んだ彼に与えられた戦利品も,証人になるだろう,
聳え立った塚に高く築かれた丸い墓が
打ち殺された乙女の身体を受け取る時に.
 走るがよい,横糸を導きながら,走るがよい,糸巻き棒らよ. (365)
というのも,疲れ切ったアカイア人に,運命が
ダルダヌスの都の,ネプトゥーヌスによる要塞を解く事を可能にしたらすぐに,
その聳える墓はポリュクセネーの血でぬれるだろう,
その女は,あたかも両刃の斧に生贄が倒れるように,
膝を曲げて首を刎ねられた死体を投げ出した.(370)
 走るがよい,横糸を導きながら,走るがよい,糸巻き棒らよ.




【2005/09/13 13:48】 Catullus 64 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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プラトーン『ソピステース』参考文献
校訂本

Burnet, Ioannes Ed. Platonis Opera. Tomus I. OCT. Oxford: Clarendon Press, 1900. Reprint 1967.
定番.最近,新しいOCT版も出ているようですが,未入手です.

注釈

Stallbaum, Gottfried. Platonis Opera omnia. 8. Theaetetus, Sophista. 1840. New York: Garland Pub., 1980
殆ど唯一の注釈書でしょうか.プラトーンの作品の中でも難解で有名だったようなので,学校で読まれることがなかったのが,注釈書がない原因なのかもしれません.あるいは,よくプラトーンやアリストテレースの研究には(こっそり)言われることですが,哲学的関心に終始するあまり,本文の問題に関心が向けられなかったという事情もあるのかもしれません.

翻訳

Schleiermachers, Friedrich Tr. Platon: Sämtliche Werke VII. insel taschenbuch 1407. Frankfurt am Main/Leipzig: Insel Verlag, 1991.[Sophistes: pp.125-293.]
ドイツ語の対訳.ただし,本文はLes Belles Lettres (Budé)のそれ.

研究文献

納富信留『ソフィストと哲学者の間:プラトン『ソフィスト』を読む』名古屋:名古屋大学出版会,2002.

【2005/09/13 04:23】 Plato Sophistes | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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カトゥッルス64歌338-355 パルカらの予言・アキレウス(前編)
nascetur vobis expers terroris Achilles,
hostibus haud tergo, sed forti pectore notus,
qui persaepe vago victor certamine cursus     340
flammea praevertet celeris vestigia cervae.
 currite ducentes subtegmina, currite, fusi.
non illi quisquam bello se conferet heros,
cum Phrygii Teucro manabunt sanguine <campi>,
Troica obsidens longinquo moenia bello,      345
periuri Pelopis vastabit tertius heres.
 currite ducentes subtegmina, currite, fusi.
illius egregias virtutes claraque facta
saepe fatebuntur gnatorum in funere matres,
cum incultum cano solvent a vertice crimen,    350
putridaque infirmis variabunt pectra palmis.
 currite ducentes subtegmina, currite, fusi.
namque velut densas praecerpens messor aristas
sole sub ardenti flaventia demetit arva,
Troiugenum infesto prosternet corpora ferro.    355
 currite ducentes subtegmina, currite, fusi.

344 campi Statius: tene G tenen al. teuen R

汝らには恐怖を知らぬアキッレースが生まれるだろう,
敵には背中でなく,強き胸で知られる者,
しばしば遠距離の競走の勝利者で,(340)
足速き鹿の火のような跡も追いこして行くような者だ.
 走るがよい,横糸を導きながら,走るがよい,糸巻き棒らよ.
いかなる英雄も戦ではこの者に自らを引き合わせはしないだろう,
フリュギアの野が,トロイアの血で濡れ,
誓に背いたペロプスの三代目の後継者が(345)
トロイアの城壁を長引く戦いで包囲して破壊する時に.
 走るがよい,横糸を導きながら,走るがよい,糸巻き棒らよ.
彼の卓越した勇猛さをと,名高い業績を
しばしば子供らの墓で母親らは語るであろう,
整えられぬ髪を白髪の頭から解き放ち,(350)
力ない手で老いさらばえた胸に痣を作る時に.
 走るがよい,横糸を導きながら,走るがよい,糸巻き棒らよ.
なぜなら,あたかも刈り取り手がぎっしり立ち並ぶ穂を刈りながら
燃え上がる太陽の下,黄色に実った畠を収穫するように,
彼は恐ろしい剣によってトロヤ人の身体を打ち倒すだろうから.(355)
 走るがよい,横糸を導きながら,走るがよい,糸巻き棒らよ.

