ラテン語徒然  ラテン語の翻訳・覚え書きなど
log-in  ラテン語入門 作家別インデックス 文法資料 リンク集 ギリシア語フォントについて アーカイブ他
歴史地図 伊北 伊南 希北 希南 小ア PHI Perseus POxy KVK CiNii L-S Georges Gildersleeve 省略記号 Text Archive BMCR DCC

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


【--/--/-- --:--】 スポンサー広告 | 記事修正

TOPへ


ラテン語入門 22 第1・第2変化形容詞 (1)

 ラテン語の形容詞は,ほぼ名詞と同様に変化し,ある名詞を修飾したり(英語だと the brave boy 「その勇敢な少年」),ある英語の be 動詞にあたる動詞 sum 「である」とともに述語としてもちいられたり(the boy is brave 「その少年は勇敢だ」)します(sum についてはもうちょっと後で扱います).
 その際に,形容詞はその名詞と同じ性・数・格を表す形となります.このように,形容詞が名詞に対してそれに合わせた形になることを,一致と言います(ラテン語では他にも主語と動詞の一致などもあるので,一致というのはよく使われる用語です).
 形容詞は,大きく第1・第2変化形容詞と,第3変化形容詞にわかれます.ここでは第1・第2変化形容詞を学びます.

1. 第1・第2変化形容詞の基本的な変化

 第1・第2変化形容詞は,既に学んだ第1・第2変化動詞と,基本的に全く同じように,語尾によって性・数・格の変化をします.つまり,女性名詞に一致する場合には,第1変化名詞の語尾をとり,男性名詞と中性名詞に一致する場合には,第2変化名詞の語尾をとります.次の表で bonus, a, um 「良い」 の変化を見て下さい.名詞は典型的な第1ないし第2変化名詞なので,これらの名詞の語尾と比較すれば,全く同じであることがわかると思います.

      形容詞 bonus の性・数・格変化
  単数     
  男性  女性  中性
 主 bonus dominus 「よき主人は」 bona puella 「よき少女は」bonum verbum 「よき言葉は」
 属bonī dominībonae puellaebonī verbī
 与bonō dominōbonae puellaebonō verbō
 対bonum dominumbonam puellambonum verbum
 奪bonō dominōbonā puellābonō verbō
 呼bone dominebona puellabonum verbum
 
  複数     
  男性  女性  中性
 主・呼 bonī dominībonae puellaebona verba
 属bonōrum dominōrum   bonārum puellārum     bonōrum verbōrum
 与bonīs dominīsbonīs puellīsbonīs verbīs
 対bonōs dominōsbonās puellāsbona verba
 奪bonīs dominīsbonīs puellīsbonīs verbīs


 ですから,第1変化名詞と第2変化名詞の変化さえ覚えていれば,形容詞は楽勝です.ただし,これは語尾だけを名詞と同じものにする,ということではありません.あくまで,名詞の性に一致することに注意してください.つまり,-a に終わる第1変化名詞の男性名詞,たとえば agricola, -ae, m. 「農夫」は,男性名詞で,この性に一致するために,bonus agricola, bonī agricolae ... のように,形容詞のほうは,第2変化の男性名詞のように変化し,名詞はそのまま第1変化として変化します.表にしてみると次のようになります.

    bonus agricola 「よき農夫」の格変化
 単数 複数
 主 bonus agricolabonī agricolae
 属 bonī agricolaebonōrum agricolārum
 与 bonō agricolaebonīs agricolīs
 対 bonum agricolam  bonōs agricolās
 奪 bonō agricolābonīs agricolīs
 呼 bone agricolabonī agricolae


 形容詞の辞書での見出しは,単数主格の男性・女性・中性形をあげるのが普通です.

  bonus, bona, bonum よい    あるいは     bonus, a, um よい
  malus, mala, malum 悪い    あるいは     malus, a, um 悪い

 形容詞の変化の練習をしておきましょう.次の形容詞付き名詞を変化させてみて下さい.手間はかかりますが,基本的に名詞の変化と同じですから,そんなに大変ではないはずです.最後の二つは,-a に終わる男性名詞,-us に終わる女性名詞なので,すこし頭を働かせる必要はありますが.

     単数複数
主格 
属格 
与格 
対格 
奪格 
呼格 
  
 
 
 
 
 

      


bonus vir「良き男」
parva puella 「小さな少女」(parvus, a, um 小さい)
clārum oppidum 「有名な町」(clārus, a, um 有名な)
stultus servus 「愚かな奴隷」 (stultus, a, um 愚かな, servus, ī, m. 奴隷)
saeva lupa 「残忍な雌狼」(saevus, a, um 残忍な lupa, ae, f. 雌狼)
magnum perīculum 「大きな危険」(magnus, a, um 大きい,偉大な perīculum, ī, n. 危険)
clārus poēta 「有名な詩人」(poēta, ae, m. 詩人)
formōsa myrtus 「美しいミルテ」(formosus, a, um 美しい myrtus, ī, f. ミルテhttp://ja.wikipedia.org/wiki/ギンバイカ)


上の練習で十分でしょうが,以下で使う単語をあげておくので,暇だったら名詞と動詞の現在変化の復習をしてみて下さい.

     単数複数
主格 
属格 
与格 
対格 
奪格 
呼格 
  
 
 
 
 
 

      



discipulus, ī, m. 弟子
liber, brī, m. 本
medicus, ī, m. 医者
animus, ī, m. 精神
litterae, ārum, f. pl. 手紙(プルーラーリア・タントゥム)
fīlius, ī, m. 息子
domina, ae, f. 女主人
īra, ae, f. 怒り
deus, ī, m. 神 (http://litterae.blog8.fc2.com/blog-entry-2252.html 参照)
dea, ae, f. 女神
statua, ae, f. 像
fīlia, ae, f. 娘
pōmum, ī, n. 果物
verbum, ī, n. 言葉
populus, ī, m. 民衆


     単数複数
一人称 
二人称 
三人称 
  
 
 

      


legō, legere, lēgī, lēctum 読む
castīgō, castīgāre, castīgāvī, castīgātum 叱る
sānō, sānāre, sānāvī, sānātum 治療する
laudō, laudāre, laudāvī, laudātum 讃える
timeō, timēre, timuī, — 恐れる
habitō, habitāre, habitāvī, habitātum 住む
caveō, cavēre, cāvī, cautum 用心する
placeō, placēre, placuī, placitum (主格が与格に)気に入られる,(与格が主格を)気に入る
parcō, parcere, pepercī, — 与格に容赦する
agō, agere, ēgī, āctum する
labōrō, labōrāre, labōrāvī, labōrātum 働く


下で新しく出て来る形容詞は以下のものです.

ignāvus, a, um 怠け者の
studiōsus, a, um 熱心な
aegrōtus, a, um 病んだ
longus, a, um 手紙
cārus, a, um 愛しい,親しい
praeclārus, a, um 高名な
maritimus, a, um 海の,海の近くの
fessus, a, um 疲れた
iniūstus, a, um 不正な
multus, a, um 多くの(通常複数で.単数は物質などの不加算名詞と抽象名詞で)


最後に実際の文での練習問題.

docta puella multōs librōs cotīdiē legit.   
sevērus dominus ignāvum servum castīgat.   
medicus aegrōtum animum nōn sānat.   
praeclārus poēta formōsās deās laudat.   
厳しい教師たちは怠け者の弟子たちを叱っている.   
多くの詩人たちは偉大な男たちを讃えている.   
我々は女神たちの美しい像を讃える.   
poēta longās litterās cārī fīlī legit.   
servī īram sevērae dominae semper timent.   
fīliī praeclārōrum virōrum habitant in Graeciā.   
我々は小さな娘たちの知恵を我々は讃える.   
海岸部の町の住民たちは荒らしを用心している.   
umbra fessīs agricolīs placet.   
saepe parvīs puerīs multa pōma dōnō.   
dominus ignāvis servīs nōn parcit.   
詩人は美しい少女に果物を贈る.   
神々は不正な男達に容赦しない.   
dominus multīs verbīs servōs obiurgat.   
  multīs verbīs は道具の奪格.「……で,でもって」
puellae multīs rosīs mēnsam ōrnant.   
saepe multīs cum lacrimīs dē bellō Actiacō narrāmus.   
  cum + 奪格「……とともに」 multīs cum lacrimīs のように,前置詞の前に形容詞が出ることはしばしばある.
  もちろん cum multīs lacrimīs としてもよい.なお,「多くの涙」という場合には,複数形がよく用いられる.
民衆は多くの言葉で偉大な人々を讃える.   
しばしば多くの涙とともに私は息子の手紙を読む.   
quid agis, magne poēta?   
  quid 何を?なぜ?
quid nōn labōrātis, ignāvī servī?   
お前はなぜ奴隷たちに容赦しないのか,よき主人よ?  
なぜ恐れているのか,美しき少女よ?  


第1・第2変化形容詞については,形態のちょっとしたバリエーションと,形容詞の語順について,もう少し続きます.


スポンサーサイト

【2014/01/15 00:31】 ラテン語入門 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

TOPへ


ラテン語入門 21 第3b変化(i 幹)動詞,第4変化(ī 幹)動詞の直説法現在時制能動態の人称変化

 大分時間が空いてしまいました.今回は規則動詞ののこり二つのタイプ,第3b変化動詞と第4変化動詞の現在時制の変化です.

 第3b変化は,第3変化の亜種のようにみえますが,たまたま現在時制能動態不定詞の形が,第3変化のそれと同じ -ere であるため,第3変化とひとくくりにされたものです.比較的最近になって,歴史的にみると,第4変化動詞とまとめられるべきものということがわかりました.しかも,実は第3b変化のほうが基本的な形で,第4変化のほうが音変化してできた形です.ですから,第3b変化を第4変化として,第4変化を第4b変化とするほうが実態にはあっていますが,以前の分類を踏襲しないと,他の文法書などと統一がとれないことになるので,従来通りの名前でいくことにします.日本の文法書では,第3b変化を第5変化と分類しているものがありますが,第5変化という名称は,その文法書のみでしか通用しないので,注意して下さい.

第3b変化動詞 capiō, capere, cēpī, captum 「掴む,捕まえる」直説法現在時制能動態
  単数 複数
一人称 capiō 「私は掴む」  capimus 「私達は掴む」
二人称 capis 「君は掴む」 capitis 「君達は掴む」
三人称 capit 「彼(彼女,それ)は掴む」 capiunt 「彼ら(彼女ら,それら)は掴む」


第4変化動詞 audiō, audīre, audīvī, audītum 「聞く」直説法現在時制能動態
  単数 複数
一人称 audiō 「私は聞く」  audīmus 「私達は聞く」
二人称 audīs 「君は聞く」 audītis 「君達は聞く」
三人称 audit 「彼(彼女,それ)は聞く」 audiunt 「彼ら(彼女ら,それら)は聞く」



 幹末母音は第3b変化は短い i, 第4変化は長い ī となっています.どちらも,三人称複数形 capiunt, audiunt で,第3変化動詞にみられた幹母音が挿入されています.
 第3変化では,全てが短母音の i となっており,第4変化では本来は長母音 ī でしたが,これも前述の規則にしたがって,単数一人称と三人称,複数三人称で,幹末母音が短母音化して,audiō, audit, audiunt となります.

