古代ローマの小説で有名な『サテュリカ』は,フェッリーニの映画化などで名前は有名ですが,注釈書などではちょっと恵まれてない作品でした.このGareth Schmelingのペトローニウスの『サテュリカ』注釈書が,全体の詳細な注釈書としては世界初になるとのこと.早くペーパーバックが出ればいいですね.
Gareth Schmeling Ed. with the Collaboration of Aldo Setaioli. A Commentary on the Satyrica of Petronius. Oxford U.P., 2011
以前出ていた『サテュリカ』全体の注釈書はこれのようですが,未見.
Petronius: The Satiricon, ed. by Evan T. Sage, revised by Brady B. Gilleland, New York 1969.
部分的には次のような詳細な注釈もでているようですが,いずれもいい値段なので買っていません…….
Natalie Breitenstein. Petronius: "Satyrica 1-15". Text, Übersetzung, Kommentar. Texte und Kommentare 32. Berlin/New York: Walter de Gruyter, 2009.
Giulio Vannini Ed. Petronii Arbitri Satyricon 100-115. Edizione critica e commento. Beiträge zur Altertumskunde Bd. 281. Berlin/New York: Walter de Gruyter, 2010. BMCR書評
Peter Habermehl Ed. Petronius, Satyrica 79-141. Ein philologisch-literarischer Kommentar. Bd. 1: Sat. 79-110. Texte und Kommentare 27,1 Berlin/New York: Walter de Gruyter, 2006.
有名な「トリマルキオーの饗宴」については,中級者向けテクストなどもいくつもありますが,定番は次の注釈書でしょうか.しかしこれもすでに古いかもしれないですね.
Martin S. Smith Ed. Petronii Arbitri Cena Trimalchionis. Oxford: Oxford U.P., 1982.
ちなみにペトローニウスには,PETRONIAN SOCIETY (ペトローニウス協会)というものがあり,毎年ニュースレターなども発行されています.書誌情報や書評などもあります.下のリンクですべて読めます.
有名なフェッリーニの映画『サテリコン』ですが,最後まで見る忍耐力は僕はまだないです…….原作を読む方が楽かもしれません.
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長期にわたってブログ休止してました.これからもどうなるかわかりませんが,気が向いたら翻訳でも書くかもしれません.この記事では,ちょっとリハビリ程度に新刊などのお話でも.
つい先日から,なんと日本映画で,ラテン語が話されるというすごい映画が登場しています.もう知らない人もいないと思いますが……
武内英樹 監督 阿部寛,上戸彩主演『テルマエ・ロマエ』東宝,2012年4月28日
既に見に行きましたが,まさかのオープニングからラテン語が画面に満載で,しかも実際にラテン語でやり取りがされるシーンも少なからずありました.発音はイタリア語風の発音ではありますが,それでも日本映画としては,ラテン語が話されるなどということは,前代未聞だと思います.ラテン語をやっている我々にとっては,ラテン語ができて得をするということは滅多にない現代で,多少やっていてよかったという気持ちを味わえる映画だと思います.
映画はさておき,ラテン語研究の方でも大変な本がいくつか出ています.
まずは何より,Oxford Latin Dictionary の第二版.
Oxford Latin Dictionary. 2 vols. 2nd Ed. Oxford: Oxford U.P., 2012.
しかしこの第二版,大変残念なことに,2巻本になっています.2200ページ弱から2400ページに増えただけで,2巻本となると,やはり電子版がでるのを待とうという気になってしまいますね.
次にOxford Classical Dictionary の第4版.
Simon Hornblower and Antony Spawforth and Esther Eidinow. The Oxford Classical Dictionary. 4th Ed. Oxford: Oxford U.P., 2012.
ラテン文学で詩をやっていると避けては通れないヘレニズム詩ですが,なんとカッリマコスの『縁起集』の校訂本と翻訳がでるようです.
Annette Harder Ed. Callimachus: Aetia. vol 1. Introduction, text, and translation. Oxford: Oxford U.P., 2012. 05 (forthcoming).
これにさらに注釈がvol.2でつくことになるようです.これはペーパーバックは期待できなそうですね…….