【2005/09/13 01:00】 Catullus 64 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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文学研究者とは……
http://www.shigotokan.ehdo.go.jp/jjw/servlet/gaisetsu/nanikana?jobID=0000384

いやー,知りませんでした.文学を研究するって,こんなことだったとは…….

【2005/09/12 23:15】 VARIA | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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カトゥッルス64歌323-41 運命女神パルカらの歌・婚姻の予言
o decus eximium magnis virtutibus augens,
Emathiae tutamen, Opis carissime nato,
accipe, quod laeta tibi pandunt luce sorores,   325
veridibum oraclum: sed vos, quae fata sequuntur,
 currite ducentes subtegmina, currite, fusi.
adveniet tibi iam portans optata maritis
Hesperus, adveniet fausto cum sidere coniunx,
quae tibi flexanimo mentem perfundat amore,    330
languidulosque paret tecum coniungere somnos,
levia substernens robusto brachia collo.
 currite ducentes subtegmina, currite, fusi.
nulla domus tales umquam contexit amores,
nullus amor tali coniunxit foedere amantes,    335
qualis adest Thetidi, qualis concordia Peleo.
 currite ducentes subtegmina, currite, fusi.

おお,余りにも素晴らしい栄光を偉大な勇気で増している,
テッサリアの守り手を,オプスより生まれし者(ユッピテル)に最も愛しい者よ,
喜ばしい日にお前に姉妹が開示する,(325)
真実語る予言を受け入れよ.だが,運命が従うところのお前達よ,
 走るがよい,横糸を導きながら,走るがよい,糸巻き棒らよ.
汝に今や,結ばれし者らに望まれし日が
やって来るだろう,妻が聖なる星と共に,やって来るであろう,
彼女は汝の心を,心かき乱す愛で満たし,(330)
お前とけだるき夢を喜んで共にするだろう,
逞しき首の下に細き腕をおいて.
 走るがよい,横糸を導きながら,走るがよい,糸巻き棒らよ.
いかなる家も,かくの如き愛を覆いしことはなく,
いかなる愛も,かくの如き契約で愛しあうものを結びしことはなかった.(335)
テティスとペーレウスとの所にありし和合のようなものは.
 走るがよい,横糸を導きながら,走るがよい,糸巻き棒らよ.


【2005/09/12 23:09】 Catullus 64 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ソピステース
今日,納富信留『ソフィストと哲学者の間:プラトン『ソフィスト』を読む』名古屋:名古屋大学出版会,2002.(5800円+税)を入手しました.これは後書きによると,Noburu Notomi, The Unity of Plato's Sophist: Between the Sophist and the Philosopher. Cambridge: Cambridge U.P., 1999.の日本版で,この日本版の上梓の際に,英語版にない,新しく書き加えられた部分もあり,さらにアップデートもされているため,日本版が最新の状態を反映しているという,日本人であることを珍しくも嬉しく思える古典語関係の研究書の一冊です.英語版の書評もBryn Mawr Classical Reviewで出ています(http://ccat.sas.upenn.edu/bmcr/1999/1999-11-03.html).この書評では,問題なしとはされていないものの,かなり高く評価されているように思います.

せっかくこういう国際的に通用するプラトンの個別巻の研究書を手にすることができたので,これを機会に,ソピステースを読むための,注釈書・テクストの類いをある程度そろえて,この本と見比べつつ,少しづつ試訳をアップしようと思います.いつから始めるかは分りませんが…….