 この i ないし ī の幹末母音の由来は,実は両方とも同じで,これは -je/o- 現在と呼ばれる,現在時制を形成する後接辞に由来します.これは実は第1変化動詞などでも元々はあったものなのですが,第1変化動詞では,半母音 j は,母音間で消失するため,消えてしまっています(例えば「君は贈る」*dōnā-je-s > *dōnā-e-s > 古典ラテン語 dōnās「君は贈る」).
 一方で,第3b, 第4変化では,子音の直後に半母音が付いているために消失しなかったのです.
 第3b変化では,この j はそのまま短母音の i となりますが,第4変化では,「Sieversの法則」が働き,長母音となります.これは,長母音を含む音節または短母音でも二つ以上の子音が続く場合に,半母音・流音が長くなるという規則(ラテン語ではさらに,二音節以上の語幹の後すべてに一般化)で,これにより,audiō, sentiō 「感じる」, hauriō 「汲む」 の場合は,語幹は *aud-je/o- sent-je/o- haur-je/o- から Sievers の法則により aud-ije/o sent-ije/o- haur-ije/o となり,aud-īe/o- sent-īe/o- haur-īe/o- となります.
 それ以外の,短母音+1子音に終わる語幹は,たとえば capiō, faciō 「なす,作る」, fugiō 「逃げる」 などでは,cap-je/o, fac-je/o, fug-je/o から cap-ie/o fac-ie/o- fug-ie/o- となり,第3b変化となります.
 このまま現在時制の人称変化をつくると,第3b変化も第4変化も,*capiō, *capies, *capiet, *capiemus, *capietis, *capiont ないし *audīō, *audīes, *audīet, *audīemus, *audīetis, *audīont となり,古典ラテン語では capiō, †capies, †capiet, †capiemus, †capietis, capiunt,あるいは audiō, †audies, †audiet, †audiemus, †audietis, audiunt となるはずなのですが,†のついている語形では,幹母音が落ちます.他の印欧語ではこの幹母音が残っており,ラテン語でのこの幹母音の脱落は原因はよくわかっていないようです.最終的には,上の表のように,第3b変化では,capiō, capis, capit, capimus, capitis, capiunt (o > u は弱化による),第4変化では audiō (母音前で ī 短母音化) audīs, audit (末尾音の t の前で ī 短母音化), audīmus, audītis, audiunt (母音前で ī 短母音化,o > u は弱化による)となります.
 不定詞は第3b変化動詞では -ere になりますが,これは弱化によるものす(-r-の前では開音節短母音は e に弱化).つまり,たとえば *capire > capere となります(このため,第3変化 legere などとと同じ語尾になっており,第3変化の亜種とされてしまった).第4変化では,長母音になっているため,弱化は起こらす(基本的に長母音で弱化は起こらない),audīre となります.
 なお,古い文法書では,capiunt, audiunt の幹母音は,第3変化の類推によるものとされていますが,今は上述のように,元々あった幹母音ということがわかっています.


 まあ説明をすると以上のようになりますが,単純に語尾の変化を覚えておけば初級のうちは(というか比較言語学をやるのでなければ)大丈夫でしょう.
 早速変化の練習をしましょう.変化表を作ってみてください.○のついているものには,カーソルをあてると解答がでます.


     単数複数
一人称 
二人称 
三人称 
  
 
 

      


第3b変化動詞
rapiō, rapere, rapuī, raptum 奪う○
accipiō, accipere, accēpī, acceptum 受け取る○
cupiō, cupere, cupīvī/cupiī, cupītum 欲する
faciō, facere, fēcī, factum する○
iaciō, iacere, iēcī, iactum 投げる
fugiō, fugere, fūgī, fugitūrus 逃げる○
corripiō, corripere, corripuī, correptum 引っ掴む

第4変化動詞
aperiō, aperīre, aperuī, apertum 開ける
audiō, audīre, audīvī, audītum 聞く○
dormiō, dormīre, dormīvī, dormītum 眠る○ (完了形勘違いしてました.ご指摘感謝!)
ērudiō, ērudīre, ērudīvī, ērudītum 教育する
hauriō, haurīre, hausī, haustum 汲む○
fīniō, fīnīre, fīnīvī, fīnītum 終える
pūniō, punīre, punīvī, punītum 罰する○
sciō, scīre, scīvī, scītum 知る○
nesciō, nescīre, nescīvī, nescītum 知らない
sentiō, sentīre, sēnsī, sēnsum 感じる
veniō, venīre, vēnī, ventum 訪れる○



名詞の復習.これも○印のみ解答付きです.わからなかったら以前の復習を是非してみて下さい.

     単数複数
主格 
属格 
与格 
対格 
奪格 
呼格 
  
 
 
 
 
 

      


hasta, ae, f. 槍
epistula, ae, f. 手紙○
fīlius, ī, m. 息子○
puer, puerī, m. 少年○
servus, ī, m. 奴隷○
puella, ae, f. 少女
amīcus, ī, m. 友人
pecūnia, ae, f. お金
ager, agrī, m. 畑○
thesaurus, ī m. 宝
aerārium, ī, n. 宝庫○
vir, virī, m. 男
oppidum, ī, n. 町○
forum, ī, n. 広場
lēgātus, ī, m. 使者
urna, ae, f. 瓶

ラテン語を日本語に,日本語をラテン語にしてみてください.カーソルをあてると訳語がでます.

第3b変化動詞
frūmentum ex agrīs rapiunt.   
 ex, ē (h 除く子音の前)+奪格「……から」
saepe puerī pōma rapiunt.   
pecuniam ex aerāriō rapit.   
なぜ(quid?)お前達は宝物(thesaurus, ī, m.)を宝庫から奪うのか.   
quid facis? — nihil faciō.   
 quid? 「何を?」 nihil 「何も…ない」
servī nihil faciunt.   
お前達はなにをしているのか?私達は何もしていない.   
cotīdiē ā fīliīs epistulās accipimus.   
 accipiō は 前置詞 ab, ā (h を除く子音の前) + 奪格 で「…から受け取る」の意味になる.
fīliī saepe epistulās ab amīcīs accipiunt.   
fīlius pecūniam ab amīcīs accipit.   
しばしば男は金を息子から受け取る.   
私はしばしば手紙を友人たちから受け取る.   
ex oppidō fugimus.   
quid fugis?   
populus ex oppidō fugit.   
息子達は町から逃げている.   
なぜ君たちは町から逃げているのか.   

(第4変化動詞)
dormītisne?   
 -ne 「……なのか?」疑問文をつくる後接語.ただし,ラテン語ではこれ無しでも疑問文は可能.
puella dormit.   
servī nōn dormiunt.   
puer bene dormit.   
 bene 「よく」この場合は「ぐっすりと」
奴隷よ,お前は寝ているのか?   
息子達はよく寝ている.   
cotīdiē urnā aquam haurīs.   
urnā は道具の奪格.「瓶で」
puellae urnīs aquam hauriunt.    
奴隷達は毎日瓶で水を汲んでいる.   
legātī Rōmam veniunt.   
 Rōmam は Rōma の方向の対格.固有名詞は前置詞なしで方向を表す(これについて使い分けなどは後述).
saepe Rōmam venīmus.   
しばしば君たちはローマを訪問する.   
dominus servōs pūnit.   
servōs graviter pūnīs.   
 graviter 重く,厳しく
なぜお前達は奴隷達を罰するのか.   
Latīnē scīmus.   
 Latīnē, Graecē 「ラテン語で」「ギリシャ語で」副詞.sciō, nesciō は「知っている」「知らない」.
 Latīnē, Graecē sciō (nesciō) で「ラテン語,ギリシア語ができる,わかる(わからない)」
Latīnē et Graecē scīs.   
puerī Latīnē nesciunt.   
君たちはラテン語ができる.   
私はギリシア語ができない.   
nōn audīs? — audiō.    
saepe in forō vōcem puerōrum audīmus.   
 in + 奪格 「……で」(場所) vōcem 「声を」(vōx, vōcis f. 「声」(第3変化名詞)の単数対格)
君たちは聞いていないのか.——我々は聞いている.   
我々はしばしば森(silva, ae, f.)の中でツグミ(turdus, ī, m.)たちの声を聞く.   


最後にいくつか古典原文から.まだやっていない項目もはいりますが,なんとなく意味でもわかればいいです.

Aquila nōn capit muscās.  鷹は蝿を捕まえない.(諺)
aquila, ae, f. 鷹 musca, ae, f. 蝿

tum magnam corripit hastam et iacit. その時,彼は大きな槍を引っ掴み,そして投げつける.(Verg.Aen.10.335-36)
 magnus, a, um 巨大な hasta, ae, f. 槍 corripiō 引っ掴む iaciō 投げる
 magnam は hastam を修飾.詩のみならず散文でも,形容詞は修飾する名詞から離れていることがよくあります.
 それからこの現在時制は,歴史的現在という,過去の事実をあたかも今行われているかのように描写するものです.

officia etiam ferae sentiunt. (Seneca, De Beneficiis 1.2.5)
獣たちでさえ,恩寵を感じるのである.
 officium, ī, n. 奉仕,恩寵,義務 etiam …でさえ fera, ae, f. 獣

lētum nōn omnia fīnit. 死は全てを終わらせるわけではない. (Prop.4.7.1)
 lētum, ī, n. 死 omnia (omnis「全ての」の中性複数対格) 全てのものを 

lēgātī in castra veniunt. (Cic.Pro Roscio Amerino 25)
 使者たちは陣営の中へ到着する.
 in + 対格「……(の中)へ」 castra, ōrum, n.pl. 陣営(プルーラーリア・タントゥム)



【2013/12/27 20:42】 ラテン語入門 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

TOPへ


ラテン語入門 20 第3変化 (子音幹,u幹) 動詞の直説法現在時制能動態の人称変化

 今回で20回も続いているのに第3変化動詞の現在までしか来ていません.あり得ないぐらい遅いラテン語入門で申し訳ないです.

 さて,第3変化動詞の直説法現在時制能動態です.このタイプは語幹末母音子音または u に終わり,人称語尾との間には i または u (-nt の前)の母音が挿入されます.

第3変化動詞 legō, legere, lēgī, lēctum 「読む,集める」直説法現在時制能動態
  単数 複数
一人称 legō 「私は読む」  legimus 「私達は読む」
二人称 legis 「君は読む」 legitis 「君達は読む」
三人称 legit 「彼(彼女,それ)は読む」 legunt 「彼ら(彼女ら,それら)は読む」


第3変化動詞 metuō, metuere, metuī, metūtum 「恐れる」直説法現在時制能動態
  単数 複数
一人称 metuō 「私は恐れる」  metuimus 「私達は恐れる」
二人称 metuis 「君は恐れる」 metuitis 「君達は恐れる」
三人称 metuit 「彼(彼女,それ)は恐れる」 metuunt 「彼ら(彼女ら,それら)は恐れる」


これはラテン語以前の段階では,-e- または -o- の幹母音(語幹部分と語尾の接触による,語幹と語尾の境界の不明瞭化と,発音の困難を避けるために挿入されていた母音)に由来します.この -e/o- (幹母音はスラッシュを使ってこのように表記されるのが普通です)は,ラテン語が語頭に強い強アクセントを持っていた時期に,弱化を起こして,-e- は -i- に,-o- は -u- になりました(つまり,*leges > legis*, leget > legit, ... *legont > legunt).その結果,上の変化表のようになったわけです(前にも書いたように,厳密にいえばすこし違う由来のものもあるのですが,説明が入門範囲を大きく超えるので,別の機会にします).不定詞の legere, metuere には,この幹母音の本来の形が残っています(これは r の前では,全ての開音節の短母音は弱化の結果 e の音になるためなので,厳密に言えば弱化が起こっていないわけではないのかもしれませんが).

 多少理屈はありますが,これも学習時には,そんなことを抜きにして,変化する部分を「変化語尾」として覚えてしまうほうが楽かもしれませんね.


第3変化動詞の直説法現在時制能動態の変化語尾
  単数 複数
一人称 -ō -imus
二人称 -is -itis
三人称 -it -unt


 第3変化で覚えるべきことはこの程度ですが,うっかり三人称複数 legunt を †legint あるいは metuunt を †metuint などにしないよう,少し注意が必要ではあります.また,辞書の見出しに使われている形は,第1変化動詞と,一人称単数の作り方が同じなので,混同しないように,最低でもしっかり不定詞の形 legere, metuere のところまではよく見ておく必要があります.
 なお,第3変化動詞は,完了形やスピーヌムの作り方が様々なタイプがあるので,できれば4基本型全部を早いうちから記憶し始めておいたほうがいいです.後々格段に楽になります.

あとは練習あるのみですね.上の表の legō と metuō の直説法現在時制能動態の人称変化を作ってみて下さい.


