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ホラーティウス『世紀讃歌』49-76 (完結)

quaeque vos bobus veneratur albis
clarus Anchisae Venerisque sanguis,  50
impetret, bellante prior, iacentem
 lenis in hostem.

iam mari terraque manus potentis
Medus Albanasque timet securis,
iam Scythae responsa petunt superbi 55
 nuper et Indi.

iam Fides et Pax et Honos Pudorque
priscus et neglecta redire Virtus
audet, apparetque beata pleno
 Copia cornu.          60

augur et fulgente decorus arcu
Phoebus acceptusque novem Camenis,
qui salutari levat arte fessos
 corporis artus,

si Palatinas videt aequus aras,   65
remque Romanam Latiumque felix
alterum in lustrum meliusque semper
 prorogat aevum.

quaeque Aventinum tenet Algidumque
quindecim Diana preces virorum  70
curat et votis puerorum amicas
 applicat auris.

haec Iovem sentire deosque cunctos
spem bonam certamque domum reporto,
doctus et Phoebi chorus et Dianae 75
 dicere laudes.

そして,アンキーセースとウェヌスの血筋の高名な者*4
白き牛もて汝等に崇め願うことは
叶いたもうことを,そうして彼は戦いにては敵に勝り,倒れし
 敵には情け深い者となりたもうことを.

今や海にても陸にても,力強き手と
アルバ*5の斧をパルティアは恐れ,
今や傲慢なスキタイ人とインド人は
 我らの答えを乞う.

今や「信義」と「平和」と「名誉」といにしえの「慎み」と
軽んじられた美徳は
あえて戻り,そして満たされた角とともに
 「豊穣」も戻る.

朴占者であり,輝ける弓にて飾られし
ポエブス,九柱のカメーナらに親しく,
癒しの技にて疲れた
 四肢を軽くする神が,

もし好意的にパラーティウムの神殿を見るなら,
かの神はローマの国家とラティウムを幸福に
次の世紀まで長らえさせ,時代は常に
 よりよきものとされよう.

アヴェンティーヌス*6とアルギドゥス*7の丘を統べるところの
ディアーナは,15人の司祭*8の祈りを
聞き届け,そして子供らの嘆願に
 優しく耳を傾ける.

これらをユッピテルもすべての神々も心に抱いているという
良き望みかつ確かな望みを我らは家に持ち帰らん,
ポエボスとディアーナの讃歌を語るを学びし
 合唱隊たる我らは.

*4 アウグストゥス.そのユーリウス氏の始祖イウールスはウェヌスとアンキーセースの子のアエネーアースの子.
*5 アルバ・ロンガのこと.前ローマの首都.
*6 ローマの南の丘.ディアーナ神殿があった.
*7 ローマの南西60kmほどにある山.ディアーナの神殿があった.
*8 シビュッラの予言書を管理する司祭.実際はこの時には21人.

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【2009/06/27 21:16】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『世紀讃歌』25-48

vosque veraces cecinisse, Parcae,  25
quod semel dictum est stabilisque rerum
terminus servet, bona iam peractis
 iungite fata.

fertilis frugum pecorisque tellus
spicea donet Cererem corona;   30
nutriant fetus et aquae salubres
 et Iovis aurae.

condito mitis placidusque telo
supplices audi pueros, Apollo;
siderum regina bicornis, audi,   35
 Luna, puellas:

Roma si vestrum est opus, Iliaeque
litus Etruscum tenuere turmae,
iussa pars mutare Lares et urbem
 sospite cursu,         40

cui per ardentem sine fraude Troiam
castus Aeneas patriae superstes
liberum munivit iter, daturus
 plura relictis:

di, probos mores docili iuventae, 45
di, senectuti placidae quietem,
Romulae genti date remque prolemque
 et decus omne.

そして,ひとたび定められしことを真実として歌う汝ら,パルカらよ,
(そしてそれを時節が揺らぐことなく守らんことを)
今や成し遂げられたことに,良き宿命を
 継ぎたまえ.

大地は作物と家畜に豊かにして
ケレースに麦穂の冠を与えんことを.
そして清潔な水とユッピテルの送る風が
 実りもたらさんことを.

矢をしまいたもうて,優しく和やかに
嘆願する少年らに耳を貸したまえ,アポッローンよ.
二つ角ある星々の女王よ,耳を貸したまえ,
 月よ,少女らに.