【2005/09/12 18:44】 Plato Sophistes | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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カトゥッルス64歌303-22 運命女神パルカ
qui postquam niveis flexerunt sedibus artus,
large multiplici constructae sunt dape mensae,
cum interea infirmo quatientes corpora motu    305
veridicos Parcae coeperunt edere cantus.
his corpus tremulum complectens undique vestis
candida purpurea talos incinxerat ora,
at roseae niveo residebant vertice vittae,
aeternumque manus carpebant rite laborem.     310
laeva colum molli lana retinebat amictum,
dextra tum leviter deducens fila supinis
formabat digitis, tum prono in pollice torquens
libratum tereti versabat turbine fusum,
atque ita decerpens aequabat semper opus dens,   315
laneaque aridulis haerebant morsa labellis,
quae prius in levi fuerant exstantia filo:
ante pedes autem candentis mollia lanae
vellera virgati custodibant calathisci.
haec tum clarisonos pellentes vellera voce     320
talia divino fuderunt carmine fata,
carmine, perfidiae quod post nulla arguet aetas.

彼らが雪のように白い席に身体を折り曲げると,
何重もの宴で豪勢な食卓が供された.
するとやがて,おぼつかない動きで身体を振りながら(305)
真実語る歌をパルカたちは歌い始めた.
彼らの震えるからだを,純白の服はすっぽり覆っており,
紫色の縁で踵をしっかり覆っていた.
だが,薔薇色のリボンは白くなった頭の上に載っていた,
そして,手は正しく永久に続く作業を紡いでいた.(310)
左手は柔らかい羊毛に覆われた糸巻き棒をもち,
右手は軽やかに,上に向けた指で糸をつむぎ出して
形を整え,傾けた親指の中で巻取り,
丸い円盤で,紡錘をバランスをとりながらまわしていた.
そうして,このようにして紡ぎながら,歯はつねにその仕事を均等にしていた,(315)
そして,乾きかけた口には,それらが細い糸になる前に,
噛み取られた羊毛がくっついていた.
足の前ではしかし,純白の柔らかい羊毛の固まりを,
小枝でできた小さいバスケットが守っていた.
その時,これらの羊毛を紡ぎながら,明るい声で(320)
このような運命を,神聖な歌によって,語った,
いかなる時代も,後に偽りであると非難することのない歌によって.





【2005/09/11 14:14】 Catullus 64 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ようやく300行達成……
なんとか300行達成!あと2日ぐらいでなんとか全部訳し終わると思います.
この歌は,作品自体としても面白くて,多分後代に与えた影響も多いみたいですが,それなりに難しいので,余り専門的でないにせよ,少し理解を助ける注を付けてみようかと思っています.前の部分に少しやったようなものですね.

【2005/09/11 02:43】 Catullus 64 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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カトゥッルス64歌278-302 神々の来訪
quorum post abitum princeps e vertice Pelei
advenit Chiron portans silvestra dona:
nam quoscumque ferunt campi, quos Thessala magnis  280
montibus ora creat, quos propter fluminis undas
aura parit flores tepidi fecunda Favoni,
hos indistinctis plexos tulit ipse corollis,
quo permulsa domus iucundo risit odore.
confestim Penios adest, viridantia Tempe,      285
Tempe, quae silvae cingunt super impendentes,
Haemonisin linquens crebris celebranda choreis,
non vacuus: namque ille tulit radicitus altas
fagos ac recto proceras stipite laurus,
non sine nutanti platano lentaque sorore       290
flammati Phaethontis et aerea cupressu.
haec circum sedes late contexta locavit,
vestibulum ut molli velatum fronde virerent.
post hunc consequitur sollerti corde Prometheus,
extenuata gerens veteris vestigia poenae,      295
quam quondam silici restrictus membra catena
persolvit pendens e verticibus praeruptis.
inde pater divum sancta cum coniuge natisque
advenit caelo, te solum, Phoebe, relinquens
unigenamque simul cultricem montibus Idri:      300
Pelea nam tecum pariter soror aspernata est,
nec Thetidis taedas voluit celebrare iugalis.

