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ホラーティウス『談話集』2巻8歌79-95 (完結)

H. Nullos his mallem ludos spectasse; sed illa
redde, age, quae deinceps risisti. F. Vibidius dum 80
quaerit de pueris, num sit quoque fracta lagena,
quod sibi poscenti non dantur pocula, dumque
ridetur fictis rerum Balatrone secundo,
Nasidiene, redis mutatae frontis, ut arte
emendaturus fortunam; deinde secuti      85
mazonomo pueri magno discerpta ferentes
membra gruis sparsi sale multo, non sine farre,
punguibus et ficis pastum iecur anseris albae,
et leporum avolsos, ut multo suavius, armos,
quam si cum lumbis quis edit. tum pectore adusto 90
vidimus et merulas poni et sine clune palumbes,
suavis res, si non causas narraret earum et
naturas dominus; quem nos sic fugimus ulti,
ut nihil omnino gustaremus, velut illis
Canidia afflasset peior serpentibus Afris.     95


(ホ) 僕はこの見せ物以上に見たいと思う見せ物はないね.しかし,
さあ言ってくれたまえ,続いて君が笑った出来事を.(フ) ウィービディウスは
杯を欲しがっているのに渡されないから,
奴隷たちに,酒瓶も壊れたのかと聞き,そして
バラトローがその後を継いで,出鱈目話で笑いを取っていると,
ナシディーエーヌスよ*1,君が,顔つきも変えて戻って来た.その芸術でもって
ハプニングを取り繕うつもりであるかのように.それから,その後ろについて,
奴隷達は,大きな篭に取り分けた鶴の骨つき肉の
沢山の塩にスペルト麦もふんだんに振りかけられたもの,
そして,栄養たっぷりの無花果を食べさせられた,白い鵞鳥の肝臓,
そして,腰肉と一緒に食べるよりも,ずっと旨く食べられるようにと,
毟り取られた兎の前足を持って来た.次に我々は,
クロウタドリ*2の胸肉焼きと,尾を切った鳩を見た.
それは旨いものだったろう,もし主人がそれらの由来と
性質を講釈しなかったならね.その主人に,我々はこんなぐあいに仕返しをして,逃げて来た.
すなわち,我々はどれにも全然手を付けなかったのだ,あたかもそれらには,
アフリカ蛇よりたちの悪いカニーディア*3が息を吹きかけていたかのようにね.


*1 フンダーニウスやホラーティウスらの面前にはいないはずのナシディエーヌスに話しかけている.このように,今まで三人称などで語られていたその場にいない人物に,突然二人称で呼びかけて話を向けることを,頓呼法(アポストロペー)という.
*2 あまり高いところを飛ばずに,低い薮などに住む,小さめの黒い鳩のような鳥.http://ja.wikipedia.org/wiki/クロウタドリ参照.
*3 ホラーティウスの作品にしばしば登場する女性で,気味の悪い魔術を行う.


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【2012/07/04 02:53】 Horatius Sermones | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『談話集』2巻8歌64b-78

    Balatro suspendens omnia naso
'haec est condicio viventi' aiebat, 'eoque    65
responsura tuo numquam est par fama labori.
tene, ut ego accipiar laute, torquerier omni
sollicitudine districtum, ne panis adustus,
ne male conditum ius apponatur, ut omnes
praecincti recte pueri comptique ministrent!  70
adde hos praeterea casus, aulaea ruant si,
ut modo, si patinam pede lapus frangat agaso.
sed convivatoris, uti ducis, ingenium res
adversae nudare solent, celare secundae.'
Nasidienus ad haec: 'tibi di quaecumque preceris 75
commoda dent! ita vir bonus es convivaque comis:'
et soleas poscit. tum in lecto quoque videres
stridere secreta divisos aure susurros.