もしローマが汝らの作りしものなれば,そしてイーリオンの
部隊がエトルリアの岸を手に入れたなら,
その部隊は,恙無き旅路にて
 家神と都を替えることを命ぜられたのだ,

その都のために,炎上せるトロイヤを害加えられることなくくぐり抜けた
汚れなきアエネーアース,祖国の生き残りは,
残されたものよりより多いものを与えんと,
 自由の道を築いたのだ.

神々よ,若者には正しき慣いを与え習わしめ,
神々よ,老いし者には休息を与え楽しませ,
ロームルスの民には富と子孫と
 あらゆる栄光を与えたまえ.


【2009/06/24 09:18】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『世紀讃歌』1-24

Phoebe silvarumque potens Diana,
lucidum caeli decus, o colendi
semper et culti, date, quae precamur
 tempore sacro,

quo Sibyllini monuere versus  5
virgines lectas puerosque castos
dis, quibus septem placuere colles,
 dicere carmen.

alme Sol, curru nitido diem qui
promis et celas aliusque et idem 10
nasceris, possis nihil urbe Roma
 visere maius.

rite maturos aperire partus
lenis, Ilithyia, tuere matres,
sive tu Lucina probas vocari  15
 seu Genitalis:

diva, producas subolem, patrumque
prosperes decreta super iugandis
feminis prolisque novae feraci
 lege marita,         20

certus undenos decies per annos
orbis ut cantus referatque ludos
ter die claro totiensque grata
 nocte frequentis.


韻律:サッポー風ストロペー

  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
  ― U ― ― ― || UU ― U ― x
    ― UU ― x


ポエブスと,森を支配なさるディアーナー*1よ,
空の輝ける飾りよ,おお,常に崇められるべきものであり
崇められている方々よ,この神聖なる時に
 我らが祈るものを,お与え下さい,

その時に選りすぐりの乙女と汚れなき少年らが
七つの丘を気に入られし神々に歌を語るべしと,
シビュッラの詩行が指示したところの,
 まさにその時に.

恵み深き太陽よ,輝ける車駕にて昼を
もたらしては隠し,そして別ものながら同じものとして
生まれたまうものよ,ローマの都より偉大ないかなるものも
 眺めうることなからんことを.

月満ちし出産を正しく開くお方よ,
優しく,エイレイテュイアー*1よ,母らを守りたまえ,
汝がルーキーナ*1と呼ばれることを認めたまうにせよ,
 あるいはあるいはゲニターリス*1と呼ばれることを認めたまうにせよ.

女神よ,我らが子孫を永らえさせたまわんことを,そして
女を嫁がせる事と
新しき子孫作りの実り多き婚姻法とに関わる父祖の取り決め*2
 成功させたまえ,

そうして十一の十倍の年*3が過つことなく
巡り,明るき昼に三度,
喜ばしき夜に同じ数だけ繰り返される
 歌と競技会を再度もたらすように.


前17年5月31日-6月3日の世紀祭にて上演された.
*1 ディアーナは狩りの女神.13行エイレイテュイアー,15行ルーキーナ,16行ゲニターリスと同一視される.
*2 アウグストゥス帝による婚姻に関わる法律で,子孫を増やし,不義を禁ずるもの.
*3 世紀祭は110年間隔に行われた.


ご指摘をいただき,訂正しました.どうもありがとうございます!


【2009/06/23 20:10】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(3) | 記事修正

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ホラーティウス年表

前70頃 マエケーナース生誕

65年12月8日 ホラーティウス生誕

63年9月23日 ガイユス・オクターウィアーヌス(後のアウグストゥス帝)生誕

60年 第一次三頭政治(ポンペイユス,クラッスス,カエサル)

50年頃 プロペルティウス,ティブッルス生誕

49-46年 市民戦争(カエサル対ポンペイユス)

44年3月15日 カエサル暗殺.オクターウィアーヌス,カエサルの遺産継承.

44-42年 市民戦争(対カエサル暗殺者)

43年(-33年) 第二次三頭政治(アントーニウス,レピドゥス,オクターウィアーヌス)

43年3月20日 オウィディウス生誕.

43年12月7日 キケロー殺害.

42-39年 ウェルギリウス『牧歌』

42年 ピリッピーの戦い.カエサル暗殺者掃討.ブルートゥス自殺.

40年 ブルンディシウム協定.アントーニウスとオクタウィアーヌス,マエケーナースとポッリオーの交渉で和解.

37年 タレントゥム協定.再度アントーニウスとオクターウィアーヌス交渉.ホラーティウス『談話集』1巻5歌参照

36年 アグリッパ,セクストゥス・ポンペイユスを破る.