     単数複数
一人称 
二人称 
三人称 
  
 
 

      


以下の第3変化の動詞でも,同じようにしてみてください.○にだけ解答を付けています.

agō, agere, ēgī, āctum 「行う」○ (grātiās + 与格 + agō 「与格に感謝する」)
scrībō, scrībere, scrīpsī, scrīptum 「書く」
discō, discere, didicī, — 「学ぶ」
mittō, mittere, mīsī, missum 「送る」○
bibō, bibere, bibī, — 「飲む」○
canō, canere, cecinī, cantātum 「歌う」
vomō, vomere, vomuī, vomitum 「吐く」


名詞のほうも復習に.さすがに解答は不要だと思います.わからなかったら前回までの名詞を復習して下さい:

     単数複数
主格 
属格 
与格 
対格 
奪格 
呼格 
  
 
 
 
 
 

      



Rōmānus, -ī, m. 「ローマ人」
deus, -ī, m. 「神」,dea, -ae, f. 「女神」(変化は前章参照)
discipulus, -ī, m. 「生徒」
lingua Latīna, linguae Latīnae, f. 「ラテン語」
lingua Graeca, linguae Graecae, f. 「ギリシア語」
fīlius, -ī, m. 「息子」
puella, -ae, f. 「少女」
epistula, -ae, f. 「手紙」
grātia, -ae, f. 「感謝」 与格 + grātiās agō 「(与格に)感謝する」
servus, -ī, m. 「奴隷」
liber, librī, m. 「本」
vīnum, -ī, n. 「葡萄酒」
invidia, -ae, f. 「ねたみ」
vulgus, -ī, n. 「大衆」
īnsidiae, ārum, f.pl. 「待ち伏せ」(プルーラーリア・タントゥム)


ラテン語は日本語に,日本語はラテン語に訳してみて下さい.

Rōmānī mihī grātiās agunt.   
  mihī 私に(与格の形)
dīs deābusque grātiās agimus.   
quid mihī grātiās nōn agis?   
我々は君に(tibī)感謝している.   
君たちは我々に(nōbīs)感謝していない.   
studiōsē discitis.   
  studiōsē 熱心に
discipulī linguam latīnam discunt.   
fīlius studiōsē discit.   
少年たちは熱心に学んでいる.   
お前はギリシア語を学んでいる.   
nunc puella legit epistulam.   
  nunc 「今」
Rōmānī legunt operam poētae.   
fīliī epistulam puellae legunt.   
君は本を読んでいる.   
生徒は詩人らの本を読んでいる.   
poētae librōs scrībunt.   
dominus epistulam scrībit.   
scrībitisne epistulās ?   
  -ne 「……か?」
君は本を書いているのか?   
我々は手紙を書いていない.   
vīnum bibis et canis.   
saepe vīnum bibunt et vomunt.   
君たちはしばしば葡萄酒を飲み,歌を歌う.   
īnsidiās magnopere metuimus.   
  magnopere 非常に
servī dominum metuunt.   
nōn metuō invidiam.   
しばしば君たちは大衆のねたみを恐れている.   
ローマ人は待ち伏せを恐れている.   


最後に原典から.第3変化動詞がでてくると,少し読めるものが増えますね.

valent puerī, studiōsē discunt. 子供達は元気で,熱心に学んでいる.(キケロー『クィントゥス宛書簡』3.3.1)
  valeō, valēre, valuī, valitūrus 「元気である」 puer, puerī, m. 「子供」
 ちなみに,上の文では and にあたる et や -que などがなく文がつながれていますが,ラテン語ではよくあります(アシュンデトン asyndeton と言われます).

arma virumque canō ... 武器と男を私は歌う.(ウェルギリウス『アエネーイス』1.1)
  arma, -ārum, n.pl. 「武器」(プルーラーリア・タントゥム) vir, virī, m. 「男」
  -que 「そして」(つなぎ方は A Bque = A et B)
 有名な『アエネーイス』の冒頭です.


【2013/11/10 22:14】 ラテン語入門 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

TOPへ


ラテン語入門 19 第1変化名詞(ā 幹)名詞 第2変化(o 幹)名詞 (4) -us に終わる女性名詞,deus

 この第1変化名詞と,第2変化名詞で,母音幹名詞という,一まとまりの名詞のタイプがマスターできるわけです.通常,第2変化の男性名詞,第1変化名詞,第2変化の中性名詞という順でまとめられるので,ここでもそれにならって,既習の第2変化名詞 dominus, -ī, m. 「主人」, oppidum, -ī, n. 「町」といっしょにあげておきます(ただし字は小さくします).


第1変化名詞(ā 幹)名詞 stēlla, -ae, f. 「星」

       単数  複数
       単数    複数
 単数    複数
 主格  dominus  dominī
主格  stēlla 「星は」 stēllae「星々は」     
oppidumoppida
 属格  dominī  dominōrum    
属格  stēllae 「星の」 stēllārum 「星々の」
oppidīoppidōrum
 与格  dominō  dominīs
与格  stēllae 「星に」 stēllīs 「星々に」
oppidōoppidīs
 対格  dominum  dominōs
対格  stēllam 「星を」 stēllās 「星々を」
oppidumoppida
 奪格  dominō  dominīs
奪格  stēllā 「星で,から」  stēllīs「星々で,から」
oppidōoppidīs
 呼格  domine  dominī
呼格  stēlla 「星よ」 stēllae 「星々よ」
oppidumoppida


 第1変化名詞は,元々女性形と抽象名詞を作るための後接辞 ā に格語尾がついていたものです.しかし,古典ラテン語の時代には,本来の語尾の形は多く別の形に取って変られています.単数主格の形には,長母音の -ā は残っていません(ギリシア語には οἰκίᾱ 「家」で残っている)が,これは呼格から来たものと考えられています.単数属格,複数主格,複数属格も本来の形ではありません.複数与格・奪格の -īs は第2変化の語尾に付け替えられています.これについても後で書くことになると思いますが,今のところは変化している部分を格語尾として覚えてしまうのが楽だと思います.

 代表的な第1変化名詞をあげておくと:

puella, -ae, f. 「少女」 patria, -ae, f. 「祖国」 domina, -ae, f. 「女主人」
familia, -ae f. 「家族」 avāritia, -ae f. 「貪欲」 lacrima, -ae f. 「涙」
pecūnia, -ae f. 「お金」 silva, -ae f. 「森」 via, -ae, f. 「道」
vīta, -ae, f. 「人生,命」


 なお,fīlia, -ae, f. 「娘」と dea, -ae, f. 「女神」については,複数与格と奪格は,fīliābus, deābus の形があります.これは例えば,「息子らと娘らに」「神々と女神らに」のような表現をする時に,†fīliīs fīliīsque や †dīs dīsque (deus の変化については後述参照)のような,性の区別のつかない表現になってしまうので,これを避けて,複数与格・対格に区別のある数詞 duō 「2」の女性複数与格・奪格 duābus の語尾をかりて,fīliīs fīliābusque, dīs deābusque としたものです.元々はこのような対比を表す場合や特に女性であることを強調したい時に使われていたのですが,その後この語尾が fīlia, dea の複数与格・奪格形として定着します.なお,対比を表さない場合の dea の複数与格・奪格形は,dīs, diīs, deīs で,deus の場合と同じです(下記参照).

 なお,語基が -i- に終わるものは,第2変化名詞同様,複数与格・奪格で融合することは通常ありません.例えば,iniūria, -ae, f. 「不正」では,複数与格・奪格は iniūrs となります.ただし,grātia, -ae, f. 「好意,感謝」は,複数奪格で grāts が普通ですが,これが「無償で(=感謝でもって)」の意味になると,融合したgrātīs がむしろ普通になります(gratis は現代でも欧米諸言語で「無料で」の意味で使われています).

 第1変化名詞は大半が女性ですが,男性名詞も少なくはありません.基本的な語彙では次のようなものが男性名詞です.

  agricola, -ae, m. 「農夫」 nauta, -ae, m. 「水夫」 poēta, -ae, m. 「詩人」
  collēga, -ae, m. 「同僚」 incola, -ae m.「住民」 convīva, -ae, m. 「会食者」


 第1変化名詞はこういった所でだいたい終わりです.少しだけ,第2変化名詞で取り残していた部分をやりましょう.

 第2変化名詞の男性名詞では,稀にある中性名詞(vulgus, -ī n. 「大衆」など)をすでに学びましたが,この他,少数ですが,-us に終わる女性名詞もあります.次のようなものに見られます.

1. 樹木 
  mālus, -ī, f. 「リンゴの樹」 pōpulus, -ī, f. 「ポプラ」(populus, -ī, m. 「人民」と区別!)
  alnus, -ī, f. 「ハンノキ」 pīnus -ī, f. 「松」
2. 地名
  Corinthus, -ī, f. 「コリントゥス」 Aegyptus, -ī, f. 「エジプト」 Dēlus, -ī, f. 「デーロス島」
3. その他
  humus, -ī, f. 「地面」

 deus, -ī, m. 「神」は,別形などがあります.

主格 deus, (diī, deī)
属格 deīdeōrum
与格 deōdīs, (diīs, deīs)
対格 deumdeōs
奪格 deōdīs, (diīs, deīs)
呼格 —, (dīve), (Deus 教会)  , (diī, deī)

 単数呼格の †dee はまず用いられず,欠落していると見られています(理由はわかっていないようですが,単数の場合にはその神の固有名詞で呼びかけるのが普通だったからではないかと思います).代用で dīve が用いられることがあります.これは形容詞 dīvus, -a, -um 「神の」の呼格ですが,deus も dīvus も由来は同じで,主格と斜格で語尾の音との接触による音変化のために別の道を歩み,名詞用と形容詞用に分かれたもので,実は本来的な形です.一方,主格を呼格として使う deus は教会ラテン語です(近代の本文では Deus と大文字書きされるのが慣例になっているようです).
 複数主(呼)格,複与格・奪格は,dī, dīs が通常の形です.一見不規則には見えますが,音変化が正常に働いた本来の形です(これについては別の機会に説明します).diī, diīs は韻律の都合で使われる古い別形で,さらに deī, deīs のほうは,一見規則的に見えますが,deus の語幹から類推でできた新しい形で,これも韻律の都合で使われます.
 なお,呼格の代わりに主格をつかうケースは,他の -us に終わる第2変化名詞でもたまに見られます.

 練習に移りましょう.第1変化名詞の stēlla を変化させてみて下さい.

     単数複数
主格 
属格 
与格 
対格 
奪格 
呼格 
  
 
 
 
 
 

      


次の名詞でも練習してみてください.○付きだけ解答を入れています.

 luxuria, ae, f. 「贅沢」(シングラーリア・タントゥム)
 puella, -ae, f. 「少女」○
 fīlia, -ae, f. 「娘」○
 agricola, -ae, m. 「農夫」
 fābula, -ae, f. 「物語」
 statua, -ae, f. 「像」
 poēta, -ae, m. 「詩人」
 aqua, -ae, f. 「水」(普通単数.複数は「泉,(療養)温泉」の意味)
 rosa, -ae, f. 「薔薇」
 ignāvia, -ae, f. 「怠惰」(シングラーリア・タントゥム)
 cūra, -ae, f. 「心配」
 custōdia, -ae f. 監視○
 tābula, -ae, f. 「板,絵馬,書板」
 dea, -ae, f. 「女神」○

こちらは第2変化の復習.