    全てを鼻にかけるバラトローは,
「これが生きる者の有様だ」と言った.「そして,そのために,
あなたの労苦に釣り合う名声は決して応えることはない.
あなたは,私が豪奢に接待されるようにと,あらゆる
心配に引き裂かれています,パンが焦げ付かないようにと,
ひどく味付けされたソースが出されてないようにと,奴隷がみな
ちゃんと裾をからげて,整髪して給仕するようにという心配にです.
その他に,これらの事故も考慮されたい,もし先ほどのように,
天蓋が壊れ落ちたり,もし馬鹿なやつが足を滑らせて大皿を割ったりなどを.
しかし,あなたがお考えになる通り,宴の主の才能を明らかにするのは,
逆境であるのが常で,順境はそれを隠すものです」
ナシディーエーヌスはこれに対して言う.「神々が,君の願う仕合せは
なんでも君にお与えにならんことを!かくも君はよき人物で,気持ちのいい宴客だ」
そして,サンダルを要求した*1.その時,君がいたら,それぞれの寝台で,
こっそり耳にひそひそと囁き合う音がするのが判ったろう.


*1 料理の準備をしている奴隷に指示を出しに行くため.



【2012/07/04 01:52】 Horatius Sermones | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『談話集』2巻8歌42-64a

affertur squillas inter murena natantis
in patina porrecta. sub hoc erus 'haec gravida,' inquit,
'capta est, deterior post partum carne futura.
his mixtum ius est: oleo, quod prima Venafri   45
pressit cella; garo de sucis piscis Hiberi;
vino quinquenni, verum citra mare nato,
dum coquitur—cocto Chium sic convenit, ut non
hoc magis ulla aliud;—pipere albo, non sine aceto,
quod Methymnaeam vitio mutaverit uvam.   50
erucas viridis, inulas ego primus amaras
monstravi incoquere; inlutos Curillus echinos,
ut melius muria quod testa marina remittat ...'
interea suspensa gravis aulaea ruinas
in patinam fecere, trahentia pulveris atri     55
quantum non Aquilo Campanis excitat agris.
nos maius veriti, postquam nihil esse pericli
sensimus, erigimur: Rufus posito capite, ut si
filius immaturus obisset, flere. quis esset
finis, ni sapiens sic Nomentanus amicum     60
tolleret: 'heu, fortuna, quis est crudelior in nos
te deus? ut semper gaudes illudere rebus
humanis!' Varius mappa compescere risum
vix poterat.


泳ぐ小エビの間をウツボが横たわっているのが,大皿に
出された.これに続いて主人は言う.「これは孕んだものを
捕まえたのです.産んだあとだと肉はまずくなってしまうので.
このソースにはこれらのものが混ざっています.ウェナーフルム*1
搾油場がしぼった初物のオリーブ油.鯖の汁から取られた魚醤,
5年ものの葡萄酒,海のこちら側で採れたもの*2ですが,
これは煮ている時に混ぜます,煮た後だと,キオス葡萄酒が,
これ以上はない程に,よく合います.白胡椒,それに忘れてならないのが酢で,
これはメーテュムナ*3の葡萄を発酵させたものです.
緑のルッコラ,苦いオオグルマ*4を煮込むのを
教示したのは私が初めてです.クルティッルス*5は洗っていないウニを,
海の貝からの出汁のほう漬け汁よりもどれほどよいか……」
そうしているうちに,吊ってあった重い天蓋が,とんでもない破滅を
大皿の上にもたらした.それは黒い埃を舞い上がらせたが,その量は
北風がカンパーニアの野に吹き上げた程のものであった.
我々はまだなにかあるかと恐れたが,何の危険もないことを
察すると,起き上がった.ルーフス*6のほうは,うなだれて,あたかも
息子が早世したかのように,泣いている.どんな
終わり方をしたろうか,もしノーメンターヌスが賢明にもその友を
元気づけなければ.「嗚呼,運命女神よ,どの神が我々に対して
あなたより残酷でありましょう?なんと常々あなたは人の世の出来事を
弄ぶのか!」ワリウスはナプキンでようやく笑いを抑えることが
できていた.


*1 地図Da.オリーブで有名.
*2 つまりイタリアで採れたもの.
*3 レスボス島の町(地図Bc),葡萄酒で有名.
*4 古来から薬用・調味料に使われた植物.http://en.wikipedia.org/wiki/Elecampane参照.
*5 不詳.
*6 ナシディーエーヌスのこと.