35年頃 ホラーティウス『談話集』1巻

33年 三頭政治終結.

32年 アントーニウス派執政官,オクターウィアーヌス罵倒.オクタウィアーヌス,武装護衛付きで反論.両執政官,エペソスのアントーニウスのもとに.アントーニウスの遺言状公開

31年以降,オクターウィアーヌス(アウグストゥス)連年執政官(-23年)

31年9月2日 アクティウムの海戦..

30年 アレクサンドリア陥落.アントーニウス・クレオパトラ自殺.カエサルとクレオパトラの子カエサリオン殺害.

30年頃 ホラーティウス『談話集』2巻,『イアンボス集』,ウェルギリウス『農耕詩』

30年 オクターウィアーヌス凱旋

30年頃 ホラーティウス『歌集』執筆開始

28年 プロペルティウス『エレゲイア集』1巻

27年1月 オクターウィアーヌス全権返還.アウグストゥスの名を獲得.元首制開始.

26年 アウグストゥス,ガリア,ヒスパーニアに遠征.

24年 アウグストゥス,遠征より帰還.病床につく.

23年 ムレーナ(マエケーナースの義兄弟)の陰謀発覚,処刑.アウグストゥス,健康回復.連年執政官断念.元老院より護民官職権付与.

23年 ホラーティウス『歌集』1-3巻出版

22年頃 プロペルティウス『エレゲイア集』2-3巻

20年頃 ホラーティウス『書簡集』1巻出版

19年9月21日 ウェルギリウス死去

17年5月31日-6月3日 世紀祭 ホラーティウス『世紀讃歌』上演

13年頃 ホラーティウス『歌集』4巻

12年頃 ホラーティウス『書簡集』2巻

10頃?『詩論(ピーソー父子宛書簡)』

8年9月末(ホラーティウス死去の59日前) マエケーナース死去.

8年11月27日 ホラーティウス死去.



【2009/01/29 00:27】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻30歌

Exegi monumentum aere perennius
regalique situ pyramidum altius,
quod non imber edax, non aquilo impotens
possit diruere aut innumerabilis

annorum series et fuga temporum.   5
non omnis moriar multaque pars mei
vitabit Libitinam: usque ego postera
crescam laude recens, dum Capitolium

scandet cum tacita virgine pontifex:
dicar, qua violens obstrepit Aufidus  10
et qua pauper aquae Daunus agrestium
regnavit populorum, ex humili potens

princeps Aeolium carmen ad Italos
deduxisse modos. sume superbiam
quaesitam meritis et mihi Delphica   15
lauro cinge volens, Melpomene, comam.


韻律:第1アスクレピアデース風ストロペー

  ― ― ― UU ― || ― UU ― U x


私は記念碑を完成させた,青銅よりも永遠な,
聳える王のピラミッドよりも高い記念碑を.
それは蝕む雨も,抑えもきかぬ北風も
あるいは数えもきれぬ

年の連なりも,逃げ行く時間も壊すことのできぬもの,
僕は全てが死ぬことにはなるまい.私の多くの部分は
リビティーナ女神を逃れよう.ずっと私は後世の
名声によって新たに育つだろう,カピトーリウムを

黙せる乙女とともに司祭が登る間は*1
私は語られるだろう,アウフィドス河*2が荒々しく音をたてる所で,
そして水乏しきダウヌス*3が農耕の
民を支配した所で,卑しきところより力を得て,

アイオリスの詩*4をイタリアの調べへと
最初に移した者として.お認め下さい,
業績により得られた誇りを,そしてデルポイの
月桂樹*5にて,メルポメネー*6様,我が髪をすすんで巻き給え.


*1 ローマの重要な宗教儀式が続く限り,つまりローマが存続する限りということ.
*2 アープリアの河.上流はウェヌシア(現ヴェノーサ)のすぐ傍を通る.
*3 アープリアの伝説的王で,アープリア北側のダウニアを支配していた.アープリアは水に乏しかった.
*4 サッポー,アルカイオスの歌のこと.
*5 月桂樹はデルポイ神殿の神アポッローンの樹であるため.
*6 悲劇と叙情詩を司るムーサ女神の一人.


