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『マルケッルス弁護』

週末でキケローの『マルケッルス弁護』を読んでいますが,保守派反カエサルのマルケッルスに,カエサルが不快をしめしながらも,帰国して元老院に復帰することを許した際に,キケローが感謝の意を表したというもので,カエサル賛美で溢れ帰っているという弁論です.ただ,手放しで褒めているそぶりを見せながらも,それによってカエサルの権力をコントロールしようという意図も見えかくれするという,これはこれで恐ろしい弁論といえるかもしれません.ある意味,褒め殺し作戦なのでしょうか.文章はあまりに平坦で,たとえばtua enim cautio nostra cautio est.「あなたの用心は我々の用心ですから.」などという,子供の作文みたいな文章まであって,そんなわけで駄作とか,手が加わっていないと見る人もおおいのですが,この単純さも,カエサルに対する素直な気持ちを,素朴で単純な語法で装っていると見るべきだと思います.

ちょっと面白いサンプルなど……


quos amisimus civis, eos Martis vis perculit, non ira Victoriae, ut dubitare debeat nemo, quin multos, si posset, C. Caesar ab inferis excitaret, quoniam ex eadem acie conservat, quos potest. (Cic. Pro Marc. 17)

我々が失った市民らは,軍神の力が倒したのであって,勝利神の怒りが倒したのではないのです.その結果,ガイウス・カエサルは,かれがもし可能であったとしたら,冥界から多くの者を呼び戻したであろうことを,疑うものはだれもいないのです,なんとなれば,同じ戦列からも,彼が助けられるものは救っているのですから.


いや,いくら何でも,とおもいますけど(笑).

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【2006/05/14 13:16】 Cicero | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー伝

角田幸彦『キケロー伝の試み??キケローとその時代??』東京:北樹出版,2006.

 三月に出版された本です.著者は清水書院の『キケロ??人と思想』などを著していて,上の本を出している北樹出版からも,『キケローにおける哲学と政治??ローマ精神史の中点??』などを公刊しているとのことです.
 まだちゃんと読んではいませんが,ちょっと気になるのは,長音の表し方で,長音はキケローとアントニウスなど,名詞によって統一されていないのみならず,同じPatriciiにパトリキーとパトリキがあったりしています.それから,参考文献に載っている雑誌論文は,所収ページが省略されています.この慣習,どうしてこんなに広まってしまったのでしょう…….まあこれは内容にはあまり関係ない,重箱の隅つつきで,どういう本なのか楽しみです.


【2006/05/06 16:56】 Cicero | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー『弁論家たちについて』2巻351-353 シーモニデースの記憶術の発明

(Antonius:) ... gratiam habeo Simonidi illi Ceo, quem primum ferunt artem memoriae protulisse. (352) Dicunt enim, cum cenaret Crannone in Thessalia Simonides apud Scopam fortunatum hominem et nobilem cecinissetque id carmen, quod in eum scripsisset, in quo multi ornandi causa poetarum more in Castorem scripta et Pollucem fuissent, nimis illum sordide Simonidi dixisse se dimidium eius, quod pactus esset, pro illo carmine daturum; reliquum a suis Tyndaridis, quos atque lausasset, peteret, si ei videretur. (353) paulo post esse ferunt nuntiatum Simonidi, ut prodiret; iuvenes stare ad iamuam duo quosdam, qui eum magno opere evocarent; surrexisse illum, prodisse, vidisse neminem. hoc interim spatio conclave illud, ubi epularetur Scopas, concidisse; ea ruina ipsum cum cognatis oppressum suis interisse. quos cum humare vellent sui neque possunt obtritos internoscere ullo modo, Simonides dicitur ex eo, quod meminisset quo eorum loco quisque cubuisset, demonstrator unius cuiusque sepeliendi fuisse. Hac tum re admonitus invenisse fertur ordinem esse maxime, qui memoriae lumen adferret.