【2012/07/04 00:52】 Horatius Sermones | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『談話集』2巻8歌18-41

H. divitias miseras! sed quis cenantibus una,
Fundani, pulchre fuerit tibi, nosse laboro.
F. summus ego, et prope me Viscus Thurinus, et infra,
si memini, Varius; cum Servilio Balatrone    21
Vibidius, quas Maecenas adduxerat umbras;
Nomentanus erat super ipsum, Porcius infra,
ridiculus totas simul absorbere placentas;
Nomentanus ad hoc, qui, si quid forte lateret,  25
indice monstraret digito: nam cetera turba,
nos, inquam, cenamus avis, conchylia, piscis,
longe dissimilem noto celantia sucum,
ut vel continuo patuit, cum passeris atque
ingustata mihi porrexerat ilia rhombi.      30
post hoc me docuit melimela rubere minorem
ad lunam delecta. quid hoc intersit, ab ipso
audieris melius. tum Vibidius Balatroni,
'Nos nisi damnose bibimus, moriemur inulti;'
et calices poscit maiores. vertere pallor    35
tum parochi faciem, nil sic metuentis ut acris
potores, vel quod male dicunt liberius vel
fervida quod subtile exsurdant vina palatum.
invertunt Allifanis vinaria tota
Vibidius Balatroque, secutis omnibus; imi   40
convivae lecti nihilum nocuere lagenis.


(ホ) 惨めな財産だ!ところで,どんな宴客の方々と一緒に,
フンダーニウスよ,君が愉しく過ごしたのか,僕はおおいに知りたいのだが.
(フ) 最上席が僕で,僕の隣がウィスクス・トゥリーヌス,そしてその下が,
記憶が正しければ,ワリウスだ.セルウィッリウス・バラトローと一緒にいたのが
ウィービディウス,彼をマエケーナースは,影*1として連れて来た.
ノーメンターヌスは主役自身の上で,ポルキウスは下で,
焼き菓子を全部一息に平らげて笑わせる奴だ.
ノーメンターヌスは,もし何か偶々気がつかれないでいたら,
人差し指で指し示すためにいたのだ.すなわち,他の人々,
言い換えれば,我々は,鳥や貝や魚を食べていて,
それらは我々の知ってるのは全然異なる風味を隠し持っているのだが,
たとえば,食べたこともない雀やカレイの内臓を
彼が僕に差し出すと,すぐにも,それが何か判ったのだ.
この後で,彼は僕に教えてくれたのは,蜜林檎で熟しているのは,
月が欠ける時に集められたものだ,ということだ.これが何の役に立つのかは,彼自身に
聞かれたほうがよかろう.その時,ウィービディウスはバラトローに
「我々がもし死ぬ程飲まなければ,復讐せずして死ぬこととなろう」と言い,
そしてもっと大きい杯を求めた.その時,主人の顔は
蒼白に変わった.というのも,彼は大酒飲みたちを何よりも
恐れるのだ.気ままに悪口を言うとか,
焼け付く葡萄酒が繊細な口を無感覚にするとかいう理由でね.
ウィービディウスとバラトローは,アッリーファエ杯*2
全部の葡萄酒壷を傾けて,他の者たちもそれに倣う.下座の
宴客*3は壷には少しも触れなかった.


*1 地位ある人に影のようについて来て宴に加わる客.
*2 サムニウムの町アッリファエ(地図Da)から名前が取られた,大きい杯.
*3 すなわち,ノーメンターヌス,主人のナシディーエーヌス,ポルキウスのこと.下の図を参照.