【2009/01/28 20:56】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻25歌

Quo me, Bacche, rapis tui
 plenum? quae nemora aut quos agor in specus
velox mente nova? quibus
 antris egregii Caesaris audiar

aeternum meditans decus        5
 stellis inserere et consilio Iovis?
dicam insigne, recens, adhoc
 indictum ore alio. non secus in iugis

exsomnis stupet Euhias
 Hebrum prospiciens et nive candidam 10
Thracen ac pede barbaro
 lustratam Rhodopen, ut mihi devio

ripas et vacuum nemus
 mirari libet. o Naiadum potens
Baccharumque valentium        15
 proceras manibus vertere fraxinos,

nil parvum aut humili modo,
 nil mortale loquar. dulce periculum est,
o Lenaee, sequi deum
 cingentem viridi tempora pampino.  20


韻律:第4アスクレピアデース風ストロペー

  ― ― ― UU ― U x
   ― ― ― UU ― || ― UU ― U x
  ― ― ― UU ― U x
   ― ― ― UU― || ― UU ― U x


どこに僕を,バッコスよ,ひっさらって行くのか,あなたに
 満ちた僕を?どの森へ,あるいはどの洞穴へと僕は急ぎ駆り立てられて行くのか,
新たな精神に満ちて?どの洞穴で
 聞かれるだろうか,比類なきカエサルの

永遠なる誉を
 星星の中とまたユッピテルの計画に植え込むことを考えている僕は?
私は歌おう,素晴らしく,新しく,今まで
 余人の口によっては語られた事のないものを.まさにこの様に,尾根で

眠らぬエウホイの叫び手*1は,
 ヘブロス河*2を見,そして雪に輝く
トラーキアを,さらに異人の足にて
 歩き回られたロドペー山*3を見て驚嘆したのだ,ちょうど私が好んで道を外れて

岸辺と人のいない森を
 驚き眺めるように.おお,ナーイス*4たちと
そびえ立つトネリコの樹々を手にて引き抜く
 力もあるバッコス信女らを支配する神よ,

決して小さなもの,卑しい様のもの,
 通俗のものを私は歌うまい.甘美な冒険だ,
おお,酒桶の神よ,
 青々した葡萄の蔓を額にまいて,神に付き従うことは,


*1 バッコス信女.
*2 トラーキアの東部の河.
*3 トラーキアの西部の山.
*4 河の妖精.


【2009/01/28 20:17】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻23歌

Caelo supinas si tuleris manus
nascente Luna, rustica Phidyle,
 si ture placaris et horna
  fruge Lares avidaque porca,

nec pestilentem sentiet Africum 5
fecunda vitis nec sterilem seges
 robiginem aut dulces alumni
  pomifero grave tempus anno.

nam quae nivali pascitur Algido
devota quercus inter et ilices  10
 aut crescit Albanis in herbis
  victima, pontificum securis

cervice tinguet; te nihil attinet
temptare multa caede bidentium
 parvos coronantem marino  15
  rore deos fragilique myrto.

immunis aram si tetigit manus
non sumptuosa blandior hostia
 mollivit aversos Penatis
  farre pio et saliente mica.  20


韻律:アルカイオス風ストロペー

  x ― U ― ― || ― UU ― U x
  x ― U ― ― || ― UU ― U x
   x ― U ― ― ― U ― x
    ― UU ― UU ― U ― x


新月の時に,天に向かってお前が手を返して
かざしたなら,田舎住まいのピーデュレーよ,
 もし香とこの年の
  作物と食い太った豚で家神をなだめるなら,

アフリカからの風の害毒を受けずに
葡萄は豊かに実り,作物の不毛にする
 錆の病を受けず,可愛らしい家畜の仔も
  実りの季節に病気の時を過ごさないだろう.

というのも,雪のアルギドゥス山*1
オークと柊の間で養われたり,
 アルバ山の草地で育った捧げものの
  犠牲獣が首にて染めることになるのは,

司祭たちの斧だ.お前のほうは,
二歳の羊の犠牲を沢山捧げる必要はない,
 小さき神々をローズマリーと
  華奢なミルテで飾るお前は.

贈り物なき手が祭壇を触るなら,
孝神の麦とはぜる塩により
 豪勢な生贄よりも気に入られて
  背を向け給う守護神をなだめるのだ,.


*1 ローマから北東約20kmほどにあるアルバ山の東側の尾根.