(アントーニウス)……私はケオス生まれの,かのシーモニデースに感謝している,人の伝えるところでは,彼が始めて記憶術をもたらしたからである.というのも,伝えるところでは,テッサリアのクランノーンでシーモニデースが,時の人で高貴なスコパースのところで宴会をし,彼に作った歌を歌っていた時に,その歌の中では,沢山の装飾のために,詩人の流儀に従って,カストルとポッルークスにも書かれたのだが,彼スコパースは,余りに卑怯にも,シーモニデースに自分は約束された半分しか,その歌には払わないと言い,残りはかれが同じように称えた君の好きなテュンダロスの子らに,もしそうしたいなら,請求するようにと言ったそうだ.少し後に,シーモニデースに,外にでるように伝えられたということである.彼を一生懸命読んでいる,ある二人の若者が,門のところに立っていると.彼は起き上がり,出て行き,誰も見なかった.この間に,スコパースが宴会をしていたその部屋が崩れ落ちた.その崩壊により,当の本人は彼の親類ともども押しつぶされて死んだ.彼の親族が彼らを葬ろうと欲したものの,潰れて全く見分けが付かなかった時に,シーモニデースは彼らのそれぞれの寝ていた場所を覚えていたところから,それぞれの埋葬の指示をする者になったということである.その時,このことから啓発されて,彼は記憶に最も光をもたらすのは,順番であるということを発見したと言われている.


【2005/08/08 14:03】 Cicero | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー『トゥスクルム論議』5巻21(61-62) ダーモクレースの剣 (後編)

In hoc medio apparatu fulgentem gladium e lacunari saeta equina aptum demitti iussit, ut inpenderet illius beati cervicibus. Itaque nec pulchros illos ministratores aspiciebat nec plenum artis argentum nec manum porrigebat in mensam, iam ipsae defluebant coronae; denique exoravit tyrannum, ut abire liceret, quod iam beatus nollet esse. Satisne videtur declarasse Dionysius nihil esse ei beatum, cui semper aliqui terror inpendeat? ...

この贅沢三昧の最中に、王は、馬の毛を結んだぎらつく剣を、その幸福に浸っている男の首の上に差し掛かるような形で、格子天井から吊るす事を命じた。そうすると、彼はあの美しい召使いも、技を凝らした銀皿も見ず、食卓に手を延ばすこともしなくなった。もはや花冠も自然に滑り落ちてしまった。遂にはその専制君主に、もう幸福でありたくないので、帰ることを許してくれるように懇願した。ディオニューシウスは、常になんらかの恐怖が差し迫っている者には、どんな事も幸福をもたらさないということを、十分説明したように思わないだろうか。……


【2005/08/01 20:21】 Cicero | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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キケロー『トゥスクルム論議』5巻21(61-62) ダーモクレースの剣 (前編)

21 (61) Quamquam hic quidem tyrannus (sc.Dionysius) ipse iudicavit, quam esset beatus. nam cum quidam ex eius adsentatoribus, Damocles, commemoraret in sermone copias eius, opes, maiestatem dominatus, rerum abundantiam, magnificentiam aedium regiarum negaretque umquam beatiorem quemquam fuisse, 'visne igitur', inquit 'o Damocle, quoniam te haec vita delectat, ipse eam degustare et fortunam experiri meam?' Cum se ille cupere dixisset, conlocari iussit hominem in aureo lecto strato pulcherrimo textili stragulo, magnificis operibus picto, abacosque conplures ornavit argento auroque caelato. Tum ad mensam eximia forma pueros delectos iussit consistere eosque nutum illius intuentes diligenter ministrare. (62) Aderant unguenta, coronae; incendebantur odores, mensae conquisitissimis epulis exstruebantur: fortunatus sibi Damocles videbatur.

しかしながら,この専制君主(ディオニューシウス)自身は,自分がどれだけ幸福であるか,見極めていた.というのも,彼の取り巻きのうちの,あるダーモクレースという男が,話の中で,かれの軍事力,財産,支配権の大きさ,物の豊富さ,王宮の壮麗さに言及し,かつて誰も彼以上に幸福ではあり得ないと言った時,「じゃあダーモクレース,」と彼は言った,「君はこの生き方が気に入ったのだから,自分でそれを味わって,そして私の幸運を経験したくはないかな?」その男は自分はそうしたいと言ったので,彼はその男を,素晴らしい技術によって絵が縫い込まれている極めて美しい織物の敷布がひかれた黄金の寝椅子に寝かせるように命じ,幾つかの食卓に浮き彫りの凝らされた金銀の食器を置いた.そうして食卓にはとびきりの容姿の少年奴隷を侍らせ,彼らにその男の合図を見守り,懸命に奉仕するように命じた.香水に花冠もあり,香が焚かれ,食卓は選りすぐりの料理で山盛りにされていた.ダーモクレースは自分が幸福であると思っていた.


【2005/08/01 00:40】 Cicero | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) | 記事修正

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