図:ナシディーエーヌスの宴の宴客の配置

マエケー
ナース
ウィービ
ディウス
バラト 
ロー

ノーメン
ターヌス
中座


下座   食卓   上座


ワリウ 

ナシディ
ーエ.
ウィス 
クス
ポルキ 
ウス
フンダー
ニウス


 図はhtmlタグで作図する都合上,食卓が大きくなりすぎましたが,イメージ図と思ってください.この図が基本的な配置のようですが,寝台の組み方が少し違うもの,あるいは部屋自体に寝台が取り付けられているものもあります.
 ローマの宴(cena)は,トリクリーニウム(triclinium「三つの寝台部屋」)と呼ばれる部屋で行われます.そこには,三人がけの寝台が3つ,コの字型に置かれてあります.宴客は,一つの寝台に3人ずつ横になって,左側を下にして寝ながら,右手で食べ物を大抵手掴かみで食べたり,杯を持って葡萄酒などを飲んだりします.
 構成人数は,一つの寝台に3人ずつ×3つの寝台ですから,デフォルトで9人.
 席の上(super)・下(infra)は,図で言えば最上席のフンダーニウスから始まって逆時計回りに下の席になり,ポルキウスが末席.
 3つの寝台(lectus)も,逆時計回りで,上座(summus lectus),中座(medius lectus),下座(imus lectus)となります.

 なお,ここで使っている用語は,すべて僕が一時的につけている便宜的なものです(後で一般的に使われる日本語訳が判ったら変更します).


【2012/07/03 18:56】 Horatius Sermones | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『談話集』2巻8歌1-17 ナシディーエーヌスの宴

Horatius. Ut Nasidieni iuvit te cena beati?
nam mihi quaerenti convivam dictus heri illic
de medio potare die. Fundanius. sic, ut mihi numquam
in vita fuerit melius. H. da, si grave non est,
quae prima iratum ventrem placaverit esca.   5
F. in primis Lucanus aper leni fuit Austro
captus, ut aiebat cenae pater; acria circum
rapula, lactucae, radices, qualia lassum
pervellunt stomachum, siser, allec, faecula Coa.
his ubi sublatis puer alte cinctus acernam    10
gausape purpureo mensam pertersit et alter
sublegit quodcumque iaceret inutile quodque
posset cenantis offendere, ut Attica virgo
cum sacris Cereris procedit fuscus Hydaspes
Caecuba vina ferens, Alcon Chium maris expers. 15
hic erus: 'Albanum, Maecenas, sive Falernum
te magis appositis delectat, habemus utrumque.'


(ホラーティウス) 金持ちのナシディーエーヌス*1の宴を,君はどんな風に楽しんだかね?
というのも,僕が君を宴客に呼んだところ,君は昨日そこで
真っ昼間から飲んでいる*2,と言われたのだ.(フンダーニウス*3) それは僕の人生で
それ以上のはなかったという程のだよ.(ホ) 言ってくれたまえ,もし大変でなければだが,
どんな食べ物が最初に猛々しい空腹を宥めたのかをね.
(フ) 何よりもまず,穏やかな南風の時に——宴の主が言うにはだが——
捕まえたルーカーニアの猪*4だ.その周りには苦い
小蕪,レタス,蕪といった,疲れた胃を
刺激するようなものだ,それにムカゴニンジン*5,魚醤,コース*6の酒粕だ.
これらが下げられ,裾を高くからげた奴隷が,楓の
テーブルを,紫の布巾できれいに拭き取って,そして別の奴隷が
用もなく置かれているもの,そして宴客らの
邪魔になりうるものは何でも片付けてしまうと,アッティカの乙女が
ケレースの聖物をもって進むが如く,色黒のヒュダスペースは
カエクブスの葡萄酒*7をもって,アルコーンはキオスの塩水なしのを*8持って進んできた.
この主人は言った「アルバ葡萄酒*9か,ファレルヌム葡萄酒*10のほうが,マエケーナース殿,
お出ししたものよりお好きなら,どちらも我々は持っています」