 Rōmānus, -ī. m. 「ローマ人」
 dominus, -ī. m. 「主人」
 praemium, -ī, n. 「褒美」○
 liber, librī m. 本○
 vir, virī m. 男○
 deus, -ī, m. 「神」(解答は上の表参照)

動詞の直説法現在時制能動態も復習してみてください.

cantō, cantāre, cantāvī, cantātum 「歌う」○
taceō, tacēre, tacuī, tacitum 「黙る」○
saltō, saltāre, saltāvī, saltātum 「踊る」
dēsīderō, dēsīderāre, dēsīderāvī, dēsīderātum 「望む,切望する」
castīgō, castīgāre, castīgāvī, castīgātum 「叱る」
narrō, narrāre, narrāvī, narrātum 「物語る」
voveō, vovēre, vōvī, vōtum 「捧げる」
dōnō, dōnāre, dōnāvī, dōnātum「贈る」
līberō, līberāre, līberāvī, līberātum「(対格を 奪格から)解放する」

     単数複数
一人称 
二人称 
三人称 
  
 
 

      



ラテン語は日本語に,日本語はラテン語にして下さい.

puellae cantant.   
fīlia tacet.   
agricolae cantant et puella saltat.   
少女らは黙っている.   
水夫らは踊り,詩人は歌っている.   
agrīcolae aquam dēsīderant.   
nauta pecūniam dēsīderat.   
Rōmānī glōriam magnopere dēsīderant.   
 magnopere 非常に
大衆(vulgus, -ī, n.)は贅沢を大いに望む.   
我々は栄光を望まない.   
dominus fīliae praemium dōnat.   
poēta puellīs librōs dōnant.   
少女たちは少年らに薔薇を贈る.   
fīlia deae tābulam vovet.   
saepe poēta fīliīs fīliābusque fābulās narrat.   
virī dīs deābusque statuās vovent.   
詩人はムーサ(Mūsa, -ae, f.)たちに小巻子(libellus, -ī, m.)を捧げる.   
dī castīgant avāritiam nautārum.   
poēta dīligentiam agrīcolae laudat.   
女神は農夫らの怠惰(ignāvia, -ae, f.)を叱っている.   
dea puellam cūrā līberat.    
fīliās custōdiā līberāmus.   
男たちは少女達を監視から解放する.   
主人は娘を心配から解放する.   


最後にことわざ.

  fāma volat.「噂は飛ぶ」
    fāma, ae, f. 「噂」 volō, volāre, volāvī, volātum 「飛ぶ」


【2013/11/08 23:47】 ラテン語入門 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

TOPへ


ラテン語入門 18 第2変化名詞 (3) -um に終わる中性名詞

 第2変化(o幹)名詞の中性名詞も,実は殆ど -us に終わる男性名詞と同じで,異なるのは単複ともに主格と呼格だけです.

第2変化名詞(o幹) -um に終わる中性名詞 oppidum, -ī, n. 「町」
      単数  複数           単数  複数
主格  oppidum 「町は」 oppida 「町々は」     主格  dominus  dominī
属格  oppidī 「町の」 oppidōrum 「町々の」     属格  dominī  dominōrum
与格  oppidō 「町に」 oppidīs 「町々に」      与格  dominō  dominīs
対格  oppidum 「町を」 oppida 「町々を」     対格  dominum  dominōs
奪格  oppidō 「町で,から」  oppidīs 「町々で,から」     奪格  dominō  dominīs
呼格  oppidum 「町よ」 oppida 「町々よ」      呼格  domine  dominī


 上の表には,-us に終わる男性名詞を並べているので,比較してみて下さい.dominus, -ī と異なるのは,表で黄色の背景色で強調している部分です(単数対格は同じですが).主格と対格(ならびに呼格)の形が同じになっています.この主格と対格が同じ形になるということは,第2変化名詞以外でも常に共通します(ドイツ語などでも同じ事が起こっています).
 単数と複数それぞれで,黄色の部分が同じ形ですから,-us に終わる男性名詞の形がマスターできていれば,それほど難しくはないと思います.

 男性名詞の場合と同様に,-um に終わる中性名詞でも,-i に終わる語基のものがあります.中性名詞では単数属格のみが問題になります.

第2変化名詞(o幹) -i-um に終わる中性名詞 ingenium, -ī 「天性,才能」
      単数  複数
主格  ingenium 「才能は」 ingenia 「才能たちは」
属格  ingenī, ingeniī 「才能の」 ingeniōrum 「才能たちの」
与格  ingeniō 「才能に」 ingeniīs 「才能たちに」
対格  ingenium 「才能を」 ingenia 「才能たちを」
奪格  ingeniō 「才能で,から」  ingeniīs 「才能たちで,から」
呼格  ingenium 「才能よ」 ingenia 「才能たちよ」

 これも fīlius, -ī, m.「息子」の場合同様に,属格単数は ingénī が普通で(アクセントに注意!iī が融合する前の形のアクセント位置を保つ),ingeniī はやや少ないです(がこちらも使われます).複数与格・奪格は必ず ingeniīsで,融合しません(fīliīs と同様です).

 なお,ギリシア語とは異なり,中性複数の主語に対して,動詞が三人称単数になるようなことは,ラテン語ではほとんど起こりません.


 第2変化では,次の三つの単語のみ,-us に終わりながら,中性名詞となります.

  vīrus, -ī, n. 「毒」  vulgus, -ī, n. 「大衆」  pelagus, -ī, n.「海」

どれも単数でしか用いられない,シングラーリア・タントゥムです.主格と対格の形が同じになるという中性名詞の原則に従って,単数対格も vīrus, vulgus, pelagus になり,実際にこの形が対格として用いられます.その一方で,いきなり例外ですが,対格に vīrum, vulgum, pelagum の別形が時折現れます(これは古典作家でもあります).
 なお,vīrus は殆ど主格と対格しか用いられません.このように,変化形の一部が欠落して使われないか,殆ど使われないような名詞や動詞のことをデーフェクティーウァ(dēfectīva 欠如名詞,欠如動詞)といいます.

 
 練習に移りましょう.まずは上の表であげた oppidum, -ī, n.「町」 と ingenium, -ī, n.「天性,才能」の変化を覚えましょう.

名詞変化表

     単数複数
主格 
属格 
与格 
対格 
奪格 
呼格 
  
 
 
 
 
 

      


さらに以下の -um に終わる第2変化名詞の格変化表を作ってみてください.さすがにもう全部に解答は付けませんが,上の二つだけ,カーソルを当てると解答がでます.

  verbum, -ī, n.「言葉」
  proelium, -ī, n.「戦闘」
  bellum, -ī, n.「戦争」(bellum は全体としての戦争,その中での戦闘行動が proelium)
  castra, -ōrum, n.pl. 「陣営」(プルーラーリア・タントゥム!)
  perīculum, -ī, n.「危険」
  dōnum, -ī, n.「贈り物」
  vīnum, -ī, n.「葡萄酒」(ほぼシングラーリア・タントゥム.容器などで分けてある時には 複数も.)
  incendium, -ī, n. 「火災,火」
  aurum, -ī, n. 「金」(シングラーリア・タントゥム!)
  initium, -ī, n. 「開始」
  ferrum, -ī, n. 「鉄,刀(集合名詞として)」 (シングラーリア・タントゥム!)
  ōtium, -ī, n. 「休暇」 (シングラーリア・タントゥム.ただし詩で韻律の都合で複数も)

こちらは復習.

  dominus, -ī, m. 「主人」
  Rōmānus, -ī, m. 「ローマ人」
  Germānus, -ī, m. 「ゲルマン人」
  fīlius, -ī, m. 「息子」


動詞もしつこいですが復習してみてください(さすがに解答は付けませんが).なお,placeō は,「主語が与格に気に入られる」,「与格が主語を気に入る」という構文になります(Dōnum virō placet 男は贈り物を気に入っている). 一方で,dēlectō は「主語が対格を喜ばせる」「対格が主語を喜ぶ」という構文になります(Dōnum virum dēlectat 男は贈り物を喜んでいる).

  vāstō, vāstāre, vāstāvī, vāstātum 「荒廃させる」
  parō, parāre, parāvī, parātum 「準備する」
  expugnō, expugnāre, expugnāvī, expugnātum 「攻略する」
  dēlectō, dēlectāre, dēlectāvī, dēlectātum 「喜ばせる」
  placeō, placēre, placuī, placitum 「気に入られる」
  moveō, movēre, mōvī, mōtum 「動かす,移動させる」
  timeō, timēre, timuī, — 「恐れる」

     単数複数
一人称 
二人称 
三人称 
  
 
 

      


ラテン語は日本語に,日本語はラテン語に訳して下さい.

bella Rōmānīs placent.   
dōna fīliīs placent.   
ōtium dominum dēlectat.   
vīnum vulgus dēlectat.   
贈り物を主人は喜んでいる.   
大衆は休暇を気に入っている.   
Germānī bella parant.   
bellum nōndum parāmus.   
  nōndum「まだ……ない」
Rōmānī bellum parant.   
ゲルマン人らはまだ戦争の用意をしていない.   
彼らは戦争の用意をしている.   
Rōmānī incendiō oppidum vāstant.   
ferrō oppida vāstāmus.   
Germānī ferro et incendiō oppida vāstant.   
Rōmānī sine perīculō oppidum expugnant.   
  sine 前置詞「……なしに」 sine + 奪格の形で使われます.
お前達は町を火で荒廃させている.   
ローマ人らは剣で町々を荒廃させている.   
我々は危険なしに町々を攻略している.   
Rōmānī incendī perīculum timent.   
fīlī ingenium dominum dēlectat.   
vulgus incendium oppidī timet.   
ローマ人らは戦争の危険を恐れていない.   
戦闘の危険を大衆は恐れている.   
      








【2013/10/28 14:08】 ラテン語入門 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

TOPへ


ラテン語入門 17 第2変化 (o幹) 名詞 (2) -er に終わる男性名詞

 先に第2変化名詞のうち,-us に終わる男性名詞を見ました.表でもう一度見ておきましょう.

第2変化名詞(o幹) -us に終わる男性名詞 dominus 「主人」
      単数  複数
主格  dominus 「主人は」 dominī 「主人たちは」
属格  dominī 「主人の」 dominōrum 「主人たちの」
与格  dominō 「主人に」 dominīs 「主人たちに」
対格  dominum 「主人を」 dominōs 「主人たちを」
奪格  dominō 「主人で,から」  dominīs 「主人たちで,から」
呼格  domine 「主人よ」 dominī 「主人たちよ」 = 複数は主格と同じ

 -er に終わる男性名詞は,基本的にこれと一部しか変るところがありません.つまり,単数主格と,単数呼格です.-er に終わる男性名詞は,二つのタイプに分類されます.変化表で見てみると……

      単数  複数        単数   複数
主格  puer 「少年は」 puerī 「少年たちは」
  主格  ager 「畑は」 agrī 「畑たちは」
属格  puerī 「少年の」 puerōrum 「少年たちの」
  属格  agrī 「畑の」 agrōrum 「畑たちの」
与格  puerō 「少年に」 puerīs 「少年たちに」
  与格  agrō 「畑に」 agrīs 「畑たちに」
対格  puerum 「少年を」 puerōs 「少年たちを」
  対格  agrum 「畑を」 agrōs 「畑たちを」
奪格  puerō 「少年で,から」  puerīs 「少年たちで,から」
  奪格  agrō 「畑で,から」  agrīs 「畑たちで,から」
呼格  puer 「少年よ」 puerī 「少年たちよ」
  呼格  ager 「畑よ」 agrī 「畑たちよ」


 赤のマーキングがしてある e をみるなら,一方の puer では,主格の e がそれ以外の格(斜格と呼びます)でも puerī, puerō のように保たれていますが,ager のほうは,斜格では agrī, agrō のように,呼格以外は e が消えています.いずれも,単数呼格に -e は付かずに,主格と同じ形になります.まとめると:

  (A) puer, puerī 型……単数主格が斜格の語基と同じもの
  (B) ager, agrī 型……斜格の語基が単数主格と異なり,r の前の e が欠落するもの

 このような二つの形が生まれたのは,実はラテン語の歴史が絡んでいます.まず,どちらも単数主格の本来の形は 語基がそれぞれ r に終わる *puer-, *agr- に,単数主格の格語尾の(後に-us となるはずの) -os のついた,*pueros,*agros でした.

 (A) の *pueros の語尾の o は,重い音節(長母音または子音二つ分が母音に続く音節,あるいは多音節)の後の語末の音節で r もしくは t と s の間の o が消失するという音変化(公式: (i, o) > ø / (t, r)_s# ただし重い音節の後で)を受け,*pueros > *puers となります.その後 rs > rr により *puerr >,rr の二重子音は語末ではゆるされず,単音化するので *puer となります.

 (B) は元の形が元々 e のない *agros で,これも r もしくは t と s の間の o が消失するという音変化をうけて *agrs になります.r はこの時,母音扱いされて *ags となり,この が母音+ r となって agers > agerr > ager となります.つまり,本来の agr- の語基は斜格には agrī, agrō のようにそのまま残されたのですが,主格でのみ語基と r の間に e が後から生じて,ager となり,あたかも puer と同様 -er に終わることとになったのです.