【2009/01/28 20:05】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻21歌

O nata mecum consule Manlio
seu tu querellas sive geris iocos
 seu rixam et insanos amores
  seu facilem, pia testa, somnum,

quocumque lectum nomine Massicum 5
servas, moveri digna bono die,
 descende Corvino iubente
  promere languidiora vina.

non ille, quamquam Socraticis madet
sermonibus, te neglegit horridus:   10
 narratur et prisci Catonis
  saepe mero caluisse virtus.

tu lene tormentum ingenio admoves
plerumque duro, tu sapientium
 curas et arcanum iocoso      15
  consilium retegis Lyaeo,

tu spem reducis mentibus anxiis
virisque et addis cornua pauperi
 post te neque iratos trementi
  regum apices neque militum arma. 20

te Liber et si laeta aderit Venus
segnesque nodum solvere Gratiae
 vivaeque producent lucernae,
  dum rediens fugat astra Phoebus.


韻律:アルカイオス風ストロペー

  x ― U ― ― || ― UU ― U x
  x ― U ― ― || ― UU ― U x
   x ― U ― ― ― U ― x
    ― UU ― UU ― U ― x


おお,僕と一緒に,マンリウスが執政官の時*1に生まれたものよ,
お前が嘆きをもたらすのであれ,冗談であれ,
 喧嘩であれ,狂おしい愛であれ,
  安らかな眠りであれ,義しき酒瓶よ,

何の名目のためにであれ,より抜きのマッシクス葡萄酒*2
お前は貯めている,良き日に取り出されるに相応しい葡萄酒を.
 降りてこい,コルウィーヌス*3は命じている,
  より熟した葡萄酒を出すようにと.

あの方は,たとえソークラテース談義に
浸かっていても,無粋にお前を軽んじはしない.
 またいにしえの有徳のカトー*4も,
  しばしば生酒に暖まったといわれている.

お前は大抵は頑な精神に
優しく拷問を加え,お前は知者の
 悩みと隠された思案を
  楽しい酒神によってあからさまにする.

お前は悩む精神から望みを再び導きだす,
そして力と勇気を貧しき者に加え,
 お前を飲めば,震えることはなくなるのだ,怒れる
  王どもの王冠にも,兵士らの武器にも.

お前にはリーベル神が,そして,もし喜んでおわすなら,ウェヌス女神が,
なかなか絆を解かぬ優美の女神が,
 そして煌々としたランプが先導するだろう,
  太陽神が戻り星星を追い払う時まで.


*1 ルーキウス・マンリウス・トルクァートゥスは,前65年執政官.
*2 ラティウムとカンパーニアの間にあるマッシクム山産の高級葡萄酒.
*3 マールクス・ワレリウス・メッサッラ・コルウィーヌス(前64年-後8年).ピリッピーの戦いではブルートゥス側,後アントーニウスにつき,アウグストゥスに寝返る.弁論家であり文人で,ティブッルスとオウィディウスのパトロン.
*4 マールクス・ポルキウス・カトー(前234年-149年).厳格でしられる大カトーのこと.


【2009/01/28 19:31】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻19歌

Quantum distet ab Inacho
 Codrus pro patria non timidus mori,
narras et genus Aeaci
 et pugnata sacro bella sub Ilio:

quo Chium pretio cadum        5
 mercemur, quis aquam temperet ignibus,
quo praebente domum et quota
 Paelignis caream frigoribus, taces.

da lunae propere novae,
 da noctis mediae, da, puer, auguris 10
Murenae: tribus aut novem
 miscentur cyathis pocula commodis.

qui Musas amat imparis,
 ternos ter cyathos attonitus petet
vates; tris prohibet supra       15
 rixarum metuens tangere Gratia

nudis iuncta sororibus:
 insanire iuvat: cur Berecynthiae
cessant flamina tibiae?
 cur pendet tacita fistula cum lyra?  20

parcentis ego dexteras
 odi: sparge rosas. audiat invidus
dementem strepitum Lycus
 et vicina seni non habilis Lyco.

spissa te nitidum coma,        25
 puro te similem, Telephe, Vespero
tempestiva petit Rhode:
 me lentus Glycerae torret amor meae.


韻律:第4アスクレピアデース風ストロペー

  ― ― ― UU ― U x
   ― ― ― UU ― || ― UU ― U x
  ― ― ― UU ― U x
   ― ― ― UU― || ― UU ― U x


イーナコス*1から,祖国のために死ぬのを恐れなかった
 コドロス*2がどれほど離れているか,
君は語っている,また,アイアコスの一族*3と,
 聖なるイーリオンのもとで争われた戦いも.

どれほどの値段で僕らはキーオス*4の葡萄酒瓶を
 買うのか,だれが風呂の水を火で暖めるのか,
誰が家を提供して,そして何時になったら僕は
 パエリグニーの寒さ*5から解放されるのか,君は語っちゃくれない.