Cambridge Greek and Latin Classicsのシリーズでは,ホラーティウスの『歌集』の第1巻目と4巻目+『世紀讃歌』,『談話集』第1巻がでました.さらにはRichard Tarrant先生によるウェルギリウスの『アエネーイス』第12巻の注釈が登場するようです.
Emily Gowers Ed. Horace: Satires Book I. Cambridge Greek and Latin Classics. Cambridge: Cambridge U.P., 2012.
Roland Mayer Ed. Horace: Odes Book I. Cambridge Greek and Latin Classics. Cambridge: Cambridge U.P., 2012.
Richard Tarrant Ed. Virgil: Aeneid Book XII. Cambridge Greek and Latin Classics. Cambridge: Cambridge U.P., 2012. 07 (forthcoming).
他にもいろいろ出ているでしょうが,気になったところだけあげてみました.
メールでの依頼です.
久保 正彰先生の翻訳によるトゥーキュディデスの復刊を希望されている方,
是非ご協力お願いしますとのことです.古書で1冊1万円を超える値段がついていて,絶句しました.
久保 正彰先生の翻訳によるトゥーキュディデスの復刊を希望されている方,
是非ご協力お願いしますとのことです.古書で1冊1万円を超える値段がついていて,絶句しました.
Robert Beekes and Lucien Van Beek. Etymological Dictionary of Greek. 2 Vols. Leiden Indo-european Etymological Dictionary Series. Leiden: Brill, 2009.11 (forthcoming). $590.00.
ようやくup-to-dateな比較言語学に基づいたギリシア語語源辞典ができるようです.しかし値段が…….
もう大抵ご存知でしょうが,
「古代ローマ帝国の遺産 栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ」
公式HP: http://roma2009.jp/index.html
動画:時事ドットコム「古代ローマ帝国の遺産」展
期間:2009年9月19日(土)?12月13日(日)
会場:国立西洋美術館(東京・上野公園)
文献学などやっていると,文章ででてくる小道具などの実際の姿がわからなくてイライラしがちですが,「古代ローマ帝国の遺産」展はそうしたイライラを一気に解消してくれるでしょう.詳しくは公式HPで.これを逃したらポンペイに行くかタイムマシンを作るしかない!
しばらく全然書いていませんでしたが,保守の意味でも,投稿しておきます.
Haruo Konishi. Power and Structure in Thucydides. Supplementi di Lexis 52-54. Amsterdam: Adolf M. Hakkert Editore, 2008.
詳細書誌と内容はBMCR 2009.09.10をご参照下さい.書評者は色々反対意見もあるようですが,好意的に見ているようですね.現在3巻でており,あと2巻出る予定とのことです.
小西晴雄先生は
小西晴雄(訳)『トゥーキュディデース』世界古典文学全集11.東京:筑摩書房,1968.
を出されています.その他海外西洋古典雑誌にも投稿されているそうです.
Paolo Fedeli, Irma Ciccarelli. Q. Horati Flacci, Carmina. Liber IV. Bibliotheca Nazionale. Testi con commento filologico, 17. Firenze: Felice le Monnier, 2008. Pp. 706. ISBN 9788800208024. Euro 48.00 (pb). 書評: BMCR (Gregor Bitto)
書評でてました.かなり好評のようです.書評者によるとイタリア語も読みやすいそうで,ありがたいことです.
こういう良心的な先生もいるのですね.いや別に他の先生が良心的でないというわけではありませんが.
http://d.hatena.ne.jp/nikubeta/20090824/p1
タイミングよくこんな本も届きました.既に注文したことすら忘れるぐらい待たされてましたが.
Michael Meier-Brügger. Charles Gertmenian Trans. Indo-European Linguistics. In cooperation with Matthias Fritz and Manfred Mayrhofer. de Gruyter Textbook. Berlin; New York: de Gruyter, 2003.
日向太郎『イタリア語検定 2級突破』東京:三修社,2003.
書いている人が書いている人だけに,支援に買いました.しかしすっかりイタリア語忘れていることに気づきました.必要なのは3級のようです.
暑気の緩和にペンギンの水浴でも.
http://www.asahi.com/video/news/TKY200908210317.html
全然関係ないですが,この動画みていたらなんとなくラテン語入門でも書き始めたくなりました.いや,だいぶ前にそれ用のブログは確保しているのですけどね.
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