 (A) puer, pueri 型に属する名詞は……

  gener, generī m. 義息  socer, socerī, m. 義父  vir, virī m. 男(語幹に e は入っていませんが)
  vesper, vesperī m. 夕暮れ lūcifer, lūciferī, m. 明けの明星
  līberī, līberōrum m.pl. 子供  posterī, posterōrum m.pl. 子孫  
  īnferī, īnferōrum m.pl. 冥界の住人,死者  superī, superōrum m.pl. 天上の住人=神々

 最後四つは,通常単数がなく,複数形のみが主に集合名詞的に使われる名詞(まれに単数にも使われる).プルーラーリア・タントゥム(plūrāria tantum「只複数だけ」)と呼ばれます.このような名詞は,複数形の主格と属格があげられ,性の後に複数を意味する pl. が添えられます(これについて網羅的に集めているのが Kühner-Holzweissig: pp. 501 以下です).
 逆に単数しか使われない語もあり,こちらは シングラーリア・タントゥム(singulāria tantum「只単数だけ」)と呼ばれます.上の lūcifer のように,一つしかない天体,物質名詞などがシングラーリア・タントゥムになります.ただし,どちらも例外がたまに見つかる場合もありますから,絶対一方の形しかないとも言えません.
  
 (B)に属する名詞は……

  aper, aprī m. 猪  caper, caprī m. 山羊
  liber, librī m. 本(上の līberī「子供」と混同しないよう!)
  magister, magistrī m. 教師  faber, fabrī m. 職人  minister, ministrī, m. 召使い
  culter, cultrī, m. 小刀

 ラテン語の基本的語彙の中では,上の例ぐらいしかないようです(基本単語帳などを目視で探した限りでは).ラテン語全体の語彙ではもっと沢山あると思いますが,大体これだけで代表的な語彙はすべて出尽くしていると思います.また気がついたら追加すると思います.

 なお,辞書では,もし属格の形を省略形で表記するなら,puer のほうは puer, -erī, m. のように,また ager のほうは ager, -grī, m. のように記述されされます.ここでは余計な混乱を避けるため,形を全部あげるようにします.


最後に練習.上の語彙で,変化表を作ってみて下さい.(答えは上の単語にカーソルを当てるとでます)

名詞変化表

     単数複数
主格 
属格 
与格 
対格 
奪格 
呼格 
  
 
 
 
 
 

      


動詞も少し復習しましょう.直説法現在時制能動態の人称変化を作って下さい.さすがに全部に解答は付けなくていいですね…….secō と rīdeō だけ解答を付けました.(動詞のところ少し誤植があったので訂正しました)

  castīgō, castīgāre, castīgāvī, castīgātum 「叱る」
  secō, secāre, secāvī, sectum 「切る,切り裂く」
  dōnō, dōnāre, dōnāvī, dōnātum 「贈る」
  laudō, laudāre, laudāvī, laudātum「讃える,褒める」
  fleō, flēre, flēvī, flētum 「泣く」
  rīdeō, rīdēre, rīsī, rīsum 「笑う」


     単数複数
一人称 
二人称 
三人称 
  
 
 

      




ラテン語は日本語に,日本語はラテン語に訳してみてください.文にカーソルで解答がでます.
Magister puerīs librōs dōnat.   
Puerī magistrō librum dōnant.   
Socer generō aprum dōnat.   
先生は少年たちに本を与える.   
男は職人らに山羊を与える.   
Magistrum puerī laudāmus.   
Dominus magistrum līberōrum laudat.   
Ministrī līberōs fabrī laudant.   
召使いらは少年達を褒めている.   
職人は子供達の教師らを讃えている.   
Virī ministrōs ignāvōs castīgat.   
 (ignāvus 「怠惰な」.形容詞はまだやっていませんが,修飾する語の語尾の形に語尾を変化させればOK)
Magistrī nōn puerōs īgnāvōs laudant.   
Dominus līberōs īgnāvōs castīgat.   
教師は怠惰な少年を叱っている.   
我々は怠惰な職人たちを叱っている.   
Virī cultrīs aprōs secant.   
Minister cultrō aprum secat.   
cultrīs caprum secāmus.   
召使いらは小刀で山羊を切っている.   
Puer, quid rīdēs?   
 (quid なぜ?)
ō magister, quid līberōs dominī rīdēs?   
 (rīdeō は「対格を笑う」の形でも使われる)
Virī, quid flētis?   
義父よ,あなたはなぜ泣いているのか.   
男よ,お前はなぜ怠惰な職人らを笑っているのか.   
      






【2013/10/26 01:45】 ラテン語入門 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

TOPへ


ラテン語入門 16 名詞の格と第2変化 (o幹) 名詞 (1) -us に終わる男性名詞

 今までは動詞中心に見てきましたが,ここからは名詞です.まずは次の文章から見て下さい.

(A) dominus fīliōequum dōnat.
主人は息子に馬を贈る.

語彙:dominus「主人」 fīlius 「息子」 equus 「馬」 dōnō, dōnāre, dōnāvī, dōnātum 「贈る」
(注意:このように名詞が主語になる時には,動詞は三人称を使います.三人称単数か複数かは,主語の数に一致.この場合は主語が単数なので,三人称単数になっています)

 ここで登場する名詞は,いずれも同じタイプの動詞で,単数で主語になる時は,dominus, fīlius, equus と,-us に終わる名詞です.このタイプの名詞は,単数の主語を表す形「は」(あるいは「が」)の時は dominus 「主人は」のように -us で終わり,単数の「に」の形になる時は,fīliō 「息子に」のように,-ō に終わる形になりす.また,単数の「を」となる時には,equum 「馬を」のように,-um で終わる形になります.
 大雑把に言えば,語尾の部分の -us, -ō, -um が,日本語の「は」「に」「を」であるようです.

 ただし,これは実は微妙に日本語のそれとは異なります.上の文例(A)で登場する名詞を全て複数にしてみる(B)と……

(A) dominusfīliōequumdōnat.
主人息子贈る.
(C) dominīfīliīsequōsdōnant (三人称複数!).
主人らは息子らにたちを贈る.

(A)(B)の太字にしている,いわゆる「てにをは」の部分をあげるなら……

  「は」「たちは」-us vs. -ī,
  「に」「たちに」-ō vs. -īs,
  「を」「たちを」-um vs, -ōs.

 ラテン語のほうでは,「は」「に」「を」にあたる要素,それから複数を表す「たち」にあたる要素を抽出することはほぼ不可能で,6つの形は共通点のない,ほぼ独自の形になっています.

 動詞その他の品詞に対して,ある名詞がどのように関わるか,その関わり方が「格」と呼ばれます.日本語の上の例の「は」「に」「を」も格を表す助詞なので,「格助詞」と言われます.「格助詞」は僕たちも「は」「に」「を」というぐあいに抽出できて,意識することができることから,単独では使えないものの,「語」であるといえるでしょう.しかし,ラテン語の上の us, ō, ī, のほうは,切り離されたとたん意味のない音になります.また,日本語で,格を無視して「主人」「馬」ということはできますが,ラテン語ではそれはできません.つまり,†domin,†equ という語は存在できません.現れる形は,つねに dominus「主人は」equum「馬を」 など,語尾がついた形になります.この語尾は,動詞の場合同様に,そのつど要求される「格」に応じて,折り曲げるように変形される語の一部であり,屈折語尾なのです.

 ラテン語の名詞は,語尾のタイプにより,第1-第5変化まで,5つの変化に分けられます.上の dominus, fīlius, equus は,第2変化に属します.名詞の人称語尾は,音変化などを大きく受けており,この5つの変化のタイプ同士では,音変化と語尾自体の付け替えなどで,動詞ほど目立つ共通点はあまり残っていません.例えば,上の(A)を,第1変化名詞でやってみると,(C)のようになります.語尾を対比させて見て下さい.

(A) dominus fīliōequum dōnat.
主人は息子に馬を贈る.
(C) fīlia puellae rosam dōnat.
娘は少女に薔薇を贈る.


 共通点は,対格に -m が見いだされる程度(これは実際に共通するものですが)しかありません.ですから,その単語が,どの変化をするかは,それぞれ別個にしっかり覚えなければいけません.

 ラテン語の名詞は,語尾の他にも,「性」によってで3つのカテゴリー,つまり男性名詞・女性名詞・中性名詞に分けられます.このカテゴリー分けは,第3変化ではいずれの性も多数含まれますが,第1変化と第4変化は大半が女性,第2変化と第5変化は大半が男性か中性となります.しかし,少数派も無視できるほど少なくはない重要語彙をもっています.この男性名詞・女性名詞・中性名詞のカテゴリー分けは,名詞に形容詞がつく時の形を決めるものですから,個々の名詞を覚える際には,名詞の語尾変化のタイプに加えて,性は必ず覚えなければいけません.なお,この性別は,自然性に対応するものも少なくありませんが,多くは文法的なカテゴリー分けで,性別をともないそうもない物質名詞や,抽象概念にも用いられます.

 さて,具体的に名詞の変化を見て行きましょう.格を説明するのに都合がいいので,第2変化(o 幹)名詞の男性名詞で説明していきます.なお,第2変化名詞は,主格が-us に終わる男性名詞(若干は女性名詞,稀に中性名詞)と,-er に終わる男性名詞,-um におわる中性名詞があります.-er に終わる男性名詞と,中性名詞のほうは別の回にまわします.

第2変化名詞(o幹) -us に終わる男性名詞 dominus 「主人」
      単数  複数
主格  dominus 「主人は」 dominī 「主人たちは」
属格  dominī 「主人の」 dominōrum 「主人たちの」
与格  dominō 「主人に」 dominīs 「主人たちに」
対格  dominum 「主人を」 dominōs 「主人たちを」
奪格  dominō 「主人で,から」  dominīs 「主人たちで,から」
呼格  domine 「主人よ」 dominī 「主人たちよ」 = 複数は主格と同じ

 ラテン語の名詞の格を表す部分は「格語尾」とよばれます.本来なら,名詞も動詞同様, 語基 + 幹母音 + 格語尾となるべきなのですが,古典ラテン語の段階では,上述のように,音変化を経た結果,音色が変ったり,幹母音と語尾が融合したりした上に,本来の形が別形にすげ替えられた部分もあります.名詞の格語尾という時は,語基を除いた全ての部分を言うことが普通です.上であげた第2変化名詞の dominus では,domin- が語基で,-us が格語尾です(本来なら u が幹母音(元は o が u に音変化),s が本来の意味での格語尾でした).上の表でいえば,黒字部分のことです.それを抜き出したのが,次の表です.

第2変化名詞(o幹)男性名詞の格語尾
      単数  複数
主格  -us 「は」 -ī 「たちは」
属格  -ī 「の」 -ōrum 「たちの」
与格  -ō 「に」 -īs 「たちに」
対格  -um 「を」 -ōs 「たちを」
奪格  -ō 「で,から」  -īs 「たちで,から」
呼格  -e 「よ」 -ī 「たちよ」 = 複数は主格と同じ


 ラテン語の名詞の格変化のタイプの分類は,主に主格と属格のペアで明確になるので,辞書の見出しにはこの組み合わせが必ず書かれます.その次に,男性・女性・中性の区別が書かれます.男性は m. = genus masculīnum, 女性は f. = genus feminīnum,中性は n. = genus neutrum の略号が使われるのが普通です.属格は自明の場合は格語尾のみであげられます.dominus を例にあげると:

  dominus, dominī, m. 主人  あるいは  dominus, -ī, m. 主人

 ラテン語の格は基本的に5つで,これがそれぞれ単数,複数となりますから,10個を覚える必要があります.第2変化の男性単数のみ,呼格が加わります.さらに場合により,もう一つ,地格単数というのが加わることがありますが,これについては別の回にします.それぞれの格が意味するものは,実は多岐にわたりますが,ここではごく基本的なものをあげておきます.