*1 不詳.
*2 宴は日暮れからが普通であるが,日中が開始時間でもよく,その場合第9時(昼を12等分した9番目,すなわち3時ごろ)から始められる.あまりに日が高いうちからの宴は度を過ぎた贅沢と考えられていた.ここでは真っ昼間であって,宴の常識はずれの度合いが暗示されている.
*3 喜劇詩人として1.10.42でも登場するが,不詳.
*4 ルーカーニアはイタリアを長靴とすると,土踏まずの上のあたりの地域(地図EbFb).南風穏やかということは,ひどい熱波がきている時期ではなく,そのため傷みにくいということ.
*5 ムカゴニンジン.根が食用になる.http://en.wikipedia.org/wiki/Sium_sisarum参照.
*6 コース島(地図Bd)の葡萄酒は有名であった.
*7 カエクブムはラティウムの南端近くの町(地図Ca).ここの葡萄酒はイタリアの最高級品.
*8 キオス島の葡萄酒(地図Bc)は最高級品であった.長持ちさせるためにギリシアの葡萄酒には海水が入れられるが,特に最高級のものには入れられない.
*9 アルバ山(地図Ba)の葡萄酒.高級.
*10 カンパーニアの北部,マッシクス山(地図Da)の麓で採れる葡萄酒.高級.



【2012/07/03 01:29】 Horatius Sermones | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『談話集』2巻7歌102-118 (完結)

nil ego, si ducor libo fumante: tibi ingens
virtus atque animus cenis responsat opimis?
obsequium ventris mihi perniciosius est cur?
tergo plector enim. qui tu impunitior illa,     105
quae parvo sumi nequeunt, obsonia captas?
nempe inamarescunt epulae sint fine petitae,
illusique pedes vitiosum ferre recusant
corpus. an hic peccat, sub noctem qui puer uvam
furtiva mutat strigili; qui praedia vendit,     110
nil servile, gulae parens, habet? adde, quod idem
non horam tecum esse potes, non otia recte
ponere, teque ipsum vitas fugitivus et erro,
iam vino quaerens, iam somno fallere curam:   114
frustra: nam comes atra premit sequiturque fugacem.
H. unde mihi lapidem? D. quorsum est opus?
        H. unde sagittas?
D. aut insanit homo, aut versus facit. H. ocius hinc te
ni rapis, accedes opera agro nona Sabino!


もしほかほかの焼き菓子に釣られて行くなら,私は阿呆です.しかしあなたの大きな
美徳と精神は,最高の宴に抗えますか?
腹に従うことが,私にとってはより有害というのはなぜでしょう?
実際私は背中を打たれます.なぜあなたは罰の度合いがより低いことになるでしょう,
決して安価には食べられない付け合わせを欲しがっているのに?
なんとなれば,際限なく求められたごちそうは苦くなり,
ひどい目にあわされた足は,がたがきた体を運ぶことを
拒みます.それとも,こういう者は罪を犯しているでしょうか?夜遅くにこっそり
盗んだ垢擦り棒*1を葡萄と交換する召使いは?食欲に従うあまり,
地所を売るものは,何ら奴隷的なものは持たないでしょうか?その上,同じあなたは,
一時間も自分一人でいることができませんし,余暇を正しく
取ることも,できず,あなたは自分自身を避けている逃亡奴隷であり放浪者で,
時に葡萄酒で,時に眠りで心労をごまかしていますが,
それも無駄なこと.というのも,その黒き友*2は逃げる者を追い苛むのです.
(ホ) どこから石をもってこよう?(ダ) 何のために必要ですか?
                       (ホ) どこから矢をもってこよう?
(ダ) この人は狂っているか,詩を書いている.(ホ) さっさとここから
出て行かないと,お前をサビーニーの9番目の働き手に加えるぞ!


*1 青銅などの曲がった棒状のもので,皮膚に油を塗り,塵や垢と一緒に取り除くための道具.
*2 curaのこと.Hor.Carm.3.1.40参照.