注げ,新月の葡萄酒をさっさと,
 注げ,真夜中の葡萄酒を,注げ,ボーイよ,鳥占官
ムレーナ*6の葡萄酒を.三つか九つ,
 ちょうどいい数の柄杓で盃は混ぜられるもの.

奇数の数のムーサイを愛する者は
 三倍の三の数の柄杓を求めるだろう,神懸かった
詩人は.三つ以上には触れることは
 優美女神は戦を恐れてゆるさない,

裸の姉妹と手をつなぐその女神は.
 酔狂は楽しいもの.どうしてベレキュントス*7
笛の息吹は止んでいるのか?
 どうして牧笛は黙せる琴と一緒にぶら下がっているのか?

けち臭い右手を僕は
 嫌う.薔薇を撒け.妬み深い
リュコスが浮かれた騒ぎを聞けばいい.
 年取ったリュコスに似合わぬ隣の女も.

濃い髪のてかてかする*8君,
 澄んだ宵の明星にも似た君を,テーレポスよ,
いい年頃のローデーが求めている.
 僕のほうは,我がグリュケラのつれない愛が焦がしているのだ.


*1 アルゴス初代王.
*2 伝説的なアテーナイの最後の王.スパルタが侵略の際に,デルポイよりアテーナイ王を殺さなければスパルタは勝利するという神託を得たと聞き,身を変えてスパルタの兵に喧嘩を仕掛けて自ら殺される.
*3 ゼウスとアーソーポス河神の娘アイギーナとの間の子.一族とはテラモーン,アイアース,ペーレウス,アキッレウスなど.
*4 エーゲ海の島で,レスボス島より南下したところにある.
*5 ローマから東北東に130kmほどに行った所にある町.山中にあり,寒さは厳しい.ここでは本当にパエリグニーにいるわけではなく,寒さの程度を示すためにこの名前が使われている.
*6 アウルス・テレンティウス・ワッロー・ムレーナ.前22年,陰謀に加担し殺される.
*7 笛をともなった狂乱の祭儀の踊りで有名なキュベレー女神信仰の盛んなプリュギアの山.
*8 宴では頭に油が塗られる.


【2009/01/27 23:17】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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ホラーティウス『歌集』3巻17歌

Aeli vetusto nobilis ab Lamo–
quando et priores hinc Lamias ferunt
 denominatos et nepotum
  per memores genus omne fastus

auctore ab illo ducit originem,   5
qui Formiarum moenia dicitur
 princeps et innantem Maricae
  Litoribus tenuisse Lirim

late tyrannus–: cras foliis nemus
multis et alga litus inutili      10
 demissa tempestas ab Euro
  sternet, aquae nisi fallit augur

annosa cornix: dum potes, aridum
compone lignum: cras genium mero
 curabis et porco bimenstri    15
  cum famulis operum solutis.


韻律:アルカイオス風ストロペー

  x ― U ― ― || ― UU ― U x
  x ― U ― ― || ― UU ― U x
   x ― U ― ― ― U ― x
    ― UU ― UU ― U ― x


アエリウス*1よ,いにしえのラモス*2に由来せる高貴な方よ,
というのは,伝えられるところでは,ここからラミア家の先祖たちが
 その名を引いており,そしてその子孫たちの
  氏族も皆系譜録によって

その創始者に起源を引いているからである,
その始祖は,フォルミアエ*3の城壁を,
 また,マリーカの岸辺に流れ入る
  リーリス川*4を広く統べる君主として

支配したと伝えられる.明日は聖林には
多くの木の葉を,そして岸辺には役に立たぬ海藻を,
 東から送り込まれた嵐が
  ばらまくだろう,もし年老いた鴉の

雨の予言が裏切っているのでなければ.できるうちに,乾いた
薪を集めたまえ.明日は守護神に生酒と
 二ヶ月の子豚を捧げることになろう,
  仕事から解放された奴隷達とともに.


*1 ルーキウス・アエリウス・ラミアのこと.
*2 シチリアの巨人族で,フォルミアエを創建.
*3 ローマより南東約120km,アッピア街道沿いの海岸の町.
*4 リーリス川はフォルミアエから10kmほど東の町ミントゥルナエを河口とする川.マリーカはミントゥルナエの妖精で,ミントゥルナエと海岸までの間のリーリス川の沼沢地にはマリーカの社があった.マリーカはファウヌスと交わってラティーヌスを生んだとされる.


【2009/01/27 20:10】 Horatius Carmina | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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