1. 主格……主語を表します.「は」

  dominus rīdet. 「主人は笑っている.」 fīliī cantant.「息子たちは歌う」

 なお,主語になる名詞の数の単複に応じて,動詞の数も同じ単複になります(上の文を参照).これを主語と動詞の数の一致と呼びます.

2. 属格……所属を表します.「の」

  equus dominī 「主人の馬」 equī fīliōrum「息子たちの馬たい」

 位置は名詞の後ろにも前にも置かれます.fīlius dominī = dominī fīlius 「主人の息子」

3. 与格……間接目的語を表します. 「に」

  dominus fīliō equum dōnat. 「主人は息子に馬を贈る.」 
  dominus fīliīs equōs dōnat.「主人は息子たちに馬たちを贈る.」

4. 対格……直接目的語を表します.「を」

  servus dominum laudat. 「奴隷は主人を賞賛する.」
  fīlius servōs laudat.「息子は奴隷たちを賞賛する.」

5. 奪格……分離の意味で「から」(ただし人の場合は前置詞がよく用いられる),道具の意味で「で」,場所を表す「で」など,用法が広いです.これは本来は3つの格だったものが一つにまとまったためでもあります.ここでは道具で例をあげます.

  fīlius gladium umerō portat. 「息子は肩で刀を運ぶ(=肩に刀を背負って運ぶ)」
  servī gladiīs lupum necat. 「奴隷たちは狼を剣で殺す」(ひどい例ですみません……)

6. 呼格……呼びかけに使います.感嘆の ō が添えられることもあります(がギリシア語のようにほぼ必須ではありません)「よ」第2変化名詞単数のみ特別な形で,それ以外はすべて主格と同じです.

  (ō) domine! おお主人よ! (ō) dominī!

 これらの格は,主格と呼格を除き,意味範囲が多岐にわたるのが普通です.また,特に対格と奪格(僅かに属格も)は,前置詞とともに使われる用法も多いです.類似の意味が,前置詞付きと前置詞なしの格で競合し,使い分けの条件があるという場合もあります.詳しい用法はまた別に見て行くことにしましょう.


 なお,英語と比較すると,今までの文で,少し気になるところがあると思います.英語では,a や the の冠詞が使われますが,今までそれにあたる要素は出て来ていません.ラテン語には,現代の殆どのヨーロッパ言語で見られる冠詞はありません.もし,「ある人」「その人」などを表したい時には,それを表す代名詞を付けますが,必須ではありません.ですから,文章や言語外現実で,servus が先に登場しているなら,servus cantat. は「その奴隷は歌っている」となり,英語なら The servant is singing などの英語になります.そうでなければ,「ある奴隷が歌っている」となり,A servant is singing. となります.

 それから語順ですが,ラテン語では格語尾と動詞人称語尾で,文章内での語の機能がわかるので,語順は比較的自由です.重要な要素は,ラテン語では文頭と文末にくるので,特に強調のない普通の文章の語順となると,主語と述語つまり動詞が前後に来ます.概ね以下の順になります.

   主語 間接目的語 直接目的語 動詞

ただし,これから外れることはごく普通にあり,英語のように語順を頼りに理解するということはせず,格語尾で理解するようにしなければいけません.なお,先にも出て来た否定辞 nōn は,全文を否定するなら動詞の直前,文の一部を否定するならその直前に置きます.

  nōn dominum laudāmus.「我々は主人は讃えない」 dominum nōn laudāmus. 「我々は主人を讃えない」


 最後に,同じ第2変化動詞の男性名詞で,語基が -i- に終わるものの変化表をあげておきます.赤字で強調したところを除き,同じ変化ではあるのですが……

      単数  複数
主格  fīlius 「息子は」  fīliī 「息子たちは」
属格  fīlī, fīliī 「息子の」  fīliōrum 「息子たちの」
与格  fīliō 「息子に」  fīliīs 「息子たちに」
対格  fīlium 「息子を」  fīliōs 「息子たちを」
奪格  fīliō 「息子で,から」   fīliīs 「息子たちで,から」
呼格  fīlī「息子よ」  fīliī 「息子たちよ」 = 複数は主格と同じ

 fīlius のように,語基が -i- で終わる場合,単数属格と単数呼格で,fīlī の形が用いられます.
 単数属格の場合,fīliī の形も用いられますが,一旦完全に fīlī になった後,類推で fīliī が別形でできたようで,数的にも少ないようです.
 単数呼格は,推定される†fīlie の形はなく,fīlī の形のみが用いられます(音変化の過程は不明のようです).
 一方で,複数主格 fīliī, 複数与格・奪格 fīliīs は,融合することはほぼ完全にありません.

 追記:例外は fluvius, -ī「川」の呼格 fluvie「川よ」で,これは形容詞由来であることによります.形容詞では -ius に終わる男性形の呼格は -ie になります.


 そろそろ練習に移りましょう.equus 以降は単語にカーソルを当てると変化形がでます.

  dominus, -ī, m.「主人」
  fīlius, -ī, m.「息子」
  equus, -ī, m. 「馬」
  gladius, -ī, m. 「剣」
  lupus, -ī, m.「狼」
  agnus, -ī, m.「羊」
  umerus, -ī, m.「肩」


名詞変化表

     単数複数
主格 
属格 
与格 
対格 
奪格 
呼格 
  
 
 
 
 
 

      


既習のタイプの動詞もついでに復習しておきましょう.直説法現在時制能動態の人称変化を作ってみて下さい.単語にカーソルで解答がでます.

  timeō, timēre, timuī, — 「恐れる」(スピーヌム欠落)
  laudō, laudāre, laudāvī, laudātum 「讃える」
  portō, portāre, portāvī, portātum 「運ぶ」
  necō, necāre, necāvī, necātum 「殺す」
  valeō, valēre, valuī, valitūrus 「健康である,元気である」

 動詞変化表

     単数複数
一人称 
二人称 
三人称 
  
 
 

      


 ラテン語は日本語,日本語はラテン語に訳してみて下さい.解答は文にカーソルを当てるとでます.

dominus fīlium nōn laudat.   
fīliī laudant servōs.   
servus laudat dominī fīliōs.   
奴隷たちは主人を讃えている.   
主人の息子は奴隷達を讃えない.   
servus gladium dominī timet.   
dominī fīlius timet lupum.   
lupus gladiōs servōrum nōn timet.   
奴隷たちは息子の剣を恐れている.   
狼たちは息子たちの剣を恐れない.   
servī lupum necant gladiīs.    
  (注:主語の奴隷が複数なので,剣も配分的に複数になる)
dominus gladiō fīlī lupōs necat.   
fīlius gladiō dominī servum necat.   
奴隷たちは剣で主人を殺している.   
主人の息子は剣で狼を殺している.   
servus umerīs lupum mortuum portat.    
 (mortuus は形容詞「死んだ」.この場合は対格の形 lupum にあわせて語尾変化している)
Dominus umerō gladium portat.   
servus umerīs agnum mortuum portat.   
息子は肩で剣を運んでいる.   
奴隷達は両肩で死んだ羊たちを運んでいる.   
serve, valēsne?   
 (注:serve, valēs? でも同じ意味の疑問文になりうるが,疑問文を作るエンクリティック-ne をつけるとはっきり疑問文になる.アクセントがエンクリティックの直前について valḗsne?となることにも注意.)
ō fīlī, valēsne?   
息子達よ,お前たちは健康か?   
      



また長くなってしまいました…….しかもあまりいい例文じゃないですね.少し例文探ししなくては.




【2013/10/21 23:01】 ラテン語入門 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

TOPへ


ラテン語入門 目次
ラテン語文法資料(かなり以前に作ったもの)

ラテン語入門 1 文字と発音など (1)
ラテン語入門 2 文字と発音など (2) 五つの母音とその長短,y
ラテン語入門 3 文字と発音など(3) 付記:ラテン語内での長母音記述の試み
ラテン語入門 4 文字と発音など(4) 二重母音
ラテン語入門 5 文字と発音など(5) 子音(1) 半母音の i [j] と v [w]
ラテン語入門 6 文字と発音など(6) 子音(2) 母音間の半母音の i [j]
ラテン語入門 7 文字と発音など(7) 子音(3) 共鳴音(流音 r l 鼻音 m n)
ラテン語入門 8 文字と発音など(8) 子音(4) 摩擦音 s f と気息音 h
ラテン語入門 9 文字と発音など(9) 子音(5) 閉鎖音(黙音)
ラテン語入門 10 文字と発音など(10) 子音(6) qu, ngu, su, gn, x, z, 二重子音など
ラテン語入門 11 文字と発音など(11) 音節の長短とアクセント規則
ラテン語入門 12 文字と発音など (12) 句読点
ラテン語入門 13 文字と発音など(13) 付記: 複数子音の前の母音の長短
ラテン語入門 14 規則動詞の直説法現在時制能動態 (1) 第 2 変化 (ē 幹) 動詞と動詞の分析 書き直しました
ラテン語入門 15 規則動詞の直説法現在時制能動態 (2) 規則動詞の概観と第1変化 (ā幹) 動詞 書き直しました
ラテン語入門 16 名詞の格と第2変化 (o幹) 名詞 (1) -us に終わる男性名詞
ラテン語入門 17 第2変化 (o幹) 名詞 (2) -er に終わる男性名詞
ラテン語入門 18 第2変化名詞 (3) -um に終わる中性名詞
ラテン語入門 19 第1変化名詞(ā 幹)名詞 第2変化(o 幹)名詞 (4) -us に終わる女性名詞,deus
ラテン語入門 20 第3変化 (子音幹,u幹) 動詞の直説法現在時制能動態の人称変化
ラテン語入門 21 第3b変化(i 幹)動詞,第4変化(ī 幹)動詞の直説法現在時制能動態の人称変化
ラテン語入門 22 第1・第2変化形容詞 (1)
以下鋭意作成中





【2013/10/20 04:25】 ラテン語入門 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

TOPへ


ラテン語入門 15 規則動詞の直説法現在時制能動態 (2) 規則動詞の概観と第1変化 (ā幹) 動詞

 書き直しました


 前回では,第2変化動詞の直説法現在時制能動態の変化を覚えました.ここでは,規則変化動詞の5タイプを一旦全て見ておきましょう.


規則動詞dōnō「贈る」, videō「見る」, legō「読む」, capiō「つかむ」,audiō「聞く」の直説法現在時制能動態の変化と現在時制能動態不定詞

第1変化(ā幹) 第2変化(ē幹) 第3変化(子音幹・u幹) 第3b変化(i幹) 第4変化(ī幹)

一人称「私は」 dōnō「私は贈る」 videō「私は見る」 legō「私は読む」 capiō「私は掴む」 audiō「私は聞く」
二人称「君は」 dōnās vidēs legis capis audīs
三人称「彼は」 dōnat videt legit capit audit

一人称「私達は」 dōnāmus vidēmus legimus capimus audīmus
二人称「君達は」 dōnātis vidētis legitis capitis audītis
三人称「彼らは」 dōnant vident legunt capiunt audiunt
現在能動態不定詞
 dōnāre「贈ること」
 vidēre「見ること」
 legere「読むこと」
 capere「つかむこと」
 audīre「聞くこと」


 先に見たように,規則動詞は,幹末母音(赤色)の違いにより,5つのタイプに別れます.幹末音は第一変化では ā,第二変化では ē,第3b変化では i,第4変化では ī,となります(第1変化の一人称単数 dōnō の幹母音消失は,この記事後半で説明します).
 第3変化では音色が i と u になり,不定詞は e が入っています.これは元々の由来が,幹母音と言われる,挿入母音に由来します.これは,例えば leg- のような,子音などに終わる語幹部分と,語尾の部分の直接接触を避けるためのクッションのようなもので,発音のしにくさの回避と語幹と語尾の独立性をたもつために挟まれた挿入母音です.これが,母音と -nt- の前では o, それ以外は e という現れをしていたのです.これはラテン語になってから,語頭アクセントによる弱化を受けて,e だったものは i に,o だったものは u に変化したものです(厳密にいうと,もう少し詳しい説明が必要になるので,それは別の機会に書くと思います).第3b変化,第4変化の三人称複数では,実は幹末母音 i と ī のあとに,この幹母音があるはずなのですが,殆ど脱落し(この原因はまだ解明には至っていないようです),三人称複数のみに,これも弱化で u になった幹母音の名残が見られます(このあたりは,第3変化,第3b変化,第4変化を覚える際に,もう少し詳しく説明します).
 第3変化以降は,やや幹末母音の統一性が乱れるところはありますが,赤くマーキングしている幹末母音と幹母音の部分を除くと,語尾の部分はすべて -o -s -t -mus -tis -nt となっていることがわかります.ですから,覚えることは多いとは言え,関連性は十分あるので,前回の第2変化を覚えた今となっては(覚えていればですが),覚えにくいことはないと思います.