【2012/07/02 02:59】 Horatius Sermones | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『談話集』2巻7歌83-101

quisnam igitur liber? sapiens, sibi qui imperiosus,
quem neque pauperies, neque mors, neque vincula terrent,
responsare cupidinibus, contemnere honores     85
fortis, et in se ipso totus, teres atque rotundus,
externi ne quid valeat per leve morari,
in quem manca ruit semper fortuna. potesne
ex his ut proprium quid noscere? quinque talenta
poscit te mulier, vexat foribusque repulsum     90
perfundit gelida, rursus vocat: eripe turpi
colla iugo. 'liber, liber sum,' dic age! non quis;
urget enim dominus mentem non lenis, et acris
subiectat lasso stimulos, versat negatum.
vel cum Pausiaca torpes, insane, tabella,       95
qui peccas minus atque ego, cum Fulvi Rutubaeque
aut Pacideiani contento poplite miror
proelia rubrica picta aut carbone, velut si
re vera pugnent, feriant, vitentque moventes
arma viri? nequam et cessator Davus; at ipse    100
subtilis veterum iudex et callidus audis.


一体誰がそれでは自由なのでしょう?賢明で,自らを支配し,
貧乏も,死も,拘束も脅かすことのない人,
欲情に抗いうに,また名誉を軽んずる
力のある人,そして自分自身のみの中で,自足し,磨かれた球体*1であり,
外部の何ものもその磨かれた表面に留まることを得ず,
運命が襲いかかるも常に力およばない,そのような人です.あなたは,
これらの事々のうちの何かを,ご自身のものとして認められるでしょうか?5タレント*2
女性はあなたに要求し,あなたを辟易させ,門から追い出して
冷水を浴びせては,また呼ぶのです.惨めな軛から
その首を抜きたまえ.「自由だ,自由だ」さあこう言いなさい.あなたはできません.
なぜなら,けっして穏やかならぬかの主人があなたを駆り立て,そして
疲れた者には激しく追い棒をかけ,厭がるものを御するのです.
さらには,あなたがパウシアース*3の絵に,狂気の方よ,うっとりする時,
どうしてあなたは,私より過ちを犯していないことになりましょう——
フルウィウスやルトゥバやパキデイアーヌスの朱と炭の黒で描かれた戦い*4
膝を緊張させて賛嘆する時の私より?それはあたかも,
本当に,武器を奮っている男たちが,戦い,打ち合い,攻撃を避けている
ようでありますが.ですが,ダーウゥスは役立たずの怠け者と,しかし,あなたご自身は,
繊細で熟達した骨董の目利きと言われます.


*1 ストア派の哲人の理想的完成状態は,自分自身が宇宙の完全なる球体のごとく,自足すること.
*2 換算は難しいが,やや高額な金額.日本の感覚では150万円-200万前後か.
*3 前4世紀の有名なギリシアの画家.
*4 ここに出てくる名前は剣闘士たちの名前.それらの絵というのは,壁に書かれたかなり粗野な剣闘試合の絵のこと.しばしばポンペイに見られる.



【2012/07/02 01:23】 Horatius Sermones | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『談話集』2巻7歌68-82

evasti: credo metues doctusque cavebis:
quaeres, quando iterum paveas, iterumque perire
possis, o totiens servus! quae belua ruptis,     70
cum semel effugit, reddit se prava catenis?
'non sum moechus,' ais. neque ego, hercule, fur, ubi vasa
praetereo sapiens argentea. tolle periculum,
iam vaga prosiliet frenis natura remotis.
tune mihi dominus, rerum imperiis hominumque  75
tot tantisque minor, quem ter vindicta quaterque
imposita haud umquam misera formidine privet?
adde super, dictis quod non levius valeat: nam,
sive vicarius est qui servo paret, uti mos
vester ait, seu conservus, tibi quid sum ego? nempe 80
tu, mihi qui imperitas, alii servis miser, atque
duceris, ut nervis alienis mobile lignum.