287 Haemonisin Heinsius: Minosim V crebris Lachmann: doris V


彼らが去った後,ペーレウスの頂きから,最初に
キローンが,森の贈り物をもってやって来た.
というのも,野原がもたらす限りの,テッサリアの地域が(280)
大きな山々でつくり出す限りの,河の流れのために,
暖かいファヴォーヌスのそよ風がうむ限りの,花々を,
これらをごちゃ混ぜに花環に編み込んで彼みずから持って来た.
その心地よい香りによって,屋敷は撫でられて笑った.
すぐにペーニーオスもやって来た,青々したテンペー,(285)
テムペー,それは上に聳える森が取り囲むのだが,
それをハエモニアの娘らに盛んな踊りで祝われるようにして去って来たが,
手ぶらではなかった.というのも,彼は高い山毛欅の木々を根こそぎ
持って来て,さらに真直ぐな幹の聳える月桂樹も,
頷くプラタナスの木や燃え上がったパエトンの(290)
しなやかな姉妹(ポプラ)や,中に聳える糸杉も欠けてはいなかった.
これらを屋敷の周り一面広くに,くっつけて植えて,
柔らかい葉で覆われた前庭が青々としているようにした.
この後,抜け目ない心のプロメーテウスが続いたが,
古い罰の微かな痕跡をもっていた.(295)
その罰はかつて石の鎖で身体を縛られ,
険しい山頂から吊るされつつつぐなったもの.
続いて,神々の遅々が,聖なる妻と子供達と
天からやって来た,お前だけを,ポイボスを,
そうして一緒に生まれた,イドルス山に住む女神(ヘカテーかアルテミス)を残して.(300)
というのも,お前と一緒に,姉妹もペーレウスを軽んじ,
またテティスの婚姻の松明を祝福することも望まなかったから.

【2005/09/11 02:36】 Catullus 64 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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カトゥッルス64歌 265-72の補注
先程訳した265-72では,ホメーロスなどの叙事詩ではお馴染みの比喩が出て来ます.しかしここの所の比喩,滅茶苦茶難しかったですね.かなり読みにくいところだと思うのですが,今一つ注釈群もまとまったものがないので,ちょっと分かりにくいところの注釈を入れておくと……

268 sanctis ... divisは,利益の与格「聖なる神々のために」.

269 hicは「この時」.比喩が長いので,この時間の特定は立ち消えになりかけるが,276のtumでもう一度繰り替えされる.flato ... matutinoはplacidumにかかる.flatu placidum mare matutinoは,続く270のhorrificansに支配されている.

272のquaeは270のundasが先行詞.271は,そのためやや浮いているが,275のpurpurea ab luceが意味をなすためにはここに必要.

273 Fordyceはsonantの主語はcachinniとしているが,文法的にはここだけ主語が異なるのは不自然.cachinniは属格でplangoreにかかり,主語は前と同じくundaeのままと理解すべき.plangoreのabl.はOLD sono 3 "resound with".

275 abは本来ならfulgentには不要(cf.上のsonantと奪格).奪格の意味の明確化と韻律の都合で付いている.波が進むことにnareを使うのはEnniusの用法.

276 vestibuli regia tecta は,文字どおりには「前庭の王の館」.hypallageといわれる,語の関係を違うものにしている語法で「王の館の前庭」の意味.vestibulum regiorum tectorumの,重い属格の回避(韻律にもあわない)が目的と考えられる.

277 ad se 「自分の家に」vago passim pede: passimはvagoにかかる.