 表の一番下の欄は,現在能動態不定詞です.これは,「……すること」の意味を表す,動詞の名詞的な形態です.英語でいえば,to 不定詞にあたるものです.ラテン語では,不定詞には -re という語尾を動詞語幹につけます(実は元は -se で,母音間で s > r となる,ロータシズムという有名な変化が起きた).dōnā-re,vidē-re, audī-re についてはこの語尾はそのままついています.第3変化は,これも leg- に -re を付けるのですが,やはり幹母音が加わって,legere になりました(弱化は受けているのですが,r の前では e に弱化するだけなので,かわらない).第3b変化は,これももとは i 幹で *capire だったのですが,これも弱化を経て capere になりました.このあたりは,第3b変化,第4変化を覚える際に,もう少し詳しく説明します.

 ラテン語の動詞は,直説法現在時制能動態の一人称単数の形に,現在能動態不定詞の形を添えると,上の5つのタイプのどれかが判明します.一人称単数の形だけだと,第1と第3変化が dōnō と legō で同じ形なのでわかりませんし,不定詞では第3と第3b同じで legere と capere なので,わかりません.両方で5つのタイプを区別します.そして,この5つのタイプの区別がわかれば,動詞の変化のほぼ半分ぐらいが自明となります.さらに,直説法完了時制能動態一人称単数,スピーヌムとよばれる形の2つを加えると,今度は全ての変化がわかります.そのため,辞書の見出しは,

  直説法現在時制能動態一人称単数,現在能動態不定詞,直説法完了時制能動態一人称単数,スピーヌム

という順で四つの形があげられます.上の表の動詞の,辞書での見出しは普通

  dōnō, dōnāre, dōnāvī, dōnātum「贈る」
  videō, vidēre, vīdī, vīsum「見る」
  legō, legere, lēgī, lēctum「読む」
  capiō, capere, cēpī, captum「つかむ」
  audiō, audīre, audīvī, audītum「聞く」

のようになっているはずです(辞書によっては,不定詞は -āre など,語尾で表されたり,自明の時は変化のタイプを数字で表すなど,多少違う形になっていることもあるので,その辞書の方針をよく見て下さい).この4つの形を,動詞基本型と呼びます.まだ完了形やスピーヌムの説明はしていませんが,これからは,新しい動詞をあげる時には,動詞4基本型を常にあげて行きます.特に完了形とスピーヌムは,上の動詞の5つの変化とは別に,単語によってとる形が決まっているので,セットで覚える必要があります.
 ちなみに,前回の練習で用いた第2変化動詞の動詞4基本型は……

  taceō, tacēre, tacuī, tacitum「黙る」 
  rīdeō, rīdēre, rīsī, rīsum「笑う」
  fleō, flēre, flēvī, flētum「泣く」
  valeō, valēre, valuī, valitūrus「元気である」

となります.第2変化の不定詞の形も,ここで覚えてしまってください.ちなみに valeō には目的分詞形がないので,未来分詞 valitūrus で代用.ラテン語ではこのように,一部の変化形が欠けていることがあります.


 さて,動詞の全体像を見たあとで,こんどは第1変化(ā幹)動詞をマスターして行きましょう.まずは変化表から.

第1変化 (ā 幹) 動詞 dōnō「贈る」直説法現在時制能動態の変化
  単数 複数
一人称 dōnō 「私は贈る」  dōnāmus 「私達は贈る」
二人称 dōnās 「君は贈る」 dōnātis 「君達は贈る」
三人称 dōnat 「彼(彼女,それ)は贈る」 dōnant 「彼ら(彼女ら,それら)は贈る」

 上述のように,第1変化動詞は,幹末母音(上の表で赤で示しています)の ā が特徴です.
 一人称単数 dōnō では,この幹末母音があらわれません.上でも簡単に解説しましたが,もう少し詳しく説明すると次のようになります.
 まず,元は *dōnāō.これが,moneō の一人称単数で起こったように,母音の前で長母音が短母音化(公式:Ṽ > / _V)し,*dōnāō > *dōnaō となります.母音 a o が接触していると融合します.この場合は,後ろの長母音 ō の音色になり,dōnaō > dōnō となります.
 dōnat と dōnant の短母音 a は,videō の第2変化動詞の場合と同じです.三人称単数で *dōnāt が dōnat となるのは,語末の -r -l -m -t の前では,長母音は短母音化するためで,三人称複数で *dōnānt が dōnant となるのは,流音 (r l) 鼻音 (m n) 半母音 (i [j] v) + 子音の前で,長母音は短母音化するためです(オストホフの法則).

 さて,第1変化動詞の変化を暗記してしまいましょう.

 動詞変化表

     単数複数
一人称 
二人称 
三人称 
  
 
 

      


以下の第一変化の動詞でも練習してみて下さい.単語にカーソルを当てると,変化がでます.

  cantō, cantāre, cantāvī, cantātum 「歌う」
  saltō, saltāre, saltāvī, saltātum 「踊る」
  clāmō, clāmāre, clāmāvī, clāmātum 「叫ぶ」
  amō, amāre, amāvī, amātum 「愛する」
  habitō, habitāre, habitāvī, habitātum「住む」

ついでに,いくつか他の単語も覚えましょう.

 接続詞の et と -que も覚えましょう.どちらも「そして」にあたりますが,et は A et B で「A と B」,-que は後ろの単語の後ろにつくエンクリティックで,「A Bque」となります.この時,-que の直前の音節にアクセントが来ます.

  cantat et saltat. = cantat saltátque. 彼は歌い,踊る.

 amō 「愛する」という動詞がありながら,目的語がないのは少し寂しいので,代名詞の目的語の形を二つだけ,簡単なので覚えて下さい.

  tē 「君を」 mē 「私を」   例: tē amat. 「彼は君を愛している」

 ラテン語では語順は比較的自由です.ですから,「私は君を愛する」は,tē amō. でも,amō tē. でもかまいません(が,tē amō. がどちらかというと普通です).

 前回の nōn「……ない (英語の not)」ですが,全文を否定する時には,動詞の前におきます.文の一部を否定する時には,その前におきます.

   例: tē nōn amat. 「彼は君を愛していない(彼は君を愛しているの全体を否定)」 
      nōn tē amat.「彼は君のことは愛していない(君だけを否定.別な人を愛している,など)」
       (下のような場合はちょっと翻訳が難しくなりますね)

 日本語はラテン語に,ラテン語は日本語に訳して下さい.問題文にカーソルを当てると解答がでます.

dōnās.    
nōn dōnat.    
dōnāmus.    
君たちは贈らない.    
私は贈る.    
nōn tē amō.    
tē nōn amat.    
mē amātis.    
彼らは私を愛していない.    
君は私を愛している.    
clāmant.    
clāmātis.    
nōn clāmō.    
彼は叫ばない.    
君は叫ぶ.    
cantat saltatque.    
cantāmus saltātisque.    
cantō et saltās.    
私は歌い,そして君達は踊る.    
彼らは歌い,そして踊る.    
Rōmae habitō. (Rōmae は「ローマに」)    
nōn Rōmae habitāmus.    
Rōmae habitātis.    
君はローマに住んでいる.    
彼らはローマには住んでいない.    
clāmātis.    
cantat et saltat.    
nōn mē amat.    
nōn dōnās.    
Rōmae habitātis.    
彼らは叫んでいない.    
彼らは贈る.    
君たちは踊り,私は歌う.    
我々はローマに住んでいる.    
君は私を愛していない.    
      



最後に有名な一文.

  cum tacent, clāmant. 彼ら(=元老院議員たち)は黙っていることによって,叫んでいるのだ(キケローのカティリーナ追放すべしという意見に賛同して).(キケロー『カティリーナ弾劾』1.21)

語句:taceō, tacēre, tacuī, tacitum「黙る」(前回も上でもでていますが)
 cum は時間を表す従属文を導く接続詞ですが,ここでは「……する時,そのことによって」という意味になります.
 



【2013/10/19 13:18】 ラテン語入門 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

TOPへ


ラテン語入門 14 規則動詞の直説法現在時制能動態 (1) 第 2 変化 (ē 幹) 動詞と動詞の分析


 書き直しました

 ラテン語の動詞は,主語の人称に応じて語尾を変化させます.大半の動詞は,5つのタイプの規則的な変化をするので,それらは規則動詞とよばれます.若干の,しかし重要で使用頻度の高い,やや独自の不規則な変化をする不規則動詞もあります.
 ここでは,ラテン語動詞の変化の特徴をとらえるために,五つの規則動詞のうち,一番見通しのいい動詞,第2変化動詞の直説法・現在時制・能動態を例に見て行きます.とりあえずは最初の動詞です.

第2変化動詞 videō「見る」直説法現在時制能動態の変化表
  単数 複数
一人称 videō 「私は見る」  vidēmus 「私達は見る」
二人称 vidēs 「君は見る」 vidētis 「君達は見る」
三人称 videt 「彼(彼女,それ)は見る」 vident 「彼ら(彼女ら,それら)は見る」

 法・時制・態については,また回を改めて見て行くことにしましょう.今は,直説法現在時制能動態は,「現時点である行為をする」あるいは「している」という意味であると理解してください.上では「私は見る」で通していますが,「私は見ている」でももちろんかまいません.人称については,自分と相手と第三者がそれぞれ一・二・三人称で,それぞれに単数・複数がありますから,計六つとなります.ラテン語の動詞は,それぞれの時制で,この六つの人称で変化します.
 上の表の,左側一段目,一人称単数の部分を見て下さい.日本語では,「私は見る」にあたるものが,ラテン語では,videō の一語だけで,「私は見る」という意味を表しており,その下の二人称単数の部分では,vidēs の一語で,「君は見る」という意味が表されています.どちらも一語で,「私はみる」「君は見る」といった,他の言語なら二語になりそうなものを表しています.この videō, vidēs を比較すると,違いは語尾の部分の -ō -s,それからその直前の母音 e と ē にあることがわかります.実はラテン語では,語尾の部分の -ō -s によって,動詞の主語の人称を表しているのです. -ō が「私は」で, -s が「君は」となります.この語尾を除いた部分 vidē- あるいは vide- が「見る」という意味をになっています.
 六つの人称の語尾だけをまとめてみると,

ラテン語の直説法現在時制能動態の人称語尾
  単数 複数
一人称 -ō 「私は」  -mus 「私達は」
二人称 -s 「君は」 -tis 「君達は」
三人称 -t 「彼(彼女,それ)は」 -nt 「彼ら(彼女ら,それら)は」

となります.この語尾を,人称語尾といいます.

 人によっては,例えば ō だけで「私は」という意味になりそうな気がするかもしれませんが,これは語尾として使われる時に限って「私は」を表すことができます.切り離されると,人称語尾は無意味な音か,音の連続と化します.-s も -t も -nt も,単独では「君は」「彼は」「彼らは」を表すどころか,音としてすら独立することはできません.動詞の基本的意味をになう,vidē- あるいは vide- の後についた時にのみ,これらの語尾は,その動詞の人称を表すことができる文法形式なのです.それどころか,単数と複数の間にも,殆ど共通点はありません.三人称のみ,なんとなく単数 -t と複数 -nt の比較から,n が複数らしきものを予測させますが,それは一人称・二人称の単複には見いだされません.それぞれが無関係に独自の形式で,「私は」「君は」「彼(彼女,それ)は」 「我々は」「君達は」「彼ら(彼女ら,それら)は」を表しているのです.
 その一方で,この人称語尾を取った形が,主語を省略した日本語の「見る」にあたるかというと,そうではなく,vidē という形は,「君は見よ」という,二人称が主語になる命令形になります.このように,ラテン語の動詞は,常にその主語の人称を表し,二人称への命令を除き,常に人称語尾をもちます.主語の人称をあらわさない形は,基本的に動詞として使われる場合には,存在しません.非人称動詞ですら,三人称単数の形をとります.動詞の名詞的用法(たとえば 現在時制能動態不定詞vidēre「持つこと」)などは,主語の人称を表しませんが,その場合も,それ独自の語尾を持ちます.
 ちなみに,このように,あたかも一部を折り曲げて様々な形をつくるように,語の一部で取り外しのきかない部分を変化させることで,人称などの文法的意味を表すことを屈折といい,そのような語尾を屈折語尾といいます.