あなたは逃れたとしましょう.思うに,あなたは経験を積んで怯え,用心するでしょう.
しかし,あなたは,いつ再び畏れることになるか,再び破滅できるかを,
探求することでしょう.おお,何度奴隷になるものやら!どの獣が,破って
一度逃げ出した鎖のなかに,戻って行くほどひねくれているでしょう?
「私は姦夫ではない」とあなたは言います.神かけて,私のほうも,賢く
銀の壷を取らずに見過ごす時には,泥棒ではありません,危険が取り除かれれば
今にも手綱がなくなって本能が跳ね上がり,そぞろとなるでしょう.
あなたは私にとって主人なのでしょうか.これほど多くの,これほど大きな
物事や人々の支配に対して隷属しているあなたが?3度4度下ろされた
法務官の杖*1が,未だ惨めな恐怖を取り除いてはいないようなそのあなたが?
さらに,今まで言ったことよりも,決してつまらなくはないことを,付け加えください.すなわち,
奴隷に従うものは,あなた方の習慣の言う,
下請け奴隷*2か,あるいは仲間奴隷です.私はあなたにとって,何なのでしょう.なんとなれば,
私に命令を下すところのあなたこそが,惨めにも他人に隷属しており,そうして,
他人の糸で動かせる木人形のごとく,あやつられているのです.


*1 奴隷解放は法務官の前で行われ,その際,解放される奴隷には見かけ上のむち打ちがされる.
*2 vicariusと呼ばれる,奴隷が奴隷自身の費用で雇う奴隷.



【2012/07/01 18:03】 Horatius Sermones | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『談話集』2巻7歌46-67

te coniunx aliena capit, meretricula Davum.
peccat uter nostrum cruce dignius? acris ubi me
natura intendit, sub clara nuda lucerna
quaecumque excepit turgentis verbera caudae,
clunibus aut agitavit equum lasciva supinum,    50
dimittet neque famosum neque sollicitum ne
ditior aut formae melioris meiat eodem.
tu cum proiectis insignibus, anulo equestri
Romanoque habitu, prodis ex iudice Dama
turpis, odoratum caput obscurante lacerna,    55
non es quod simulas? metuens induceris, atque
altercante libidinibus tremis ossa pavore.
quid refert, uri virgis ferroque necari
auctoratus eas, an turpi clausus in arca,
quo te demisit peccati conscia erilis,        60
contractum genibus tangas caput? estne marito
matronae peccantis in ambo iusta potestas?
in corruptorem vel iustior. illa tamen se
non habitu mutatve loco peccatve superne,
cum te formidet mulier neque credat amanti.    65
ibis sub furcam prudens, dominoque furenti
committes rem omnem et vitam et cum corpore famam.


あなたは他人の妻が,ダーウゥスは娼婦が虜にしています.
我々のどちらが,磔刑に相応しい過ちを犯しているでしょう*1?私のほうは,激しい
情欲が私に火をつけたら,明るいランプのもとで彼女は裸になって
何であれ勃起した魔羅の鞭を受け入れ,
あるいは淫らに尻で寝そべった馬を駆り立て,
帰すときは私を噂の種にもせず,もっと金持ちやつや
見目麗しいやつが買うんじゃないかと,心配させたりはしません.
あなたときたら,その徽章*2も,騎士の指輪も
ローマ人の服装も投げ出し,判官の姿を捨て,みっともない
ダーマ*3の本性を露にして,ラケルナ*4で香油で匂う頭を隠す時,
あなたは,偽装している所の当のものではないか?びくつきながら手引きされ,そうして
情欲と抗う恐怖で骨を震わせる.
何が違うだろうか,棒で焼ける程打たれ,刀で殺される
剣闘士契約を義務づけられてあなたが出て行く*5のと,罪の意識がある女主人が押し込んだ
みっともない箱の中に隠れて
すくめた頭で膝を触っているのとで?罪を犯した妻の
夫には,二人に対して正当な権力があるのではないです?
誘惑者のほうにはより正当でさえある.彼女はしかしながら,
姿も場所も変えてはおらず,自分から悪事をしているわけてもない,
なぜならその女性はあなたを畏れ,愛人のあなたを信じてもいないのですから.
あなたは首かせの下に自覚して入るでしょう,そして怒れる主人に,
全財産と人生と,肉体に加えて名声も委ねるでしょう.


*1 古代ローマでは,姦通には,当事者(本来の夫)による妻と間男に対する裁判なしの極刑までが可能であった.一方,自由人ではない娼婦の買春は公然と認められていた.
*2 おそらくトゥニカにつける狭い紫の縞をさす.幅広いものは元老院議員,狭いものは騎士階級を表した.
*3 奴隷の名前.
*4 留め金で止める,腰丈のマント.本来兵士の服装だが,広く着られた.フードをつけることもできた.
*5 ここでは姦通の罰として,剣闘士として売られるという罰が語られている.