【2005/09/10 13:40】 Catullus 64 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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カトゥッルス64歌265-77 結婚式への移行・人間の来訪者の帰宅
talibus amplifice vestis decorata figuris      265
pulvinar complexa suo velabat amictu.
quae postquam cupide spectando Thessala pubes
expleta est, sanctis coepit decedere divis.
hic, qualis flatu placidum mare matutino
horrificans Zephyrus proclivas incitat undas,    270
Aurora exoriente vagi sub limina Solis,
quae tarde primum clementi flamine polsae
procedunt leviterque sonant plangore cachinni,
post vento crescente magis magis increbescunt,
purpureaque procul nantes ab luce refulgent:     275
sic tum, vestibuli linquentes regi tecta
ad se quisque vago passim pede discedebant.

このような絵によって,豪華に飾られた衣が(265)
長椅子をその覆いでかき抱き覆っていた.
これをテッサリアの若者達が興味深く見る事に
飽いた後,かれらは聖なる神々のために,去り始めた.
この時,ちょうど,早朝の息吹きで穏やかな海を,
巡る太陽の戸口で曙が現れる頃,(270)
ゼピュルスが脅かし,押し寄せる波を起こすように,
----波は最初はゆっくりと穏やかな息吹に打たれて
進み,笑い声のさざ波打つ音で軽く響くが,
後には風が強くなり,ますます波は頻繁に打ち寄せ,
遠くまで進んで紫の光りを輝かせる.(275)
そのように,その時,各々は王の家の前庭を後にして,
自分の家へと,あちらこちらへと歩きながら去って行った.

【2005/09/10 12:36】 Catullus 64 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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カッリマコス Pf.23, Gow-Page 53 (AP 7.471)

Ei1pav79 3Hlie xai=re 0 Kleo/mbrotov w9mbrakiw/thv
77h#lat 0 a0f 0 u9yhlou~ tei/xeov ei0v70Ai5dhn,
a1cion ou0de_n i0dw_n qana/tou kako/n, a0lla_ Pla/twnov
77e3n to_ peri_ yuxh=v gra/mm 0 a0naleca/menov.

「太陽よ,さらば」といって,アムブラキアのクレオムブロトスは
 高い城壁から冥界へと飛び下りた.
死に値するいかなる悪も見なかったが,プラトーンの
 魂についての書物を一冊読んだばかりに.


※プラトーンの魂についての書物とは,『パイドーン』で,それによると,クレオムブロトスはソクラテスの刑死の時にはいなかったとされます(Plat.Phaed.59c).これを読んだクレオムブロトスはその行為を恥じて自ら死んだという,まことしやかな逸話が生まれ,カッリマコスもそれをテーマにこのエピグラムを書いたようです.納富信留『哲学者の誕生』ちくま新書549,東京:筑摩書房,2005,pp.83-4.にもその辺りの事情が触れられています.そこでもこの詩の翻訳が挙げられているんですが,いい訳なんですよね.できたらカッリマコスも,全部訳していただきたいです(笑).
 もちろん,このエピグラムは,ただそれを再現しただけと考えると,あまりぱっとした詩ではないと思います.自殺に導いたその読んだ本が,魂の本だという皮肉,というぐらいしか思い付きませんが,もっと深い,学識を前提としたウィットがあるのではないかと思います.


【2005/09/10 04:08】 Callimachus Epigrammata | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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カッリマコスPf.4, Gow-Page 51 (AP 7.317)

Ti/mwn -ou0 ga_r e1t 0 e0ssi/-, ti/ toi, sko/tov h2 fa/ov, e0xqro/n;
77 9 to_ sko/tov: u9me/wn ga_r plei/onev ei0n70Ai5dh|. 0

ティーモーンよ----実際お前はもう生きてはいないが----,暗闇と光りのどちらが嫌いかね?
 「暗闇だ,だって,冥界はお前たちでもっと一杯になっているから.」*


* 死者を「偉大な者」というeuphemism (cf.Gow-Page ad loc.(vol.2.p.203))にかけている.



【2005/09/10 03:16】 Callimachus Epigrammata | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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