 さて,もう一回,表にもどりましょう.
第2変化動詞 videō「見る」直説法現在時制能動態
  単数 複数
一人称 videō 「私は見る」  vidēmus 「私達は見る」
二人称 vidēs 「君は見る」 vidētis 「君達は見る」
三人称 videt 「彼(彼女,それ)は見る」 vident 「彼ら(彼女ら,それら)は見る」

 人称語尾を取り除いた形は,この部分を語幹と呼びます(もちろん二人称命令法以外に独立しては存在はできませんが).上の vidē- ないし vide- は,現在時制の形を作る語幹なので,現在語幹といいます.この語幹のうち,赤くマーキングした部分,vidē- ないしは vide- の -ē- あるいは -e- の部分ですが,この部分は幹末母音と呼ばれます.この幹末母音が,ラテン語の規則動詞の 5 つのタイプを決める特徴です.

 第2変化動詞は,-ē- の幹末母音が特徴になります(第2変化に属する他の動詞では,rīdeō「笑う」,fleō「泣く」など).そのため,ē 幹動詞とも呼ばれます.他の変化では,例えば,第4変化動詞では,ī の語幹末母音が特徴になります(audiō「聞く」).
 この -ē- の幹末母音は,続く人称語尾の音によって短縮して,videō, videt, vident では短母音の -e- が出てくるのです.実はもともとは,*vidēō, *vidēs, *vidēt ... *vidēnt (*は資料として残っていなくても,推定によって得られる語形につけます)のように,全て長母音でした(実は動詞によって違うものも混じっているのですが,とりあえずこうしておきます).この母音が短くなる条件は……

1. 母音の前の長母音は短母音化.(公式:Ṽ > / _V)
 これにより,一人称単数は *vidēō > videō「私は見る」となります.

2. 語末の -r -l -m -t の前では,長母音は短母音化.(公式:Ṽ > / _(r, l, m, t)# (# は語境界))
 これにより,三人称単数は *vidēt > videt (二人称複数 vidētis は語末でないので短くならない)となります.ただし,この変化が起こったのは比較的あたらしく,古ラテン期の詩では長いままのことがあります.

3. 流音 (r l) 鼻音 (m n) 半母音 (i [j] v) + 子音の前で,長母音は短母音化.前述のオストホフの法則です.(公式:Ṽ > / _(r, l, m, n, i[j], v)C)
 これにより,三人称複数は *vidēnt > vident となります.

 この幹末母音 -ē- は何かということになると, videō の場合は,古くさかのぼるなら,語幹の部分は *wid-ē-je/o- (e/o は語尾によって変る,幹母音と呼ばれる物です)という形で,ある静止状態に入ることを示す後接辞 -ē- と単純現在を表す後接辞 -je/o- が融合したもの(*-ē-je/o- で,母音間の j は後に落ちて融合して -ē- になる)だったようで,その前の vid- (*wid-)の部分(語の基本的な意味を担う部分なので語根といいます)に「見る」の意味がありました.しかし,ē 幹動詞の ē にはこれ以外にも幾つかの由来によるものがあります.例えば fleō「泣く」では,語根(*flē-)に直接人称語尾がついており,語根の母音が幹末母音です.出自は複数ありますが,最終的にそれらが ē 幹動詞というカテゴリーにまとまったのです.
 元々の ē の部分の意味は,語の意味内容に何らかの反映はされているかもしれませんが,古典ラテン語の段階になると,語幹全体として意味をなしていて,ē の意味を認識することはラテン語話者でもできなかったと思います.

 さて,理論はこの辺で十分だと思います.実際の動詞の変化を覚えましょう.

第2変化動詞 videō「見る」直説法現在能動態
  単数 複数
一人称 videō 「私は見る」  vidēmus 「私達は見る」
二人称 vidēs 「君は見る」 vidētis 「君達は見る」
三人称 videt 「彼(彼女,それ)は見る」 vident 「彼ら(彼女ら,それら)は見る」


 まずは変化を長短まで正確に覚えて下さい.上の表を見ないで暗唱できて,下の空欄に,表を見ないでスムーズにタイピングできればほぼ大丈夫だと思います.タイピングの時には,できれば長音記号を付けて下さい.長音記号は打ちにくいですから(U.S.Extended のキーボードにはありますが),ラテン語式のアペクスにならって á é í ó ú でも,日本語のローマ字の長母音につかう曲アクセント â ê î ô û でもいいと思います.リセットで打ち込んだものが消えるので,何度でも消してタイプ練習してみてください.

動詞変化表

     単数複数
一人称 
二人称 
三人称 
  
 
 

      


 同様の変化をする動詞は,次のようなものです.これを変化させて,上の変化表に打ち込んでみてください.残念ながらワンタッチで答え合わせはできませんが,カーソルをあわせると解答がでます.

  taceō「黙る」 
  rīdeō「笑う」
  fleō「泣く」
  valeō「元気である」


最後に簡単な練習問題.ラテン語を日本語に,日本語はラテン語にしてみてください.ついでに動詞以外の単語 nôn を覚えましょう.

  nōn「……ない(英語の not)」 例:nōn valēs. 君は元気ではない.(位置は動詞の前において下さい)

これをやっている時に,変化表を見てしまうようではだめで,変化表なしで一気にできるようになるまで,一生懸命変化表を練習してからやって下さい.練習では全部「見ている」のようにしていますが,「見る」でもどちらでも大丈夫です.空欄に解答を書いて下さい.カーソルを問題文の上におけば解答が出てきます.リセットで全部消えます.

vidēs.    
vidēmus.    
nōn vident.    
videō.    
私は見ていない.    
君達は見ている.    
tacēmus.    
tacet.    
nōn taceō.    
私達は黙っていない.    
君は黙っている.    
君達は黙っている.    
rīdēmus.    
nōn rīdent.    
rīdētis.    
君は笑っている.    
彼らは笑っている.    
私達は笑っていない.    
valeō.    
nōn valent.    
valētis.    
彼は元気である.    
君は元気である.    
私達は元気ではない.    
flētis.    
nōn fleō.    
flēs.    
彼は泣いていない.    
彼らは泣いている.    
flēmus.    
nōn valent.    
tacētis.    
vidēmus.    
君は見ている.    
彼らは笑っている.    
私達は元気である.    
君たちは黙っていない.    

      



 数は多いですが,難しくはないとおもいます.難しいと思ったら,表のほうの暗記をし直して下さい.

 最後にキケローから極短いですが一文.

  Quid tacēs? なぜお前(カティリーナ)は黙っているのか?(キケロー『カティリーナ弾劾』1.1)

   語句:quid [疑問詞]「なぜ?」


 なお,単語ですが,変化ともども,なるべく暗記して下さい.ラテン語は名詞も動詞も変化が大変なので,つい単語のほうの暗記を怠りがちですが,実際にラテン語の本文を読み始める時には,辞書はいやでも沢山ひくようになります.その時に全く知らない単語ばかり大量に辞書を引くことになるようだと,意味がわかって,次の単語に行くころには,既に忘れているという状態になりがちです.できれば,テクストを読み始める時には,できれば6-7割はすでに知っている単語という状態にしたいものですね.幸いラテン語の語彙数は少ないです.Oxford English Dictionary が 20冊で,同じ方針で作られた Oxford Latin Dictionary が現在2巻本ですから,大雑把に10分の1でしょう.入門が終わるまでに語彙が2000程度あれば,相当楽になるはずです.このブログでも,いずれ基礎語彙をまとめようと思っています.

 まあこんな調子でやっていると,ラテン語入門だけで300回は超えそうですね…….しばらくは広告がでないで済みそうです.




【2013/10/18 19:30】 ラテン語入門 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

TOPへ




PROFILE

  • Author:メレアグロス
  • 気が向いた時にラテン語を訳したりしています.
    ヘレニズムのギリシア語もたまに訳しています.

    問い合わせ先(メールフォーム)
  • RSS1.0
  • CM, TB, ARCHIVE

    COMMENT
  • メレアグロス [06/06 15:20] 
  • outis [06/05 21:42] 
  • メレアグロス [06/05 10:37] 
  • outis [06/01 22:33] 
  • メレアグロス [05/28 18:31] 
  • outis [05/26 23:35] 
  • Succarum [09/24 20:12] 
  • メレアグロス [09/24 00:15] 
  • Succarum [09/23 16:32] 
  • メレアグロス [11/06 01:49] 
    TRACKBACK
  • えいじゅなすの本棚 - 英語, 医学, 投資の専門書レビューブログ:Wheelock's Latin(05/26)

  • ARCHIVE
  • 2016年07月 (1)
  • 2016年05月 (1)
  • 2016年01月 (1)
  • 2015年08月 (1)
  • 2015年07月 (1)
  • 2015年06月 (1)
  • 2015年05月 (2)
  • 2015年04月 (1)
  • 2015年03月 (4)
  • 2015年02月 (1)
  • 2015年01月 (1)
  • 2014年12月 (4)
  • 2014年11月 (24)
  • 2014年10月 (6)
  • 2014年08月 (1)
  • 2014年07月 (3)
  • 2014年06月 (10)
  • 2014年04月 (3)
  • 2014年03月 (3)
  • 2014年02月 (1)
  • 2014年01月 (2)
  • 2013年12月 (3)
  • 2013年11月 (4)
  • 2013年10月 (25)
  • 2013年09月 (1)
  • 2013年08月 (5)
  • 2013年07月 (6)
  • 2013年06月 (1)
  • 2013年05月 (2)
  • 2013年04月 (1)
  • 2013年03月 (1)
  • 2013年02月 (2)
  • 2013年01月 (2)
  • 2012年12月 (1)
  • 2012年10月 (6)
  • 2012年09月 (27)
  • 2012年08月 (32)
  • 2012年07月 (47)
  • 2012年06月 (50)
  • 2012年05月 (3)
  • 2009年10月 (1)
  • 2009年09月 (2)
  • 2009年08月 (12)
  • 2009年07月 (7)
  • 2009年06月 (14)
  • 2009年05月 (2)
  • 2009年03月 (40)
  • 2009年02月 (14)
  • 2009年01月 (75)
  • 2008年12月 (26)
  • 2008年11月 (22)
  • 2008年10月 (60)
  • 2008年09月 (95)
  • 2008年08月 (68)
  • 2008年07月 (42)
  • 2008年06月 (54)
  • 2008年05月 (49)
  • 2008年04月 (49)
  • 2008年03月 (35)
  • 2008年02月 (9)
  • 2008年01月 (27)
  • 2007年12月 (40)
  • 2007年11月 (35)
  • 2007年10月 (26)
  • 2007年09月 (43)
  • 2007年08月 (10)
  • 2007年05月 (33)
  • 2007年04月 (8)
  • 2007年03月 (61)
  • 2007年02月 (51)
  • 2007年01月 (75)
  • 2006年12月 (68)
  • 2006年11月 (23)
  • 2006年10月 (56)
  • 2006年07月 (1)
  • 2006年06月 (7)
  • 2006年05月 (125)
  • 2006年04月 (77)
  • 2006年02月 (34)
  • 2006年01月 (69)
  • 2005年12月 (54)
  • 2005年11月 (50)
  • 2005年10月 (7)
  • 2005年09月 (106)
  • 2005年08月 (38)
  • 2005年07月 (4)
  • 上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。