【2012/07/01 12:09】 Horatius Sermones | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『談話集』2巻7歌21-45

H. non dices hodie quorsum haec tam putida tendant,
furcifer? D. ad te, inquam. H. quo pacto, pessime? D. Laudas
fortunam et mores antiquae plebis, et idem,
si quis ad illa deus subito te agat, usque recuses,
aut quia non sentis, quod clamas, rectius esse,  25
aut quia non firmus rectum defendis, et haeres
nequiquam caeno cupiens evellere plantam.
Romae rus optas; absentem rusticus urbem
tollis ad astra levis. si nusquam es forte vocatus
ad cenam, laudas securum olus, ac, velut usquam 30
vinctus eas, ita te felicem dicis amasque
quod nusquam tibi sit potandum. iusserit ad se
Maecenas serum sub lumina prima venire
convivam: 'nemon' oleum fert ocius? ecquis
audit?' cum magno blateras clamore fugisque.  35
Mulvius et scurrae, tibi non referenda precati,
discedunt. 'etenim fateor me,' dixerit ille,
'duci ventre levem, nasum nidore supinor,
imbecillus, iners, si quid vis, adde, popino.
tu, cum sis quod ego et fortassis nequior, ultro  40
insectere velut melior, verbisque decoris
obvolvas vitium?' quid, si me stultior ipso
quingentis empto drachmis deprenderis? aufer
me voltu terrere; manum stomachumque teneto,
dum quae Crispini docuit me ianitor edo.     45


(ホ) 今日は誰にこんな嫌みを向けているのか,いってくれないか,
ゴロツキめ.(ダ) あなたに向けてだと申し上げます.(ホ) 一体なんでだ?屑め.(ダ) あなたは
古の人々の幸運と習わしを讃えていますが,もし神様の誰かが,
即刻そこに連れて行こうとすると,その当のあなたは,いつも断ります,
それは,あなたがより正しいと声高にいうことが,そうだと思っていないからなのか,
あるいは,ぶれなく正義を弁護しているわけでもないからなのかしりませんが.そうして,
あなたは無駄に泥の中から足を引き抜こうとしながら,そこに釘付けになっているのです.
あなたはローマにあっては田舎を望み,田舎にいる時は遠くの都を
軽薄にも天にまで持ち上げます.もしどこの宴にも呼ばれない時には,
野菜は安心なものだと褒め,さらに,どこかに
行く時はあなたは已む無く行くかのごとく,何処でも飲まずにいてよいからという理由で
あなたは自分を幸福だと称し,自愛しております.マエケーナースが
遅くになって,夕暮れすぐに自分のところに宴客に来るようにと
命じたとします,「誰かさっさと香油*1を持ってこないか?誰か
聞いているか?」あなたは大きな音をたてては戯言を言って,出てゆきます.
ムルウィウスや幇間たちは,あなたに言えないようなことを祈ってから,
立ち去ります.「なんとなれば,私は自認しよう」彼はいうことでしょう.
「自分は軽薄にも腹に引きずられ,いい匂いは鼻を反り返らせて嗅ぎ,
軟弱で無能で,もしお望みなら,安飯屋の常連だと付け加えてもいい.
あなたはといえば,私がそうであるより,ひょっとしたら役立たずかもしれないのに,自ら
人を責められる,あたかも自分がよりましな人間であるかのように.そして美辞麗句で
自分の悪徳をくるみ隠せるのだ」どうでしょう,
たった500ドラクマで買われた*2この私よりも,あなたは愚かであるなら?お止め下さい,
私を顔つきで脅すのは.手を出すこともお腹立ちもお控え下さい,
門番クリスピーヌスが私に教えたことを披露する間は.


*1 宴では頭に香油を塗った.
*2 奴隷を買うにはかなり安い値段.



【2012/06/30 12:10】 Horatius Sermones | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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